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○自ら治験を実施した者による治験副作用等報告について

(令和2年8月31日)

(薬生薬審発0831第13号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)

(公印省略)

自ら治験を実施した者による治験副作用等報告の取扱いについては、「治験副作用等報告に関する報告上の留意点等について」(平成18年4月26日付け薬食審査発第0426001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知。以下「留意点通知」という。)及び「自ら治験を実施した者による治験副作用等報告について」(平成25年7月1日付け薬食審査発0701第21号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知。以下「医師主導治験報告要領通知」という。)等により通知しているところです。

今般、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和2年厚生労働省令第155号)の施行に伴い、その取扱いについて、医師主導治験報告要領通知の別添を別添のとおり改正いたしましたので、貴管下関係業者、医療機関等に対して周知いただきますよう御配慮願います。

なお、本通知の施行に伴い、令和4年9月1日以降、留意点通知は廃止します。

1.報告対象

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「規則」という。)第279条において準用する規則第273条第1項第1号、同項第2号、第2項第1号並びに同項第2号イ及びロに該当するものについて報告すること。

ただし、以下の場合はその限りではない。

(1) 自ら治験を実施する者は、治験副作用等報告、外国措置報告及び研究報告について、当該報告に係る情報を知った時点で、既に治験薬提供者等によって規制当局へ報告されている場合又は報告予定日の連絡を受けるなど法令で定められた期間内に規制当局へ報告される予定であることが確認できた場合は、重複する報告を省略して差し支えないこと。その場合、両者の間で適切に情報を共有するとともに、あらかじめ治験届の備考欄に「「自ら治験を実施した者による治験副作用等報告について」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第13号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)の1.(1)に該当するものについて、その報告を省略する。」と記載すること。ただし、自ら治験を実施する者が実施した治験において発生した副作用等については、規制当局へ報告する必要があることに留意すること。なお、この注意事項は、治験使用薬に係る副作用等情報を実施医療機関の長に通知するよう、自ら治験を実施する者に義務付けている医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(平成9年厚生省令第28号)第26条の6第2項の規定に何ら影響を及ぼすものでないことに留意すること。

2.報告義務期間

(1) 被験薬

自ら治験を実施した者が行う被験薬の治験副作用等報告の報告義務期間は、原則、当該被験薬について、初めて届書を提出した日から、治験終了届書又は治験中止届書若しくは開発中止届書を提出するまでのいずれかの期間とする。なお、治験計画届書の提出を要しない場合は、当該被験薬の治験実施計画書に記載している実施期間の開始日から、終了日又は開発を中止する旨をPMDA審査マネジメント部審査企画課に書面(様式自由)により申し出るまでのいずれかの期間とする。ただし、以下の場合を適用する。

ア 自ら治験を実施した者が行う治験がすべて終了し、治験終了届書又は治験中止届書を提出した後、当該成分における承認申請が引き続き行われる場合は、治験薬提供者(承認申請者を含む)が承認を取得するまであるいは開発中止届書を提出するまで、治験薬提供者(承認申請者を含む)が当該治験に係る治験副作用等報告を行うこととする。

イ 自ら治験を実施した者が行う治験がすべて終了し、治験終了届書又は治験中止届書を提出した後、同一成分による治験を引き続き行う場合は、次に提出する治験計画届書を届け出るまでの期間は、緊急報告を留保することができる。この場合において、留保期間中に収集した副作用・感染症症例等の報告は、緊急報告の対象とはしない。ただし、次に提出する治験計画届書の治験実施計画書や治験薬概要書等に留保期間中に収集した情報を反映させること。

(2) 被験薬以外の治験使用薬

自ら治験を実施した者が行う被験薬以外の治験使用薬の治験副作用等報告の報告義務期間は、当該治験使用薬を用いる治験に係る届書を提出した日から、当該治験に係る治験終了届書を提出するまで、当該治験における被験薬の承認取得まで、又は当該被験薬の開発中止届書の提出までのいずれかの期間とする。なお、治験計画届書の提出を要しない場合は、当該治験使用薬を用いる治験実施計画書に記載している実施期間の開始日から、終了日まで、当該治験における被験薬の承認取得まで又は当該被験薬の開発を中止する旨を機構審査マネジメント部審査企画課に書面(様式自由)により申し出るまでのいずれか期間とする。

(3) 開発を長期間中断する場合等の定期報告の取扱いについて

開発を長期間中断することが予想される場合は、その旨をPMDA審査マネジメント部審査企画課に書面により申し出て、開発が再開されるまでの間は定期報告を留保することができる。なお、留保している期間中にあっても安全性情報の収集に努め、開発再開時に当該情報を治験薬概要書等及び治験実施計画書へ反映させる。また、開発の再開に伴い定期報告を再開する際には必要な書類をPMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。

ア 留保申出書類

以下の内容を記載した文書を作成し、PMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること。

1) 標題は「治験薬副作用・感染症症例報告留保申出書」とする。

2) 治験成分記号を記載し、一般的名称も括弧書きする。

3) 治験計画届書の届出回数及び治験計画初回届出年月日を記載する。

4) 予定される効能又は効果を記載する。

5) 中断する治験の開発相を記載する。

6) 「報告を留保する理由」を具体的に記載する。

7) 「今後とも副作用等に係る情報収集に努める」、「開発を再開する場合には、開発を中断していた時期に収集した副作用等について報告する」及び「開発を再開する場合は事前にPMDA審査マネジメント部審査企画課に連絡する」旨等を記載する。

8) 担当者名及び連絡先を記載する。

9) 宛先は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長」とする。

イ 開発の再開時提出書類

開発を再開する場合には、留保を解除し、定期報告を再開すること。その際には以下の内容を記載した文書を作成し、PMDA審査マネジメント部審査企画課に提出すること

1) 標題は「治験薬副作用・感染症症例報告留保解除申出書」とし、留保した理由、留保期間及び留保を解除する理由を記載すること

2) 「治験副作用等症例の定期報告に係る留意事項について」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第14号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)の別紙様式1、別紙様式2及び治験安全性最新報告(DSUR)を提出すること。

3) 留保期間中に収集した情報に基づいて作成された治験薬概要書等又は治験実施計画書の改訂部分又は対応部分

3.予測性の判断基準等

治験副作用等報告においては、以下に基づき予測性を判断すること。

ア 被験薬については最新の治験薬概要書に記載されている有害事象から判断する。ただし、自ら治験を実施しようとする者が、治験薬提供者から治験薬概要書を入手出来ない場合は、自ら治験を実施しようとする者が当該被験薬を治験に用いるにあたり被験薬の安全性を担保出来ると考える場合に限り、当該被験薬の治験薬概要書に代わり、当該被験薬の最新の科学的知見を記載した文書(添付文書、インタビューフォーム、学術論文等)に基づき判断することで差し支えない。また、被験薬以外の治験使用薬については最新の科学的知見を記載した文書に基づき判断する。

イ 「予測できる」とする時点は、最新の治験薬概要書若しくは最新の科学的知見を記載した文書の作成日若しくは改訂日、又は連絡文書の作成日とする。したがって、連絡文書により医療機関へ通知された有害事象は、最新の治験薬概要書又は最新の科学的知見を記載した文書が改訂されていなくとも「予測できる」ものとする。

ウ 最新の治験薬概要書又は最新の科学的知見を記載した文書に記載されていても、発生数、発生頻度等の発生傾向が記載内容と一致しないものは「予測できない」ものとする。

4.因果関係

治験副作用等報告においては、因果関係について以下のとおり取り扱うものとする。

ア 担当医等及び自ら治験を実施した者の両者が因果関係を否定するもの以外は、報告対象となる。

イ 外国症例であって、患者又は患者の家族等の医療従事者以外からの情報に基づくものについては、自ら治験を実施した者が因果関係を否定できると判断したものは報告対象としない。

