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○外用鎮痛消炎薬製造販売承認基準について

(令和3年3月26日)

(薬生発0326第5号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

(公印省略)

一般用医薬品である外用鎮痛消炎薬の製造販売承認については、別紙の「外用鎮痛消炎薬製造販売承認基準」(以下「本基準」という。)により取り扱うこととしたので、下記に留意の上、貴管内業者に対し周知徹底を図るとともに、円滑な事務処理が行われるよう特段の配慮をお願いします。

また、本基準(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第八十条第二項第五号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品の種類等(昭和45年厚生省告示第366号)の外用鎮痛消炎薬の項及び別表第二十一に規定する有効成分に係る部分に限る。)は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の9に基づく処理基準であり、令和3年7月1日以降に製造販売承認申請される品目に対し適用します。

1 本基準に基づき製造販売承認を受けようとする者は、申請書の備考欄に「一般用」、「外用鎮痛消炎薬製造販売承認基準による」と記載すること。

2 本基準の適用の日前に製造販売承認がされたものについては、本基準に照らし所要の措置をとらせること。

3 本基準の内容については、科学的知見等の集積を踏まえ、定期的に見直しが行われるものであること。

別紙

外用鎮痛消炎薬製造販売承認基準

1.外用鎮痛消炎薬の範囲

ここでいう外用鎮痛消炎薬の範囲は、筋肉・関節などの炎症・痛みに対して用いることを目的として調製された外皮に適用する薬剤(漢方処方に基づく製剤を除く。)とする。

2.基準

外用鎮痛消炎薬の基準は、次のとおり塗布剤、テープ剤及びパップ剤の剤形ごとの基準とする。塗布剤は、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤及びゲル剤とする。

なお、この基準に適合しないものにあっては、申請者に有効性、安全性及び配合理由についての資料の提出を求め、当該資料に基づき審査する。

(1) 有効成分の種類

ア) 共通事項

1) 配合できる有効成分の種類は、別表に掲げるものとする。

2) 配合しなければならない有効成分は、別表のⅠ欄1項又は2項に掲げるもののいずれか1種以上とする。

3) 別表の各欄に掲げる有効成分は、別に定める場合を除き、相互に配合することができる。ただし、各剤形において濃度が設定されている場合に限る。

4) 別表のⅤ欄に掲げる有効成分を配合する場合は、同一欄内において1種に限る。また、Ⅰ欄1項、Ⅱ欄、Ⅲ欄又はⅣ欄に掲げる有効成分を配合する場合は、同一項内において1種に限る。

イ) 塗布剤の場合

1) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシン又はピロキシカムを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄、Ⅲ欄1項、2項、3項、4項若しくは6項、Ⅳ欄2項又はⅤ欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄、Ⅲ欄2項、3項、4項若しくは6項、Ⅳ欄2項に掲げる有効成分又はⅤ欄に掲げるクロルフェニラミンマレイン酸塩以外の有効成分と同時に配合してはならない。

3) 別表のⅠ欄2項に掲げる有効成分を合計5%未満で配合する場合は、Ⅲ欄3項又はⅢ欄5項に掲げる有効成分と同時に配合しなければならない。

4) 別表のⅢ欄1項に掲げる有効成分とⅢ欄2項に掲げる有効成分を同時に配合してはならない。

ウ) テープ剤の場合

1) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄、Ⅲ欄1項、3項、4項若しくは6項、Ⅳ欄、Ⅴ欄又はⅥ欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄、Ⅲ欄2項、3項、4項若しくは6項、Ⅳ欄2項、Ⅴ欄又はⅥ欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。

3) 別表のⅢ欄1項に掲げる有効成分とⅢ欄2項に掲げる有効成分を同時に配合してはならない。

エ) パップ剤の場合

1) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄1項に掲げるグリチルリチン酸及びその塩類、2項若しくは3項、Ⅲ欄1項、3項若しくは4項又はⅤ欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクを配合する場合は、Ⅰ欄2項、Ⅱ欄、Ⅲ欄1項、3項、4項若しくは5項、Ⅳ欄又はⅤ欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。

