○治験副作用等症例の定期報告に係る留意事項について
(令和2年8月31日)
(薬生薬審発0831第14号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)
(公印省略)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「規則」という。)第273条第4項に規定する治験使用薬等に係る副作用又は感染症によるものと疑われる症例等(以下「副作用等症例」という。)の報告(以下「定期報告」という。)については、「薬物に係る治験に関する副作用等の報告に係る薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行等に関する留意事項について」(平成20年10月1日付け薬食審査発第1001005号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知。以下「平成20年課長通知」という。)及び「薬事法施行規則等の一部を改正する省令の施行に関する留意事項について」(平成24年12月28日付け薬食審査発1228第11号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知。以下「定期報告旧課長通知」という。)により留意事項を示してきたところです。
今般、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和2年厚生労働省令第155号)の施行に伴い、次のとおり定めましたので、御了知の上、貴管下関係業者に対し周知方御配慮お願いいたします。これに伴い、平成20年課長通知及び定期報告旧課長通知は廃止いたします。
なお、ICH E2Fガイドラインに基づく定期報告は、あくまでも、被験薬に係る包括的な安全性情報を1年ごとに得るための報告であって、新たな安全性情報を提供する手段として使用するものではないことに御留意願います。
記
1.規則第273条第4項について
治験の依頼をした者(以下「治験依頼者」という。)が実施する規則第273条第4項の規定に基づく定期報告については、1年ごとの集積報告(以下「年次報告」という。)を求めているところであるが、その様式等は、以下の(1)から(11)によること。なお、自ら治験を実施した者(自ら治験を実施した者が既に製造販売の承認を与えられている医薬品に係る治験を行った場合又は既に当該被験薬について治験依頼者が治験を行っている場合を除く。)については、「治験依頼者」を「自ら治験を実施した者」と読み替えること。
(1) 様式について
年次報告は、次のアからウにより提出すること。
なお、被験薬以外の治験使用薬については、被験薬ごとにまとめて年次報告を行うこと。また、被験薬以外の治験使用薬については、下記ウは要しない。
ア 治験安全性最新報告概要(別紙様式1)
イ 国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)
ウ 治験安全性最新報告(以下「DSUR」という。)
(2) 治験安全性最新報告概要(別紙様式1)について
記載方法の詳細については、別添の1.によること。
(3) 国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)について
記載方法の詳細については、別添の2.によること。
(4) DSURについて
DSURを作成する際には、「治験安全性最新報告について」(平成24年12月28日付け薬食審査発1228第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)に準拠し、別添の3.を参照すること。なお、英文で記載する場合、邦文の添付は要しないこと。ただし、邦文を添付することも差し支えないこと。
(5) 報告起算日について
報告起算日は、原則として次によることとするが、合理的な理由があり、次に掲げる日以外の起算日の設定を考慮する場合には、事前に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)審査マネジメント部審査企画課に相談すること。
ア 年次報告の調査単位期間は、原則として、本邦又は外国で初めて当該被験薬の治験の計画が届出又は認可された日(以下「開発国際誕生日」という。)の月日を毎年の起算日とする。開発国際誕生日が本邦において初めて当該被験薬の治験の計画の届出がなされた日以外の場合は、当該治験の計画の届出後、直近の調査単位期間に合わせて作成された報告書をもって初回報告を行うこと。当該被験薬が、本邦又は外国で製造又は販売が認められた場合、調査単位期間の起算日を、本邦又は外国において初めて製造又は販売が認められた日(以下「国際誕生日」という。)の月日に合わせることができる。
