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○「家庭用心電計プログラム」及び「家庭用心拍数モニタプログラム」の適正使用について

(令和3年1月27日)

(/薬生機審発0127第7号/薬生安発0127第4号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

(公印省略)

疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の承認申請に当たって留意すべき事項については、「疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器の承認申請に当たって留意すべき事項について」(令和2年10月26日付け薬生機審発1026第1号・薬生安発1026第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査課長・医薬安全対策課長連名通知)において、①健常者を含めた当該医療機器の使用者が、適切な受診機会を逃す可能性を一つのリスクと捉え、そのリスク低減策が必要であること、②当該医療機器の使用者が医療機関を受診した場合に、医療機関側で適切に対応するために、当該医療機器の性能、機能等の情報について、使用者だけでなく医療機関側へも提供が必要になること及び③疾病の確定診断は、医師が行うものであることについて留意すべきであるとし、その具体的な対応策として、使用者及び医療関係者への情報提供を製造販売業者に求めているところです。

今般、疾病の兆候を検出し受診を促す家庭用医療機器として、Apple Inc.が製造販売承認を得ている「Appleの心電図アプリケーション」及び「Appleの不規則な心拍の通知プログラム」の製造販売が開始されることを踏まえ、下記のとおりこれらの品目の概要等と、別紙のとおり同社が作成した適正使用のための留意点についてお知らせしますので、貴管下関係団体、関係事業者等に周知方お願いします。

なお、今後、多様なウエアラブル機器が家庭用医療機器として承認又は認証される可能性があること、今般Apple Inc.が製造販売を開始する品目も今後変更が行われる可能性があることから、各医療機器の特性や性能について十分に情報収集していただきますようお願いします。

1.品目の概要

(1) Appleの心電図アプリケーション

一般的名称:家庭用心電計プログラム(クラスⅡ)

外国製造医療機器等特例承認取得者:Apple Inc.(米国)

選任外国製造医療機器等製造販売業者:パシフィックブリッジメディカル株式会社

ユーザーが安静時にApple Watchを手首に密着させて装着し、対側の指で同機器のボタンに30秒間触れ続けることで、第Ⅰ誘導心電図に類似したシングルチャネル心電図を取得する。30秒間安定した心電図が取得できた場合のみ、心電図を解析し、洞調律又は心房細動を示唆する波形を分類して、ユーザーに通知する。ペアリングしたiPhoneに情報を転送し表示、記録、保存及びPDF化して他者へ送信することができる。

(2) Appleの不規則な心拍の通知プログラム

一般的名称:家庭用心拍数モニタプログラム(クラスⅡ)

外国製造医療機器等特例承認取得者:Apple Inc.(米国)

選任外国製造医療機器等製造販売業者:パシフィックブリッジメディカル株式会社

Apple Watchにより取得した脈拍データを解析し、「規則的な心拍」と心房細動を示唆する「不規則な心拍」を分類する。脈拍の計測開始はユーザーの指示によらず概ね2時間毎に自律的に開始され、安静時の連続した10拍の脈拍を取得した場合のみ脈拍情報を解析し、連続した5回の計測で「不規則な心拍」と分類された場合のみユーザーに通知する。

2.留意点

(1) Appleの心電図アプリケーション

① 本品は、心房細動の兆候(心房細動を示唆する波形)の検出を補助的に行うものであり、従来の医師による診断に代わるものではない。通知結果は1つの参考指標であり、実際の病態と異なる可能性がある。

② 従来のホルター心電計や12誘導心電計等とは異なるため、不整脈と診断されたことがある患者のフォローアップや確定診断等に使用し、医学的判断の根拠として使用することは意図しておらず、医学的判断の根拠として使用できることの検証はされていない。

③ 本品は、心房細動以外の不整脈の徴候の検出はできない。また、心房細動を示唆する波形の検出を行う心拍数範囲は50~120bpmと限定されているため、50bpm未満及び120bpmを超える範囲は検出できず、常時モニタリングもしない。

④ 本品は、虚血性心疾患を含む心臓発作の徴候やその他の心臓疾患を検出することはできない。

(2) Appleの不規則な心拍の通知プログラム

① 本品は、心房細動の兆候(心房細動を示唆する「不規則な心拍」)の検出を補助的に行うものであり、従来の医師による診断に代わるものではない。通知結果は1つの参考指標であり、実際の病態と異なる可能性がある。

② 従来のホルター心電計や12誘導心電計等とは異なるため、不整脈と診断されたことがある患者のフォローアップや確定診断等に使用し、医学的判断の根拠として使用することは意図しておらず、医学的判断の根拠として使用できることの検証はされていない。

③ 本品は、心房細動以外の不整脈の徴候の検出はできない。また、虚血性心疾患やその他の心臓疾患を検出することもできない。

④ 本品は、心房細動を示唆する「不規則な心拍」を常時監視するものではないため、この機能を常時モニタとして使用することはできない。よって測定結果が心房細動でない場合であっても、使用者が心房細動を有していないことは意味せず、また測定するタイミングによっては心房細動が検出されず、通知が発信されないこともある。心房細動の陽性的中率は63.6%である。

[別紙]

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