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○優先審査等の取扱いについて

(令和2年8月31日)

(/薬生薬審発0831第1号/薬生機審発0831第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)

(公印省略)

優先審査の取扱いについては、「薬事法及び医薬品副作用被害救済・研究振興基金法の一部を改正する法律の施行について」(平成5年8月25日付け薬発第725号厚生省薬務局長通知。以下「局長通知」という。)及び「優先審査等の取扱いについて」(平成28年1月22日付け薬生審査発0122第12号厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課長、薬生機発0122第2号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知。以下「旧連名通知」という。)で示してきたところである。

今般、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第63号。以下「改正法」という。)により、先駆け審査指定制度が法制化されたこと等に伴い、優先審査等の取扱いについては下記によることとしたので、貴管下関係事業者に対し指導方御配慮願いたい。

また、これに伴い、旧連名通知は廃止する。

なお、本通知は令和2年9月1日に施行する。

第1 優先審査に関する事項

1 優先審査の対象品目

改正法による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。)第14条第10項、第23条の2の5第10項及び第23条の25第9項の規定により優先的に審査を行うことができる医薬品、医療機器又は再生医療等製品とは、次に掲げる医薬品、医療機器又は再生医療等製品であること。

(1) 希少疾病用医薬品のうち、優先審査に該当するとされたもの、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品(以下「希少疾病用医薬品等」という。)

(2) 先駆け審査指定医薬品、先駆け審査指定医療機器又は先駆け審査指定再生医療等製品(以下「先駆け審査指定医薬品等」という。)

(3) 先駆的医薬品、先駆的医療機器又は先駆的再生医療等製品(以下「先駆的医薬品等」という。)

(4) 特定用途医薬品、特定用途医療機器又は特定用途再生医療等製品(以下「特定用途医薬品等」という。)

(5) 次のいずれの要件にも該当する新医薬品、新医療機器又は新再生医療等製品

ア 適用疾病が重篤であると認められること。

イ 既存の医薬品、医療機器若しくは再生医療等製品又は治療方法と比較して、有効性又は安全性が医療上明らかに優れていると認められること。

2 優先審査の適用の可否の考え方

上記第1の1の(5)の品目については、(1)適応疾病の重篤性及び(2)医療上の有用性を総合的に評価して適用の可否を決定する。

(1) 適応疾病の重篤性については、以下に分類して評価する。

ア 生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)であること。

イ 病気の進行が不可逆的等で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であること。

(2) 医療上の有用性については、以下に分類して評価する。

ア 既存の治療法、予防法若しくは診断法がないこと。

イ 有効性、安全性、肉体的・精神的な患者負担の観点から、医療上の有用性が既存の治療法、予防法若しくは診断法より優れていること。

3 承認申請時の取扱い

(1) 希少疾病用医薬品等、先駆け審査指定医薬品等、先駆的医薬品等又は特定用途医薬品等に該当し、優先審査の適用を受けようとする者は、当該新医薬品等の承認申請書の備考欄に「○年○月○日希少疾病用医薬品(又は希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品)に指定(優先審査該当)」、「○年○月○日先駆け審査指定医薬品(又は先駆け審査指定医療機器・先駆け審査指定再生医療等製品)に指定」、「○年○月○日先駆的医薬品(又は先駆的医療機器・先駆的再生医療等製品)に指定」又は「○年○月○日特定用途医薬品(又は特定用途医療機器・特定用途再生医療等製品)に指定」との記載の上、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)に提出すること。

(2) 上記第1の1の(5)により優先審査の適用を受けようとする者は、当該新医薬品等の承認申請書の備考欄に「別記の理由により優先審査を希望」と記載し、上記第1の1の(5)に該当すると判断した理由を添付すること。((3)に掲げる場合を除く。)

(3) 上記第1の1の(5)により優先審査の適用を受けようとする者であって、総合機構の実施する医薬品優先審査品目該当性相談を実施した場合には、上記備考欄に「医薬品優先審査品目該当性相談を実施」との記載を併せて行い、総合機構の作成した評価報告書を承認申請書に添付すること。ただし、当該相談を実施したもので、承認申請後に評価報告書が作成された場合は、この限りでないこと。

4 優先審査の適用の可否の決定及び承認審査時の取扱い

(1) 上記第1の1の(5)のうち医薬品については、申請後速やかに総合機構において専門家からの意見を聴取した上で適用の可否に関する意見をまとめ、厚生労働省に報告し、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課(以下「医薬品審査管理課」という。)は当該報告をもとに適用の可否を決定すること。

なお、医薬品優先審査品目該当性相談が実施され、申請時点で当該品目の優先審査の該当性を判断するに当たっての状況に特段の変化が無いなど、その評価が変わらない場合には、その評価をもとに適用の可否に関する意見をまとめ、厚生労働省に報告し、医薬品審査管理課は当該報告をもとに適用の可否を決定すること。また、その可否は医薬品審査管理課から申請者及び総合機構に通知すること。

上記第1の1の(5)のうち医療機器及び再生医療等製品については、個別に厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課(以下「医療機器審査管理課」という。)に相談すること。

(2) 上記(1)の適用について、医薬品審査管理課及び医療機器審査管理課は、直近の薬事・食品衛生審議会の担当部会に報告の上、了承を得ること。

(3) 優先審査対象品目について、総合機構は、審査の各段階において、可能な限り審査順位を優先すること。

(4) 優先審査対象品目は、当該新医薬品等の承認時にその旨を公表すること。

5 複数効能等を有する場合の申請について

(1) 同一品目が優先審査対象効能等とそれ以外の一般効能等を両方有する場合には、優先審査対象効能等とそれ以外の効能等に分け、それぞれを別個の独立した申請とすること。

(2) 優先審査対象効能等に関する申請とそれ以外の効能等に関する申請を同時に行う場合には、承認申請書及び添付資料は別々に作成することとするが、共通する資料については、優先審査対象効能等に関する申請書への添付のみで差し支えない。また、それぞれの承認申請書の備考欄に申請時点で申請中の他の効能等についての情報を記載すること。

第2 優先的な治験相談に関する事項

1 優先的な治験相談の対象品目

(1) 優先的に治験相談を行うことができる医薬品等については、希少疾病用医薬品等、先駆け審査指定医薬品等、先駆的医薬品等及び特定用途医薬品等に係るものとする。

なお、人道的見地からの治験(拡大治験)の実施前に総合機構が行う医薬品拡大治験開始前相談については、医薬品手続相談に準じた取扱いとする。

(2) 優先的な治験相談の具体的な進め方については、平成24年3月2日付け薬機発第0302070号(平成28年1月22日一部改正)独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長通知「独立行政法人医薬品医療機器総合機構が行う対面助言、証明確認調査等の実施要領等について」を参照されたいこと。

第3 優先審査を希望する医薬品等に関する事項

1 優先審査を希望する医薬品等の申請前の対面助言の実施の考え方

優先審査を希望する医薬品等については、審査上の課題を早い段階で整理し解決するため、可能な限り、総合機構が行う申請前相談や事前評価相談を利用することが望ましい。

2 上記第1の1の(5)の品目として優先審査を希望する医薬品の優先審査品目該当性相談の実施の考え方

上記第1の1の(5)の品目として優先審査を希望する医薬品については、当該医薬品の優先審査の適用の可否を申請後速やかに医薬品審査管理課において決定するために、可能な限り、申請前に総合機構が行う医薬品優先審査品目該当性相談を受けその該当性についての評価を得ておくことが望ましい。