なお、治験の計画の届出を要しない場合には、治験実施計画書に記載されている実施期間の開始日を起算日とすること。
イ 被験薬以外の治験使用薬については、被験薬の調査単位期間に併せて報告を行うこと。被験薬の調査単位期間中に被験薬以外の治験使用薬が新たに追加された場合には直近の年次報告に含めて、報告を開始すること。
(6) 報告義務期間について
ア 被験薬に係る報告義務期間は、当該被験薬について、初めて届書を提出した日から、承認を取得するまで又は開発中止届書を提出するまでのいずれかの期間とする。なお、治験計画届書の提出を要しない場合は、当該被験薬の治験実施計画書に記載している実施期間の開始日から、承認を取得するまで又は開発を中止する旨を機構審査マネジメント部審査企画課に書面(様式自由)により申し出るまでのいずれかの期間とする。
イ 被験薬以外の治験使用薬に係る報告義務期間は、当該治験使用薬を用いる治験に係る届書を提出した日から、当該治験に係る治験終了届書を提出するまで、当該治験における被験薬が承認を取得するまで又は当該被験薬の開発中止届書を提出するまでのいずれかの期間とする。なお、治験計画届書の提出を要しない場合は、当該治験使用薬を用いる治験実施計画書に記載している実施期間の開始日から、終了日まで、当該治験における被験薬が承認を取得するまで又は当該被験薬の開発を中止する旨を機構審査マネジメント部審査企画課に書面(様式自由)により申し出るまでのいずれかの期間とする。
(7) 報告時期について
年次報告は、調査単位期間ごとに、その期間の満了した日から2月以内に報告すること。報告期限日がPMDA営業外日に当たる場合は、その翌営業日が報告期限日となる。承認取得又は開発中止届提出後の最後の定期報告は、承認の取得若しくは開発中止届書の提出の日から2月以内に、上記(1)のア及びイにより報告すること。なお、2月が60日に満たない場合には、60日以内に報告すること。
なお、被験薬以外の治験使用薬について、被験薬の報告義務期間終了前に報告義務期間が終了した場合には、直近の起算日から報告義務期間終了日までの情報を次回の被験薬の年次報告に含めて報告を行うこと。
(8) 開発を長期間中断する場合等について
ア 治験依頼者は、開発が長期間中断されることが予想される場合、又は承認申請中において専門協議後の照会事項の回答作成に長期間要することが予想される場合であって、開発が再開されるまで、又は照会事項の回答を提出するまでの期間、年次報告を留保する場合には、「「E2B(R3)実装ガイドに対応した市販後副作用等報告及び治験副作用等報告について」の一部改正について」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第12号・薬生安発0831第3号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長・医薬安全対策課長通知。以下「二課長通知」という。)の8.(3)ウ.(イ)②に基づき、「治験薬副作用・感染症症例報告留保申出書」(以下「留保申出書」という。)をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。
自ら治験を実施した者は、開発が長期間中断されることが予想される場合、開発が再開されるまでの期間、年次報告を留保する場合には、「自ら治験を実施した者による治験副作用等報告について」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第13号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知。以下「医師主導治験副作用報告通知」という。)の2.(2)アに基づき、留保申出書をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。
なお、年次報告を留保している期間中も、安全性情報の収集に努め、開発が再開されるときには、当該情報を治験薬概要書及び治験実施計画書又は承認申請資料概要へ反映させること。
イ 治験依頼者は、開発の再開に伴い副作用等症例の年次報告を再開する場合には、二課長通知の別添の8.(3)ウ.(ウ)に基づき「治験薬副作用・感染症症例報告留保解除申出書」(以下「留保解除申出書」という。)をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。
自ら治験を実施する者は、開発の再開に伴い副作用等症例の年次報告を再開する場合には医師主導治験副作用報告通知の2.(2)イに基づき、留保解除申出書をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。
なお、二課長通知の別添の8.(3)ウ.(ウ)③、医師主導治験副作用報告通知2.(2)イ3)については、当該年次報告の情報を踏まえたものであること。