5.報告期限

報告期限の設定にあたっては、自ら治験を実施した者の情報入手日を0日として報告期限日を設定し、報告期限日がPMDA営業外日に当たる場合は、その翌営業日を報告期限日とすること。

外国における情報の場合は、第一次情報源の国(現地)での現地時間(年月日)ではなく、国内において当該情報を入手した日を情報入手日として報告期限を設定すること。

6.追加報告の該当性

ア 因果関係等の評価に影響のある情報を追加入手した場合及び当該副作用等に関連する臨床検査値等を入手した場合は、追加報告を行うこと。

イ 長期投与試験等で同一症例において、かなりの期間を経過して異種の副作用・感染症が発現した場合には別の報告とするが、連続性が考えられる場合は追加報告とすること。

ウ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「薬機法」という。)に基づく副作用等報告の必要があるものとして行った報告について、その後の追加情報により、既報告が副作用等報告の必要がなかったことが判明した場合についてもその旨報告することとする(いわゆる「取下げ報告」)。なお、一旦「取下げ報告」を行った症例について、その後の情報により再度報告対象となった場合は、第一報として報告する。

7.特殊な報告対象の取扱い

(1) 対象疾患の悪化等の場合の取扱い

ア 致死的又はその他何らかの重篤な転帰を有効性の評価指標とする治験においては、重篤な有害事象のうち、対象疾患の悪化等との鑑別が医学的に困難な有害事象については、データモニタリング委員会が設置されている場合に限り、疾患に関連する事象として取り扱い、通常の緊急報告の対象とはしない事象として、緊急報告対象外とする。ただし、そのような重篤な転帰に至るリスクを治験使用薬が高める可能性があるとデータモニタリング委員会が集積されたデータに基づき判断した場合には、速やかに報告すること。

イ 治験計画届書を提出する際に以下の内容を含む文書を提出すること。なお、これらの事項について治験実施計画書等に記載されている場合には、新たに文書を作成する必要はない。

1) 当該被験薬の概要(予定される効能又は効果、作用機序、国内及び外国における開発状況等)

2) 対象となる治験計画の概要(国内で実施する治験の場合は、届出回数、届出日又は届出予定日も記載する。)

3) 疾患に関連する事象として取り扱う事象の範囲及び設定範囲の根拠

4) 外国の規制当局と同様の取決めをしている場合には、その内容

5) データモニタリング委員会の役割等

(2) 医療目的以外で使用された麻薬等による副作用の取扱い

ア 薬物乱用等の医療目的以外で麻薬等が使用され発現した副作用については、通常の緊急報告の対象とはしない事象としてあらかじめ自ら治験を実施した者とPMDA審査マネジメント部審査企画課との間で取り決めたものに限り、報告対象外とする。ただし、国内未承認成分や予測できない事象が発生した場合は除く。

イ 取決めに関する提出書類として下記の内容を記載した文書を作成し、PMDA審査マネジメント部審査企画課に連絡する。

1) 当該被験薬の概要(予定される効能又は効果、作用機序、国内及び外国における開発状況等)

2) 対象となる治験計画の概要(国内で実施する治験の場合は、届出回数、届出日又は届出予定日も記載する。)

3) 薬物乱用等の医療目的以外で使用されている状況及び副作用の発現状況等に関する資料

4) 緊急報告の対象外として取り扱う事象の範囲及び設定範囲の根拠

5) 外国の規制当局と同様の取決めをしている場合には、その内容

8.盲検下にある症例の取扱い

(1) 割付けをしない、あるいは盲検解除までに日数のかかる場合

ア やむを得ず当該被験者の割付け情報を直ちに明らかにできない場合には、盲検下でも当該副作用等の発現に関する第一報を、盲検解除を行えない理由と共に報告する。盲検解除を行えない理由は「報告者の意見」欄に記載すること。なお、盲検下にて報告する場合には、「治験成分記号」欄には治験計画届書に記載の主たる被験薬の治験成分記号を記載すること。「医薬品販売名」欄及び「活性物質の一般名」欄には、被疑薬と想定される治験使用薬全ての情報を記載すること。盲検下の治験使用薬は治験成分記号やコード等の前に「B_」を入力して報告すること。

イ 盲検解除後に得られた情報に基づき、「B_」を削除して追加報告を行うこと。なお、盲検解除後に得られた情報から被疑薬がプラセボであると判明し、報告対象の被疑薬がなくなった場合には、取下げ報告を行うこと。

ウ 治験責任医師は治験使用薬提供者等に情報の提供を行い、治験使用薬提供者等は「市販後副作用等報告」として当該副作用等症例を報告する。なお、治験使用薬の副作用等報告をもって被験薬の「予測できる」副作用とはしない。

(2) 盲検下にある症例で、第一報報告時に被験薬以外の治験使用薬であることがすでに判明している場合(国内治験症例のみ)

治験責任医師は「治験副作用等報告」として報告した上で、治験使用薬提供者等に情報の提供を行うこと。

9.承認事項の一部変更を目的とする治験における取扱いについて

ア 既に国内で承認されている医薬品であって、かつ承認事項の一部変更等の申請のための治験を実施中又は当該薬物に係る治験をすべて終了し、承認事項の一部変更等を申請準備中若しくは申請中の場合において、治験又は申請の内容に影響を及ぼすと考えられる措置等が国内で市販されている同一成分の医薬品に対してなされた場合、直ちに、外国措置報告を報告期限内に報告すること。この場合、「外国における措置の概要」欄の「その他」を選択すること。

イ 既に国内で承認されている医薬品であって、かつ承認事項の一部変更を目的として当該医薬品を被験薬とする治験を実施する場合、該当する自ら治験を実施しようとする者は、薬機法第80条の2第2項等に基づく治験計画届書、治験計画変更届書、治験中止届書、治験終了届書の届出の際に、届書の備考欄に、当該治験が承認事項の一部変更を目的とするものであることが明確に分かるように記載するとともに、当該被験薬の承認番号を記載すること。

10.即時報告(治験副作用等報告)の取扱い

治験の中止を必要とする緊急事態にあっては、事前にPMDA審査マネジメント部審査企画課へ電話連絡した上で第一報をメール等により報告を行うこと。その場合、当該メール等の受信日を報告日とみなすが、後日正式な報告を行うこと。

メール等による報告に当たっては、現在入手している情報を「独立行政法人医薬品医療機器総合機構に対する治験副作用等報告について」(令和2年8月31日付け薬生発0831第8号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知。以下「局長通知」という。)別紙様式の該当項目に記載すること。メールで報告を行う場合は、件名及びファイル名を「即時報告(治験副作用等報告)_主たる被験薬の治験成分記号_報告者名」とし、tiken-toiawase@pmda.go.jp宛に送信すること。FAXで報告を行う場合は、局長通知別紙様式第7、第9及び第11に「即時報告/審査マネジメント部審査企画課宛」と明記し、03―3506―9443にFAX送信すること。なお、メール等による即時報告(治験副作用等報告)についてはPMDAへの報告回数に含めないこと。

11.報告分類

報告分類については以下のとおりとする。

H=国内感染症症例報告

I=国内副作用症例報告

J=外国感染症症例報告

K=外国副作用症例報告

L=感染症研究報告

M=研究報告

N=外国における製造等の中止、回収、廃棄等の措置報告

12.報告方法について

ア 自ら治験を実施した者は、局長通知別紙様式第7から別紙様式第12までを用いた書類により報告を行うこと。なお、それらの作成にあたっては、別添を参考にすること。

イ 報告は症例ごとに行う。また、複数の被験薬を併用する場合であって、それぞれが被疑薬の場合も、全ての被疑薬の報告を一括して1つの報告書により行うこと。

その他、国内既承認の治験使用薬等についての報告は、市販後の副作用等報告時と同様の再審査コードによって報告すること。

ウ 一の実施計画書に基づき共同で複数の実施医療機関において治験を行っており、届出代表者が代表して報告を行う場合には、届出代表者である一治験責任医師のみが報告書を作成し、提出することで差し支えない。また、連名で届出を行っており、別々に届書を提出している場合には、各治験責任医師がそれぞれ報告すること。ただし、PMDAに報告書を持参する者は、代表の者でも差し支えない。

