添付一覧
○特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について
(令和2年3月5日)
(保医発0305第9号)
(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長・厚生労働省保険局歯科医療管理官通知)
(公印省略)
特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件(令和2年厚生労働省告示第61号)が本日付けをもって公布され、特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)(平成20年厚生労働省告示第61号)が改正されたところであるが、材料価格の算定に当たっての留意事項については、下記のとおりとすることとしたので、その取扱いに遺漏のないよう、貴管下の保険医療機関及び審査支払機関等に対し周知徹底を図られたく通知する。
なお、この通知は、令和2年4月1日から適用することとし、従前の「特定保険医療材料の材料価格算定に関する留意事項について」(平成30年3月5日保医発0305第10号)は、令和2年3月31日限り廃止する。
記
Ⅰ 診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)(以下「算定方法告示」という。)別表第一医科診療報酬点数表に関する事項
1 特定保険医療材料の算定に係る一般的事項
(1) 療養に要する費用の額の算定に当たって、保険診療に用いられる医療機器・材料(薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)第1条の規定による改正前の薬事法(昭和35年法律第145号)又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)に基づく承認又は認証(以下「薬事承認又は認証」という。)を得たものであって、超音波診断装置、CT、MRI等の装置類は除く。以下「保険医療材料」という。)に係る費用を手技料及び薬剤料と別途算定する場合は、当該医療機器の費用の額は、材料価格基準別表の各項(関係通知において準用する場合を含む。)に規定されている材料価格により算定する。
(2) 特掲診療料の各部において、特定保険医療材料料を算定する場合には、特定保険医療材料の材料価格を10円で除して得た点数となるが、この場合において端数が生じた場合は端数を四捨五入して得た点数とする。
(3) 特定保険医療材料以外の保険医療材料については、当該保険医療材料を使用する手技料の所定点数に含まれており、別途算定できない。また、特定保険医療材料以外の保険医療材料を処方せんにより給付することは認められない。さらに、保険医療材料を患者に持参させ、又は購入させてはならない。
(4) 特定保険医療材料は、薬事承認又は認証された使用目的以外に用いた場合は算定できない。
2 在宅医療の部に規定する特定保険医療材料に係る取扱い
001 腹膜透析液交換セット
(1) 交換キットは、キャップ又はクラムシェルの場合は1個を、ウエハーの場合は2枚を1キットとし、1交換当たり1キットを限度として算定する。
(2) 交換キットは、自動腹膜透析装置を使用する場合は、APDセット1個当たり4キット分を限度として算定する。
(3) 交換キットは、バッグ再利用式(排液バッグ付き腹膜透析液又は回路を使用しない方法)により腹膜透析液を交換した場合は、1交換当たり2キット分を限度として算定する。
002 在宅中心静脈栄養用輸液セット
夜間の中心静脈栄養等で、在宅中心静脈栄養用輸液セットを1月につき7組以上用いる場合において、7組目以降の中心静脈栄養用輸液セットについて算定する。
006 在宅血液透析用特定保険医療材料
(1) 吸着型血液浄化器(β2―ミクログロブリン除去用)は、関節痛を伴う透析アミロイド症であって、以下のアからウまでのいずれの要件も満たしている患者に対して、人工腎臓(血液透析に限る。)を行う際に用いた場合に、初回の使用日から1年を限度として算定する。
また、透析アミロイド症の治癒又は軽快により、一旦使用を終了した後再び疼痛等の症状の出現を認めた場合は、以下のイ及びウの要件を満たすことを確認した場合に限り、更に1年を限度として算定できる。3度目以降の使用にあっても同様の取扱いとする。
ア 手術又は生検により、β2―ミクログロブリンによるアミロイド沈着が確認されている。
イ 透析歴が10年以上であり、以前に手根管開放手術を受けている。
ウ 画像診断により骨嚢胞像が認められる。
なお、吸着型血液浄化器(β2―ミクログロブリン除去用)を使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄に当該材料の使用開始日を記載する。
(2) 人工腎臓用特定保険医療材料の材料価格には、回路の費用が含まれ別に算定できない。
007 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ
(1) 携帯型ディスポーザブル注入ポンプは、疼痛管理又は化学療法を目的として使用した場合に限り算定できる。
(2) 携帯型ディスポーザブル注入ポンプは、1月につき6個以下の使用の場合は区分番号「C166」携帯型ディスポーザブル注入ポンプ加算を算定し、7個目以降の携帯型ディスポーザブル注入ポンプについて、本区分において算定する。
008,009 皮膚欠損用創傷被覆材、非固着性シリコンガーゼ
(1) 皮膚欠損用創傷被覆材及び非固着性シリコンガーゼは、いずれかの在宅療養指導管理料を算定している場合であって、在宅での療養を行っている通院困難な患者のうち、皮下組織に至る褥瘡(筋肉、骨等に至る褥瘡を含む。)(DESIGN―R分類D3、D4及びD5)を有する患者の当該褥瘡に対して使用した場合又は区分番号「C114」在宅難治性皮膚疾患処置指導管理料を算定している患者に対して使用した場合に限り算定できる。
(2) 皮膚欠損用創傷被覆材について、同一の部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。
(3) 区分番号「C114」を算定している患者以外に対して使用する場合は、いずれも原則として3週間を限度として算定する。それ以上の期間において算定が必要な場合には、診療報酬明細書の摘要欄に詳細な理由を記載する。
010 水循環回路セット
水循環回路セットを、前回算定日を起算日として3か月以内に算定する場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
011 膀胱瘻用カテーテル
(1) 膀胱瘻用カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) 原則として1個を限度として算定する。2個以上算定する場合は、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
012 交換用胃瘻カテーテル
(1) 交換用胃瘻カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) バンパー型の交換用胃瘻カテーテルは、4か月に1回を限度として算定できる。
013 局所陰圧閉鎖処置用材料
(1) 局所陰圧閉鎖処置用材料は以下の場合にのみ算定できる。
ア 外傷性裂開創(一次閉鎖が不可能なもの)
イ 外科手術後離開創・開放創
ウ 四肢切断端開放創
エ デブリードマン後皮膚欠損創
(2) 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。
(3) 局所陰圧閉鎖処置用材料は局所陰圧閉鎖処置開始日より3週間を標準として算定できる。特に必要と認められる場合については4週間を限度として算定できる。3週間を超えて算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。ただし、感染等により当該処置を中断した場合にあっては、当該期間は治療期間に含めない。
(4) 局所陰圧閉鎖処置用材料を使用した場合は、処置開始日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(5) 訪問看護ステーション等の看護師等が局所陰圧閉鎖処置用材料を使用して処置を実施する場合には、十分な経験のある医師の指示の下で実施し、当該医師と十分な連携を図ること。
(6) 局所陰圧閉鎖処置用材料は、陰圧創傷治療用カートリッジと併用し、関連学会等の定める適正使用に係る指針を遵守して使用した場合に限り算定する。
014 陰圧創傷治療用カートリッジ
(1) 訪問看護ステーション等の看護師等が局所陰圧閉鎖処置用材料を使用して処置を実施する場合には、十分な経験のある医師の指示の下で実施し、当該医師と十分な連携を図ること。
(2) 陰圧創傷治療用カートリッジは、関連学会等の定める適正使用に係る指針を遵守して使用した場合に限り算定する。
015 人工鼻材料
(1) 人工鼻は、1月あたり60個を限度として算定できる。ただし、1月あたり60個を超えて算定が必要な場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的必要性について記載すること。