また、二課長通知の別添の8.(3)ウ.(ウ)②、医師主導治験副作用報告通知2.(2)イ2)については、上記(1)のアからウによるものとすること。
(9) 複数の開発がなされている場合について
年次報告は、原則として、一有効成分ごとに行うこと。また、複数の被験薬を併用する場合には、その被験薬の有効成分ごとに行うこと。
なお、同一の有効成分について別の治験成分記号を用いて治験を実施する場合であって、治験成分記号ごとに年次報告を行うことが適当と考えられるときは、事前にPMDA審査マネジメント部審査企画課に相談すること。
(10) 共同開発がなされている場合について
医薬品の開発を複数の者が共同で行っている場合には、可能な限り一の年次報告を作成し、代表する者が、共同開発する者との連名のものを提出すること。
なお、一の年次報告を作成することができないときには、その理由を別紙様式1の備考欄に記載し、共同開発する者ごとに提出すること。自ら治験を実施する者が多施設共同治験を実施する場合も同様である。
(11) 提出部数及び提出先について
ア 提出部数
① CD―R又はDVD―R(以下「電子媒体」という。)で提出する場合
1.(1)アからウをPDF形式で保存した電子媒体1部、1.(1)アの紙資料1部
② 紙資料で提出する場合
1.(1)アからウの紙資料2部
イ 提出先
PMDA審査マネジメント部審査企画課に、直接、持参又は郵送すること。
2.本通知の適用時期について
本通知は、令和2年9月1日から適用すること。ただし、「治験の依頼をしようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取扱いについて」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第10号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)、「自ら治験を実施しようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取扱いについて」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第11号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)に基づき従前の例により治験の計画の届出を提出したものについては、被験薬以外の治験使用薬に関する対応は要しないこと。
3.その他
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)第20条第2項に規定に基づく治験依頼者から治験責任医師及び実施医療機関の長への通知については、調査単位期間の満了後3月以内に治験安全性最新報告概要(別紙様式1)及び国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)を、別添の参考様式「治験安全性情報の年次報告」に添付して通知すればよいこと。
この場合において、国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)は、原則、被験薬に関するもののみ通知すればよく、治験責任医師及び実施医療機関の長が治験安全性最新報告概要(別紙様式1)を確認し、いずれかが被験薬以外の治験使用薬に関するものを必要とする場合に限り当該治験使用薬の国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)を通知すること。
(別添)
年次報告作成上の留意点
1.治験安全性最新報告概要(別紙様式1)の作成について
以下、(1)から(14)については被験薬の情報を記載すること。
(1) 「治験成分記号」欄には、治験依頼者で定めた治験成分記号(アルファベット及び数字の組み合わせで計20桁以内)を記載すること。同一有効成分について、複数の治験成分記号が存在する場合にはこれらを列記すること。
(2) 「成分名」欄には、一般名(JAN又はINN)を記載(英名及び日本名)すること。一般名が決まっていない場合には、空欄とすること。
(3) 「販売名」欄には、我が国において既に製造販売の承認を受けている医薬品の承認事項一部変更を目的とする治験(以下「一変治験」という。)にあっては、当該医薬品の販売名を記載すること。一変治験でない場合には、空欄とすること。
(4) 「分量及び剤形」欄には、剤形当たりの有効成分の含量が分かるように記載すること。
(5) 「初回届出年月日」欄には、同一成分記号に係る初回の治験計画届書を届け出た年月日を記載すること。同一有効成分について、複数の治験成分記号が存在する場合にはそれぞれの初回の治験計画届書を届け出た年月日が分かるよう記載すること。
(6) 「開発国際誕生日」欄には、開発国際誕生日(年月日)を記載すること。