(2) 有効成分の分量

ア) 共通事項

1) 別表に掲げる各有効成分の剤形ごとの最大濃度は同表に掲げる量とする。なお、塗布剤においては濃度、テープ剤及びパップ剤においては膏体100g中及び膏体1m2中の量とする。

2) 別表に掲げる各有効成分の最小濃度は、括弧を付した値とする。ただし、括弧内に濃度を掲げない有効成分にあっては、同表の最大濃度欄に掲げる濃度でなければならない。

イ) 塗布剤の場合

1) 別表のⅠ欄2項に掲げる有効成分をそれぞれ同時に配合する場合は、当該成分ごとの配合濃度の合計値の上限は10%とする。なお、同時に配合する場合のサリチル酸グリコールの配合濃度の下限は1.49%、サリチル酸メチルの配合濃度の下限は2%とする。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅢ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は0.012%とする。

3) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシン又はフェルビナクとⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は6%とする。

4) 別表のⅠ欄1項に掲げるピロキシカムとⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は3%とする。

5) 別表のⅠ欄1項に掲げるピロキシカムとⅣ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅳ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は1%とする。

6) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅣ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅳ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は0.5%とする。

7) 別表のⅢ欄3項に掲げる有効成分とⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、当該成分ごとの配合濃度の合計値の上限は12%とする。

8) 別表のⅢ欄4項に掲げるハッカ油とⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、ハッカ油の配合濃度に0.5を乗じて得た数値とⅢ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の合計値の上限は10%とする。

ウ) テープ剤の場合

1) 別表のⅠ欄2項に掲げる有効成分をそれぞれ同時に配合する場合は、当該成分ごとの配合濃度の合計値の上限は膏体100g中8gとする。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅢ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中0.025gとする。

3) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅢ欄2項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄2項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は原生薬換算量として膏体100g中3.75gとする。

4) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中3.5gとする。

5) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中4.2gとする。

6) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅣ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅳ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中2.3gとする。

7) 別表のⅢ欄3項に掲げる有効成分とⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、当該成分ごとの配合濃度の合計値の上限は膏体100g中11.25gとする。

8) 別表のⅢ欄4項に掲げるハッカ油とⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、ハッカ油の配合濃度に0.5を乗じて得た数値とⅢ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の合計値の上限は膏体100g中7.78gとする。

エ) パップ剤の場合

1) 別表のⅠ欄2項に掲げる有効成分をそれぞれ同時に配合する場合は、当該成分ごとの配合濃度の合計値の上限は膏体100g中2gとする。

2) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅡ欄1項に掲げるグリチルレチン酸、Ⅲ欄2項若しくは5項又はⅣ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅰ欄1項に掲げるインドメタシンの配合濃度の上限は膏体100g中0.5gとする。

3) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅢ欄2項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄2項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は原生薬換算量として膏体100g中3.75gとする。

4) 別表のⅠ欄1項に掲げるフェルビナクとⅢ欄2項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄2項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は原生薬換算量として膏体100g中1.25gとする。

5) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅲ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中0.75gとする。

6) 別表のⅠ欄1項に掲げるインドメタシンとⅣ欄1項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、Ⅳ欄1項に掲げる有効成分の配合濃度の上限は膏体100g中0.3gとする。

7) 別表のⅢ欄4項に掲げるハッカ油とⅢ欄5項に掲げる有効成分を同時に配合する場合は、ハッカ油の配合濃度に0.5を乗じて得た数値とⅢ欄5項に掲げる有効成分の配合濃度の合計値の上限は膏体100g中1.3gとする。

(3) 剤形

剤形は、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、テープ剤及びパップ剤とする。

なお、Ⅰ欄1項の有効成分を含有するテープ剤及びパップ剤1枚当たりの面積は35~280cm2の範囲で、その形状は方形とすること。また、Ⅰ欄2項の有効成分を含有するテープ剤及びパップ剤の形状は方形又は円形(楕円を含む)とすること。

