添付一覧
○ソフトコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズ用消毒剤の製造販売承認申請に際し添付すべき資料の取扱い等について
(令和3年3月30日)
(/薬生薬審発0330第6号/薬生機審発0330第4号/)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)
(公印省略)
再使用可能なソフトコンタクトレンズ(以下「ソフトコンタクトレンズ」という。)及びソフトコンタクトレンズ用消毒剤(以下「消毒剤」という。)の製造販売承認申請に際し必要となる添付資料の取扱いについては、「ソフトコンタクトレンズ及びソフトコンタクトレンズ用消毒剤の製造(輸入)承認申請に際し添付すべき資料の取扱い等について」(平成11年3月31日付け医薬審第645号厚生省医薬安全局審査管理課長通知。以下「旧課長通知」という。)により、示しているところです。
今般、平成30年度医薬品等規制調和・評価研究事業「医療機器の規制環境と国際標準化推進支援体制の整備に関する研究」において、消毒剤処理後の生物学的安全性試験の省略条件等が提案されたこと、及び承認審査の実績等を踏まえ、下記のとおり取り扱うこととしましたので、御了知の上、貴管下関係製造販売業者等に対し周知方御配慮お願いいたします。
なお、本通知の施行に伴い、旧課長通知は廃止します。
記
1.ソフトコンタクトレンズの製造販売承認申請書の記載及び申請に際し添付すべき資料の取扱いについて
(1) ソフトコンタクトレンズの製造販売承認申請書の「使用方法」欄には、以下の事項を簡潔に記載することとし、個別の消毒剤名を記載する必要はないこと。
ア 終日装用又は連続装用の別(終日及び連続装用が可能なものにあってはその旨)
イ 連続装用の場合の最長装用期間(1週間連続等)
ウ 交換期間(2週間交換等)
エ 消毒方法(化学消毒)。煮沸消毒が可能な場合は煮沸消毒可と記載する。
(2) ソフトコンタクトレンズの承認申請に際して添付すべき資料については、「医療機器の製造販売承認申請について」(平成26年11月20日付け薬食発1120第5号厚生労働省医薬食品局長通知)別表1及び別表2に従うこと。なお、使用方法に関する資料のうち、消毒方法に関連する資料については、以下の資料を添付すること。
1) 消毒剤との適合性に関する資料
申請するソフトコンタクトレンズと共に使用する消毒剤のうち1種を選択し、以下の資料を添付すること。
① 繰り返し消毒に対しての安定性及び生物学的安全性に関する資料
消毒剤で30回繰り返し処理したソフトコンタクトレンズについての以下の評価又は試験に関する資料を提出すること。
ア 形状及び外観、直径、ベースカーブ、頂点屈折力、視感透過率等の物理化学的性質に関する試験
なお、平成27年12月18日薬生機発1218第1号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知「コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集(Q&A)について」別添(その3)にある環状着色レンズについては、処理前後でのレンズ環状着色部の外観に関する評価も行うこと。
イ 「医療機器の製造販売承認申請等に必要な生物学的安全性評価の基本的考え方についての改正について」(令和2年1月6日付け薬生機審発0106第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)に基づく評価
なお、消毒剤で30回繰り返し処理したレンズについて、下記のすべての要件を満たすことを定量的に説明できる場合には、生物学的安全性試験の資料の添付は当該説明をもって替えることができる。ただし、承認申請の前に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)医療機器審査部に相談すること。
要件1)レンズの主要構成モノマー、着色剤、紫外線吸収剤等の溶出試験結果から、それらの溶出リスクが科学的及び毒性的に許容可能であること。
要件2)消毒剤の消毒成分がレンズに過濃度吸着しないこと。
要件3)抽出可能物質全体の溶出量が消毒前のレンズと同等以下であること。
② レンズ中の消毒剤成分の残留性に関する資料
消毒剤による処理を行ったソフトコンタクトレンズ中の消毒剤成分(中和処理を行うものにあっては中和剤成分も含む。以下同じ。)の残留濃度に関する資料に加えて、繰り返し処理(中和処理を行わないものにあっては長期浸漬処理)による消毒剤成分の蓄積性及び溶出性に関する試験に関する資料を提出すること。
③ 家兎眼を用いた装用試験に関する資料
家兎を用いて消毒と装用を21日間反復する装用試験に関する資料を提出すること。