(7) 「国際誕生日」欄には、国際誕生日(年月日)を記載すること。国際誕生日がない場合には、空欄とすること。
(8) 「承認年月日」欄には、一変治験にあっては、当該医薬品が我が国で初めて承認された年月日を記載すること。一変治験でない場合には、空欄とすること。
(9) 「報告回数」欄には、当該概要の通算の提出回数を記載すること。
(10) 「予定される効能又は効果」欄には、当該被験薬の予定される効能又は効果の全てを記載すること。
(11) 「予定される用法及び用量」欄には、当該被験薬の予定される用法及び用量の全てを記載すること。
(12) 「調査単位期間」欄には、当該概要における、重篤副作用等症例を集積した期間を記載すること。
(13) 「開発の相」欄には、当該定期報告に含まれる治験の開発相を記載すること。また、同一の有効成分について複数の治験を実施している場合には、治験ごとに開発相を記載すること。なお、同一有効成分について、異なる治験成分記号を用いて治験を行っている場合はこれが分かるよう記載すること。
開発相は、当該被験薬の開発段階について、「臨床試験の一般指針について」(平成10年4月21日付け医薬審第380号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)に準じて、第Ⅰ相、第Ⅱ相等と記載すること。なお、生物学的同等性試験については、その旨記載すること。
(14) 「主要先進国における承認状況」欄には、米英独仏又はEUにおいて承認を取得している場合には、それぞれの承認国名・承認年等を記載すること
(15) 「被験薬以外の治験使用薬情報」欄には、当該調査期間に実施中又は終了した治験において使用された治験使用薬について、治験届に記載の一般的名称を列記すること。なお、被験薬を複数使用する治験内で使用する被験薬以外の治験使用薬については、いずれかの被験薬とまとめて報告することで差し支えない。
また、当該治験における当該治験使用薬の使用用途(対照薬、併用薬、レスキュー薬等)についても、可能であれば本欄に記載すること。
(16) 「重篤副作用等症例発現状況」欄には、「別添のとおり」と記載の上、国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)を添付すること。
また、別紙様式2の副作用等症例の集積方法(ブラインド症例の取扱いなど)について明記すること。
(17) 「重篤副作用及びその他の安全性情報の集積評価(非臨床試験データ、外国臨床試験データ及び市販後データ等)を踏まえた見解及び安全対策」欄には、当該調査単位期間中に、主に国内で実施された治験及び外国臨床試験で集積した重篤副作用等症例並びに国際開発誕生日から累積された重篤副作用等症例の集積評価、治験実施上重要な非臨床試験からの知見、被験薬が我が国又は外国で販売されている場合には治験に重要な影響を及ぼす可能性のある市販後の安全性情報等の治験依頼者の見解等を記載すること。記載に当たっては、被験薬については、DSURの内容(特に、エグゼクティブサマリー)を基本とし、国内における状況、治験依頼者の見解等を追加して記載すること。被験薬以外の治験使用薬については、収集した情報等を基に治験依頼者の見解等を記載すること。
なお、記載事項のすべてを記載できない場合には、当該欄に「別紙のとおり」と記載し、別紙を添付して差し支えないこと。
治験依頼者の意見は、以下の内容を含むものであること。
ア 当該調査単位期間中の個別副作用等症例を踏まえ、治験依頼者が新たに講じた安全確保措置の内容及び今後の安全対策についても記載すること。
イ 当該調査単位期間中に、治験依頼者が新たに講じた重要な安全確保措置に基づき、治験の被験者に交付する説明文書の改訂、治験実施計画書の改訂、使用上の注意の改訂、承認申請の資料概要(使用上の注意案等)の改訂などの措置を行ったか、又は今後行う予定があるか、その理由を含めて記載すること。
ウ 外国情報の場合は、外国における治験依頼者の対応と日本の治験依頼者の対応の別が分かるように記載すること。
エ 当該調査単位期間中に得られた、治験実施上、重要と考えられる新たな副作用等症例の有無について記載すること。
オ 直近の調査単位期間までに得られた当該被験薬の安全性情報に照らし、治験実施上、重要な変更点の有無(因果関係、発現状況、転帰など)について記載すること。
カ 投与経路、剤形、患者背景(小児、高齢者など)、投与量・投与期間、原疾患との関係等を踏まえて評価し、その概要を記載すること。
(18) 「備考」欄について
ア 担当者の氏名及び連絡先を記載すること。
イ 報告起算日を変更した場合には、変更理由を記載すること。
ウ 承認又は開発中止により、当該年次報告が最終報告となる場合には、承認日又は開発中止年月日を記載すること。
エ 最終報告においては、主要先進国で実施中の臨床試験の有無について記載すること。
