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○診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について

(令和2年3月5日)

(保医発0305第1号)

(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長・厚生労働省保険局歯科医療管理官通知)

(公印省略)

標記については、本日、「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第57号)等が公布され、令和2年4月1日より適用されることとなったところであるが、実施に伴う留意事項は、医科診療報酬点数表については別添1、歯科診療報酬点数表については別添2及び調剤報酬点数表については別添3のとおりであるので、その取扱いに遺漏のないよう貴管下の保険医療機関及び審査支払機関に対し、周知徹底を図られたい。

従前の「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(平成30年3月5日保医発0305第1号)は、令和2年3月31日限り廃止する。

別添1

医科診療報酬点数表に関する事項

<通則>

1 1人の患者について療養の給付に要する費用は、第1章基本診療料及び第2章特掲診療料又は第3章介護老人保健施設入所者に係る診療料の規定に基づき算定された点数の総計に10円を乗じて得た額とする。

2 基本診療料は、簡単な検査(例えば、血圧測定検査等)の費用、簡単な処置の費用等(入院の場合には皮内、皮下及び筋肉内注射及び静脈内注射の注射手技料等)を含んでいる。

3 特掲診療料は、特に規定する場合を除き、当該医療技術に伴い必要不可欠な衛生材料等の費用を含んでいる。

4 基本診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「基本診療料の施設基準等の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第58号)による改正後の「基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。

5 特掲診療料に係る施設基準、届出等の取扱いについては、「特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第59号)による改正後の「特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。

6 「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第57号)による改正後の診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号)及び本通知において規定する診療科については、医療法施行令(昭和23年政令第326号)及び医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)の規定に基づき、当該診療科名に他の事項を組み合わせて標榜する場合も含むものであること。

7 特掲診療料に掲げられている診療行為を行うに当たっては、医療安全の向上に資するため、当該診療行為を行う医師等の処遇を改善し負担を軽減する体制の確保に努めること。

8 署名又は記名・押印を要する文書については、自筆の署名(電子的な署名を含む。)がある場合には印は不要である。

第1章 基本診療料

第1部 初・再診料

<通則>

1 同一の保険医療機関(医科歯科併設の保険医療機関(歯科診療及び歯科診療以外の診療を併せて行う保険医療機関をいう。以下同じ。)を除く。)において、2以上の傷病に罹っている患者について、それぞれの傷病につき同時に初診又は再診を行った場合においても、初診料又は再診料(外来診療料を含む。)は1回に限り算定するものであること。

同一の保険医療機関において、2人以上の保険医(2以上の診療科にわたる場合も含む。)が初診又は再診を行った場合においても、同様であること。

ただし、初診料の「注5」のただし書に規定する同一保険医療機関において、同一日に他の傷病について、新たに別の医療法施行令第3条の2第1項及び第2項に規定する診療科(以下この部において単に「診療科」という。以下同じ。)を初診として受診した場合並びに再診料の「注3」及び外来診療料の「注5」に規定する同一保険医療機関において、同一日に他の傷病で別の診療科を再診として受診した場合の2つ目の診療科については、この限りではない。

2 初診又は再診が行われた同一日であるか否かにかかわらず、当該初診又は再診に附随する一連の行為とみなされる次に掲げる場合には、これらに要する費用は当該初診料又は再診料若しくは外来診療料に含まれ、別に再診料又は外来診療料は算定できない。

ア 初診時又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来た場合

イ 往診等の後に薬剤のみを取りに来た場合

ウ 初診又は再診の際検査、画像診断、手術等の必要を認めたが、一旦帰宅し、後刻又は後日検査、画像診断、手術等を受けに来た場合

3 医科歯科併設の保険医療機関において、医科診療に属する診療科に係る傷病につき入院中の患者が歯又は口腔の疾患のために歯科において初診若しくは再診を受けた場合、又は歯科診療に係る傷病につき入院中の患者が他の傷病により医科診療に属する診療科において初診若しくは再診を受けた場合等、医科診療と歯科診療の両者にまたがる場合は、それぞれの診療科において初診料又は再診料(外来診療料を含む。)を算定することができる。

ただし、同一の傷病又は互いに関連のある傷病により、医科と歯科を併せて受診した場合には、主たる診療科においてのみ初診料又は再診料(外来診療料を含む。)を算定する。

4 医療法(昭和23年法律第205号)に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない。)している期間中にあっては、再診料(外来診療料を含む。)(ただし、再診料の注5及び注6に規定する加算並びに外来診療料の注8及び注9に規定する加算を除く。)は算定できない。また、入院中の患者が当該入院の原因となった傷病につき、診療を受けた診療科以外の診療科で、入院の原因となった傷病以外の傷病につき再診を受けた場合においても、再診料(外来診療料を含む。)は算定できない。なお、この場合において、再診料(外来診療料を含む。)(ただし、再診料の注5及び注6に規定する加算並びに外来診療料の注8及び注9に規定する加算を除く。)以外の検査、治療等の費用の請求については、診療報酬明細書は入院用を用いること。

5 初診又は再診において、患者の診療を担う保険医の指示に基づき、当該保険医の診療日以外の日に訪問看護ステーション等の看護師等が、当該患者に対し点滴又は処置等を実施した場合に、使用した薬剤の費用については第2章第2部第3節薬剤料により、特定保険医療材料の費用については同第4節特定保険医療材料料により、当該保険医療機関において算定する。なお、当該薬剤の費用は、継続的な医学管理を行う必要がある場合に算定するものとし、区分番号「A000」初診料の算定のみの場合にあっては算定できない。また、同様に当該看護師等が検査のための検体採取等を実施した場合には、当該保険医療機関において、第2章第3部第1節第1款検体検査実施料を算定するとともに、検体採取に当たって必要な試験管等の材料を患者に対して支給すること。

6 算定回数が「週」単位又は「月」単位とされているものについては、特に定めのない限り、それぞれ日曜日から土曜日までの1週間又は月の初日から月の末日までの1か月を単位として算定する。

第1節 初診料

A000 初診料

(1) 特に初診料が算定できない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に、初診料を算定する。なお、同一の保険医が別の医療機関において、同一の患者について診療を行った場合は、最初に診療を行った医療機関において初診料を算定する。

(2) 患者が異和を訴え診療を求めた場合において、診断の結果、疾病と認むべき徴候のない場合にあっても初診料を算定できる。

(3) 自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、当該保険医が、特に治療の必要性を認め治療を開始した場合には、初診料は算定できない。

ただし、当該治療(初診を除く。)については、医療保険給付対象として診療報酬を算定できること。

(4) (3)にかかわらず、健康診断で疾患が発見された患者が、疾患を発見した保険医以外の保険医(当該疾患を発見した保険医の属する保険医療機関の保険医を除く。)において治療を開始した場合には、初診料を算定できる。