(4) 用法及び用量

ア) 塗布剤の場合

用法は、1日数回の範囲内で外皮に適用するものとし、具体的な使用方法を記載するものとする。ただし、別表のⅠ欄1項に掲げる有効成分を配合する場合は、1日4回を限度とする。

イ) テープ剤及びパップ剤の場合

用法は、1日数回の範囲内で外皮に適用するものとし、具体的な使用方法を記載するものとする。ただし、別表のⅠ欄1項に掲げる有効成分を配合する場合は、1日2回を限度とする。

(5) 効能又は効果

主体とする成分毎の効能又は効果の範囲は、下表のとおりとする。

主体とする成分

効能又は効果

Ⅰ欄1項

筋肉痛、肩こりに伴う肩の痛み、腰痛、関節痛(五十肩など)、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲(うちみ)、捻挫

Ⅰ欄2項

腰痛、打撲(うちみ)、捻挫、肩こり、関節痛、筋肉痛、筋肉疲労

別表

区分

有効成分

最大濃度

塗布剤

テープ剤

パップ剤

(%)

膏体

100g中の量

(g)

膏体

1m2中の量

(g)

膏体

100g中の量

(g)

膏体

1m2中の量

(g)

Ⅰ欄

1項

インドメタシン

1

(0.75)

3.75

(2.625)

3.75

1

(0.35)

5

(3.25)

ピロキシカム

0.5

フェルビナク

3

5

(0.5)

5

(0.714)

0.7

(0.5)

5

2項

サリチル酸グリコール

10

(1.5)

8

(1.4)

10.5

(1.75)

2

(0.5)

20

(5)

サリチル酸メチル

17.5

(2)

10

(3.2)

15

(4.22)

2

(0.5)

28.58

(5)

Ⅱ欄

1項

グリチルリチン酸及びその塩類

0.2

(0.0125)

2.29

(0.14)

グリチルレチン酸

0.25

(0.02)

0.19

(0.1)

0.34

(0.16)

0.05

0.58

(0.35)

2項

ベラドンナエキス

0.2

2

(1.42)

3項

セイヨウトチノキ種子

エキス

[原生薬換算量]

3

(0.6)

34.29

(4.28)

Ⅲ欄

1項

ノナン酸バニリルアミド

0.05

(0.0015)

0.102

(0.0038)

0.151

(0.008)

0.04

(0.01)

0.4

(0.1)

2項

トウガラシ

エキス

[原生薬換算量]

5

5.625

(3.5)

11.82

(4.01)

6.25

(0.5)

62.5

(5.71)

3項

d―カンフル

6

(2)

3.75

(0.9)

5.05

(1.44)

1

(0.2)

14.29

(2)

dl―カンフル

6

(2)

3.75

(0.9)

5.05

(1.44)

1

(0.2)

14.29

(2)

4項

テレビン油

1.5

ハッカ油

1

2

(0.57)

3.25

(1.12)

1.5

(0.2)

15

(1.8)

5項

l―メントール

10

(1)

7.78

(1)

14.7

(1.48)

1.3

(0.05)

17.86

(0.57)

6項

ユーカリ油

2

(0.75)

d―ボルネオール

1

2

(1.9)

Ⅳ欄

1項

トコフェロール酢酸エステル

2

(0.1)

4.3

(0.253)

4.31

(0.48)

1

(0.1)

10

(0.71)

2項

ニコチン酸ベンジル

0.05

(0.01)

0.04

0.07

(0.06)

Ⅴ欄

クロルフェニラミンマレイン酸塩

0.1

ジフェニルイミダゾール

0.2

ジフェンヒドラミン

1

(0.5)

0.26

(0.21)

0.4

(0.33)

0.05

0.72

(0.71)

ジフェンヒドラミン塩酸塩

0.2

(0.02)

1.8

(0.2)

ジフェンヒドラミンサリチル酸塩

0.5

0.1

(0.05)

1.43

(0.5)

Ⅵ欄

酸化亜鉛

19

37.26

(30.84)

*:サリチル酸メチルと同時に配合する場合の下限量は1.49%とする。