エ 提出方法としては、PMDAにおける窓口における提出、郵送等による提出がある。

13.受付時間、提出資料等について

(1) 受付時間

PMDAにおいては、原則、平日の午前9時30分より午後5時45分まで受付を行う。なお、受付の整理及び整理票の返信等の業務をより早く報告者へ返送するために、午後5時をもって窓口を閉めることとしており、自ら治験を実施した者が午後5時以降に報告書等を持ち込む必要がある場合には、事前にPMDA審査マネジメント部審査企画課に連絡すること。

受付日については、PMDAにおける受領日を受付日とする。なお、PMDAにおける受付日は報告期限内である必要がある。

(2) 報告書類及び添付資料の提出部数及び提出方法等について

ア 提出部数

1) 局長通知で示した別紙様式は正本及び副本各1部提出すること。副本は正本の写しでよい。

2) 関連する文献等、報告に関する添付資料については、報告書と同時に2部提出すること。

3) 別紙「治験副作用等報告整理票」及び切手を貼付した返信用封筒をそれぞれ1部同時に提出すること。また、返信用封筒の裏面にはPMDAの住所及び名称をあらかじめ記載願いたい。

イ 提出の留意点

1) 報告書の記載にあたっては、以下の点に留意されたい。

① 紙の大きさは、日本産業規格A4とすること。

② 字は、墨、インク等を用い、楷書ではっきりと書くこと。

2) 郵送提出の際には封筒に「(自)治験副作用等報告」を赤字で記載すること。

3) PMDAは、「治験副作用等報告整理票」の「受付番号」欄に報告書ごとに受付番号を付与して返送する。この受付番号は第二報目以降の報告の際に記載が必要となるので、自ら治験を実施した者において、適切に管理すること。また、報告書持参日又は郵送した場合のPMDA到着日を含め5日以内に(土日祝日を除く)、「治験副作用等報告整理票」の返送がない場合は、PMDA審査マネジメント部審査企画課に問い合わせ願いたい。

14.適用時期

本通知は、令和2年9月1日から適用する。ただし、「自ら治験を実施しようとする者による薬物に係る治験の計画の届出等に関する取扱いについて」(令和2年8月31日付け薬生薬審発0831第11号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)に基づき従前の例により治験の計画の届出を提出したものについては、従前の例により治験副作用等報告を行うこと。

別添

報告様式の入力に係る事項

1 報告者とは、薬機法第80条の2第6項に規定する自ら治験を実施した者をいう。

2 担当医等とは、国内の症例については、治験計画における治験責任医師(当該治験責任医師が報告者となる場合を除く。)、治験分担医師又は主治医等である者をいう。外国情報においては、医師、薬剤師、弁護士、消費者等を指す。

3 局長通知における別紙様式の太枠内の各記載欄に該当事項を複数頁にわたらないように記載すること。記載欄に記載事項のすべてを記載することができない場合は、例えば、同じ用紙を繰り返し用いるか又はその欄に「別紙( )のとおり」と記載し、別紙を添付すること。なお、別紙様式第7、別紙様式第9及び別紙様式第11の「機構記入欄」、別紙様式第8(一)、別紙様式第10及び別紙様式第12の「機構処理欄」には記入しないこと。

4 外国で発生した症例の報告のうち、既に承認されている医薬品と同一成分であって、承認事項の一部変更等のための治験を実施中又は承認事項の一部変更等を申請中のものに係る報告(感染症報告を除く。)については、CIOMS報告様式、米国のMedWatch報告様式、その他症例の内容、経過が確認できる英語で記載された資料が添付される場合には、局長通知別紙様式第8の提出を原則不要とする。ただし、この場合であっても局長通知別紙様式第8(二)の「報告者の意見」欄及び「今後の対応」欄並びに「その他参考事項等」欄は記載し提出すること。

5 別紙様式第7、別紙様式第9及び別紙様式第11の年月日は西暦で、別紙様式第8、別紙様式第10及び別紙様式第12における年月日の記載は元号又は西暦のいずれを用いてもよい。

6 副作用・感染症名等については、ICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J:Medical Dictionary for Regulatory Activities/J)(以下「日本語版MedDRA」という。)に対応する用語を記載することができる。日本語版MedDRA収載用語の選択は、医学的判断から最も適切な用語を選択すること。また、日本語版MedDRA収載用語を記載した場合は、日本語版MedDRAのバージョン番号を「Version」欄に記載すること。

別紙様式第7 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」

1 報告の標題

(1) 副作用・感染症の別

当該報告が副作用又は感染症のいずれか該当するものに○を付すか、該当するものを表記すること。

2 受付番号欄

(1) 報告分類の記号・受付番号

本項目には、報告分類の記号及び受付番号を記載すること。なお、各報告における取下げ報告については、報告分類の記号・受付番号と合わせて「取下」と記載する。

ア 報告分類の記号

当該報告の報告分類を「H:国内感染症症例報告(治験)」、「I:国内副作用症例報告(治験)」、「J:外国感染症症例報告(治験)」、「K:外国副作用症例報告(治験)」、「L:感染症研究報告(治験)」、「M:副作用研究報告(治験)」、「N:外国における製造等の中止、回収、廃棄等の措置報告(治験)」の中から選択し、該当する報告分類の記号(英文字)を記載すること。

イ 受付番号

第一報を報告する際は空欄とすること。第二報以降は第一報の受付が完了した際、PMDAから返送された「治験副作用等報告整理票」の受付番号欄に記載された受付番号を記載すること。

(2) 機構報告回数

同一症例でPMDAに追加報告を行った場合の報告回数を記載し、第一報を1報目と起算した数を記載すること。メール等で提出した即時報告(治験副作用等報告)による報告は回数には含めないこと。なお、追加報告は、同一症例で、第一報の報告後に入手した情報により、当該追加情報を報告する必要が生じた場合に行うこと。

(3) 第一報入手日

規則第273条第1項及び第2項各号に掲げる事項に関わらず、以下に示した情報を知った日を記載すること。また、外国における情報については、第一次情報源の国(現地)での現地時間(年月日)ではなく、国内において当該情報を入手した時間を用いること。

ア 患者を識別できる情報(イニシャル、年齢(XX歳代、子供、小児、中年、高齢等)、性別等のいずれか)

イ 情報源(臨床試験、自発報告等)

ウ 副作用・感染症名

なお、第一次情報源とは、当該情報を最初に報告した人物(医師、歯科医師、薬剤師、消費者等)又は当該人物からの報告、文献等である。

第一報入手日(情報源から最初に報告を入手した日)と報告者が報告すべき情報を知った日が異なる場合、別紙様式第8(一)から(五)「治験薬副作用・感染症症例票」の「20 その他参考事項等(累積報告件数・使用上の注意記載状況等)」にその旨を記載すること。

(4) 本報告の最新情報入手日

当該報告を行うに至った情報の入手日を記載すること。

(5) 緊急報告の規準を満たすか

ア 規則第273条第1項及び第2項に規定される期限内であることについて7日又は15日報告のいずれか該当するものに○を付すか、7日又は15日の報告のいずれかを表記すること。なお、副作用・感染症名が複数あり、その報告期限がそれぞれ異なる場合、短い方を報告期限とすること。