(5) 労災保険、健康診断、自費等(医療保険給付対象外)により傷病の治療を入院外で受けている期間中又は医療法に規定する病床に入院(当該入院についてその理由等は問わない。)している期間中にあっては、当該保険医療機関において医療保険給付対象となる診療を受けた場合においても、初診料は算定できない。

(6) 「注2」又は「注3」に規定する保険医療機関において、病院と診療所の機能分担の推進を図る観点から、他の保険医療機関等からの文書による紹介がなく、初診を行った場合は、「注1」の規定にかかわらず「注2」又は「注3」の所定点数を算定する。(緊急その他やむを得ない事情がある場合を除く。)この場合において、患者に対し十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意があった場合には、「注1」との差額に相当する療養部分について選定療養として、その費用を患者から徴収することができる。なお、保健所及び市町村等の医師が、健康診断等の結果に基づき治療の必要性を認め、当該患者に対し必要な診療が可能な保険医療機関を特定し、当該保険医療機関あてに文書による紹介を行った患者については、紹介のある患者とみなすことができる。

また、初診の患者に占める他の病院又は診療所等からの文書による紹介があるものの割合(以下「紹介率」という。)等が低い保険医療機関とは、「注2」にあっては、紹介率の実績が50%未満の特定機能病院及び地域医療支援病院(医療法第4条第1項に規定する地域医療支援病院をいう。以下同じ。)(一般病床の数が200床未満の病院を除く。)(ただし、逆紹介率の実績が50%以上の場合を除く。)をいい、「注3」にあっては、紹介率の実績が40%未満の許可病床の数が400床以上の病院(特定機能病院、許可病床の数が400床以上の地域医療支援病院及び一般病床の数が200床未満の病院を除く。)(ただし、逆紹介率の実績が30%以上の場合を除く。)をいう。紹介率及び逆紹介率の実績の算定期間は、報告年度の前年度1年間(ただし、前年度1年間の実績が基準に満たなかった保険医療機関については、報告年度の連続する6か月間)とし、当該期間の紹介率又は逆紹介率の実績が基準を上回る場合には、紹介率が低い保険医療機関とはみなされない。

※ 紹介率及び逆紹介率の計算については、下記のとおりとする。

紹介率=(紹介患者数+救急患者数)÷初診の患者数

逆紹介率=逆紹介患者数÷初診の患者数

なお、初診の患者数、紹介患者数、逆紹介患者数、救急患者数については、特定機能病院は「医療法の一部を改正する法律の一部の施行について(平成5年2月15日)(健政発第98号)」により、地域医療支援病院及び「注3」に規定する病院は「医療法の一部を改正する法律の施行について(平成10年5月19日)(健政発第639号)」により定めるものとすること。

ただし、特定機能病院における初診の患者数については、「患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった患者の数(夜間又は休日に受診したものの数を除く。)」とする。また、地域医療支援病院及び「注3」に規定する病院における初診の患者数については、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった患者の数(地方公共団体又は医療機関に所属する救急自動車により搬送された患者、当該地域医療支援病院が医療法第30条の4に基づいて作成された医療計画において位置づけられた救急医療事業を行う場合にあっては、当該救急医療事業において休日又は夜間に受診した救急患者の数を除く。)とする。

(7) 特定機能病院及び地域医療支援病院(一般病床の数が200床未満の病院を除く。)及び許可病床の数が400床以上の病院(特定機能病院、地域医療支援病院及び一般病床の数が200床未満の病院を除く。)は、紹介率及び逆紹介率の割合を別紙様式28により、毎年10月に地方厚生(支)局長へ報告すること。また、報告を行った保険医療機関であって、報告年度の連続する6か月間で実績の基準を満たした保険医療機関については、翌年の4月1日までに地方厚生(支)局長へ報告すること。

(8) 許可病床の数が400床以上の病院(特定機能病院、許可病床の数が400床以上の地域医療支援病院及び一般病床の数が200床未満の病院を除く。)のうち、前年度1年間の紹介率の実績が40%未満かつ逆紹介率の実績が30%未満の保険医療機関の取扱いについては、(7)と同様であること。

(9) 「注4」に規定する保険医療機関において、医薬品価格調査の信頼性を確保する観点から、毎年9月末日においても妥結率が低い状況又は妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約に係る状況が報告していない状況のまま、初診を行った場合は、特定妥結率初診料を算定する。

(10) 妥結率、単品単価契約率及び一律値引き契約の取扱いについては、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発0305第2号)別添1の第2の5を参照のこと。

(11) (10)に規定する報告の際には、保険医療機関と卸売販売業者で取引価格の決定に係る契約書の写し等妥結率の根拠となる資料を併せて提出すること。

(12) 現に診療継続中の患者につき、新たに発生した他の傷病で初診を行った場合には、当該新たに発生した傷病について初診料は算定できない。

ただし、「注5」のただし書に規定する同一保険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、新たに別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を初診として受診した場合(1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科を除く診療科1つに限り、同ただし書の所定点数を算定できる。また、診療継続中以外の患者であって、同一日に他の傷病で2以上の診療科を初診として受診する場合においても、2つ目の診療科に限り、同ただし書の所定点数を算定できる。この場合において、「注6」から「注10」までに規定する加算は、算定できない。なお、患者が専門性の高い診療科を適切に受診できるよう保険医療機関が設置した総合外来等については、診療科とみなさず、総合外来等を受診後、新たに別の診療科を受診した場合であっても同ただし書の所定点数は算定できない。

(13) 患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同一病名又は同一症状によるものであっても、その際の診療は、初診として取り扱う。なお、この場合において、1月の期間の計算は、例えば、2月10日~3月9日、9月15日~10月14日等と計算する。

(14) (13)にかかわらず、慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない。

(15) A保険医療機関には、検査又は画像診断の設備がないため、B保険医療機関(特別の関係(第2部通則7の(3)に規定する「特別の関係」をいう。以下同じ。)にあるものを除く。)に対して、診療状況を示す文書を添えてその実施を依頼した場合には、次のように取り扱うものとする。(区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)の(5)から(7)までを参照。)

ア B保険医療機関が単に検査又は画像診断の設備の提供にとどまる場合

B保険医療機関においては、診療情報提供料、初診料、検査料、画像診断料等は算定できない。なお、この場合、検査料、画像診断料等を算定するA保険医療機関との間で合議の上、費用の精算を行うものとする。

イ B保険医療機関が、検査又は画像診断の判読も含めて依頼を受けた場合

B保険医療機関においては、初診料、検査料、画像診断料等を算定できる。

(16) 乳幼児加算

初診料を算定しない場合には、特に規定する場合を除き、「注6」の乳幼児加算は、算定できない。

(17) 時間外加算

ア 各都道府県における医療機関の診療時間の実態、患者の受診上の便宜等を考慮して一定の時間以外の時間をもって時間外として取り扱うこととし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)及び休日加算の対象となる休日以外の日を終日休診日とする保険医療機関における当該休診日とする。