(2) 接続用材料・シール型は、1月あたり30枚を限度として算定できる。ただし、1月あたり30枚を超えて算定が必要な場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的必要性について記載すること。
3 在宅医療の部以外の部に規定する特定保険医療材料(フィルムを除く。)に係る取扱い
001 血管造影用シースイントロデューサーセット
(1) 血管造影用シースイントロデューサーセットの材料価格には、ダイレーター、カテーテルシース及びガイドワイヤーの費用が含まれ別に算定できない。ただし、ダイレーターのみ使用する場合は、ダイレーターとして算定する。
(2) ペースメーカー用カテーテル電極用シースイントロデューサーセットは、血管造影用シースイントロデューサーセットの蛇行血管用として算定する。
(3) 胸水・腹水シャントバルブの静脈側カテーテル、腹腔側カテーテル及び胸腔側カテーテルを挿入するシースイントロデューサーは、血管造影用シースイントロデューサーセットの蛇行血管用として算定する。
(4) 遠位端可動型は、経皮的カテーテル心筋焼灼術を実施する際に頻脈性不整脈の治療を目的として使用した場合に限り算定できる。
002 ダイレーター
ダイレーターは、カテーテルシース及びガイドワイヤーを用いず単独使用した場合にのみ算定できる。
006 体外式連続心拍出量測定用センサー
一人の患者について、体外式連続心拍出量測定用センサーとサーモダイリューション用カテーテル又は循環機能評価用動脈カテーテルを同時に使用した場合はいずれか主たるもののみ算定する。
007 血管内超音波プローブ
(1) 血管内超音波プローブは、一連の検査、画像診断又は手術につき1本のみ算定できる。
(2) 血管内超音波プローブのバルーン付・太径又はバルーン付・細径は、当該手技に伴って使用された場合に算定する。
009 血管造影用カテーテル
(1) 血管造影の際に、造影剤の拡散を防ぎ、目的の臓器に選択的に注入することを目的として使用した場合に限り算定できる。
(2) 心臓マルチパーパス型は、1回の造影につき1本のみ算定できる。なお、他の血管造影用カテーテルと同時に使用した場合はいずれか主たるもののみ算定する。
010 血管造影用マイクロカテーテル
(1) 遠位端可動型治療用は、関係学会の定める指針に従って使用した場合に限り、1回の手術に当たり1本を限度として算定できる。
(2) 遠位端可動型治療用の使用に当たっては、診療報酬明細書の摘要欄に医学的な根拠を詳細に記載すること。
(3) 遠位端可動型治療用は、造影検査のみを目的として使用した場合は算定できない。
016 テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セット
(1) テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットは、テクネシウム99mガス吸入装置(承認番号04B輸第1045号)に使用される患者吸入セットを使用した場合に算定できる。
(2) テクネシウム99mガス吸入装置用患者吸入セットには超微粒子発生槽、呼気フィルター及び連結チューブが含まれており、別に算定できない。
017 3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテル
(1) 3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテルは、区分番号「E003」の「6」の「イ」注腸を実施した場合に算定できる。
(2) 一般的名称が「腸用滅菌済みチューブ及びカテーテル」でカテーテルを固定するバルーンが内側のみのものは、3管分離逆止弁付バルーン直腸カテーテルとして算定できる。
019 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ
(1) PCA型は、注射又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入若しくは神経ブロックにおける麻酔剤の持続的注入の際に、PCA(Patient Controlled Analgesia)のために用いた場合に算定できる。なお、当該材料を算定する場合には、第6部注射の通則第4号に規定する精密持続点滴注射加算又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算若しくは神経ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算は算定できない。
(2) 特殊型については、PCAスイッチを組み合わせて使用した場合は、第6部注射の通則第4号に規定する精密持続点滴注射加算又は硬膜外麻酔後における局所麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算若しくは神経ブロックにおける麻酔剤の持続的注入における精密持続注入加算は算定できない。
021 中心静脈用カテーテル
(1) ガイドワイヤーは、別に算定できない。
(2) 末梢留置型中心静脈カテーテル・特殊型のうち、専用のナビゲーションシステムと併用し、留置に際してナビゲーションを行う機能に対応しているものについては、留置に際して専用のナビゲーションシステムを併用した場合に限り算定できる。
(3) 抗菌型は、区分番号「A234―2」感染防止対策加算「1」若しくは「2」の施設基準を満たす保険医療機関又は中心静脈ライン関連血流感染(以下「CLABSI」という。)に関するサーベイランスを実施している保険医療機関において、適切な感染防止対策を行った上で、下記のア又はイのいずれかに該当する患者に対し、関連学会が定める適正使用基準を遵守して使用した場合に限り算定できる。
ア 中心静脈用カテーテルを挿入した日から起算して5日を超える当該カテーテルの留置が必要であり、かつ下記のa~dのいずれかに該当する患者
a 同一入院期間中においてCLABSIを2回以上繰り返している患者
b 小児等の中心静脈カテーテル挿入が可能な血管が限定される患者
c 人工弁、人工血管グラフト、心血管系電子デバイス(ペースメーカー等)等を体内に留置しており、CLABSIによる続発症が重篤化する危険性が高い患者
d 好中球減少患者、熱傷患者、臓器移植患者、短小腸患者等のCLABSIの危険性が高い易感染患者
イ CLABSI発生率が地域や全国のサーベイランス(厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業等)の報告結果を超えている保険医療機関において、中心静脈用カテーテルを挿入した日から起算して14日以上の当該カテーテルの留置が必要である患者
(4) 抗菌型を使用する際には、下記について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
ア 当該患者の症状詳記及び上記(3)の該当項目
イ 当該患者のアレルギー歴(特に含有抗菌薬に関するアレルギー歴がないことを確認すること。)
ウ 上記(3)のイに該当する患者に対して使用する場合は、当該保険医療機関のCLABSI発生率及び参考とした地域や全国のサーベイランス(厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業等)におけるCLABSI発生率
023 涙液・涙道シリコンチューブ
(1) 涙液・涙道シリコンチューブは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) ブジー付チューブは、涙嚢鼻腔吻合術又は涙小管形成術に使用した場合は算定できない。
024 脳・脊髄腔用カニューレ
脳・脊髄腔用カニューレは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
025 套管針カテーテル
(1) 套管針カテーテルは、24時間以上体内留置した場合又は半導体レーザー用プローブを用いて切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対してレーザー光照射を実施した場合に算定できる。
(2) 半導体レーザー用プローブを用いて切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌に対してレーザー光照射を実施した場合には、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。
026 栄養カテーテル
栄養カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
027 気管内チューブ
気管内チューブは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。ただし、やむを得ず24時間未満で使用した場合は、1個を限度として算定できる。
028 胃管カテーテル
胃管カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
029 吸引留置カテーテル
吸引留置カテーテルは、24時間以上体内(消化管内を含む。)に留置し、ドレナージを行う場合に算定できる。
030 イレウス用ロングチューブ