イ 追加情報により報告期限(7日報告、15日報告)が変更された場合は、最新の情報(当該追加報告の情報)による報告期限を記載し、別紙様式第7の「備考」欄に報告期限が変更された旨を記載すること。なお、追加報告で先に報告した副作用・感染症がすべて報告対象でないことが判明した場合は、空欄とすること。

3 治験成分欄

(1) 治験成分記号

治験成分記号は、治験計画届書に記載している治験成分記号を記載すること。治験計画届書を提出していない場合には、治験実施計画書に記載している開発コードを記載すること。なお、複数の治験使用薬を使用する治験においては、届書上の主たる被験薬の治験成分記号を記載すること。

(2) 一般的名称

ア 一般的な名称が定められている場合は、その名称を記載すること。また、この場合は、JAN(Japanese Accepted Names for Pharmaceuticals:日本医薬品一般名称)を優先して記載すること。JANは決まっていないが、INN(International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances:医薬品国際一般名称)等の名称が決まっている場合は、当該名称を半角英数字で記載しても差し支えない。

イ 未承認の治験使用薬の場合で、一般的名称が定まっていない場合は、治験成分記号を記載すること。なお、一般的名称が未定又は定められていない場合は、別紙様式第8(二)の「報告者等の意見」欄に当該成分、製剤等の特徴や薬効等を簡単に記載すること。

ウ 配合剤の場合は、薬効成分の一般的名称を記載すること。

エ 報告対象の被疑薬が複数ある場合については、それらを列記すること。

オ 二重盲検による報告のうち開鍵されていない場合は、盲検状態の被験薬と対照薬の一般的名称の前に「B_」をつけて報告を行うこと。開鍵し、どちらかが判明した場合は「B_」及び投与していなかった治験使用薬に関する情報を削除して追加報告を行うこと。

4 副作用・感染症報告の概要欄

(1) 情報源

ア 発現国

発現国は当該副作用・感染症が発現した国名を記載すること。外国情報の場合の国名は、当該副作用・感染症が発生した国名を記載すること。例えば、患者の外国旅行中に副作用・感染症が認められたが、帰国後に医療専門家によって報告された場合、本項目には副作用・感染症が認められた国名を記載すること。医療専門家が報告した国名ではないので注意されたい。外国情報で発現国が不明の場合は「不明」と記載すること。

イ 報告の種類

報告の種類は、「自発報告」、「試験からの報告」、「その他」及び「報告者に情報が得られず(不明)」の中から選択し記載すること。自ら治験を実施した者が行う治験からの報告は、「試験からの報告」を選択すること。

(2) 当該症例

ア 性別

「男性」又は「女性」のいずれか該当するものを記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

イ 年齢

報告中に複数の副作用・感染症がある場合は、報告対象の副作用・感染症のうち最初に発現した副作用・感染症の発現時の年齢を記載すること。外国情報で正確な年齢が確認できない場合には、「10歳未満」、「60歳代」、「小児」又は「高齢者」等の記載をしても差し支えない。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。なお、出産前に奇形等の副作用・感染症発現が認められた場合は、本項目には副作用・感染症発現時の妊娠期間を記載すること。

ウ 疾患名

疾患名は、治験使用薬(外国情報にあっては、治験使用薬と成分が同一性を有すると認められるものを含む。)の使用対象となった原疾患名又は使用理由を記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

(3) 副作用・感染症名

ア 担当医等が報告した副作用・感染症のうち、薬機法に基づく報告の対象となる副作用・感染症名のみをすべて記載すること。

また、担当医等が報告した副作用・感染症のうち、薬機法に基づく報告の対象とならない副作用・感染症名は、上記の薬機法に基づく報告の対象となる副作用・感染症名と併せて別紙様式第8(二)の「その他参考事項等」欄に記載すること。

イ 外国情報の副作用・感染症名については、副作用用語集や医学辞典等で適切な和名が見つからない場合は、無理な和訳を行わず、原語のまま記載するか、当該和訳の後に括弧書きで原語を記載すること。

ウ 本報告において使用される医薬品副作用用語については、日本語版MedDRAに収載されている医薬品副作用等用語を使用することができる。この場合、基本語(PT用語)で差し支えない。また、使用においては、使用したバージョン番号を「Version」欄に記載すること。

エ 追加報告で副作用・感染症名が変更(追加及び削除を含む。)された場合は、最新の情報(当該追加報告の情報)での副作用・感染症名を記載する。また、別紙様式第7の「備考」欄の「追加報告の具体的な内容」にその旨が分かるように記載すること。なお、変更(削除を含む。)された場合は元の副作用・感染症名も分かるように、また追加された場合は追加された副作用・感染症名が分かるように記載すること。

(4) 重篤性・転帰

ア 重篤性

本項目には、症例の重篤性について記載すること。

(ア) 「1:死に至るもの」、「2:生命を脅かすもの」、「3:治療のための入院又は入院期間の延長が必要であるもの」、「4:永続的又は顕著な障害・機能不全に陥るもの(報告者の意見による)」、「5:先天異常を来すもの」及び「6:その他の医学的に重要な状態」の中から選択し記載すること。

(イ) 副作用・感染症名が複数あり、その重篤性がそれぞれ異なる場合、該当するすべての重篤性を記載する(複数選択可能)。個々の副作用・感染症名と重篤性の対応については、別紙様式第8(一)の「副作用・感染症の発現状況、症状及び処置等の経過」欄あるいは別紙様式第8(二)の「担当医等の意見」欄及び「報告者の意見」欄において分かるように記載すること。

(ウ) 重篤性の評価が担当医等と報告者で異なる場合は、重篤性を重く評価している方の内容を記載すること。評価の相違については、別紙様式第8(二)の「担当医等の意見」及び「報告者の意見」欄において分かるように記載すること。

(エ) 薬機法で規定された副作用・感染症の重篤の定義と平成7年3月20日薬審第227号厚生省薬務局審査課長通知の重篤の定義の関係を参考として別表1に示す。

イ 転帰

(ア) 発現した副作用・感染症の転帰を「回復」、「軽快」、「未回復」、「回復したが後遺症あり」、「死亡」及び「不明」の中から選択し記載すること。

(イ) 「死亡」とは担当医等が副作用・感染症と死亡との関連がある又は否定できないと考えている場合を指し、原疾患の悪化等により死亡した場合は該当しない。

(ウ) 「回復したが後遺症あり」とは担当医等が副作用・感染症に起因して日常生活に支障をきたす程度の機能不全が起きたと判断した場合を指し、その症状を別紙様式第8(一)の「副作用・感染症の発現状況、症状及び処置等の経過」欄に具体的に記載すること。

(エ) 複数の副作用・感染症があり、その転帰が異なる場合には、個別の転帰を別紙様式第8(一)の「副作用・感染症の発現状況、症状及び処置等の経過」欄に記載すること。報告対象となった副作用・感染症の転帰は優先順位の高い順に、死亡>不明>未回復>回復したが後遺症あり>軽快>回復であり、本欄には転帰のうち、優先順位が一番高いものを記載すること。

5 国内治験薬欄

(1) 未承認/既承認

ア 新医薬品等の状況区分

被験薬と同一成分の国内承認状況を「未承認」、「一変治験中」からいずれか該当するものを記載すること。被験薬が複数ある場合においては主たる被験薬の情報を記載すること。なお、本項目の「一変治験中」とは、既に承認されている医薬品と同一成分であって、投与経路の変更、効能追加、剤形追加等のための治験を実施中又は当該被験薬に係る治験をすべて終了し、承認事項の一部変更等の申請準備中もしくは申請中のものを示す。

イ 医薬品販売名

上記アで「一変治験中」を選択した場合、国内で承認されている医薬品の販売名を記載する。被験薬が複数ある場合においては主たる被験薬の情報を記載すること。

含量違い、剤形違い等の複数の製剤がある場合には、含量、剤形名を除いた名称を記載することで差し支えない。(例えば、○○○25mg錠、○○○50mg錠、○○○細粒がある場合は、○○○を記載すること。)なお、未承認の場合は、空欄とする。

