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○「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正について

(令和2年3月23日)

(保医0323第1号)

(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長・厚生労働省保険局歯科医療管理官通知)

(公印省略)

標記については、今般、「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」(平成17年9月1日保医発第0901002号)の一部を下記のように改めるので、その取扱いに遺漏のないよう、関係者に対し周知徹底を図られたい。

2の一部を次の表のように改正する。

[様式ダウンロード]

(参考:改正後全文)

療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて

保険医療機関等において保険診療を行うに当たり、治療(看護)とは直接関連のない「サービス」又は「物」について、患者側からその費用を徴収することについては、その適切な運用を期するため、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」(平成4年4月8日老健第79号)、「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」(平成14年厚生労働省告示第99号)、「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「選定療養及び特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成14年3月18日保医発第0318001号)及び「保険医療機関等において患者から求めることができる実費について」(平成12年11月10日保険発第186号)において、その取扱いを示してきたところであるが、今般、下記のとおり、その取扱いを明確化することとしたので、その徹底につき、御配慮願いたい。

あわせて、入院中の患者など既に治療が開始されている患者からの費用徴収については、保険医療機関等に十分な配慮を求めるよう、その徹底につき、御配慮願いたい。

なお、「保険医療機関等において患者から求めることができる実費について」(平成12年11月10日保険発第186号)は、平成17年8月31日限り廃止する。

1 費用徴収する場合の手続について

療養の給付と直接関係ないサービス等については、社会保険医療とは別に提供されるものであることから、もとより、その提供及び提供に係る費用の徴収については、関係法令を遵守した上で、保険医療機関等と患者の同意に基づき行われるものであるが、保険医療機関等は、その提供及び提供に係る費用の徴収に当たっては、患者の選択に資するよう次の事項に留意すること。

(1) 保険医療機関等内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に費用徴収に係るサービス等の内容及び料金について患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。なお、掲示の方法については、「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年3月13日保医発第0313003号)第1の2(5)に示す掲示例によること。

(2) 患者からの費用徴収が必要となる場合には、患者に対し、徴収に係るサービスの内容や料金等について明確かつ懇切に説明し、同意を確認の上徴収すること。この同意の確認は、徴収に係るサービスの内容及び料金を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。ただし、この同意書による確認は、費用徴収の必要が生じるごとに逐次行う必要はなく、入院に係る説明等の際に具体的な内容及び料金を明示した同意書により包括的に確認する方法で差し支えないこと。なお、このような場合でも、以後別途費用徴収する事項が生じたときは、その都度、同意書により確認すること。

また、徴収する費用については、社会的にみて妥当適切なものとすること。

(3) 患者から費用徴収した場合は、他の費用と区別した内容のわかる領収証を発行すること。

(4) なお、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」及び「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」に示したとおり、「お世話料」「施設管理料」「雑費」等の曖昧な名目での費用徴収は認められないので、改めて留意されたいこと。

2 療養の給付と直接関係ないサービス等

療養の給付と直接関係ないサービス等の具体例としては、次に掲げるものが挙げられること。

(1) 日常生活上のサービスに係る費用

ア おむつ代、尿とりパット代、腹帯代、T字帯代

イ 病衣貸与代(手術、検査等を行う場合の病衣貸与を除く。)

ウ テレビ代

エ 理髪代

オ クリーニング代

カ ゲーム機、パソコン(インターネットの利用等)の貸出し

キ MD、CD、DVD各プレイヤー等の貸出し及びそのソフトの貸出し

ク 患者図書館の利用料 等

(2) 公的保険給付とは関係のない文書の発行に係る費用

ア 証明書代

(例) 産業医が主治医に依頼する職場復帰等に関する意見書、生命保険等に必要な診断書等の作成代 等

イ 診療録の開示手数料(閲覧、写しの交付等に係る手数料)

ウ 外国人患者が自国の保険請求等に必要な診断書等の翻訳料 等

(3) 診療報酬点数表上実費徴収が可能なものとして明記されている費用

ア 在宅医療に係る交通費

イ 薬剤の容器代(ただし、原則として保険医療機関等から患者へ貸与するものとする。) 等

(4) 医療行為ではあるが治療中の疾病又は負傷に対するものではないものに係る費用

ア インフルエンザ等の予防接種、感染症の予防に適応を持つ医薬品の投与

イ 美容形成(しみとり等)