(1) イレウス用ロングチューブは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) ガイドワイヤーは、別に算定できない。
031 腎瘻又は膀胱瘻用材料
(1) 膀胱瘻用カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) 腎瘻用カテーテルは、腎瘻術又はカテーテル交換術を行う際、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(3) 膀胱瘻用カテーテルを交換した場合は、ダイレーター、ガイドワイヤー、穿刺針及び膀胱瘻用穿孔針は別に算定できない。
(4) いずれの材料も、原則として1個を限度として算定する。2個以上算定する場合は、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
032 経鼓膜換気チューブ
経鼓膜換気チューブは、24時間以上体内留置し、滲出性中耳炎の治療を行う場合に算定できる。
033 経皮的又は経内視鏡的胆管等ドレナージ用材料
(1) カテーテル及び経鼻法用カテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) いずれの材料も、1個を限度として算定する。2個以上算定する場合は、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
034 胆道ステントセット
(1) 胆道ステントセットは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) ガイドワイヤーは、別に算定できない。
035 尿管ステントセット
(1) 尿管ステントセットは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) 外科的手術により尿管の再建を行う場合に算定できる。
(3) ガイドワイヤーは、別に算定できない。
036 尿道ステント
(1) 一時留置(交換)型尿道ステントは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
(2) 一時留置(交換)型尿道ステントを留置する際に使用するガイドワイヤーは、別に算定できない。
037 交換用胃瘻カテーテル
Ⅰの2の012と同様であること。
038 気管切開後留置用チューブ
T型カニューレは、気管切開を行った場合に算定できる。
039 膀胱留置用ディスポーザブルカテーテル
膀胱留置用ディスポーザブルカテーテルは、24時間以上体内留置した場合に算定できる。
040 人工腎臓用特定保険医療材料
Ⅰの2の006と同様であること。
042 緊急時ブラッドアクセス用留置カテーテル
緊急時ブラッドアクセス用留置カテーテルは、1週間に1本を限度として算定できる。
044,045,046 血漿交換用血漿分離器、血漿交換用血漿成分分離器及び血漿交換療法用特定保険医療材料
(1) 血漿交換用血漿分離器
血漿交換用血漿分離器の材料価格には、回路の費用が含まれる。
(2) 血漿交換用血漿成分分離器
ア 劇症肝炎及び薬物中毒の場合にあっては、二重濾過血漿交換療法は実施されることがなく、したがって膜型血漿成分分離器は請求できない。
イ 回路は別に算定できない。
(3) 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器
ア 血漿交換用ディスポーザブル選択的血漿成分吸着器は、以下のいずれかの場合に算定できる。
a 劇症肝炎又は術後肝不全に対して、ビリルビン及び胆汁酸の除去を目的に使用した場合
b 難治性の家族性高コレステロール血症、巣状糸球体硬化症又は閉塞性動脈硬化症に対して使用した場合(LDL吸着器)
c 重症筋無力症、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、ギラン・バレー症候群、多発性硬化症又は慢性炎症性脱髄性多発根神経炎に対して使用した場合
イ 回路は別に算定できない。
047,048 吸着式血液浄化用浄化器
(1) 回路は別に算定できない。
(2) 吸着式血液浄化用浄化器(エンドトキシン除去用)は、2個を限度として算定する。
(3) 肝性昏睡又は薬物中毒の際に行う吸着式血液浄化法において血漿分離及び吸着式血液浄化を行う場合、吸着式血液浄化用浄化器(肝性昏睡用又は薬物中毒用)とセットになっている血漿分離器は血漿交換用血漿分離器として算定できる。
049 白血球吸着用材料
(1) 回路は別に算定できない。
(2) 1日につき1個を限度として算定する。
052 腹膜透析用カテーテル
ガイドワイヤー及び穿刺針は別に算定できない。
053 腹膜透析液交換セット
上記Ⅰの2の001と同様であること。
055 副鼻腔炎治療用カテーテル
副鼻腔炎治療用カテーテルは、3本を限度として算定する。
056 副木
(1) 副木は、その患者のみの使用で消耗する程度のものに限り算定することができる。他の患者に対し何回も使用し得るもの又は器具と認められる副木について算定することは認められない。
副木には、矯正包帯などに用いる厚紙などは含まない。
(2) クラーメル副子は副木に含まれる。
(3) 下肢のヒール付ギプス包帯を行った場合のヒールは、特定保険医療材料として算定する。
(4) クラーメル副子、指アルミ副子については、特定保険医療材料として算定し、外転シーネ、腕関節及び指能動副子については、専門技工家の組立その他複雑な製作を要すると考えられるので療養費払いとする。
(5) 区分番号「K144」体外式脊椎固定術のベスト式の器械・器具に用いられるベスト部分は、その患者のみの使用により消耗する程度のものに限り算定できる。
057,058 人工股関節用材料及び人工膝関節用材料
(1) 人工股関節用材料及び人工膝関節用材料に併用される部品の費用は、特に規定する場合を除き、人工股関節用材料及び人工膝関節用材料の材料価格に含まれるものであり、別途特定保険医療材料として算定できない。
(2) 臼蓋形成用カップ及びライナーが組み合わされ一体化されている製品であって、固定方法が間接固定である製品を使用した場合は、カップ・ライナー一体型(間接固定型)を算定する。
(3) (2)に規定する場合を除き、複数の機能区分が一体化されている製品を使用した場合は、それぞれ算定する。
(4) 骨盤側材料・臼蓋形成用カップ(直接固定型)・デュアルモビリティ用及び骨盤側材料・デュアルモビリティ化ライナーは骨盤側材料・ライナー・デュアルモビリティ対応型と組み合わせて使用した場合に限り、それぞれ算定する。
059 オプション部品
(1) 人工関節固定強化部品として算定できるのは、臼蓋用及び脛骨コンポーネント用のスクリューであり、固定用内副子であるスクリューを使用した場合は、固定用内副子として算定する。
(2) 人工股関節用部品・骨盤用(Ⅱ)は、骨欠損の状態に応じて適切な形状のものを必要最小限使用することとし、1回の手術に対し、2個を限度として算定する。
060 固定用内副子(スクリュー)
その他のスクリュー・特殊型・軟骨及び軟部組織用・特殊固定用アンカーは、1製品に複数のアンカーを含む場合、使用したアンカー毎に算定できる。
061 固定用内副子(プレート)
(1) ストレートプレート(生体用合金Ⅰ・S)及びストレートプレート(生体用合金Ⅰ・L)を胸骨に用いる場合は、以下のいずれかに該当する者に対して使用した場合に限り算定できる。その際、診療報酬明細書の摘要欄に該当する項目を記載すること。
ア 高度肥満(BMI30以上)の患者
イ インスリン依存型糖尿病の患者
ウ 重症ハイリスク症例と考えられる患者(高度慢性閉塞性肺疾患、ステロイド使用患者、両側内胸動脈を使用したバイパス例、起立時・歩行時に上肢に体重をかける必要のある脳神経疾患患者等)
(2) 骨端用プレート(生体用合金Ⅰ)・患者適合型又は変形矯正用患者適合型プレートは、医師が当該プレート以外のプレートでは十分な治療効果が得られないと判断した場合又は当該プレート以外のプレートを使用した場合に比べ大きな治療効果が得られると判断した場合に限り算定する。
062 大腿骨外側固定用内副子
(1) スラストプレート人工股関節システムを使用して人工股関節置換術を行った場合は、ラグスクリュー及びつばなしプレートにより算定する。
(2) スラストプレート人工股関節システムを固定するために用いるスクリューは、一般スクリューとして算定できる。
064 脊椎固定用材料
(1) U字型脊椎ロッドは、脊椎ロッド2本とトランスバース固定器1本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。また、レクタングル型脊椎ロッドは、脊椎ロッド2本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。
(2) 脊椎ロッドと脊椎プレートの機能を併せて持つものについては、主たる機能に係るもののみを算定する。
(3) 脊椎ロッドと椎体フックが組み合わされ一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。
(4) トランスバース固定器と椎体フックの機能を併せて持つものについては、それぞれ算定して差し支えない。