(2) 治験の概要

治験実施期間内にある有効成分が同一であるすべての被験薬の治験について、治験ごとに対象疾患、開発相及び投薬中の症例の有無を記載すること。被験薬が複数ある場合においては主たる被験薬の情報を記載すること。治験が終了し、申請準備中又は申請中の場合や治験実施期間外であっても直近の治験の概要を記載すること。なお、治験計画届書の提出を要しない場合は、治験実施計画書に記載されている内容を記載すること。

ア 対象疾患

治験ごとに、治験計画届書に記載されている対象疾患及び薬効分類番号(3桁)並びに剤形を記載すること。治験計画届書を提出していない場合には、治験実施計画書に記載している対象疾患及び薬効分類番号並びに剤形を記載すること。同一の治験実施計画書で複数の疾患を対象とする場合は、カンマで区切って記載すること。

イ 開発相

治験計画届書に記載されている開発相を「第Ⅰ相」、「第Ⅱ相」、「第Ⅲ相」、「生物学的同等性試験」、「臨床薬理試験」、「申請準備中」、「申請中」及び「その他」の中から選択する。「その他」とは、相と相の間あるいは該当する場合がないことを示す。

ウ 投薬中の症例の有無

現に投薬中の被験者がいる場合は「有」を、投薬中の被験者がいない場合は「無」の中から選択すること。

【記載例】

治験の概要

対象疾患

開発相

投薬中の症例の有無

○○○・217・注射剤

第Ⅲ相

△△△,◎◎◎・214・錠剤

申請中

□□□・強心剤・錠剤

生物学的同等性試験

6 添付書類欄

(1) 第一次情報源から資料を入手している場合に、その資料(例:関連する文献、Company Core Data Sheet(CCDS)、画像(X線等)、心電図、診療記録、病院の診療録、剖検報告等)を記載すること。

(2) 添付書類がある場合にはその資料名を記載すること。

(3) CIOMS報告様式やMedWatch報告様式、その他医療機関に報告された安全性情報等は原則として添付資料とする必要はない。ただし、必要に応じて提示又は提出を求める場合がある。

7 備考欄

次に掲げる事項のうち、該当するものを記載すること。

(1) バッチ/ロット番号

被疑薬のうち特定生物由来製品等について記載すること。

(2) 報告者の管理番号

報告者が管理している症例管理番号を記載すること。報告者において症例管理番号がない場合は、空欄でも差し支えない。

(3) 本報告と関連する報告の受付番号

本項目は併せて評価することが妥当な報告や症例を特定するために該当する報告の受付番号がある場合に記載することが望ましい。

親子両方に副作用・感染症が起こった親子の症例(以下「親子報告」という。)、共通の曝露を受けた兄弟姉妹の症例、同じ患者に関わる複数の報告(同一症例で共同で実施している他の報告者による報告)、同一報告者からの類似の複数報告(集団)等が該当する。

(4) 取下げ報告の場合の取下げ理由

当該報告が報告対象でないことが判明した場合は、取り下げる旨を記載し、その理由を具体的に記載すること。

(5) 追加報告の具体的な内容

第一報の報告後に得られた情報により、追加報告を行う場合は、追加又は変更箇所を具体的に記載すること。

(6) 薬剤提供者の氏名

薬剤提供者の氏名(法人にあってはその名称及び代表者の氏名)を邦文で記載すること。薬剤提供者が外国製造業者である場合は、外国製造業者の氏名(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名)を邦文及び英文で記載すること。

(7) 一の実施計画書に基づき共同で複数の実施医療機関で治験を行っている場合のその実施施設の治験責任医師の氏名及び所属を記載すること。

(8) 報告者の連絡先

報告者の電話番号及びメールアドレス等を記載すること。報告者以外に連絡担当者がある場合は、担当者氏名、所属、電話番号及びメールアドレス等を記載すること。なお、連絡担当者は本報告の内容を十分把握している者の氏名(複数記載可能)を記載すること。

別紙様式第8(一)から(五) 「治験使用薬副作用・感染症症例票」

1 副作用・感染症の別

当該報告が副作用又は感染症のいずれか該当するものに○を付すか、該当するものを記載すること。

2 受付番号、報告回数、一般的名称、新医薬品等の区分、最新情報入手日、第一報入手日、緊急報告の規準、性別及び年齢の記載にあたっては、「別紙様式第7 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」」を参照すること。

3 関連報告番号

親子報告等について、報告者が必要と考える場合にその関連する症例の受付番号を記載すること。記載にあたっては、「別紙様式第7 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」」の項を参照すること。

4 重篤性

ア 担当医等から副作用・感染症報告書に記載された(情報提供された)重篤性の評価内容に基づき、報告者の責任において判断する。

なお、担当医等が重篤と判断した症例はすべて「重篤」な症例に該当するが、担当医等が重篤でないと判断した症例であっても報告者が重篤と判断した症例は「重篤」な症例に該当する。

イ 「1:死に至るもの」、「2:生命を脅かすもの」、「3:治療のための入院又は入院期間の延長が必要であるもの」、「4:永続的又は顕著な障害・機能不全に陥るもの(報告者の意見による)」、「5:先天異常を来すもの」及び「6:その他の医学的に重要な状態」の中から選択し該当するものに○を付す。重複しても差し支えない。各選択肢の内容は、「別紙様式第7 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」」の「4 副作用・感染症報告の概要欄」の「(4)重篤性・転帰」の「ア 重篤性」の項を参照すること。

5 医学的確認

外国情報で最初の報告が医療専門家からのものでない場合(例えば、弁護士、消費者、その他の非医療専門家である場合)、その症例は医学的に確認されたかどうかを記載すること。確認された場合は「有」、確認されていない場合は「無」、不明の場合は「不明」のいずれか該当するものに○を付す。医療専門家からの報告である場合は、本項目に○を付す必要はない。なお、自ら治験を実施した者が行う治験における報告では、本項目は記載する必要はない。

6 発現国(情報源)

発現国については、「別紙様式第7 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」」の「3 副作用・感染症報告の概要欄」の「(1)情報源」の「ア ①発現国」の項を参照すること。情報源については、例えば、患者の外国旅行中に副作用・感染症が認められたが、帰国後に医療専門家によって報告された場合、情報源は、その医療専門家が報告した国名を記載すること。なお、外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

7 患者略名

ローマ字(半角)でイニシャルを記載すること。なお、原則としてローマ字の後にピリオド(半角)「.」をつけること。外国症例の場合、基本的に送信されたイニシャルをそのまま使用して差し支えない。

8 身長、体重

(1) 身長

小数点以下は四捨五入すること。

(2) 体重

副作用等発現時の体重を記載し、小数点以下は四捨五入すること。ただし、小児等の場合には小数点を含めた6桁で記載して差し支えない。なお、外国症例の場合、基本的に入手した情報をそのまま使用しても差し支えない。

9 過去の副作用歴

過去に投与された医薬品に関する副作用・感染症名を記載すること。併用薬と他の被疑薬に関する情報は別紙様式第8(二)の「治験使用薬及び医薬品の情報」欄に記載すること。該当がない場合は「なし」と記載すること。また、外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。なお、各副作用・感染症の発現状況等については、別紙様式第8(三)の「関連する過去の医薬品使用歴」欄に記載すること。

10 原疾患・合併症・既往歴

被験者のアレルギー性疾患、慢性腎炎、腎不全、肝硬変症等の既往歴等について、原則として第一次情報源から報告されたすべての原疾患、合併症、既往歴を記載すること。症例を適切に理解するために必要な疾病、妊娠等の状況、手術処置、精神外傷(psychological trauma)等の情報についても記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。なお、当該原疾患・合併症・既往歴の治療歴等に関する情報については、別紙様式第8(三)の「関連する治療歴及び随伴状態」欄に記載すること。

