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○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行に係る取扱い等について

(令和2年6月30日)

(/薬生薬審発0630第1号/薬生監麻発0630第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第43条第1項又は第2項の規定に基づく医薬品、医療機器又は再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の検定については、令和2年6月30日に公布された医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第133号。以下「改正省令」という。)により、医薬品等の安定供給及び適切な品質管理を促進する観点から、製品が収納された容器等への封・解封及び製品への検定合格年月日表示に関する規定を廃止した一方、封に代わる保管の徹底を出願者に求める等の規定を設けたところである。

改正省令による改正後の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)(以下「改正後規則」という。)の適用に加え、生物学的製剤基準(平成16年3月30日厚生労働省告示第155号)の対象となる医薬品(以下「対象医薬品」という。)の有効期間等の変更に係る取扱い及び自家試験と並行して行う国家検定(以下「並行検定」という。)の取扱いにつき、下記のとおり取り扱うこととしたので、御了知の上、貴管下関係事業者等に周知徹底を図るとともに、適切な指導を行い、その実施に遺漏なきを期されたい。

なお、本通知は、令和2年6月30日から適用することとし、「薬事法施行令の一部を改正する政令等の施行に係る取扱い等について」(平成25年6月11日付け薬食審査発0611第1号及び薬食監麻発0611第15号)は廃止する。

1 検定機関による情報の公開

検定機関は、検定を行った医薬品等が検定に合格したときは、当該医薬品等に係る以下の事項について、医療関係者等が確認することができるよう電気通信回線を通じて公表すること。ただし、当該検定が2以上の製造段階について行われた場合であり、最終段階以外の検定である場合は、この限りでないこと。

① 一般的名称

② 出願者の名称

③ 検定の合格年月日

④ 製造番号又は製造記号

2 出願者による表示等

(1) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令(以下「令」という。)第61条第1項に基づき検定に合格した医薬品等を収めた容器又は被包に付される表示は、見やすい場所に付すこと。なお、原則としてその形式は問わないこと。

(2) 改正後規則第201条第1項及び第2項に規定する検定に合格した旨の表示は、例えば以下のような表示とすること。

なお、包装資材の変更等の事情がある場合なども想定されることから、施行後にあっても、改正前の省令に基づく規定による表示(検定に合格した旨及び合格年月日)を行うこととしても差し支えないこと。

3 製品の保管及び保管状況の確認について

(1) 改正後規則第199条第2項の規定により出願者が行う製品の保管管理は、以下のとおり行う必要があること。

① 製品の保管管理については、施設及び保管容器(改正後規則198条第1項の「保管するのに適当な箱その他の容器」を指す。以下同じ。)のセキュリティ管理を厳重に行い、外部からの侵入防止、鍵の管理等を適切に行うとともに、管理者の指名、管理記録の改ざん防止措置を講ずるなど、適切に管理すること。

② 保管容器に納められた医薬品等について包装・表示作業等を行う場合、改正後規則199条第2項の規定に基づき、出納を行う理由、作業責任者名、作業日、作業内容等の記録を作成し、当該記録をその作成の日から5年間保管すること。

(2) (1)の保管管理に加え、検定合格証明書の交付を受けたとき又は検定に不合格の通知を受けるまでの間の製品の保管管理については、製造業者がGMP基準に基づき管理する等、適切に行うこと。

(3) 改正後規則第199条第3項に規定する、薬事監視員による保管が適切になされていたかどうかの確認に当たっては、本改正の趣旨を踏まえ、遅滞なく、以下の記録等を確認すること。

① 保管容器等による製品の保管状況の記録(保管開始時、終了時、場所、製品名、ロット、数量、保管実施者、保管方法(セキュリティ管理状況等を含む))

② 保管中に包装・表示等がされた場合は、(1)②の記録及び当該記録を補完する関連記録(保管場所からの取り出し、移動、包装・表示の実施に関する記録、包装表示後の保管場所への移動、セキュリティ管理状況等)

(4) (3)の記録は、製造業者においてGMP基準に基づき適切に管理された記録(写しを含む。)を活用しても差し支えないこと。

なお、記録等の作成及び確認の具体的な対象の詳細は、出願者と都道府県との協議の下で定めることとして差し支えないが、これらの確認は、医薬品等が法第43条に違反して販売等されないために行うものであるから、その趣旨を損なうことのないよう十分に留意すること。

(5) (3)において確認した場合は、記録を作成し、①又は②のうちより長期の期間、都道府県において保管すること。

① 5年

② 当該品目に係る次回の検定の申請がなされ、かつ当該次回検定に係る医薬品等について(3)の確認が完了するまでの期間

4 改正後規則第201条第3項に規定する必要な資料

(1) 令第61条第2項の規定により都道府県知事が行う確認について、改正後規則第201条第3項に規定する当該数量が適切であることを示すために必要な資料は、以下のとおりであること。

① 検定記録表(改正後規則第202条の規定に基づき作成される検定記録表をいう。以下同じ。)

② 当該医薬品等に使用する添付文書、個装箱、ラベル等の出納に係る記録

(2) (1)②の記録は、例えば別紙様式に示す出納記録表等をいうこと。また、(1)の記録は、製造業者においてGMP基準に基づき適切に管理された記録(写しを含む。)を活用しても差し支えないこと。