(5) U字型プレート(後頭骨を支持する機能を有するものに限る。)は、脊椎プレート2枚を組み合わせたものとして算定できる。
(6) 脊椎プレートと脊椎コネクターが組み合わされ一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。
(7) 脊椎ロッドと脊椎コネクターが組み合わされ一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。
(8) 脊椎ロッドと脊椎スクリュー(固定型)が組み合わされ一体化されたものについては、当該材料の使用に係る所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り、それぞれ算定して差し支えない。
(9) 脊椎スクリュー(伸展型)は、早期発症側弯症の原則10歳未満の小児患者に対して、脊柱変形の矯正及び矯正の維持を目的として使用した場合に限り算定する。ただし、10歳以上の患者に対して使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的理由を記載すること。
065,066 人工肩関節用材料及び人工肘関節用材料
(1) トレイ、スペーサー、関節窩ヘッド及びベースプレートは、腱板機能不全を呈する症例に対して肩関節の機能を代替するために使用した場合に限り算定する。
(2) 切換用を用いる場合は、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(3) 人工肩関節用材料及び人工肘関節用材料に併用される部品の費用については、特に規定する場合を除き、人工肩関節用材料及び人工肘関節用材料の材料価格に含まれるものであり、別途特定保険医療材料として算定できない。
(4) 複数の機能区分が一体化されている製品を使用した場合は、それぞれ算定する。
069,070,071 上肢再建用人工関節用材料、下肢再建用人工関節用材料並びにカスタムメイド人工関節及びカスタムメイド人工骨
上肢再建用人工関節用材料、下肢再建用人工関節用材料並びにカスタムメイド人工関節及びカスタムメイド人工骨は、原則として悪性腫瘍、再置換等の症例に限って使用できる。なお、当該材料を使用した場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に明記する。
075 固定用金属線
(1) 高分子ポリエチレン製又はポリエステル製のケーブルは、固定用金属線として算定する。ただし、ポリエステル製のケーブルについては、脊椎の固定に使用した場合に限り算定する。
(2) ワイヤーについては、使用した長さにより算定する。
076 固定用金属ピン
骨接合用器具器械(類別許可品目)として届出されたガイドピンは算定できない。
078 人工骨
(1) 人工骨は、それぞれ以下の場合に算定できる。
ア 骨髄炎、骨・関節感染症、慢性関節疾患、代謝性骨疾患、外傷性骨疾患若しくは骨腫瘍の病巣掻爬後の補填に用いた場合、これらの疾患の治療のために自家骨移植を行った結果その欠損部位の補填を目的として使用した場合、頭蓋欠損部若しくは骨窓部の充填に使用した場合又は鼓室形成術に使用した場合
イ 汎用型・非吸収型・骨形成促進型については、新鮮な長管骨の骨折で骨欠損の著しい場合において、欠損部位の補填に使用した場合
ウ 椎弓・棘間用、椎体固定用については、原発性脊椎悪性腫瘍若しくは悪性腫瘍の脊椎転移後の際の脊椎固定又は脊椎症、椎間板ヘルニア若しくは脊椎分離・すべり症に対する脊椎固定を行う場合
エ 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうちトルコ鞍プレートについては、下垂体又は視床下部の腫瘍摘除の結果としてトルコ鞍の欠損部補填を行う場合
オ 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうち眼窩底スペーサについては、眼窩床骨折整復を行う場合
カ 専用型・頭蓋骨・喉頭気管用のうち下顎骨補綴材については、下顎骨腫瘍又は下顎骨外傷の治療として欠損補填を行う場合
キ 骨盤用・腸骨稜用については、腸骨稜を移植骨として採取した後の欠損補填を行う場合
ク キールボンについては、骨移植に使用した場合
(2) スクリュー併用用はスクリュー1本当たり2mLを限度に算定する。
079 骨セメント
(1) 頭蓋骨用
頭蓋骨に用いた場合に算定する。
(2) 人工関節固定用
人工関節(股関節、膝関節、肩関節、肘関節、足関節等)置換術を行う際の固定を目的として用いた場合に算定する。
(3) 脊椎用
ア 脊椎用は、以下のいずれかの場合に算定できる。
a 経皮的椎体形成術に用いた場合
b 脊椎固定術においてセメント注入型の脊椎スクリューと併用した場合
c 骨折観血的手術においてセメント注入型の横止めスクリュー・大腿骨頸部型と併用した場合
イ 副作用発生時に全身麻酔による手術が行える体制が整備されている施設において使用すること。
080 合成吸収性骨片接合材料
頭蓋骨閉鎖用クランプ・一般型は、頭蓋骨の成長が見込まれる小児患者に対して使用した場合に算定できる。
086,087 脳・脊髄刺激装置用リード及び仙骨神経刺激装置用リード、植込型脳・脊髄電気刺激装置
(1) 脳・脊髄刺激装置用リード及び仙骨神経刺激装置用リード
8極用脳・脊髄刺激装置用リードセット及び仙骨神経刺激装置用リードセットは、4極用脳・脊髄刺激装置用リードセット及び仙骨神経刺激装置用リードセット2本を組み合わせたものとして算定して差し支えない。
(2) 植込型脳・脊髄電気刺激装置
ア 振戦軽減用は、薬物療法によって十分な治療効果の得られない以下のいずれかの症状の軽減を目的に使用した場合に、1回の手術に対し2個を限度として算定できる。
a 振戦
b パーキンソン病に伴う運動障害
c ジストニア
イ 植込型脳・脊髄電気刺激装置の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるが、単なる機種交換等の場合は算定できない。
090 人工内耳用材料
(1) 人工内耳用材料の交換に係る費用は、破損した場合等においては算定できるが、単なる機種の交換等の場合は算定できない。
(2) 携帯型又は耳掛け型の選択できる人工内耳用音声信号処理装置については、いずれか一方を選択し算定できる。
なお、耳掛け型を選択した場合は、人工内耳用音声信号処理装置及び人工内耳用ヘッドセットの材料価格を合算して算定する。
(3) 人工内耳用ヘッドピースは、マイクロホン、送信コイル、送信ケーブル、マグネットを合算して算定する。人工内耳用ヘッドピースケーブルは、接続ケーブルで算定する。
(4) 耳掛け型のケーブル付き送信コイルは、送信コイルと送信ケーブルを合算して算定する。
094 気管・気管支・大動脈ステント
(1) 気管・気管支・大動脈ステントは、1回の手術に対し1個を限度として算定する。ただし、大静脈へ使用する場合は1回の手術に対し2個を限度として算定する。
(2) 永久留置型・特殊型は、関係学会の定める指針に従って使用した場合に限り算定できる。算定に当たっては診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。
095 食道用ステント
食道用ステントは、1回の手術に対し1個を限度として算定する。
097 食道静脈瘤硬化療法用セット
食道静脈瘤硬化療法用セットの材料価格には、オーバーチューブの費用が含まれ別に算定できない。
098 内視鏡的食道静脈瘤結紮セット
(1) 実際に使用したセット数にかかわらず、1日につき1個のみ算定する。
(2) 内視鏡的食道静脈瘤結紮セットの材料価格には、デバイス(ワイヤー、アダプタ及びリング)及びオーバーチューブの費用が含まれ別に算定できない。
099 組織代用人工繊維布
生体由来材料は、開心根治術の場合に算定できる。
100 合成吸収性癒着防止材
合成吸収性癒着防止材を、女子性器手術後の卵管及び卵管采の通過・開存性の維持以外の目的で使用した場合には、シート型は373.38cm2を限度として、スプレー型は9.4mLを限度として算定できる。
101 皮膚欠損用創傷被覆材
(1) 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。
(2) 皮膚欠損用創傷被覆材は、いずれも2週間を標準として、特に必要と認められる場合については3週間を限度として算定できる。また、同一部位に対し複数の創傷被覆材を用いた場合は、主たるもののみ算定する。
(3) 皮膚欠損用創傷被覆材は、以下の場合には算定できない。
ア 手術縫合創に対して使用した場合
イ 真皮に至る創傷用を真皮に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合
ウ 皮下組織に至る創傷用・標準型又は皮下組織に至る創傷用・異形型を皮下組織に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合
エ 筋・骨に至る創傷用を筋・骨に至る創傷又は熱傷以外に使用した場合
102 真皮欠損用グラフト
(1) 真皮欠損用グラフトは、1局所に2回を限度として算定する。なお、縫縮可能な小さな創に用いた場合は算定できない。