オ 年次報告を留保した場合であって、留保を解除し年次報告を再開するときは、開発の再開後最初の報告に、留保解除申出書をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出した年月日を記載すること。
カ 被験薬を複数使用する治験内で使用する被験薬以外の治験使用薬について、当該被験薬ではなく、別の被験薬の年次報告とまとめて報告する場合には、いずれの被験薬とまとめて報告するのかを記載すること。
キ その他特記事項があれば記載すること。
2.国内重篤副作用等症例の発現状況一覧(別紙様式2)について
治験使用薬ごとに作成すること。なお、被験薬以外の治験使用薬については、当該調査期間中に実施中又は終了した治験について作成することとして差し支えない。
(1) 我が国において初めて当該被験薬の治験の計画の届出がなされた日以降に、国内で実施された治験から報告された重篤な副作用等症例を記載すること。「備考」欄には、必要に応じ、これら一覧表への掲載対象を記載すること(例:当該被験薬が既に承認されてから数年以上販売されており、既承認の適応症に係る治験からの重篤副作用等症例の件数等を一覧表から除外している。)。
(2) 「治験使用薬の記号・名称等」欄には被験薬については治験成分記号、被験薬以外の治験使用薬については一般的名称及び区分情報を記載すること。
(3) 「副作用等症例の種類」欄には、ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J)に基づき、器官別大分類ごとに、適切な基本語を選択して記載すること。なお、MedDRA/Jは、当該調査単位期間中は同一のバージョンを使用すること。
(4) 「副作用等症例の種類別件数」欄には、副作用等症例の種類ごとに、器官別大分類の集計は症例数で行い、基本語の集計は件数で行うこと。同一症例の中で複数の副作用等症例が発現している場合には、報告対象となる副作用等症例をそれぞれ1件として計算すること。
(5) 累積被験者概数には、当該治験使用薬に係る国内で実施中の治験の登録被験者数と終了した治験の被験者数の合計を記載すること。ただし、被験薬以外の治験使用薬については、累積被験者概数に当該調査期間中に実施中又は終了した治験の登録被験者数を記載することとして差し支えない。
3.DSURの作成について
(1) 安全性参照情報
安全性参照情報は治験薬概要書とするが、外国の治験依頼者が作成するDSURを提出に用いる場合等、安全性参照情報として使用される治験薬概要書が国内で実施される治験で使用されているものと異なることがある。DSURの安全性参照情報が国内で使用されている治験薬概要書と異なる場合(例:国内外で開発中の剤形・適応症等の違いにより、治験薬概要書の治験責任医師へのガイダンス等で注意喚起される内容に相違がある場合など。)は、これを治験安全性最新報告概要又はその別紙に記載すること。
(2) 調査対象期間中に継続又は終了した臨床試験の状況
原則として治験依頼者が実施した臨床試験の状況を記載すること。他の治験依頼者が実施した臨床試験の情報を知り得た場合は、必要に応じ「8.調査対象期間中に臨床試験で見られた重大な知見」に記載すること。
(3) 推定累積使用者数
原則として治験依頼者が実施する臨床試験の推定累積使用者数を掲載すること。開発国際誕生日等からの推定累積使用者数の算出が困難な場合(例:当該被験薬が承認されてから数年以上販売されている場合など。)は、どのような方法で算出した数を提示しているか、又は欠落したデータの概要等を記載すること。
(4) ラインリスト及びサマリーテーブルのデータ
外国の治験依頼者等が作成するDSURにおいて、特定の有害事象の取扱いが外国と国内で異なる場合(例:治験実施計画書で特別な収集及び安全性データベース登録の対象外とされている有害事象、有効性評価項目に相当する有害事象の取扱いなど。)、ラインリストやサマリーテーブルへの有害事象の掲載基準が異なることがある。この場合、国内で別途情報収集した中で特に懸念すべき安全性情報が認められたときは、これを治験安全性最新報告概要に記載すること。
(5) 文献
文献等に基づく新たな重大な安全性情報については、研究報告、措置報告と共にその元となった文献、学会抄録等の写しを添付することとされているが、PMDAにDSURを提出する場合にあっては、既にPMDAに提出された文献・学会抄録等の写しの添付は不要であること。
(6) その他
治験依頼者が報告の項目に記載すべき情報を何らかの理由で入手することが困難な場合(例:自ら治験を実施する者は、治験の実施に影響する被験薬の品質上の問題、外国における市販後自発報告、研究報告、非臨床試験データ等についての情報は入手が困難な場合がある。)、その旨をDSURに記載すること。
(別紙様式1)
(別紙様式2)
(参考様式)