ウ 禁煙補助剤の処方(ニコチン依存症管理料の算定対象となるニコチン依存症(以下「ニコチン依存症」という。)以外の疾病について保険診療により治療中の患者に対し、スクリーニングテストを実施し、ニコチン依存症と診断されなかった場合であって、禁煙補助剤を処方する場合に限る。)

エ 治療中の疾病又は負傷に対する医療行為とは別に実施する検診(治療の実施上必要と判断し検査等を行う場合を除く。) 等

(5) その他

ア 保険薬局における患家等への調剤した医薬品の持参料及び郵送代

イ 保険医療機関における患家等への処方箋及び薬剤の郵送代

ウ 日本語を理解できない患者に対する通訳料

エ 他院より借りたフィルムの返却時の郵送代

オ 院内併設プールで行うマタニティースイミングに係る費用

カ 患者都合による検査のキャンセルに伴い使用することのできなくなった当該検査に使用する薬剤等の費用(現に生じた物品等に係る損害の範囲内に限る。なお、検査の予約等に当たり、患者都合によるキャンセルの場合には費用徴収がある旨を事前に説明し、同意を得ること。)

キ 院内託児所・託児サービス等の利用料

ク 手術後のがん患者等に対する美容・整容の実施・講習等

ケ 有床義歯等の名入れ(刻印・プレートの挿入等)

コ 画像・動画情報の提供に係る費用(区分番号「B010」診療情報提供料(Ⅱ)を算定するべき場合を除く。)

サ 公的な手続き等の代行に係る費用 等

3 療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないもの

療養の給付と直接関係ないサービス等とはいえないものとしては、具体的には次に掲げるものが挙げられること。

(1) 手技料等に包括されている材料やサービスに係る費用

ア 入院環境等に係るもの

(例) シーツ代、冷暖房代、電気代(ヘッドホンステレオ等を使用した際の充電に係るもの等)、清拭用タオル代、おむつの処理費用、電気アンカ・電気毛布の使用料、在宅療養者の電話診療、医療相談、血液検査など検査結果の印刷費用代 等

イ 材料に係るもの

(例) 衛生材料代(ガーゼ代、絆創膏代等)、おむつ交換や吸引などの処置時に使用する手袋代、手術に通常使用する材料代(縫合糸代等)、ウロバッグ代、皮膚過敏症に対するカブレ防止テープの提供、骨折や捻挫などの際に使用するサポーターや三角巾、医療機関が提供する在宅医療で使用する衛生材料等、医師の指示によるスポイト代、散剤のカプセル充填のカプセル代、一包化した場合の分包紙代及びユニパック代 等

ウ サービスに係るもの

(例) 手術前の剃毛代、医療法等において設置が義務付けられている相談窓口での相談、車椅子用座布団等の消毒洗浄費用、インターネット等より取得した診療情報の提供、食事時のとろみ剤やフレーバーの費用 等

(2) 診療報酬の算定上、回数制限のある検査等を規定回数以上に行った場合の費用(費用を徴収できるものとして、別に厚生労働大臣の定めるものを除く。)

(3) 新薬、新医療機器、先進医療等に係る費用

ア 薬事法上の承認前の医薬品・医療機器(治験に係るものを除く。)

イ 適応外使用の医薬品(評価療養を除く。)

ウ 保険適用となっていない治療方法(先進医療を除く。) 等

4 その他

上記1から3までに掲げる事項のほか、費用徴収する場合の具体的取扱いについては、「保険(医療)給付と重複する保険外負担の是正について」及び「『療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等』の制定に伴う実施上の留意事項について」を参考にされたい。

なお、上記に関連するものとして、入院時や松葉杖等の貸与の際に事前に患者から預託される金銭(いわゆる「預り金」)については、その取扱いが明確になっていなかったところであるが、将来的に発生することが予想される債権を適正に管理する観点から、保険医療機関が患者から「預り金」を求める場合にあっては、当該保険医療機関は、患者側への十分な情報提供、同意の確認や内容、金額、精算方法等の明示などの適正な手続を確保すること。