(2) 真皮欠損用グラフトは、口蓋裂手術創の口腔粘膜欠損の修復に用いた場合又は熱傷、外傷、手術創の骨、腱、筋肉等が露出した重度の真皮・軟部組織欠損創の修復に用いた場合に算定できる。
104 ゼラチンスポンジ止血材
ゼラチンスポンジ止血材は、痔疾患術後における直腸肛門部の止血のために用いた場合に算定できる。
105 デキストラノマー
デキストラノマーは、下腿潰瘍、第Ⅱ度熱傷、第Ⅲ度熱傷若しくは消化管瘻周囲皮膚炎の浸出性創面、褥瘡又は術創に対して、2週間(改善傾向が明らかな場合は、3週間)を限度として算定できる。
106 微線維性コラーゲン
(1) 微線維性コラーゲンは、肝、膵、脾、脳、脊髄の実質性出血及び硬膜出血並びに脊椎・脊髄手術における硬膜外静脈叢・硬膜近傍骨部、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、心臓切開縫合閉鎖部、心臓表面、ACバイパス吻合部、胸骨断面、肺切離面、胸膜剥離面及び縦隔リンパ節郭清部、関節手術における骨切り面、子宮実質、膀胱・骨盤内腹膜・直腸剥離面、傍大動脈リンパ節郭清部、骨盤内リンパ節郭清部、骨盤底又は骨盤壁からの出血で、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血が無効又は実施できない場合において、止血に使用した場合に算定する。
(2) 微線維性コラーゲンは、粉末状のもの、シート状のもの又は綿状のものにかかわらず算定できる。
(3) ゼラチン止血・接着剤は、解離性大動脈瘤の解離腔、大動脈切開縫合吻合部(人工血管を含む。)、ACバイパス吻合部又は肺若しくは肝切離面に対し、結紮、レーザーメス又は通常の処置による止血・閉鎖が無効又は実施できない場合において、止血・閉鎖のために使用した場合に算定できる。
107 経皮的血管形成術用穿刺部止血材料
(1) 経皮的血管形成術用穿刺部止血材料のうち、薬事承認又は認証上、類別が「医療用品(2)縫合糸」であって、一般的名称が「非吸収性縫合糸セット」であるものについては、経皮的カテーテル処置を実施した患者の日帰り又は早期退院を目的とした大腿動脈穿刺部位又は大腿静脈穿刺部位の止血を行う場合、次のいずれかに該当する場合算定できる。
ア 5Fr以上8Fr以下のイントロデューサーシースを使用した症例であって、当該患者が手術の翌々日までに帰宅した場合、1セットについてのみ算定できる。ただし、手術後1週間以内に入院した場合は算定できない。
イ 8Frを超えるイントロデューサーシースを使用した症例であって、大腿動脈穿刺部位又は大腿静脈穿刺部位の止血を行い、当該患者が原則手術後10日以内に帰宅した場合、一連につき2セットまで算定できる。ただし、術後10日を超えて帰宅した場合、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的理由を記載すること。また、区分番号K556―2、K559―2、K561の2のロ、K561の2のハ、K574―2、K594の4のロ及びK595の1に掲げる手術については、一連につき4セットまで算定できる。なお、退院後1週間以内に入院した場合は算定できない。
(2) 経皮的血管形成術用穿刺部止血材料のうち、薬事承認又は認証上、類別が「医療用品(4)整形用品」であって、一般的名称が「吸収性局所止血材」又は「コラーゲン使用吸収性局所止血材」、又は類別が「機械器具(30)結紮器及び縫合器」であって、一般的名称が「単回使用自動縫合器」であるものについては、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈粥腫切除術、経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)、経皮的冠動脈ステント留置術又は末梢動脈(頸動脈、腎動脈、四肢の動脈)の経皮的血管形成術、脳血管内手術、経皮的脳血管形成術、経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術、経皮的脳血栓回収術又は経皮的脳血管ステント留置術を実施した患者の日帰り又は早期退院を目的とした大腿動脈穿刺部位の止血を行う場合に、5Fr以上のイントロデューサーシースを使用した症例であって、当該患者が手術の翌々日までに帰宅した場合に限り1セットについてのみ算定できる。ただし、手術後1週間以内に入院した場合は算定できない。
108 頭・静脈、腹腔シャントバルブ
カテーテル、バルブ、リザーバー、コネクタのいずれかが組み合わされ、一体化されたものについては、それぞれ算定して差し支えない。
113 植込式心臓ペースメーカー用リード
植込式心臓ペースメーカー用リードを植込型除細動器に接続し使用した場合は、そのリードの機能に応じ、経静脈リードの標準型又は誤感知防止型として算定する。
114 体外式ペースメーカー用カテーテル電極
(1) 心臓電気生理学的検査機能付加型の「心房内・心室内全域型」を算定する場合は、区分番号「K595」経皮的カテーテル心筋焼灼術の三次元カラーマッピング加算は算定できない。
(2) 再製造の冠状静脈洞型又は房室弁輪部型を使用する場合は、再製造品であることについて文書を用いて患者に説明すること。
118 植込型除細動器用カテーテル電極
アダプターは、除細動閾値が高く、除細動電極の追加が必要となった患者に対して使用した場合に限り算定できる。
120 生体弁
(1) 異種心膜弁(Ⅱ)システム
ア 大動脈弁弁尖の硬化変性に起因する重症大動脈弁狭窄症を有している患者に使用する場合に限り、算定できる。
イ 関連学会の定める適正使用指針に従って使用した場合に限り、算定できる。
ウ 胸腔鏡下弁形成術・弁置換術の施設基準を満たす医療機関で使用した場合に限り、算定できる。
(2) 異種心膜弁(Ⅱ)
期限付改良加算ありは、令和6年3月31日まで設けられる機能区分である。
123 経皮的カテーテル心筋焼灼術用カテーテル
熱アブレーション用の「体外式ペーシング機能付き」又は「体外式ペーシング機能付き・特殊型」を算定する場合は、区分番号「K595」経皮的カテーテル心筋焼灼術の三次元カラーマッピング加算は算定できない。
125 遠心式体外循環用血液ポンプ
(1) 遠心式体外循環用血液ポンプは、人工心肺回路セットに併用される場合、胸部若しくは胸腹部の大動脈瘤手術時における病変部大動脈の一時的バイパスを行う場合又は経皮的心肺補助法(PCPS)を行う場合に算定できる。
(2) 流量測定に用いるセルは別に算定できない。
126 体外循環用カニューレ
付加機能のうち加算の対象となる付加されている生体適合性とは、ヘパリンコーティングされているもの、ポリメトキシエチルアクリレート等(抗血栓性を有していることが薬事承認又は認証上明記されているもの)がコーティングされているもの及び材質が抗血栓性セグメント化ポリウレタンであるものをいう。また、付加機能のうち、密封・固定、圧モニター及びベント(心筋保護カニューレにおけるもの)は加算の対象とならない。
127 人工心肺回路
人工心肺と同時に行われた選択的冠灌流の際の回路については、人工心肺回路として算定できる。
129 補助人工心臓セット
(1) 体外型
ア 成人用
a 成人用の材料価格には、補助人工心臓血液ポンプ、送血用カニューレ、脱血用カニューレ、駆動用チューブ、心房カフ、スキンカフ、タイバンド、シリコン栓、心尖カフ、コネクタ、コネクタバンド及び回路チューブの費用が含まれ別に算定できない。
b 左心補助、右心補助についてそれぞれ1個を限度として算定できる。
イ 小児用
a 血液ポンプ、動脈送血用カニューレ及びドライビングチューブはいずれも、左心補助、右心補助についてそれぞれ1個を限度として算定する。脱血用カニューレは、左心補助について、心尖部脱血用カニューレ又は心房脱血用カニューレを、いずれか1個を限度として算定する。右心補助については、心房脱血用カニューレを、1個を限度として算定する。アクセサリーセットは、血液ポンプを算定する際に1個を限度として算定する。
b 前回算定日を起算日として3ヶ月以内に算定する場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
c 小児用を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定する。
(2) 植込型(非拍動流型)
ア 植込型(非拍動流型)の材料価格には、血液ポンプ、送血用人工血管、脱血用人工血管、コントロールユニット等の費用が含まれ、別に算定できない。
イ 植込型(非拍動流型)(水循環回路セットを除く。)を植え込み後に再度植え込む必要が生じた場合、及び水循環回路セットを、前回算定日を起算日として3か月以内に算定する場合には、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。
ウ 次のいずれかの場合に使用すること。
a 心臓移植適応の重症心不全患者で、薬物療法や体外式補助人工心臓などの補助循環法によっても継続した代償不全に陥っており、かつ、心臓移植以外には救命が困難と考えられる症例に対して、心臓移植までの循環改善に使用する場合。
b 心臓移植不適応の重症心不全患者で、薬物療法や体外式補助人工心臓などの補助循環法によっても継続した代償不全に陥っている症例に対して、長期循環補助として使用する場合。