ただし、午前中及び午後6時以降を診療時間とする保険医療機関等、当該標準によることが困難な保険医療機関については、その表示する診療時間以外の時間をもって時間外として取り扱うものとする。

イ アにより時間外とされる場合においても、当該保険医療機関が常態として診療応需の態勢をとり、診療時間内と同様の取扱いで診療を行っているときは、時間外の取扱いとはしない。

ウ 保険医療機関は診療時間を分かりやすい場所に表示する。

エ 時間外加算は、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により時間外に診療が開始された場合は算定できない。

オ 時間外加算を算定する場合には、休日加算、深夜加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。

(18) 休日加算

ア 休日加算の対象となる休日とは、日曜日及び国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日をいう。なお、1月2日及び3日並びに12月29日、30日及び31日は、休日として取り扱う。

イ 休日加算は次の患者について算定できるものとする。

(イ) 客観的に休日における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者

① 地域医療支援病院

② 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)に基づき認定された救急病院又は救急診療所

③ 「救急医療対策の整備事業について」(昭和52年医発第692号)に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関

(ロ) 当該休日を休診日とする保険医療機関に、又は当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間以外の時間に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記(イ)以外の理由により常態として又は臨時に当該休日を診療日としている保険医療機関の診療時間内に受診した患者を除く。)

ウ 休日加算を算定する場合には、時間外加算、深夜加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。

(19) 深夜加算

ア 深夜加算は、初診が深夜に開始された場合に算定する。ただし、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により深夜に診療が開始された場合は算定できない。なお、深夜とは、いずれの季節においても午後10時から午前6時までの間をいう。

イ いわゆる夜間開業の保険医療機関において、当該保険医療機関の診療時間又は診療態勢が午後10時から午前6時までの間と重複している場合には、当該重複している時間帯における診療については深夜加算は認められない。

ウ 深夜加算は、次の患者について算定できるものとする。

(イ) 客観的に深夜における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関を受診した患者

① 地域医療支援病院

② 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所

③ 「救急医療対策の整備事業について」に規定された保険医療機関又は地方自治体等の実施する救急医療対策事業の一環として位置づけられている保険医療機関

(ロ) 自己の表示する診療時間が深夜を含んでいない保険医療機関に、又は自己の表示する診療時間が深夜にまで及んでいる保険医療機関の当該表示する診療時間と重複していない深夜に、急病等やむを得ない理由により受診した患者(上記(イ)以外の理由により常態として又は臨時に当該深夜時間帯を診療時間としている保険医療機関に受診した患者を除く。)

エ 深夜加算を算定する場合には、時間外加算、休日加算、時間外加算の特例又は夜間・早朝等加算については、算定しない。

(20) 時間外加算の特例

ア 当該特例の適用を受ける保険医療機関(以下「時間外特例医療機関」という。)とは、客観的に専ら夜間における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関であって、医療法第30条の4の規定に基づき都道府県が作成する医療計画に記載されている救急医療機関をいう。

① 地域医療支援病院

② 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所

③ 「救急医療対策の整備事業について」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院

イ 別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。

ウ 時間外特例医療機関において、休日加算又は深夜加算に該当する場合においては、時間外加算の特例を算定せず、それぞれ休日加算、深夜加算を算定する。また、時間外加算の特例を算定する場合には、時間外加算又は夜間・早朝等加算は算定しない。

(21) 小児科(小児外科を含む。以下この部において同じ。)を標榜する保険医療機関における夜間、休日又は深夜の診療に係る特例

ア 夜間、休日及び深夜における小児診療体制の一層の確保を目的として、小児科を標榜する保険医療機関(小児科以外の診療科を併せて有する保険医療機関を含む。)について、6歳未満の乳幼児に対し、夜間、休日又は深夜を診療時間とする保険医療機関において夜間、休日又は深夜に診療が行われた場合にも、それぞれ時間外加算、休日加算又は深夜加算を算定できることとするものである。なお、診療を行う保険医が、小児科以外を担当する保険医であっても算定できるものであること。

イ 夜間であって別に厚生労働大臣が定める時間とは、当該地域において一般の保険医療機関が概ね診療応需の態勢を解除した後、翌日に診療応需の態勢を再開するまでの時間(深夜及び休日を除く。)とし、その標準は、概ね午前8時前と午後6時以降(土曜日の場合は、午前8時前と正午以降)から、午後10時から午前6時までの間を除いた時間とする。

ウ 休日加算の対象となる休日、深夜加算の対象となる深夜の基準は、「注7」に係る休日、深夜の基準の例によるものとする。

エ 時間外加算、休日加算、深夜加算及び夜間・早朝等加算の併算定に係る取扱いは、「注7」の場合と同様である。

(22) 夜間・早朝等加算

ア 夜間・早朝等加算は、病院勤務医の負担の軽減を図るため、軽症の救急患者を地域の身近な診療所において受け止めることが進むよう、診療所の夜間・早朝等の時間帯における診療を評価するものである。

イ 表示する診療時間とは、保険医療機関が診療時間として地域に周知している時間であって、来院した患者を常に診療できる体制にある時間又は計画的に訪問診療を行う時間をいう。この場合において、患者が来院したとしても、診療を受けることのできない時間(定期的に学校医、産業医の業務として保険医療機関を不在とする時間や、地域活動や地域行事に出席するとして保険医療機関を不在とする時間を含む。)は表示する診療時間に含まない。また、診療時間として表示している時間であっても、訪問診療に要する時間以外に、常態として当該保険医療機関に医師が不在となる場合は、表示する診療時間に含めない。

ウ 夜間・早朝等とは、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜(午後10時から午前6時までの間)及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間とする。

エ 区分番号「C000」往診料を算定した場合にも、初診料に加えて夜間・早朝等加算を算定できる。

オ 夜間・早朝等加算は、当該加算の算定対象となる時間に受付を行った患者について算定するものであり、多数の患者の来院による混雑や、保険医療機関の都合(やむを得ない事情の場合を除く。)により当該加算の算定対象となる時間に診療が開始された場合は算定できない。

カ 診療所の夜間・早朝等の時間帯の診療を評価した夜間・早朝等加算は、主として、保険医療機関が診療応需の態勢を解いた後において、急患等やむを得ない事由により診療を求められた場合には再び診療を行う態勢を準備しなければならないことを考慮して設けられている時間外加算、深夜加算、休日加算とは明確に区分されるものである。

