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○「社会保険診療報酬支払基金法第十五条第三項の規定に基づき厚生労働大臣の定める医療に関する給付等の一部を改正する告示」の告示等について〔健康保険法〕

(令和2年3月31日)

(保発0331第11号)

(都道府県知事・地方厚生(支)局長・社会保険診療報酬支払基金理事長・全国健康保険協会理事長・健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局長通知)

(公印省略)

「社会保険診療報酬支払基金法第十五条第三項の規定に基づき厚生労働大臣の定める医療に関する給付等の一部を改正する告示」(令和2年厚生労働省告示第165号。以下「改正告示」という。)については、本日告示され、令和2年4月1日から適用することとされたところである。

改正告示の改正の趣旨及び改正の主な内容は下記のとおりであるので、関係者、関係団体等に対し、その周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきようお願いいたします。

1 改正の趣旨

新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査については、令和2年3月6日より、保険適用され、感染症指定医療機関並びにそれ以外の医療機関で感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第19条又は第20条に基づき入院患者が入院している医療機関及び帰国者・接触者外来又は帰国者・接触者外来と同様の機能を有する医療機関として都道府県等が認めた医療機関において検査を実施しているところであるが、当該検査に係る被保険者の自己負担相当額については、公費により負担することとし、各医療機関が個別に都道府県等に請求する仕組みとなっている。

今後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、検査件数の増加が見込まれることから、医療機関と都道府県等双方の事務負担が多大となる可能性があるため、令和2年4月診療分から当該PCR検査を公費負担医療としてレセプト請求事務と同時に公費負担に係る事務処理を行うことができるようにする。

また、PCR検査に係る自己負担相当額については、レセプト請求事務と同時に公費負担に係る事務処理を行うことに伴い、他の公費負担医療と同様に、特定給付対象療養として位置付け、当該療養に係る自己負担額を高額療養費の算定に用いる自己負担額の対象外とする(公費負担医療による支給を受けてもなお負担すべき額がある場合には、当該負担すべき額を高額療養費の算定に用いる自己負担額の対象とする)。

2 改正の主な内容

(1) 「社会保険診療報酬支払基金法第十五条第三項の規定に基づき厚生労働大臣の定める医療に関する給付」(昭和52年厚生省告示第239号)の改正

社会保険診療報酬支払基金法(昭和23年法律第129号)第15条第3項においては、社会保険診療報酬支払基金が、国、都道府県、市町村又は独立行政法人(以下「国等」という。の委託を受けて、国等が行う医療に関する給付であって厚生労働大臣の定めるものについて医療機関が請求することができる費用の額の審査及び支払に関する事務を行うことができることとしている。

この厚生労働大臣の定める医療に関する給付として、「新型コロナウイルス感染症を指定感染症として定める等の政令(令和2年政令第11号)第3条の規定により読み替えて準用する感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第15条第1項の規定による必要な調査に関連して実施された検査のうち、新型コロナウイルス感染症(同令第1条に規定する新型コロナウイルス感染症をいう。)の診断のために行われた検査に関して行われた、診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)により算定された微生物核酸同定・定量検査に係る検体検査実施料及び微生物学的検査判断料に係る自己負担額に相当する金額に対する給付」(以下「PCR検査に係る自己負担相当額に対する給付」という。)を追加する。

(2) 「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令第一条第一項第十号の規定に基づき厚生労働大臣の定める医療の給付」(昭和52年厚生省告示第240号)の改正

療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令(昭和51年厚生省令第36号)第1条第1項第10号においては、保険医療機関等が療養の給付又は公費負担医療に関し費用を請求する際に、公費負担医療のうち同項第1号から第9号の5までに掲げるもののほか医療に関する給付であって厚生労働大臣が定めるものについて、電子情報処理組織の使用による請求又は光ディスク等を用いた請求を行うことができることとしている。

当該厚生労働大臣が定める医療に関する給付として、PCR検査に係る自己負担相当額に対する給付を追加する。

(3) 「健康保険法施行規則第九十八条第十一号及び船員保険法施行規則第八十六条第十二号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」(昭和59年厚生省告示第155号)及び「国民健康保険法施行規則第二十七条の十二第十一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」(平成20年厚生労働省告示第238号)の改正

健康保険法施行令(大正15年勅令第243号。以下「健保令」という。)第41条第1項第2号及び船員保険法施行令(昭和28年政令第240号。以下「船保令」という。)第8条第1項第2号においては、特定給付対象療養を高額療養費の対象とする旨を規定しており、特定給付対象療養はそれぞれの規定において原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律による一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付が行われるべき療養と規定されている。

この厚生労働省令で定める医療に関する給付が行われるべき療養については、健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号。以下「健保則」という。)第98条各号及び船員保険法施行規則(昭和15年厚生省令第5号。以下「船保則」という。)第86条各号に規定されているところ、健保則第98条第11号及び船保則第86条第12号に掲げる厚生労働大臣が定める医療に関する給付として、PCR検査に係る自己負担相当額に対する給付を追加する。

※ 「国民健康保険法施行規則第二十七条の十二第十一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」においても同様の改正を行う。

(4) 「健康保険法施行規則第百六条第一項第八号及び第百七条第十号並びに船員保険法施行規則第九十六条第一項第八号及び第九十七条第十号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」(昭和59年厚生省告示第157号)及び「国民健康保険法施行規則第二十七条の十五第一項第八号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」(平成19年厚生労働省告示第34号)の改正

健保令第43条第5項及び第7項並びに船保令第10条第5項及び第7項においては、「原爆一般疾病医療費の支給その他厚生労働省令で定める医療に関する給付が行われるべき療養」について、被保険者が支払うべき一部負担金等の支払が行われなかったときは、保険者は、当該療養に要した費用のうち高額療養費として被保険者に支給すべき額に相当する額を当該保険医療機関等に支払うものとされ、被保険者が保険医療機関等において現物給付で公費負担医療を受けることができることとされている。

この厚生労働省令で定める医療に関する給付が行われるべき療養については、健保則第106条第1項各号及び第107条各号並びに船保則第96条第1項各号及び第97条各号に規定されているところ、健保則第106条第1項第8号及び第107条第10号並びに船保則第96条第1項第8号及び第97条第10号に掲げる厚生労働大臣が定める医療に関する給付として、PCR検査に係る自己負担相当額に対する給付を追加する。

※ 「国民健康保険法施行規則第二十七条の十五第一項第八号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療に関する給付」においても同様の改正を行う。

3 適用期日等

改正告示は令和2年4月1日から適用する。

なお、適用期日前に行われた令和2年3月診療分のPCR検査については、なお従前の例によるものとする。