エ 植込型(非拍動流型)を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定する。
130 心臓手術用カテーテル
(1) 心臓手術用カテーテルに併用されるガイドワイヤー等の特定保険医療材料は別途算定できる。
(2) 経皮的冠動脈形成術用カテーテル・再狭窄抑制型は、冠動脈ステント内再狭窄病変又は対照血管径が3.0mm未満の新規冠動脈病変に対して使用された場合に限り算定できる。
(3) 特定保険医療材料以外の保険医療材料であって心臓手術用カテーテルに併用されるもの(三方活栓、延長チューブ、インデフレーター等)は算定できない。
(4) 冠動脈用ステントセット・救急処置型は、対象血管内径2.5mmから5.0mmの冠動脈又は伏在静脈グラフトに穿孔が生じ、心嚢内への止血が困難な血液漏出がある患者に対する救命の為の緊急処置に使用された場合のみ算定できる。
(5) 冠動脈用ステントセット・救急処置型は、本医療材料による処置が不成功となった場合に適切な処置が行えるよう、心臓外科的処置のできる施設若しくは近隣の医療機関との連携により緊急事態に対応できる施設で使用された場合のみ算定できる。
(6) 冠動脈用ステントセット・救急処置型は、血管造影法、経皮的冠動脈形成術及び経皮的冠動脈ステント留置術に熟練し、かつ、本医療材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用すること。
(7) 冠動脈狭窄部貫通用カテーテルは、慢性完全狭窄症例や冠動脈完全閉塞の急性心筋梗塞等ガイドワイヤー通過困難な症例において、経皮的冠動脈形成術の施行時に使用した場合に算定できる。
(8) 特殊カテーテルのうち、高速回転式経皮経管アテレクトミーカテーテルの材料価格には、同時に使用されるモータードライブユニット等(アドバンサー、カッターカテーテル、止血弁等)の費用が含まれ別に算定できない。
132 ガイディングカテーテル
(1) 冠動脈用は、冠動脈形成術を施行する際に使用した場合のみ算定できる。
(2) 脳血管用は、脳血管の手術の際に使用した場合のみ算定できる。
(3) 高度屈曲対応型は、脳動脈瘤治療用フローダイバーター又は中心循環系血管内塞栓促進用補綴材の留置を補助する目的で使用した場合に限り算定できる。
(4) その他血管用は、経皮的四肢血管拡張術、血栓除去術及び経皮的肺動脈拡張術を行う際に使用した場合にのみ算定できる。
(5) 脳血管用・紡錘型は、血管手術の際、血管内手術用カテーテル等を脳血管へ到達させることが困難と予想される場合又は困難な場合に、血管内手術用カテーテル等を脳血管へ到達させる目的に使用した場合に限り算定できる。なお、脳血管用・紡錘型を使用する医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
133 血管内手術用カテーテル
(1) 経皮的脳血管形成術用カテーテルは、頭蓋内血管の経皮的形成術に使用した場合に算定できる。
(2) PTAバルーンカテーテル
ア 大腿膝窩動脈の自家血管の狭窄病変又はステント内再狭窄病変に対し再狭窄抑制型を用いる場合は、関連学会が定める、「大腿膝窩動脈用薬剤コーティングバルーンの適正使用指針」に沿って使用した場合に限り算定できる。
イ 再狭窄抑制型を、大腿膝窩動脈の自家血管の狭窄病変のうち病変長5cm未満の病変に対して使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由を記載し症状詳記を添付すること。
ウ 再狭窄抑制型については、同一病変に対して、同一入院中に末梢血管用ステントセット・一般型又は末梢血管用ステントセット・再狭窄抑制型と併せて使用した場合は、一連につき主たるもののみ算定できる。
エ ブラッドアクセス用のシャントの狭窄病変又は閉塞病変に対し再狭窄抑制型を用いる場合は、関連学会が定める適正使用指針に沿って使用した場合に限り算定できる。
オ ボディワイヤ型を使用した場合は、一般型バルーンカテーテルでは拡張が困難であると判断した医学的根拠を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(3) 下大静脈留置フィルターセット
ア フィルター、フィルター・デリバリー・カテーテル、ガイドワイヤー、ダイレーター、シース、ローディング・コーン及びローディング・ツールは、別に算定できない。
イ 留置後抜去することを前提としたテンポラリー下大静脈留置フィルターは算定できない。
(4) 血管内異物除去用カテーテル
ア リードロッキングデバイスについては、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。
イ リード抜去スネアセットについては、リード断線等、通常の血管内異物除去用カテーテル大血管用では抜去困難と判断されるリードの抜去を目的として、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じて使用した場合に限り算定できる。
ウ 大血管用ローテーションシースの使用にあたっては、関連学会の定める当該材料の実施基準に準じて使用した場合に限り算定できる。
(5) 血栓除去用カテーテル
ア 脳血栓除去用は、1回の手術に対し、3本を限度として算定する。
イ 脳血栓除去用は、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。
ウ 脳血栓除去用を使用するに当たっては、関係学会の定める実施基準に準じること。
エ 破砕吸引型については、ワイヤーを使用せず、カテーテルのみを使用して脳血栓の除去を行った場合は、破砕吸引型は算定できず、直接吸引型として算定する。
(6) 塞栓用コイル・コイル・特殊型は、所定の研修を修了した医師が実施した場合に限り算定できる。
(7) 下肢動脈狭窄部貫通用カテーテル
ア ガイドワイヤーの通過が困難な慢性完全閉塞下肢動脈において、経皮的血管形成術を実施した場合に限り算定できる。なお、経皮的血管形成術前の患者の病変部の所見及び下肢動脈狭窄部貫通用カテーテルを使用する医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 内膜下に挿入されたガイドワイヤーを真腔に再疎通させる機能を有するものについては、TASCⅡA/B病変であって、病変長が15cmを超えない病変において、ガイドワイヤーが偽腔に迷入した場合に限り、1回の手術に当たり1本を上限として算定できる。
(8) 血管塞栓用プラグ
ア 心臓及び頭蓋内血管を除く、動静脈奇形、瘤、動静脈瘻等の異常血管、出血性病変、肝臓腫瘍の栄養血管のうち、直径2mm以上の血管に使用した場合に算定できる。なお、患者の血管病変部の所見(直径を含む。)を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ プッシャーワイヤー及びローダーは別に算定できない。
(9) 交換用カテーテルは、1回の手術に対し、1本を限度として算定する。
(10) 体温調節用カテーテル
ア 投薬のみを目的として使用した場合は算定できない。
イ 発熱管理型は、くも膜下出血、頭部外傷又は熱中症による急性重症脳障害に伴う発熱患者に対し、体温調節の補助として使用した場合に限り算定できる。
ウ 体温管理型は、目標体温を35℃以下として体温管理を行った場合に限り算定できる。
(11) 脳血管用ステントセットは、以下のいずれかの目的で使用した場合に限り算定できる。
ア 血管形成術時に生じた血管解離、急性閉塞又は切迫閉塞に対する緊急処置
イ 他に有効な治療法がないと判断される血管形成術後の再治療
(12) 脳動脈瘤治療用フローダイバーターシステム
ア 脳動脈瘤治療用フローダイバーターシステムは、1回の手術に当たり原則として1個を限度として算定できる。ただし、医学的な必要性から2個以上使用する必要がある場合は、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 脳動脈瘤治療用フローダイバーターシステムは、当該材料を用いた手技に関する所定の研修を修了した医師が使用した場合に限り算定できる。
ウ 脳動脈瘤治療用フローダイバーターシステム・動脈内留置型又は脳動脈瘤治療用フローダイバーターシステム・瘤内留置型を使用するに当たっては、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会及び日本脳神経血管内治療学会作成の「頭蓋内動脈ステント(脳動脈瘤治療用Flow Diverter)適正使用指針」又は「ワイドネック型分岐部動脈瘤用治療機器適正使用指針」を遵守すること。
(13) エキシマレーザー血管形成用カテーテル
ア エキシマレーザー血管形成用カテーテルに併用されるガイドワイヤー等の特定保険医療材料は別途算定できる。
イ 関連学会が定める適正使用指針に従って使用した場合に限り、一連の治療につき2本を限度として算定できる。
134 人工血管
短期使用型は、16歳未満の患者に対し、血行動態の一時的改善又は血中酸素濃度の是正のために使用した場合に算定できる。ただし、16歳以上の患者に対して使用した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的理由を記載すること。
135 尿路拡張用カテーテル