キ 区分番号「D282―3」コンタクトレンズ検査料、区分番号「I010」精神科ナイト・ケア、区分番号「J038」人工腎臓の「注1」に規定する加算又は区分番号「J038―2」持続緩徐式血液濾過の「注1」に規定する加算を算定する場合においては、夜間・早朝等加算は算定しない。

(23) 機能強化加算

「注10」に規定する機能強化加算は、外来医療における適切な役割分担を図り、より的確で質の高い診療機能を評価する観点から、かかりつけ医機能を有する医療機関における初診を評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た診療所又は許可病床数が200床未満の病院において初診料(「注5」のただし書に規定する2つ目の診療科に係る初診料を除く。)を算定する場合に、加算することができる。

第2節 再診料

A001 再診料

(1) 再診料は、診療所又は一般病床の病床数が200床未満の病院において、再診の都度(同一日において2以上の再診があってもその都度)算定できる。

(2) 「注2」に規定する保険医療機関の取扱いについては、区分番号「A000」初診料の(9)から(11)までと同様である。

(3) 2以上の傷病について同時に再診を行った場合の再診料は、当該1日につき1回に限り算定する。ただし、同一保険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、患者の意思に基づき、別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を再診として受診した場合(1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診察を受けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科1つに限り、「注3」に掲げる所定点数を算定できる。この場合において、「注4」から「注8」まで、「注10」から「注14」までに規定する加算は、算定できない。

(4) A傷病について診療継続中の患者が、B傷病に罹り、B傷病について初診があった場合、当該初診については、初診料は算定できないが、再診料を算定できる。

(5) 再診料における時間外加算、休日加算、深夜加算、時間外特例加算及び夜間・早朝等加算の取扱いは、初診料の場合と同様である。

(6) 外来管理加算

ア 外来管理加算は、処置、リハビリテーション等(診療報酬点数のあるものに限る。)を行わずに計画的な医学管理を行った場合に算定できるものである。

イ 外来管理加算を算定するに当たっては、医師は丁寧な問診と詳細な身体診察(視診、聴診、打診及び触診等)を行い、それらの結果を踏まえて、患者に対して症状の再確認を行いつつ、病状や療養上の注意点等を懇切丁寧に説明するとともに、患者の療養上の疑問や不安を解消するため次の取組を行う。

[提供される診療内容の事例]

1 問診し、患者の訴えを総括する。

「今日伺ったお話では、『前回処方した薬を飲んで、熱は下がったけれど、咳が続き、痰の切れが悪い。』ということですね。」

2 身体診察によって得られた所見及びその所見に基づく医学的判断等の説明を行う。

「診察した結果、頸のリンパ節やのどの腫れは良くなっていますし、胸の音も問題ありません。前回に比べて、ずいぶん良くなっていますね。」

3 これまでの治療経過を踏まえた、療養上の注意等の説明・指導を行う。

「先日の発熱と咳や痰は、ウイルスによる風邪の症状だと考えられますが、○○さんはタバコを吸っているために、のどの粘膜が過敏で、ちょっとした刺激で咳が出やすく、痰がなかなか切れなくなっているようです。症状が落ち着くまで、しばらくの間はタバコを控えて、部屋を十分に加湿し、外出するときにはマスクをした方が良いですよ。」

4 患者の潜在的な疑問や不安等を汲み取る取組を行う。

「他に分からないことや、気になること、ご心配なことはありませんか。」

ウ 診察に当たっては、イに規定する項目のうち、患者の状態等から必要と思われるものを行うこととし、必ずしも全ての項目を満たす必要はない。また、患者からの聴取事項や診察所見の要点を診療録に記載する。

エ 外来管理加算は、標榜する診療科に関係なく算定できる。ただし、複数科を標榜する保険医療機関において、外来患者が2以上の傷病で複数科を受診し、一方の科で処置又は手術等を行った場合は、他科においては外来管理加算は算定できない。

オ 区分番号「C000」往診料を算定した場合にも、再診料に加えて外来管理加算を算定できる。

カ 投薬は本来直接本人を診察した上で適切な薬剤を投与すべきであるが、やむを得ない事情で看護に当たっている者から症状を聞いて薬剤を投与した場合においても、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。また、多忙等を理由に、イに該当する診療行為を行わず、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合にあっては、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない。

キ 「注8」の厚生労働大臣が別に定める検査とは、第2章第3部第3節生体検査料のうち、次の各区分に掲げるものをいう。

超音波検査等

脳波検査等

神経・筋検査

耳鼻咽喉科学的検査

眼科学的検査

負荷試験等

ラジオアイソトープを用いた諸検査

内視鏡検査

(7) 電話等による再診

ア 当該保険医療機関で初診を受けた患者について、再診以後、当該患者又はその看護に当たっている者から直接又は間接(電話又はリアルタイムでの画像を介したコミュニケーション(以下「ビデオ通話」という。)による場合を含む。)に、治療上の意見を求められた場合に、必要な指示をしたときには、再診料を算定できる。

なお、定期的な医学管理を前提として行われる場合は算定できない。ただし、平成30年3月31日以前に、3月以上継続して定期的に、電話、テレビ画像等による再診料を算定していた患者については、当該医学管理に係る一連の診療が終了するまでの間、当該再診料を引き続き算定することができる。その場合には、オの規定にかかわらず、時間外加算、休日加算、深夜加算又は夜間・早朝等加算は算定できない。

イ 電話、テレビ画像等を通した再診(聴覚障害者以外の患者に係る再診については、ファクシミリ又は電子メール等によるものは含まない。)については、患者の病状の変化に応じ療養について医師の指示を受ける必要のある場合であって、当該患者又はその看護に当たっている者からの医学的な意見の求めに対し治療上必要な適切な指示をした場合に限り算定する。ただし、電話、テレビ画像等を通した指示等が、同一日における初診又は再診に附随する一連の行為とみなされる場合、時間おきに病状の報告を受ける内容のものである場合等には、再診料を算定できない。また、ファクシミリ又は電子メール等による再診については、再診の求めに速やかに応じた場合に限り算定できるものとし、この場合においては、診療録に当該ファクシミリ等の送受信の時刻を記載するとともに、当該ファクシミリ等の写しを添付すること。

ウ 乳幼児の看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示した場合は、「注4」の乳幼児加算を算定する。

エ 時間外加算を算定すべき時間、休日、深夜又は夜間・早朝等に患者又はその看護に当たっている者から電話等によって治療上の意見を求められて指示した場合は、時間外加算、休日加算、深夜加算又は夜間・早朝等加算を算定する。ただし、ファクシミリ又は電子メール等による再診については、これらの加算は算定できない。

オ 当該再診料を算定する際には、第2章第1部の各区分に規定する医学管理等は算定できない。ただし、急病等で患者又はその看護に当たっている者から連絡を受け、治療上の必要性から、休日又は夜間における救急医療の確保のために診療を行っていると認められる次に掲げる保険医療機関の受診を指示した上で、指示を行った同日に、受診先の医療機関に対して必要な診療情報を文書等(ファクシミリ又は電子メールを含む。)で提供した場合は、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定できる。