11 死亡日

副作用・感染症によるか否かに関係なく、被験者が死亡した場合に「死亡」に至った日(年・月・日)を記載すること。また、年のみ又は年・月のみわかっている場合は、わかっている範囲まで記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

12 報告された死因(死亡の場合)

被験者が死亡した場合にその死因を記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

13 曝露時の妊娠期間

最も早い曝露時の妊娠期間を記載すること。曝露時の妊娠期間は、日、週、月、三半期(Trimester)の数値と単位で示す。該当しない場合は空欄とすることで差し支えない。

14 治験使用薬及び医薬品の情報

(1) 本項目における全般的な注意事項は以下のとおり。

ア 担当医等が被疑薬と認めた治験使用薬及びその他の医薬品(麻酔薬、輸血等を含む。)並びに被疑薬の使用期間中に使用されたその他の治験使用薬及びその他の医薬品について記載すること。

イ 副作用・感染症の種類、発現時期等により副作用・感染症の評価の上から必要と思われる場合は、被疑薬投与期間前後の使用医薬品名(麻酔薬、輸血等を含む。)についても記載することが望ましい。

ウ 輸血の場合、全血、成分輸血、保存血、新鮮血等の情報が得られている場合にはその詳細を記載すること。

エ 記載順について、報告分類H、Iの場合は、被疑薬、被疑薬以外の医薬品の順に記載すること。その上で、被疑薬が複数ある場合には、被験薬、被験薬以外の治験使用薬、その他の医薬品の順に記載し、かつ、同じ位置付けの医薬品が複数ある場合には、投与開始日が早い医薬品の順に記載すること。報告分類J、Kの場合は、原則として、上記の順に記載すること。

被疑薬以外については、被験薬、被験薬以外の治験使用薬、その他の医薬品の順は問わないが、原則として投与開始日が早いものから順に記載すること。

オ 治験実施計画書に規定されているレスキュー薬以外の副作用・感染症の治療に使用した医薬品は記載しないこと。

カ 外国症例の場合等で企業名が特定できない場合は、記載を省略しても差し支えない。

キ 感染症報告の場合には、当該治験使用薬及び医薬品のロット番号を治験使用薬及び医薬品名の下に記載すること。

(2) 治験使用薬名及び販売名

ア 国内で承認されている医薬品の販売名を記載すること。

イ 未承認の治験使用薬の場合は、治験成分記号を記載すること。

ウ 外国情報で報告対象の治験使用薬以外のものは、海外販売名を半角英数字で記載すること。

エ 外国情報で併用薬等の販売名が特定できない場合は「UNKNOWNDRUG」と記載すること。

オ 二重盲検による報告のうち開鍵されていない場合は、販売名の前に「B_」を記載し、実薬であると判明した場合は「B_」を削除して追加報告を行うこと。

【記載例】B_○○○(治験成分記号)

(3) 一般的名称

ア 一般的な名称が定められている場合は、その名称を記載すること。また、この場合は、JAN(Japanese Accepted Names for Pharmaceuticals:日本医薬品一般名称)を優先して記載すること。JANは決まっていないが、INN(International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances:医薬品国際一般名称)等の名称が決まっている場合は、当該名称を半角英数字で記載しても差し支えない。

イ 未承認の治験使用薬の場合で、一般的名称が定まっていない場合は、治験成分記号を記載すること。

ウ 配合剤の場合は、薬効成分の一般的名称を記載すること。

エ 外国情報で併用薬等の一般的名称及び薬効群ともに不明の場合は「UNKNOWNDRUG」と記載すること。

オ 一般的名称が未定又は定められていない場合は、別紙様式第8(二)の「報告者の意見」欄に当該成分、製剤等の特徴や薬効等を簡単に記載する。

カ 二重盲検による報告のうち開鍵されていない場合は、一般的名称の前に「B_」を記載すること。

キ 二重盲検による試験からの報告であって、盲検解除前で被疑薬がいずれの医薬品か特定されていない場合には、被疑薬と想定される治験使用薬を全て記載すること。また、盲検解除後に得られた情報に基づき、追加報告を行うこと。

なお、盲検解除後に得られた情報から被疑薬がプラセボであると判明し、報告対象の被疑薬がなくなった場合には、取下げ報告を行うこと。

(4) 被疑薬

すべての治験使用薬において、担当医等が判断した医薬品の副作用・感染症への関与における位置付けを「1:被疑薬」、「2:併用薬」、「3:相互作用」、「4:非投与」の中から選択し、半角数字を記載すること。ただし、少なくとも一つの被疑薬を含むこと。

(5) 新医薬品等の状況区分

被験薬又は被験薬と同一成分については、国内承認状況を「3(=未承認)」又は「4(=一変治験中)」のいずれかを選択し記載すること。「一変治験中」とは、既に承認されている医薬品と同一成分であって、投与経路の変更、効能追加、剤形追加等のための治験を実施中又は当該被験薬に係る治験をすべて終了し、承認事項の一部変更等の申請準備中もしくは申請中のものを示す。

被験薬以外の治験使用薬については、「8=国内既承認(被験薬除く)」又は「9=国内未承認(被験薬除く)」のいずれかを選択し記載すること。

(6) 経路

別表2の分類に準じて記入記号を記載し、分類にない場合は、具体的に記載すること。

親子報告において、子及び胎児の報告では、子及び胎児に与えられた医薬品の投与経路を記載すること。通常は母乳経由のような間接的曝露であるが、子に投与された他の医薬品については、通常の投与経路を含むこともある。また、親の報告の場合では、親の投与経路を記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

(7) 剤形

正確な剤形名を別表3で示した剤形コードに従って記載すること。

(8) 投与量(投与量/回、回数)

「投与量/回」欄には1回の投与量及びその単位、「回数」欄には1日の分割投与回数、投与間隔単位数及び投与間隔の定義を記載すること。外国情報で1回の投与量が不明であるが、1日投与量が分かる場合には、1日投与量を記載すること。投与量が表現できない場合(適量、頓服、1回のみ服用等)は、記載できる範囲内で記載すること。

(9) 投与期間(開始日、終了日)

ア 投与開始日と投与終了日を記載すること。なお、投与が継続されていれば「終了日」欄に「継続」と記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

イ 投与開始日と投与終了日が不明で投与期間が分かっている場合には、「終了日」欄に「(○日間)」と投与期間を記載すること。この場合、医薬品の投与の総期間を記載し、間歇投与期間もこれに含まれる。

(10) 治験使用薬及び医薬品の使用理由

ア 使用理由のうち原疾患には下線を付し、合併症は括弧で囲むこと。

イ 原疾患及び合併症に対する治療薬剤がない場合には、本欄の一番下にそれぞれ下線を付して記載すること。

ウ 同一医薬品に複数の使用理由がある場合は、複数記載すること。この場合、主な使用理由は一番最初に記載すること。

エ 外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

15 副作用・感染症

報告対象の個々の副作用・感染症ごとに発現状況や転帰等について記載すること。

(1) 重要性

第一次情報源が判断する重要性及び重篤性において、以下に示す分類番号を記載すること。また、「重篤」の判断は規則第273条第1項及び第2項に従い、第一次情報源が判断する。不明の場合は「不明」と記載すること。

1=第一次情報源により重要とされたが、非重篤

2=第一次情報源により重要とされず、非重篤

3=第一次情報源により重要とされ、重篤

4=第一次情報源により重要とされなかったが、重篤

(2) 副作用・有害事象名

報告対象である副作用・感染症名を記載すること。各副作用・感染症名に対応する日本語版MedDRA収載用語に対応できる場合は、「MedDRA―PT(基本語)」欄及び「MedDRA―LLT(下層語)」欄に記載し、それぞれのコードを括弧内に記載することができる。また、MedDRA用語を用いた場合は、担当医等が報告した副作用・感染症名を括弧書きで「MedDRA―PT(基本語)」欄に記載すること。