ガイドワイヤーは、別に算定できない。
136 胆道結石除去用カテーテルセット
ガイドワイヤーは、別に算定できない。
137 腎・尿管結石除去用カテーテルセット
ガイドワイヤーは、別に算定できない。
139 組織拡張器
組織拡張器は、以下のいずれにも該当する医師が使用した場合に限り算定する。
(1) 形成外科又は乳腺外科の専門的な研修の経験を5年以上有している医師、若しくはその指導下で研修を行う医師であること。
(2) 関係学会から示されている指針に基づいた所定の研修を修了し、その旨が登録されていること。
140 輸血用血液フィルター(微小凝集塊除去用)
輸血用血液フィルター(微小凝集塊除去用)は、1日当たり、1,000mL以上の輸血を行う場合(体重40kg以下の患者については、体重1kg当たり25mL以上の輸血を行う場合)に算定できる。ただし、血漿製剤中の白血球の除去を目的とするものは算定できない。
141,142 輸血用血液フィルター(赤血球製剤用白血球除去用)及び輸血用血液フィルター(血小板製剤用白血球除去用)
輸血用血液フィルター(赤血球製剤用白血球除去用)及び輸血用血液フィルター(血小板製剤用白血球除去用)は、白血病、再生不良性貧血、慢性腎不全等同一の疾患に対して10回以上の反復輸血が行われる場合(行われることが予想される場合を含む。)に算定できる。ただし、血漿製剤中の白血球の除去を目的とするものは算定できない。
144 両室ペーシング機能付き植込型除細動器
(1) 両室ペーシング機能付き植込型除細動器は、施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長等に届け出た保険医療機関において、以下のいずれにも該当する患者に対して使用した場合に算定する。ただし、薬事承認又は認証された使用目的以外に用いた場合は算定できない。
ア a又はbの基準を全て満たすこと。
a
i NYHAクラスⅡ
ii 左室駆出率30%以下
iii QRS幅150ms以上
iv 左脚ブロック
v 洞調律
b
i NYHAクラスⅢ又はⅣ
ii 左室駆出率35%以下
iii QRS幅120ms以上
イ 次のいずれかに該当すること。
a 致死性不整脈による心停止に伴う意識消失の既往を有する患者
b 血行動態が破綻する心室頻拍又は心室細動の既往を有する患者
c 非持続性心室頻拍が確認され、かつ電気生理学的検査により心室頻拍又は心室細動が誘発される患者
(2) 両室ペーシング機能付き植込型除細動器の移植術を行った患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。
145 肝動脈塞栓材
肝動脈塞栓材は、肝細胞癌患者に対する肝動脈塞栓療法において使用した場合に限り算定できる。
146 大動脈用ステントグラフト
(1) 腹部大動脈用ステントグラフトは、腹部大動脈瘤に対して外科手術による治療が第一選択とならない患者で、かつ、当該材料の解剖学的適応を満たす患者に対して、ステントグラフト内挿術が行われた場合にのみ算定できる。
なお、腹部大動脈用ステントグラフトを使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。また、腹部大動脈瘤の治療を目的とした外科手術を比較的安全に行うことが可能な患者に対しては、外科手術を第一選択として治療方法を選択すること。算定に当たっては、診療報酬明細書の摘要欄に外科手術が第一選択とならない旨及び当該材料による治療が適応となる旨を記載すること。
(2) 胸部大動脈用ステントグラフトは、1回の手術に対し1個を限度として算定できる。なお、以下の場合には1回の手術に対して2個を限度として算定して差し支えない。ただし、算定に当たっては、診療報酬明細書の摘要欄に複数個の当該材料による治療が適応となる旨を記載すること。また、胸部大動脈用ステントグラフトを使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。
ア 1個のステントグラフトで治療が可能な長さを超えるため、複数個の使用が必要な場合
イ 中枢側及び末梢側の固定部位の血管径が異なり、1個のステントグラフトで許容できる範囲を超えるため、複数個の組み合わせによる使用が必要な場合
(3) 胸部大動脈用ステントグラフトの血管分岐部対応型は、腕頭動脈、左総頸動脈、左鎖骨下動脈等の主要血管分岐部を含む部位に使用した場合に算定できる。その際、診療報酬明細書の摘要欄に該当する主要分岐血管名を記載すること。
(4) 大動脈解離用ステントグラフトは、当該材料の解剖学的適応を満たす合併症を有する急性期Stanford B型大動脈解離を有する患者のうち、内科的治療が奏効しない患者に対して、ステントグラフト内挿術が行われた場合に限り算定できる。なお、大動脈解離用ステントグラフトを使用するに当たっては、関係学会の定める当該材料の実施基準に準じること。
(5) 大動脈解離用ステントグラフト(メイン部分)、大動脈解離用ステントグラフト(補助部分)及び大動脈解離用ステントグラフト(ベアステント)は、1回の手術に対し、それぞれ1個を限度として算定する。なお、ベアステントについては、複数個のベアステントによる治療が必要である場合、2個を限度として算定して差し支えない。ただし、算定に当たっては診療報酬明細書の摘要欄に複数個の当該材料による治療が適応となる旨を記載すること。
149 血管内光断層撮影用カテーテル
(1) 血管内超音波法(IVUS)で観察が困難であるが、血管内腔及び血管壁表層の観察が必要な場合にのみ算定できる。
(2) 血管内光断層撮影用カテーテルは、一連の検査、画像診断又は手術につき1本のみ算定できる。
(3) 血管内超音波プローブと血管内光断層撮影用カテーテルを同時に使用した場合は原則としていずれか主たるもののみ算定する。ただし、医学的な必要性から血管内超音波プローブと血管内光断層撮影用カテーテルを同時に算定する場合は、その詳細な理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
150 ヒト自家移植組織
(1) 自家培養表皮(重症熱傷に対し使用する場合)
ア 自家植皮のための恵皮面積が確保できない重篤な広範囲熱傷で、かつ、受傷面積として深達性Ⅱ度熱傷創及びⅢ度熱傷創の合計面積が体表面積の30%以上の熱傷の場合であって、創閉鎖を目的として使用した場合に、一連につき40枚を限度として算定する。ただし、医学的に必要がある場合は、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載した上で50枚を限度として算定できる。
イ 深達性Ⅱ度熱傷創への使用は、Ⅲ度熱傷と深達性Ⅱ度熱傷が混在し、分けて治療することが困難な場合に限る。
ウ 凍結保存皮膚を用いた皮膚移植術を行うことが可能であって、救命救急入院料3、救命救急入院料4、特定集中治療室管理料2又は特定集中治療室管理料4の施設基準の届出を行っている保険医療機関において使用すること。
エ ヒト自家移植組織(自家培養表皮)を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。
(2) 自家培養表皮(先天性巨大色素性母斑に対し使用する場合)
ア 調製・移植キットについては、先天性巨大色素性母斑を切除した後の創部であって、創閉鎖を目的として使用した場合に、原則として、一連の治療計画につき30枚を限度として算定する。
イ 採取・培養キットについては、一連の治療計画の初回治療月に1回に限り算定できる。
ウ ヒト自家移植組織(自家培養表皮)を先天性巨大色素性母斑の治療を目的として使用した場合は、診療報酬請求に当たって、他の標準的な治療法では対応が困難であり、当該料を使用する必要があった理由が記載された症状詳記を診療報酬明細書に添付する。また、複数回に分けて治療することが予定されている場合は、一連の治療計画の内容として以下の事項を摘要欄に記載する。
a 治療開始年月及び治療終了予定年月
b 治療間隔及び回数
(3) 自家培養表皮(栄養障害型表皮水疱症又は接合部型表皮水疱症に対し使用する場合)
ア 調製・移植キットについては、栄養障害型表皮水疱症又は接合部型表皮水疱症であって、4週間以上持続しているびらん・潰瘍又は潰瘍化と再上皮化を繰り返すびらん・潰瘍に対して、上皮化させることを目的として使用した場合に、一連の治療計画につき同一箇所に対する移植は3回を限度とし、合計50枚を限度として算定する。なお、同一箇所に対して2回以上移植した場合は、その医学的理由と移植箇所、移植回数を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
イ 採取・培養キットについては、一連の治療計画の初回治療月に1回に限り算定できる。
ウ ヒト自家移植組織(自家培養表皮)を栄養障害型表皮水疱症又は接合部型表皮水疱症の治療を目的として使用した場合は、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に症状詳記を添付する。また、複数回に分けて治療することが予定されている場合は、一連の治療計画の内容として以下の事項を摘要欄に記載する。
a 治療開始年月及び治療終了予定年月
b 治療間隔及び回数
(4) 自家培養軟骨