(イ) 地域医療支援病院

(ロ) 救急病院等を定める省令に基づき認定された救急病院又は救急診療所

(ハ) 「救急医療対策の整備事業について」に規定された病院群輪番制病院、病院群輪番制に参加している有床診療所又は共同利用型病院

カ 当該再診料を算定する際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない。

(8) 時間外対応加算

ア 時間外対応加算は、地域の身近な診療所において、患者からの休日・夜間等の問い合わせや受診に対応することにより、休日・夜間に病院を受診する軽症患者の減少、ひいては病院勤務医の負担軽減につながるような取組を評価するものである。

イ 当該加算を算定するに当たっては、当該保険医療機関において、算定する区分に応じた対応を行うとともに、緊急時の対応体制や連絡先等について、院内掲示、連絡先を記載した文書の交付、診察券への記載等の方法により患者に対して周知すること。

ウ 電話等による相談の結果、緊急の対応が必要と判断された場合には、外来診療、往診、他の医療機関との連携又は緊急搬送等の医学的に必要と思われる対応を行うこと。

エ なお、電話等による再診の場合であっても、時間外対応加算の算定が可能であること。

(9) 健康保険法(大正11年法律第70号)における療養の給付又は高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)における療養の給付と労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)における療養補償給付を同時に受けている場合の再診料(外来診療料を含む。)は、主たる疾病の再診料(外来診療料を含む。)として算定する。なお、入院料及び往診料は、当該入院あるいは往診を必要とした疾病に係るものとして算定する。

(10) 地域包括診療加算

ア 地域包括診療加算は、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った診療所の医師が、複数の慢性疾患を有する患者に対し、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、初診時や訪問診療時(往診を含む。)は算定できない。なお、地域包括診療料と地域包括診療加算はどちらか一方に限り届出することができる。

イ 地域包括診療加算の対象患者は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症及び認知症の4疾病のうち、2つ以上(疑いは除く。)を有する者である。なお、当該医療機関で診療を行う対象疾病(上記4疾病のうち2つ)と重複しない疾病を対象とする場合に限り、他医療機関でも当該加算、認知症地域包括診療加算、地域包括診療料又は認知症地域包括診療料を算定可能とする。

ウ 当該患者を診療する担当医を決めること。担当医は、慢性疾患の指導に係る適切な研修を修了した医師とし、担当医により指導及び診療を行った場合に当該加算を算定する。

エ 当該患者に対し、以下の指導、服薬管理等を行うこと。

(イ) 患者の同意を得て、計画的な医学管理の下に療養上必要な指導及び診療を行うこと。

(ロ) 他の保険医療機関と連携の上、患者が受診している医療機関を全て把握するとともに、当該患者に処方されている医薬品を全て管理し、診療録に記載すること。必要に応じ、担当医の指示を受けた看護職員等が情報の把握を行うことも可能であること。

(ハ) 当該患者について、原則として院内処方を行うこと。ただし、(ニ)の場合に限り院外処方を可能とする。

(ニ) 院外処方を行う場合は、以下のとおりとする。

① 調剤について24時間対応できる体制を整えている薬局(以下「連携薬局」という。)と連携していること。

② 原則として、院外処方を行う場合は連携薬局にて処方を行うこととするが、患者の同意がある場合に限り、その他の薬局での処方も可能とする。その場合、当該患者に対して、時間外においても対応できる薬局のリストを文書により提供し、説明すること。

③ 当該患者が受診している医療機関のリスト及び当該患者が当該加算を算定している旨を、処方箋に添付して患者に渡すことにより、当該薬局に対して情報提供を行うこと。

④ 患者に対して、当該医療機関を受診時に、薬局若しくは当該医療機関が発行するお薬手帳を持参させること。また、当該患者の院外処方を担当する保険薬局から文書で情報提供を受けることでもよい。なお、保険薬局から文書で情報提供を受けた場合も、当該患者に対し、事後的にお薬手帳の提示に協力を求めることが望ましい。

⑤ 診療録にお薬手帳若しくは保険薬局からの文書のコピーを添付又は当該点数の算定時の投薬内容について診療録に記載すること。

(ホ) 当該患者に対し、標榜時間外の電話等による問い合わせに対応可能な体制を有し、連絡先について情報提供するとともに、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。

(ヘ) 当該患者に対し、健康診断や検診の受診勧奨を行い、その結果等を診療録に記載するとともに、患者に提供し、評価結果を基に患者の健康状態を管理すること。

(ト) 当該患者に対し、必要に応じ、要介護認定に係る主治医意見書を作成すること。

(チ) 患者の同意について、当該加算の初回算定時に、別紙様式47を参考に、当該患者の署名付の同意書を作成し、診療録に添付すること。ただし、直近1年間に4回以上の受診歴を有する患者については、別紙様式47を参考に診療の要点を説明していれば、同意の手続きは省略して差し支えない。なお、当該医療機関自ら作成した文書を用いることでよい。

(リ) 当該加算を算定する場合は、投薬の部に掲げる「7種類以上の内服薬の投薬を行う場合」の規定は適用しないものであること。

(ヌ) 認知症の患者に対し本加算を算定する場合であって、当該患者の病状から、患者への説明及び患者の同意について、患者の家族等への説明及び当該患者の家族等による同意による方が適切と考えられる場合には、当該部分について「患者」を「患者の家族等」と読み替えるものとする。

オ 当該医療機関において、院内掲示により以下の対応が可能なことを周知し、患者の求めがあった場合に適切に対応すること。

(イ) 健康相談を行っていること。

(ロ) 介護保険に係る相談を行っていること。

カ 抗菌薬の適正な使用を推進するため、「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の普及啓発に資する取組を行っていること。

キ 地域包括診療加算1を算定する医療機関においては、往診又は訪問診療を提供可能であること。往診又は訪問診療の対象の患者には、24時間対応可能な連絡先を提供し、患者又は患者の家族等から連絡を受けた場合には、往診、外来受診の指示等、速やかに必要な対応を行うこと。「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発0305第3号)の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1の(1)に規定する在宅療養支援診療所以外の診療所においては以下の(ロ)、在宅療養支援診療所以外の診療所については以下の全てについて、連携する他の保険医療機関とともに行うことも可能であること。

(イ) 24時間の連絡体制

(ロ) 連絡を受けて行う往診又は外来診療の体制

(11) 認知症地域包括診療加算

ア 認知症地域包括診療加算は、外来の機能分化の観点から、主治医機能を持った診療所の医師が、認知症患者であって以下の全ての要件を満たす患者に対し、患者の同意を得た上で、継続的かつ全人的な医療を行うことについて評価したものであり、初診時や訪問診療時(往診を含む。)は算定できない。