2) 煮沸消毒の適合性に関する資料
① 30回繰り返し処理したレンズについて、形状及び外観、直径、ベースカーブ、頂点屈折力、視感透過率等の物理化学的性質に関する資料
② 家兎眼を用いた装用試験に関する資料
家兎を用いて消毒と装用を21日間反復する装用試験
2.消毒剤の製造販売承認申請書の記載及び申請に際し添付すべき資料の取扱いについて
(1) 消毒剤の製造販売承認申請にあたっては、消毒剤の使用対象となるソフトコンタクトレンズについて、原材料ポリマーの含水率及びイオン性を基に、以下の4つのグループに分類すること。なお、原材料ポリマーの構成モノマーのうちイオン性を有するモノマーの重量%が0.5%を超えるものをイオン性と、0.5%以下であるものを非イオン性とする。
グループⅠ・・・含水率が50%未満で非イオン性であるもの
グループⅡ・・・含水率が50%以上で非イオン性であるもの
グループⅢ・・・含水率が50%未満でイオン性であるもの
グループⅣ・・・含水率が50%以上でイオン性であるもの
上記のうち、シリコーン素材を含有し、ISO18369―1:2017 Ophthalmic optics―Contact lenses―Part 1:Vocabulary, classification system and recommendations for labelling specificationsによる酸素透過係数が40(cm2/sec)・(mLO2/(mL×mmHg))以上で、含水率から推定される酸素透過係数よりも大きな値をもつ含水材料を含むソフトコンタクトレンズは、シリコーンハイドロゲルソフトコンタクトレンズ(以下「シリコーンハイドロゲルレンズ」という。)とする。
消毒剤の承認申請書の「効能又は効果」欄には「ソフトコンタクトレンズ(グループⅠ~グループⅣ)の消毒」と記載すること。
(2) 消毒剤の製造販売承認申請に際し添付すべき資料については、「医薬部外品等の承認申請について」(平成26年11月21日付け薬食発1121第7号厚生労働省医薬食品局長通知)に従うこと。また、以下の1)から3)に示す資料も添付すること。
なお、既に製造販売承認を受けている品目と有効成分及びその分量が同一であるが、添加剤の成分又は分量等が異なる品目については、その内容に応じ資料の添付を省略することができる。ただし、資料の省略をする場合には、当該申請に係る事項が関係文献等からみて医学薬学上公知と認められること等当該資料の添付を省略できる事由を具体的に説明した資料を添付すること。
1) ソフトコンタクトレンズとの適合性に関する資料
グループⅠ、グループⅣ及びシリコーンハイドロゲルレンズからそれぞれ1種、計3種のレンズを選択し、以下の資料を添付すること。
① 繰り返し消毒に対しての安定性及び生物学的安全性に関する資料
消毒剤で30回繰り返し処理したソフトコンタクトレンズについての以下の試験
ア 形状及び外観、直径、ベースカーブ、頂点屈折力、視感透過率等の物理化学的性質に関する試験
イ 細胞毒性、感作性、遺伝毒性の生物学的安全性試験
② レンズ中の消毒剤成分の残留性に関する資料
消毒剤による処理を行ったソフトコンタクトレンズ中の消毒剤成分(中和処理を行うものにあっては中和剤成分も含む。以下同じ。)の残留濃度及び繰り返し処理(中和処理を行わないものにあっては長期浸漬処理)による消毒剤成分の蓄積性及び溶出性に関する試験
③ 家兎眼を用いた装用試験に関する資料
家兎を用いて消毒と装用を21日間反復する装用試験
④ 消毒効果に関する資料
眼科領域で問題となるような各種細菌、真菌及びアメーバに対する効果に関する試験
2) 環状着色レンズの外観評価に関する資料
また、「コンタクトレンズの承認申請に関する質疑応答集(Q&A)(その3)」(平成27年12月18日付け薬生機発1218第1号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知)にある環状着色レンズについて、グループⅠ、グループⅣ及びシリコーンハイドロゲルレンズからそれぞれ1種、計3種の選択したレンズについて、消毒剤での30回繰り返し処理前後でのレンズ環状着色部の外観に関する評価についての資料を添付すること。
3) ヒトにおける使用成績に関する資料
グループⅠ、グループⅣ及びシリコーンハイドロゲルレンズからそれぞれ1種、計3種の選択したソフトコンタクトレンズについて、被験群は各60眼以上、対照群は各30眼以上、複数の医療機関で、観察期間は各3ヶ月以上での比較によるヒトにおける使用成績試験
3.施行時期
本通知は、令和3年4月1日から施行すること。ただし、令和3年12月28日まではなお旧課長通知に従い、ソフトコンタクトレンズ及び消毒剤の製造販売承認申請を行うことができること。