(3) 持続期間

本項目は通常、副作用・感染症の発現日あるいは終了から計算される。しかし、発現日あるいは終了日と持続時間の両方ともに有用となる場合もあるため、(例:アナフィラキシーや不整脈のような短期間の副作用・感染症の場合)、持続時間を「日」より小さな単位(時間、分、秒)で記載できる場合に記載すること。発現日及び終了日ともに正確な日付が記載されている場合は、必ずしも記載する必要はない。

(4) 発現日

報告対象の副作用・感染症の発現日を記載すること。正確な日付が記載できない場合は、分かっている範囲で記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

(5) 終了日

報告対象の副作用・感染症の回復日又は軽快日を記載すること。正確な日付が記載できない場合は、分かっている範囲で記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

(6) 投与開始から発現までの時間間隔及び最終投与から発現までの時間間隔

投与開始から副作用・感染症が発現するまでの時間間隔、あるいは最終投与から副作用・感染症が発現した場合に最終投与から発現するまでの時間間隔を記載すること。投与開始日あるいは最終投与日と発現日の両方が分かっているが、副作用・感染症の発現した間隔が非常に短い状況(例:アナフィラキシーのように数分間隔の場合)や曖昧な日付しか分からないが時間間隔についてはより多くの情報が得られている場合に記載することができる。外国情報で不明又は情報がない場合は「不明」と記載すること。なお、被疑薬継続投与中に副作用・感染症が発現した場合は、「最終投与から発現までの時間間隔」欄の記載は不要である。

(7) 転帰

「回復」、「軽快」、「未回復」、「死亡」、「回復したが後遺症あり」を記載すること。なお、不明の場合は、「不明」と記載すること。

不可逆性の先天異常の場合は、「未回復」を記載すること。「死亡」とは第一次情報源や治験責任医師である報告者が副作用・感染症と死亡との関連がある又は否定できないと考えている場合を指す。死亡が第一次情報源及び治験責任医師である報告者の両方によって副作用・感染症と関連がないとされる場合は、本項目で「死亡」を選択しないこと。

(8) 副作用・感染症の発現状況、症状及び処置等の経過

ア 副作用・感染症の症状発現前から転帰の確認までの経過を経時的に全体像が把握できる程度に簡潔に記載すること。なお、副作用・感染症の評価の上から必要と思われる場合には、治験使用薬投与前の被験者の状態についても記載すること。

イ 副作用・感染症に対する治療等も簡潔に記載すること。

ウ 評価上必要と考えられる併用薬、併用療法(放射線療法、輸血、手術、麻酔、透析療法、理学的療法、食事療法、カテーテル留置等)等があれば、併せて記載すること。

エ 死亡例において、剖検されている場合には剖検所見を記載すること。

16 担当医等の意見

当該副作用・感染症についての診断、因果関係の評価又は関連があると考えられるその他の問題についての担当医等の意見を記載すること。外国情報等で担当医以外の者の意見である場合、誰の意見であるかを記載すること。外国情報で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。

17 報告者の意見

(1) 報告者として因果関係の見解を医学的考察を付して記載すること。

また、第一次情報源による診断に対する異議や別の判断を記述することもできる。

(2) 重篤性の評価が担当医等と報告者で異なる場合は、その内容を記載すること。

(3) 治験使用薬の一般的名称がない場合は、当該成分、製剤等の薬効(作用機序)及び特徴を簡単に記載すること。

(4) 外国情報の場合は、外国企業の意見ではなく、報告者としての意見を記載すること。なお、外国情報の場合で、外国企業の意見と日本の報告者の意見を本項目に記載する場合は、それぞれの意見を区別して記載すること。

18 今後の対応

(1) 当該副作用・感染症等に対する報告者の評価に基づく処置と今後の対応について記載すること。

(2) 医療機関への報告(実施医療機関内及び一の治験実施計画書に基づき共同で行っている他の医療機関への報告)、同意説明文書の改訂、治験実施計画書の改訂、使用上の注意の改訂、承認申請の資料概要(使用上の注意案等)の改訂等の処置を行ったか又は今後行う予定があるかを記載すること。医療機関への報告については、その手段(連絡文書の送付、改訂治験薬概要書の提供、電話連絡等)を併せて記載すること。

(3) 外国情報の場合は、外国企業の対応ではなく、報告者の対応を記載すること。

19 報告者による診断名/症候群及び/又は副作用/有害事象の再分類

第一次情報源により報告された副作用・感染症を報告者が徴候と症状を関連づけて再考し、簡潔な診断名にできる場合は、その旨を記載し、その理由を報告者の意見欄に記載する。本項目は日本語版MedDRA収載用語を使用することができる。

20 第一次情報源により報告された副作用/有害事象

(1) 第一次情報源により報告された報告対象の副作用・感染症を担当医等の第一次情報源である報告者の言葉や短い語句を記載すること。

(2) 自ら治験を実施した者による治験中で発現した副作用・感染症においては、治験分担医師又は主治医等があげた報告対象の副作用・感染症が該当する。

21 その他参考事項等(累積報告件数・使用上の注意記載状況等)

その他参考事項となる事項を以下の順で記載すること。

① 報告対象の被疑薬について、各被疑薬について副作用ごと、既知・未知を記載する。

② 担当医等が報告した副作用・感染症名を全て記載する(報告対象以外の副作用・感染症名を含む)。

③ これまでに報告された症例と同一の副作用等である場合、累積報告件数

④ これまでに報告された症例に関する追加報告(報告内容の変更を含む。)である場合、当該追加事項(入力例:「副作用・感染症名を○○から○○に変更、併用薬に○○を追加、投与開始日を○○→○○に変更」等)

⑤ 取下げ報告を行った後に、その後の情報により再度報告対象となった場合、第一報時付与された受付番号

⑥ 当該報告に関連する使用上の注意、承認申請の資料概要又は治験薬概要書等上の記載事項

⑦ 同一の外国症例をそれぞれ市販後及び治験で報告する必要がある場合、「外国副作用症例報告(市販後)」又は「外国感染症症例報告(市販後)」において既に提出済みである旨又は提出予定である旨

⑧ その他、必要な事項(例:メール等で即時報告(治験副作用等報告)を行った場合、即時報告(治験副作用等報告)を行った旨と報告日。副作用等報告を留保している期間中に収集した副作用・感染症である旨等)

⑨ 第一報入手日(情報源から最初に報告すべき報告が入手された日)と報告者が報告すべき情報を知った日が異なる場合、第一報入手日と異なる旨と報告者が報告すべき情報を知った日を記載すること。

22 引用文献

(1) 引用文献

引用文献を記載する場合には、医学雑誌編集者国際委員会(International Committee of Medical Journal Editors)によって提案されたバンクーバー規約(「バンクーバー形式」として知られている)にしたがって記載することとし、著者名、表題についても記載すること。資料が公表されていない場合はその旨記載し、表題、当該資料の報告者、当該資料の報告者の所属機関あるいは試験場所、実施年等を記載すること。未公表の資料であっても当該報告の添付資料として提出すること。

特殊な状況を含めた標準的なフォーマットが次の引用文献中にあるので参照すること:医学雑誌編集者国際委員会「医学雑誌掲載のための学術研究の実施、報告、編集、および出版に関する勧告」

(2) 試験名等

試験からの報告の場合は、「使用成績調査」、「特別調査」、「治験」、「製造販売後臨床試験」等の試験名を記載すること。自ら治験を実施した者が行う治験からの報告では「治験」を記載すること。