(イ) 認知症以外に1以上の疾病(疑いは除く。)を有する者

(ロ) 同月に、当該保険医療機関において以下のいずれの投薬も受けていない患者

① 1処方につき5種類を超える内服薬があるもの

② 1処方につき抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬及び睡眠薬を合わせて3種類を超えて含むもの

なお、(ロ)①の内服薬数の種類数は錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。また、(ロ)②の抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬及び睡眠薬の種類数は区分番号「F100」処方料の注1における向精神薬の種類と同様の取扱いとする。

イ (10)のウからカまで(エの(リ)を除く。)を満たすこと。

ウ 認知症地域包括診療加算1を算定する場合には、(10)のキを満たすこと。

エ 当該保険医療機関で診療を行う疾病(認知症を含む2つ以上)と重複しない疾病を対象とする場合に限り、他医療機関でも地域包括診療加算又は地域包括診療料を算定可能である。また、他医療機関で当該診療加算又は認知症地域包括診療料は算定できない。

(12) 薬剤適正使用連携加算

「注12」に規定する地域包括診療加算又は「注13」に規定する認知症地域包括診療加算を算定する患者であって、他の保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所していたものについて、以下の全てを満たす場合に、退院日又は退所日の属する月の翌月までに1回算定する。なお、他の保険医療機関又は介護老人保健施設(以下(12)において「保険医療機関等」という。)との情報提供又は連携に際し、文書以外を用いた場合には、情報提供内容を診療録等に記載すること。

ア 患者の同意を得て、入院又は入所までに、入院又は入所先の他の保険医療機関等に対し、処方内容、薬歴等について情報提供していること。処方内容には、当該保険医療機関以外の処方内容を含む。

イ 入院又は入所先の他の保険医療機関等から処方内容について照会があった場合には、適切に対応すること。

ウ 退院又は退所後1か月以内に、ア又はイを踏まえて調整した入院・入所中の処方内容について、入院・入所先の他の保険医療機関等から情報提供を受けていること。

エ 以下の(イ)で算出した内服薬の種類数が、(ロ)で算出した薬剤の種類数よりも少ないこと。いずれも、屯服は含めずに算出すること。

(イ) ウで入院・入所先の他の保険医療機関等から情報提供された入院・入所中の処方内容のうち、内服薬の種類数

(ロ) アで情報提供した処方内容のうち、内服薬の種類数

A002 外来診療料

(1) 外来診療料は、医療機関間の機能分担の明確化、請求の簡素化を目的として設定されたものであり、一般病床の病床数が200床以上の病院において算定する。

(2) 「注2」又は「注3」に規定する保険医療機関において、病院と診療所の機能分担の推進を図る観点から、他の病院(一般病床の病床数が200床未満のものに限る。)又は診療所に対し文書による紹介を行う旨の申出を行ったにもかかわらず、当該病院を受診した患者については、「注1」の規定にかかわらず、「注2」又は「注3」の所定点数を算定する。(緊急その他やむを得ない事情がある場合を除く。)この場合において、患者に対し十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意があった場合には、「注1」との差額に相当する療養部分について、選定療養としてその費用を患者から徴収することができる。

また、初診の患者に占める他の病院又は診療所等からの文書による紹介があるものの割合等が低い保険医療機関とは、区分番号「A000」初診料の(6)と同様である。

(3) 特定機能病院及び地域医療支援病院のうち、前年度1年間の紹介率の実績が50%未満かつ逆紹介率の実績が50%未満の保険医療機関においては、紹介率及び逆紹介率の割合を別紙様式28により、毎年10月に地方厚生(支)局長へ報告すること。また、報告を行った保険医療機関であって、報告年度の連続する6か月間で実績の基準を満たした保険医療機関については、翌年の4月1日までに地方厚生(支)局長へ報告すること。

(4) 許可病床の数が400床以上の病院(特定機能病院及び地域医療支援病院を除く。)のうち、前年度1年間の紹介率の実績が40%未満かつ逆紹介率の実績が30%未満の保険医療機関の取扱いについては、(3)と同様であること。

(5) 「注4」に規定する保険医療機関の取扱いについては、区分番号「A000」初診料の(9)から(11)までと同様である。

(6) 同一保険医療機関において、同一日に他の傷病(1つ目の診療科で診療を受けた疾病又は診療継続中の疾病と同一の疾病又は互いに関連のある疾病以外の疾病のことをいう。)について、患者の意思に基づき、別の診療科(医療法上の標榜診療科のことをいう。)を再診として受診した場合(1つ目の診療科の保険医と同一の保険医から診療を受けた場合を除く。)は、現に診療継続中の診療科1つに限り、「注5」に掲げる所定点数を算定できる。この場合において、「注6」のただし書及び「注7」から「注9」までに規定する加算は、算定できない。

(7) 外来診療料の取扱いについては、再診料の場合と同様である。ただし、電話等による再診料及び外来管理加算は算定できない。

(8) 包括されている検査項目に係る検査の部の款及び注に規定する加算は、別に算定できない。ただし、検査の部の第1節第1款検体検査実施料の通則3に規定する加算は、検査の部において算定することができる。

(9) 外来診療料には、包括されている検査項目に係る判断料が含まれず、別に算定できる。なお、当該検査項目が属する区分(尿・糞便等検査判断料又は血液学的検査判断料の2区分)の判断料について、当該区分に属する検査項目のいずれをも行わなかった場合は、当該判断料は算定できない。

(10) 外来診療料には、包括されている処置項目に係る薬剤料及び特定保険医療材料料は含まれず、処置の部の薬剤料及び特定保険医療材料料の定めるところにより別に算定できる。

また、熱傷に対する処置についても別に算定できる。

(11) 爪甲除去(麻酔を要しないもの)、穿刺排膿後薬液注入、後部尿道洗浄(ウルツン)、義眼処置、矯正固定、変形機械矯正術、腰部又は胸部固定帯固定、低出力レーザー照射及び肛門処置は外来診療料に含まれ別に算定できない。

A003 オンライン診療料

(1) オンライン診療料は、対面診療の原則のもとで、対面診療と、ビデオ通話が可能な情報通信機器を活用した診療(以下「オンライン診療」という。)を組み合わせた診療計画を作成し、当該計画に基づいて計画的なオンライン診療を行った場合に、患者1人につき月1回に限り算定できる。なお、当該診療計画に基づかない他の傷病に対する診療は、対面診療で行うことが原則であり、オンライン診療料は算定できない。

(2) オンライン診療は、(1)の計画に基づき、対面診療とオンライン診療を組み合わせた医学管理のもとで実施されるものであり、連続する3月の間に対面診療が1度も行われない場合は、算定することはできない。また、対面診療とオンライン診療を同月に行った場合は、オンライン診療料は算定できない。