なお、確認に使用する記録の具体的な対象や様式の詳細は、出願者と都道府県との協議の下で定めることとして差し支えないが、これらの確認は、医薬品等が法第43条に違反して販売等されないために行うものであることから、その趣旨を損なうことのないよう十分に留意するとともに、本改正の趣旨を踏まえ、遅滞なく確認を行えるように配慮すること。

(3) (1)において確認した資料は、①又は②のうちより長期の期間、都道府県において写しを保管すること。なお、これらの資料については、当該品目について法第14条第6項に基づき行われる製造管理又は品質管理の方法の基準適合性に係る調査等において必要がある場合に、当該調査等を行う者が都道府県に照会する場合があるので留意すること。

① 5年

② 当該品目に係る次回の検定の申請がなされ、かつ当該次回検定に係る医薬品等について(1)の確認が完了するまでの期間

5 出荷後の確認

(1) 出願者が、検定に合格した医薬品等を市場へ出荷した場合にあっては、都道府県知事は、以下の資料を遅滞なく確認すること。

① 検定記録表

② 出荷に係る伝票(写しを含む。)

(2) (1)の確認は、必ずしも出荷の都度行う必要はなく、例えば、一定期間分(1ヶ月分等)まとめて確認するなどで差し支えないこと。また、郵送された資料の写しを確認するなど、必ずしも実地に確認を行う必要はないこと。

(3) (1)において確認した資料は、①又は②のうちより長期の期間、都道府県において写しを保管すること。なお、これらの資料については、法第14条第6項に基づき行われる製造管理又は品質管理の方法の基準適合性に係る調査等において必要がある場合に、当該調査等を行う者が都道府県に照会する場合があるので留意すること。

① 5年

② 当該品目に係る次回の検定の申請がなされ、かつ当該次回検定に係る医薬品等について(1)の確認が完了するまでの期間

6 承認書の変更に関する薬事手続きについて

(1) 有効期間の変更について

(i) 承認された対象医薬品について、有効期間の起算日を検定合格の日から製造日に変更する場合であって、表記期間に変更がない場合は、軽微変更届にて変更可能であること。

(ii) 承認された対象医薬品について、有効期間の起算日を検定合格の日から製造日に変更する場合であって、表記期間が長くなり、かつ、過去に承認審査の過程で提出し審査を受けた安定性試験のデータ等に基づいて有効期間の設定が妥当であることを説明可能な場合には、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が行う簡易相談において変更の妥当性の確認を受けることにより、軽微変更届にて変更可能であること。

(iii) 上記(i)又は(ii)のいずれに該当するか判断に迷う場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に相談されたい。

(iv) 承認された対象医薬品の有効期間の起算日を製造販売承認書に記載していない場合であって、製造販売承認書に記載する場合にあっては、軽微変更届による対応で差し支えないこと。

(v) 承認された医薬品(ただし、「保存血液等の抜き取り検査について」(昭和47年6月16日付け薬発第571号厚生省薬務局長通知)別紙Ⅱ2に記載されている品目に限る。)について、有効期間の起算日を自家試験合格の日から製造日に変更する場合の取扱いは、(i)から(iv)までを準用すること。

(2) 検定合格の日の表示工程の変更について

改正省令及び改正後規則の適用に伴い、対象医薬品の検定合格の日を表示する工程及びそれに関連して行われる検査等に関して承認事項の一部を変更する必要がある場合は、軽微変更届にて変更可能であること。

(3) 軽微変更届の記載について

(1)又は(2)の記載に基づき軽微変更届を提出する際には、軽微変更届の備考欄に「令和2年6月30日付け医薬品審査管理課長・監視指導・麻薬対策課長連名通知に基づく対応」と記載すること。

7 並行検定について

検定制度においては、原則として、自家試験終了後の検定申請が行われているところ、以下(1)の対象製剤については、自家試験と国家検定が並行する場合にも検定申請を受け付けることとし、その取扱いについては(2)及び(3)のとおりとする。

(1) 対象製剤

① インフルエンザHAワクチン

② 乾燥組織培養不活化A型肝炎ワクチン

③ 乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン

④ 乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン

⑤ 組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)

⑥ 沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン

⑦ 沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(ソークワクチン)混合ワクチン

⑧ 次の原液に係る中間段階のもの

(ア) 乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン

(イ) ジフテリアトキソイド

(ウ) 破傷風トキソイド

(エ) 乾燥弱毒生風しんワクチン

(オ) 乾燥弱毒生麻しんワクチン

(2) 製造・試験記録等要約書(以下「SLP」という。)(最終段階の検定申請の場合に限る。以下同じ。)及び自家試験成績書(中間段階の検定申請の場合に限る。以下同じ。)の記載項目のうち、自家試験未完了の試験に係る記載項目については「試験実施中」と記載すること。また、実施中の自家試験については、次の情報を任意の書式に別途記載して提出するものとする。

① 試験開始日

② 試験終了予定日

③ 修正されたSLP及び自家試験成績書(以下「試験成績書等」という。)の提出予定日

(3) 製造販売業者は、試験成績書等の提出予定日までに、試験結果その他の必要事項を記載した試験成績書等を国立感染症研究所宛て提出すること。

なお、提出予定日までに試験成績書等を提出することが困難な場合は、国立感染症研究所に電子メールにて連絡すること。

(別紙様式)