ア 膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎(変形性膝関節症を除く。)で、他に治療法がなく、かつ、軟骨欠損面積が4cm2以上の軟骨欠損部位に使用する場合にのみ算定できる。
イ 使用した個数、大きさにかかわらず、所定の価格を算定する。
ウ 以下のいずれにも該当する医師が使用した場合に限り算定する。
a 整形外科の経験を5年以上有しており、関節軟骨修復術10症例以上を含む膝関節手術を術者として100症例以上実施した経験を有する常勤の医師であること。
b 所定の研修を修了していること。なお、当該研修は、次の内容を含むものであること。
i 自家培養軟骨の適応に関する事項
ii 変形性膝関節症との鑑別点に関する事項
iii 軟骨採取法に関する事項
iv 周術期管理に関する事項
v 合併症への対策に関する事項
vi リハビリテーションに関する事項
vii 全例調査方法に関する事項
viii 手術方法に関する事項(自家培養軟骨に類似した人工物を用いた手技を含む。)
エ ヒト自家移植組織(自家培養軟骨)を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に使用する医療上の必要性及び軟骨欠損面積等を含めた症状詳記を添付すること。
(5) 自家培養角膜上皮
ア 角膜上皮幹細胞疲弊症(スティーヴンス・ジョンソン症候群の患者、眼類天疱瘡の患者、移植片対宿主病の患者、無虹彩症等の先天的に角膜上皮幹細胞に形成異常を来す疾患の患者、再発翼状片の患者、特発性の角膜上皮幹細胞疲弊症患者を除く。)であって、重症度StageⅡA(結膜瘢痕組織の除去(必要に応じて羊膜移植)を行ったにもかかわらず角膜上皮の再建に至らない場合に限る。)、StageⅡB又はStageⅢの患者に対して使用した場合に、片眼につき1回に限り算定できる。
イ 次のいずれにも該当する医師が使用した場合に限り算定する。
a 眼科の経験を5年以上有しており、角膜移植術を術者として5例以上実施した経験を有する常勤の医師であること。
b 所定の研修を修了していること。なお、当該研修は、次の内容を含むものであること。
i 自家培養角膜上皮の適応に関する事項
ii 角膜上皮幹細胞疲弊症の重症度判定に関する事項
iii 角膜採取法に関する事項
iv 移植方法に関する事項
ウ ヒト自家移植組織(自家培養角膜上皮)を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に角膜上皮幹細胞疲弊症の重症度を含めた症状詳記を添付する。
(6) 自家培養口腔粘膜上皮
ア 角膜上皮幹細胞疲弊症であって、重症度StageⅡA(結膜瘢痕組織の除去(必要に応じて羊膜移植)を行ったにもかかわらず角膜上皮の再建に至らない場合に限る。)、StageⅡB又はStageⅢの患者に対して使用した場合に、片眼につき1回に限り算定できる。
イ 自家培養口腔粘膜上皮・調製・移植キットは、次のいずれにも該当する医師が使用した場合に限り算定する。
a 眼科の経験を5年以上有しており、角膜移植術を術者として5例以上実施した経験を有する常勤の医師であること。
b 所定の研修を修了していること。なお、当該研修は、次の内容を含むものであること。
i 自家培養口腔粘膜上皮の適応に関する事項
ii 角膜上皮幹細胞疲弊症の重症度判定に関する事項
iii 口腔粘膜組織採取法に関する事項
iv 移植方法に関する事項
ウ 自家培養口腔粘膜上皮・採取・培養キットは、口腔粘膜組織採取法に関する研修を修了している医師が使用した場合に限り算定する。
エ ヒト自家移植組織(自家培養口腔粘膜上皮)を使用した患者については、診療報酬請求に当たって、診療報酬明細書に角膜上皮幹細胞疲弊症の重症度を含めた症状詳記を添付する。
152 胸郭変形矯正用材料
(1) セットを使用する場合は、脊椎固定用材料に属する特定保険医療材料及び固定クリップ(伸展術時交換用)の費用は胸郭変形矯正用材料の材料価格に含まれ、別途算定できない。
(2) セットは1回の手術につき2セットを限度として算定できる。なお、医学的根拠に基づき3セット以上を算定する場合にあっては、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的根拠を詳細に記載すること。
(3) 固定クリップ(伸展術時交換用)は1セット当たり2個を上限として算定できる。
(4) 固定クリップ(伸展術時交換用)は伸展術時のみ算定できる。
(5) 部品連結用②横型を用いる場合は、セット(肋骨間用、肋骨腰椎間用又は肋骨腸骨間用)は1回の手術につき1セットを限度として算定できる。なお、医学的根拠に基づき2セット以上を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその医学的根拠を詳細に記載すること。
153 経皮的動脈管閉鎖セット
(1) 経皮的動脈管閉鎖セットを使用するに当たっては、関連学会の定める当該材料の実施基準に準じること。
(2) 動脈管内留置型は、関連学会の作成した「体重2.5kg未満の動脈管開存症に対する経皮的動脈管閉鎖セットの適正使用に関する手引き」を遵守して使用した場合に限り算定できる。なお、使用した患者の体重を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(3) 動脈管内留置型は、関連学会より認定された保険医療機関で使用した場合に限り算定できる。なお、関連学会より認定された保険医療機関であることを証する文書の写しを診療報酬明細書に添付すること。
(4) 動脈管内留置型は、関連学会より認定された医師が使用した場合に限り算定できる。なお、その医師が関連学会より認定された医師であることを証する文書の写しを診療報酬明細書に添付すること。
(5) 動脈管内留置型を体重1kg未満の患者に対し使用する場合は、外科的治療と当該材料による治療とのリスクとベネフィットの比較衡量により、適切と判断される場合に限り使用できる。なお、この場合には診療報酬明細書の摘要欄に当該材料を使用する理由及び医学的根拠を詳細に記載すること。
155 植込型心電図記録計
(1) 短期間に失神発作を繰り返し、その原因として不整脈が強く疑われる患者であって、心臓超音波検査及び心臓電気生理学的検査(心電図検査及びホルター型心電図検査を含む。)等によりその原因が特定できない者又は関連する学会の定める診断基準に従い、心房細動検出を目的とする植込型心電図記録計検査の適応となり得る潜因性脳梗塞と判断された者に対して、原因究明を目的として使用した場合に限り算定できる。
(2) 潜因性脳梗塞患者に対して使用した場合は診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。
156 合成吸収性硬膜補強材
本材料は5mLを1単位とする。
159 局所陰圧閉鎖処置用材料
(1) 局所陰圧閉鎖処置用材料は以下の場合にのみ算定できる。
ア 外傷性裂開創(一次閉鎖が不可能なもの)
イ 外科手術後離開創・開放創
ウ 四肢切断端開放創
エ デブリードマン後皮膚欠損創
オ CDC手術創クラスⅢ以上に相当する術後縫合創(手術後の切開創手術部位感染のリスクを低減する目的で使用した場合に限る。)
(2) 主として創面保護を目的とする被覆材の費用は、当該材料を使用する手技料の所定点数に含まれ、別に算定できない。
(3) 局所陰圧閉鎖処置用材料は局所陰圧閉鎖処置開始日より3週間を標準として算定できる。特に必要と認められる場合については4週間を限度として算定できる。3週間を超えて算定した場合は、診療報酬明細書の摘要欄にその理由及び医学的な根拠を詳細に記載すること。ただし、感染等により当該処置を中断した場合にあっては、当該期間は治療期間に含めない。
(4) 局所陰圧閉鎖処置用材料を使用した場合は、処置開始日を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。
(5) (1)「オ」については、区分番号「A301」特定集中治療室管理料、区分番号「A301―3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料、区分番号「A301―4」小児特定集中治療室管理料、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料を算定する患者であって、次に掲げる患者に対して使用した場合に限り算定できる。その際、次に掲げる患者のいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載すること。
ア BMIが30以上の肥満症の患者
イ 糖尿病患者のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で6.6%以上(NGSP値で7.0%以上)の者
ウ ステロイド療法を受けている患者
エ 慢性維持透析患者
オ 免疫不全状態にある患者
カ 低栄養状態にある患者
キ 創傷治癒遅延をもたらす皮膚疾患又は皮膚の血流障害を有する患者
ク 手術の既往がある者に対して、同一部位に再手術を行う患者
(6) 手術後の切開創手術部位感染のリスクを低減する目的で局所陰圧閉鎖処置用材料を使用した場合であって、以下に掲げる場合は、局所陰圧閉鎖処置用材料に係る費用はそれぞれの手術の所定点数に含まれる。