(3) オンライン診療料が算定可能な患者は、次に掲げる患者に限るものとする。

ア 区分番号「B000」特定疾患療養管理料、「B001」の「5」小児科療養指導料、「B001」の「6」てんかん指導料、「B001」の「7」難病外来指導管理料、「B001」の「27」糖尿病透析予防指導管理料、「B001―2―9」地域包括診療料、「B001―2―10」認知症地域包括診療料、「B001―3」生活習慣病管理料、「C002」在宅時医学総合管理料又は「I016」精神科在宅患者支援管理料(以下「オンライン診療料対象管理料等」という。)の算定対象となる患者で、オンライン診療料対象管理料等を初めて算定した月から3月以上経過し、かつ、オンライン診療を実施しようとする月の直近3月の間、オンライン診療料対象管理料等の対象となる疾患について、毎月対面診療を受けている患者(直近2月の間にオンライン診療料の算定がある場合を除く。)。

イ 区分番号「C101」に掲げる在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病、肝疾患(経過が慢性なものに限る。)又は慢性ウイルス肝炎の患者であって、当該疾患に対する注射薬の自己注射に関する指導管理を最初に行った月から3月以上経過し、かつ、オンライン診療を実施しようとする月の直近3月の間、当該疾患について、毎月対面診療を受けている患者(直近2月の間にオンライン診療料の算定がある場合を除く。)。

ウ 事前の対面診療、CT撮影又はMRI撮影及び血液学的検査等の必要な検査を行った上で一次性頭痛であると診断されており、病状や治療内容が安定しているが、慢性的な痛みにより日常生活に支障を来すため定期的な通院が必要な患者(以下「頭痛患者」という。)であって、当該疾患に対する対面診療を最初に行った月から3月以上経過し、かつ、オンライン診療を実施しようとする月の直近3月の間、当該疾患について、毎月対面診療を受けている患者(直近2月の間にオンライン診療料の算定がある場合を除く。)。

(4) オンライン診療は、日常的に通院又は訪問による対面診療が可能な患者を対象として、患者の同意を得た上で、対面診療とオンライン診療を組み合わせた診療計画(対面による診療の間隔は3月以内のものに限る。)を作成した上で実施すること。

(5) 患者の急変時等の緊急時には、原則として、当該医療機関が必要な対応を行うこと。ただし、夜間や休日など当該医療機関でやむを得ず対応できない場合については、患者が速やかに受診できる医療機関において対面診療を行えるよう、事前に受診可能な医療機関を患者に説明した上で、当該計画の中に記載しておくこととして差し支えない。

(6) 当該計画に沿った計画的なオンライン診療を行った際には、当該診療の内容、診療を行った日、診療時間等の要点を診療録に記載すること。

(7) オンライン診療を行う医師は、オンライン診療料の対象となる管理料等を算定する際に診療を行った医師又は頭痛患者に対する対面診療を行った医師と同一のものに限る。

(8) オンライン診療を行う際には、厚生労働省の定める情報通信機器を用いた診療に係る指針に沿って診療を行う。

(9) オンライン診療は、当該保険医療機関内において行う。「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の「別添3」の「別紙2」に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域及び当該地域に準じる地域(以下この項において「医療資源の少ない地域等」という。)に所在する保険医療機関又は「へき地保健医療対策事業について」(平成13年5月16日医政発第529号)に規定するへき地医療拠点病院(以下(9)において、「医療資源の少ない地域等に所在する保険医療機関等」という。)において、当該保険医療機関で専門的な医療を提供する観点から、「基本診療料の施設基準等」第三の八の二の(1)に定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た他の保険医療機関の医師が継続的な対面診療を行っている患者であって、「基本診療料の施設基準等」第三の八の二の(2)に定めるものに限り、医師の判断により当該他の保険医療機関内においてオンライン診療を行ってもよい。なお、この場合の診療報酬の請求については、医療資源の少ない地域等に所在する保険医療機関等において行うこととし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

(10) オンライン診療料を算定した同一月に、第2章第1部の各区分及び第2部第2節第1款の各区分(別に厚生労働大臣が定めるものは除く。)に規定する医学管理等及び在宅療養指導管理料は算定できない。

(11) オンライン診療時に、投薬の必要性を認めた場合は、区分番号「F100」処方料又は区分番号「F400」処方箋料を別に算定できる。オンライン診療時の投薬は、原則、対面診療時と同一の疾患又は症状に対して行うこと。ただし、医療資源が少ない地域等における診療又は在宅診療の場合であって、速やかな受診が困難な患者に対して、発症が容易に予測される症状の変化と対応方針についてあらかじめ診療計画に記載している場合に限り、医師の判断により、当該症状の変化に対して医薬品を処方しても差し支えない。

(12) 当該診療を行う際には、予約に基づく診察による特別の料金の徴収はできない。

(13) 当該診療を行う際の情報通信機器の運用に要する費用については、療養の給付と直接関係ないサービス等の費用として別途徴収できる。

(14) オンライン診療料を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、該当するオンライン診療料の対象となる管理料等の名称及び算定を開始した年月日又は頭痛患者に対する対面診療を開始した年月日を記載すること。

(15) 頭痛患者に対する対面診療を最初に行った月から3月以上経過していることについて、当該期間は一次性頭痛の診断の確定後の期間であること。なお、初診を行った月は当該期間に含めない。

(16) 頭痛患者に対してオンライン診療を行う医師は、脳神経外科若しくは脳神経内科の経験を5年以上有する医師又は頭痛患者のオンライン診療に係る適切な研修を修了した医師に限ること。なお、当該研修を修了した医師が当該診療を行う場合は、脳神経外科又は脳神経内科の経験を5年以上有する医師により診断が行われた患者を対象とすること。

(17) 「注3」に規定する厚生労働大臣が定める地域のうち、当該地域に準ずる地域とは、「へき地保健医療対策事業について」(平成13年5月16日医政発第529号)に規定する無医地区若しくは無医地区に準ずる地域をいう。

(18) 「注3」に規定するやむを得ない事情とは、当該地域において、医師の急病時等であって、代診を立てられないこと等により患者の診療継続が困難となる場合をいう。この場合において、患者の同意を得て、二次医療圏内の他の保険医療機関にあらかじめ診療情報の提供を行い、情報提供を受けた保険医療機関の医師が医師の判断により初診からオンライン診療を行う場合は、患者1人につき月1回に限り、オンライン診療料を算定できる。なお、当該報酬の請求については、診療情報の提供を行った保険医療機関で行うものとし、当該報酬の分配は相互の合議に委ねる。また、診療情報の提供を受けてオンライン診療を行うことができる保険医療機関は、オンライン診療料の施設基準に係る届出を行っている保険医療機関に限る。