また、外国情報においては、本項目には試験番号や報告する副作用・感染症が観察された試験の種類を記載することができる。試験の種類とは、臨床試験、個人的患者使用(例:特別な使用(compassionate use)、指定患者(named patient)での使用)、その他の試験(例:薬剤疫学、薬剤経済学、集中モニタリング、PMS等)を記載できる。なお、依頼者(スポンサー)の試験番号及び副作用・感染症が観察された試験の種類が不明の場合は「不明」と記載すること。

23 資料一覧

第一次情報源から入手した資料や報告者が保有している資料(例:関連する文献、Company Core Data Sheet(CCDS)、画像(X線等)、心電図、診療記録、病院の診療録、剖検報告等)を記載すること。

24 検査及び処置の結果

発現した副作用・感染症に関連する検査値がない場合や、不明の場合は検査の欄に「特になし」あるいは「不明」と記載すること。

(1) 検査

当該副作用・感染症と関連のある検査項目を記載すること。その他に得られた検査結果についても記載しても差し支えない。

(2) 単位

検査項目の単位を記載すること。

(3) 検査項目の正常範囲低値、正常範囲高値

測定施設の正常範囲の低値及び高値を記載すること。

(4) 日付・結果

臨床検査の日付を年、月、日で記載し、日付と対応するように検査結果を記載すること。検査の数値が不明の場合は、正常または異常等結果が判断できるように記載すること。

検査日が不明な場合は、様式第8(三)の「診断に関連する検査及び処置の結果」欄に検査結果を記載すること。

(5) その他の情報の有無

その他、特記事項等がある場合に記載すること。

(6) 診断に関連する検査及び処置の結果

本項目には、上記(1)から(5)で記載できない検査結果(例:CT、MRI等)を簡潔に記載すること。また、副作用・感染症に関係のある臨床検査値又は臨床検査データを入手できなかった場合は、本項目にその旨記載する。

25 過去の治療歴等に関する情報

(1) 関連する治療歴及び随伴状態

本症例を適切に理解するために必要な、疾病、妊娠などの状況、手術処置、精神外傷(psychological trauma)等の情報を記載すること。副作用・感染症に関連のある治療歴及び随伴状態症状であるかは原則として、第一次情報源の判断により行い、原疾患、合併症、既往歴(アレルギー歴を含む)として第一次情報源から報告されたものをすべて記載すること。なお、医薬品の副作用・感染症に関連する使用歴については、様式第8(三)の「関連する過去の医薬品使用歴」欄に記載すること。なお、不明の場合は「不明」と記載すること。

(2) 原疾患・合併症・既往歴

疾病、手術その他について記載すること。

(3) 治療開始日、治療終了日

治療開始又は治療終了日を年、月、日で記載する。原疾患、合併症と判断される場合には継続と記載すること。

(4) 備考

正確な日付が不明であり、文章による記述がその症例の治療歴の理解に役立つ場合はその情報、または簡潔な補足情報が過去の治療歴との関連を示すのに役立つ場合はその情報を記載すること。

また、それぞれの治療歴及び随伴状態が原疾患、既往歴、合併症のいずれかに該当するかを記載することができること。

(5) その他の記述情報

入院・外来の区分、患者の職業、治療歴、特記すべき体質、随伴症状等(副作用・感染症を除く。)のうち、症例の理解に有益な情報を記載すること。

例えば、職業上曝露する化学的物質等による作用についても考察する必要がある場合もあるので、可能な限り被験者の仕事の内容が分かるように記載することができる。

(6) 関連する過去の医薬品使用歴

ア 本項目では、過去に投与された医薬品において副作用・感染症が発現した状況等を記載すること。併用薬や今回の副作用・感染症に関連している可能性のある薬剤は記載しないこと。記載方法は「別紙様式第8(一)から(五) 「治験使用薬副作用・感染症症例票」」の「14 治験使用薬及び医薬品の情報」の項を参照すること。

イ 本項目に記載する情報には、類似薬の過去の使用経験も含まれる。本項目を適切に記載するためには、医学的判断が必要となることに留意すること。

ウ 医薬品名の記載には、第一次情報源の表現をそのまま用いて記載すること。販売名、一般的名称及び薬効群名を記載してもよい。その医薬品やワクチンに対して過去に曝露されていない場合や過去には曝露後に副作用・感染症が見られなかった場合では、「なし」と記載すること。

26 評価に関する情報

(1) 再投与又は再曝露の結果

本項目は、被疑薬の投与中止あるいは休薬した後に再投与等した場合の副作用・感染症に関する情報等を記載すること。被疑薬を再投与していない場合又は外国情報で再投与が行われたかどうか不明の場合は、「再投与による再発の有無」欄に、それぞれ「再投与なし」又は「不明」と記載すること。ただし、この場合であっても「別紙様式第8(一)から(五) 「治験使用薬副作用・感染症症例報告書」」の「26 評価に関する情報」の「(1)のウ 治験使用薬等に対して取られた処置」欄は記載すること。

ア 治験使用薬及び医薬品を入手した国(承認国)

治験使用薬及び医薬品を入手した国名を記載すること。外国情報の場合で不明、又は情報がない場合は、「不明」と記載すること。外国症例の報告の場合、不明であれば「不明」と記載する。

承認国については、被疑薬についてのみ記載すること。被験薬で一変治験中の場合は必ず記載し、未承認の場合は空欄とすること。

イ 治験使用薬名又は販売名、一般的名称、開始日、終了日

記載にあたっては、「別紙様式第8(一)から(五) 「治験使用薬副作用・感染症症例票」」の「14 治験使用薬及び医薬品の情報の情報」の項を参照すること。

ウ 治験使用薬等に対して取られた処置

本項目は副作用・感染症の転帰と併せて、投与中止に関する情報を「投与中止」、「減量」、「増量」、「投与量変更せず」、「不明」及び「非該当」の中から、いずれかを記載すること。併用薬等の場合、空欄でもかまわないが、その後も継続中である場合(投与量変更せず)等、情報がある場合には記載してもよい。

エ 投与開始から発現までの時間間隔及び最終投与から発現までの時間間隔

副作用・感染症発現日、投与開始日、投与終了日のデータから算出可能であれば、記載を省略することができる。アナフィラキシーや不整脈のような短期間に発現した場合は記載すること。

オ 再投与による再発の有無及び再投与により再発した副作用名

(ア) 再投与により、副作用・感染症(報告対象の事象)の再発の有無を「はい」、「いいえ」及び「不明」の中から選択し記載すること。「はい」と記載した場合において、副作用・感染症名に再発した症状(報告対象の事象)を記載すること。

(イ) 再投与後に発現した事象のうち、副作用・感染症(報告対象の事象)以外であれば再発の有無に「いいえ」と記載すること。

(ウ) 再投与を行ったが、その事象が再度起こったかどうか分からない場合は、「不明」を記載すること。

(エ) 外国情報で再投与が行われたかどうか不明の場合は、本項目には「不明」と記載すること。

(2) 治験使用薬等と副作用等の因果関係

情報提供者又は第一次情報源の報告者等と本報告者における当該副作用・感染症又は有害事象の因果関係に関する評価結果の違いについて、評価方法等の違いを記載すること。なお、本項目は記載できる範囲で差し支えない。

ア 評価対象となる副作用又は有害事象名

報告対象となる副作用・感染症又は有害事象を記載すること。

イ 評価の情報源

情報提供者、第一次情報源の報告者、治験参加医師、規制当局、企業等を記載すること。

ウ 治験使用薬等と副作用/有害事象の因果関係(評価方法)

全般的な観察評価、アルゴリズム、Bardi、ベイズ計算法等の評価方法を記載すること。

エ 評価結果

各々の医薬品と副作用・感染症との因果関係の程度を記載すること。

【記載例】