(19) 「注3」に規定する診療に係る事前の診療情報の提供について、区分番号「B009」診療情報提供料(Ⅰ)は別に算定できない。

第2部 入院料等

<通則>

1 入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術等基本料は、基本的な入院医療の体制を評価するものであり、療養環境(寝具等を含む。)の提供、看護師等の確保及び医学的管理の確保等については、医療法の定めるところによる他、「病院、診療所等の業務委託について(平成5年2月15日指第14号)」等に従い、適切に実施するものとし、これに要する費用は、特に規定する場合を除き、入院基本料、特定入院料及び短期滞在手術等基本料に含まれる。

2 1に規定する他、寝具等について次の基準のいずれかに該当しない場合には、入院基本料、特定入院料、短期滞在手術等基本料は算定できない。

(1) 患者の状態に応じて寝具類が随時利用できるよう用意されていること。なお、具備されるべき寝具は、敷布団(マットレスパッドを含む。)、掛布団(毛布、タオルケット、綿毛布を含む。)、シーツ類、枕、枕覆等である。

(2) 寝具類が常時清潔な状態で確保されていること。シーツ類は、週1回以上の交換がなされていること。

(3) 消毒は必要の都度行われていること。

3 入院期間の確認について(入院料の支払要件)

(1) 保険医療機関の確認等

ア 保険医療機関は、患者の入院に際し、患者又はその家族等に対して当該患者の過去3か月以内の入院の有無を確認すること。過去3か月以内に入院がある場合は、入院の理由を確認すること。同一傷病による入院である場合には前保険医療機関における入院期間、算定入院基本料等及び入院に係る傷病名を当該患者の前保険医療機関又は保険者に照会し、当該保険医療機関の入院初日に追加される選定療養に係る入院期間及び当該患者の入院が選定療養に該当するか否かを確認すること。

イ 保険医療機関は、当該患者の退院に際しては、他保険医療機関からの当該患者の入院履歴に係る問い合わせに対し速やかに対応できるよう必要な体制を整えておくこと。円滑な運用のために別紙様式1又はこれに準ずる様式による文書を退院証明書として患者に渡すことが望ましい。

ウ ア、イに定める確認等を怠っている場合は、入院料は算定できないものであること。

(2) 入院患者の申告等

患者は、入院に際しては、保険医療機関からの求めに応じ、自己の入院履歴を申告すること。なお、虚偽の申告等を行った場合は、それにより発生する損失について、後日費用徴収が行われる可能性があるものである。

4 1日入院

眼科、耳鼻科等において手術を行い、同一の日に入院及び退院した場合、医師が入院の必要を認めて病室に入院させて入院医療が行われた場合にあっては、入院基本料又は特定入院料を算定できるが、単なる覚醒、休養等の目的で入院させた場合は、入院基本料又は特定入院料は算定しない。なお、短期滞在手術等基本料については、第4節に規定するところによる。

5 入院中の患者の他医療機関への受診

(1) 入院中の患者が、当該入院の原因となった傷病以外の傷病に罹患し、入院している保険医療機関(以下本項において「入院医療機関」という。)以外での診療の必要が生じた場合は、他の保険医療機関(以下本項において「他医療機関」という。)へ転医又は対診を求めることを原則とする。

(2) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者を除く。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)は、他医療機関において当該診療に係る費用を算定することができる。ただし、短期滞在手術等基本料2及び3、医学管理等(診療情報提供料を除く。)、在宅医療、投薬、注射(当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた受診日の投薬又は注射に係る費用を除き、処方料、処方箋料及び外来化学療法加算を含む。)及びリハビリテーション(言語聴覚療法に係る疾患別リハビリテーション料を除く。)に係る費用は算定できない。

(3) (2)のただし書にかかわらず、出来高入院料を算定する病床に入院している患者の場合には、他医療機関における診療に要する費用のうち、当該専門的な診療に特有な薬剤を用いた投薬に係る費用は算定できる。

(4) 本通則において、出来高入院料とは、特定入院料、一般病棟入院基本料(「注11」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、特定機能病院入院基本料(「注9」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、専門病院入院基本料(「注8」の規定により療養病棟入院料1の例により算定する場合に限る。)、療養病棟入院基本料、有床診療所療養病床入院基本料及び特定入院基本料(以下本通則において「特定入院料等」という。)を除く入院基本料をいう。

(5) 入院中の患者が他医療機関を受診する場合には、入院医療機関は、当該他医療機関に対し、当該診療に必要な診療情報(当該入院医療機関での算定入院料及び必要な診療科を含む。)を文書により提供する(これらに要する費用は患者の入院している保険医療機関が負担するものとする。)とともに、診療録にその写しを添付すること。

(6) (2)の規定により入院中の患者が他医療機関を受診する日の入院医療機関における診療報酬の算定については、以下のとおりとすること。この場合において、1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算すること。

ア 入院医療機関において、当該患者が出来高入院料を算定している場合は、出来高入院料は当該出来高入院料の基本点数の10%を控除した点数により算定すること。ただし、他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101―2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101―3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001―2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001―3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001―4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、出来高入院料は当該出来高入院料の基本点数の5%を控除した点数により算定すること。

イ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料等を算定している場合であって、当該他医療機関において特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定する場合は、特定入院料等は、当該特定入院料等の基本点数の40%を控除した点数(他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101―2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101―3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001―2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001―3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001―4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基本点数の35%を控除した点数)により算定すること。ただし、有床診療所療養病床入院基本料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料又は地域移行機能強化病棟入院料を算定している場合は、当該特定入院料等の基本点数の20%を控除した点数(他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101―2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101―3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001―2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001―3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001―4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基本点数の15%を控除した点数)により算定すること。

ウ 入院医療機関において、当該患者が特定入院料等を算定している場合であって、当該他医療機関において特定入院料等に含まれる診療に係る費用(特掲診療料に限る。)を算定しない場合は、特定入院料等は、当該特定入院料等の基本点数の10%を控除した点数により算定すること。ただし、他医療機関において、区分番号「E101」シングルホトンエミッションコンピューター断層撮影、区分番号「E101―2」ポジトロン断層撮影、区分番号「E101―3」ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―4」ポジトロン断層・磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、区分番号「E101―5」乳房用ポジトロン断層撮影、区分番号「M001」体外照射の3の強度変調放射線治療(IMRT)、区分番号「M001―2」ガンマナイフによる定位放射線治療、区分番号「M001―3」直線加速器による放射線治療の1の定位放射線治療の場合又は区分番号「M001―4」粒子線治療に係る費用を算定する場合は、特定入院料等は当該特定入院料等の基本点数の5%を控除した点数により算定すること。

エ 他医療機関において当該診療に係る費用を一切算定しない場合には、他医療機関において実施された診療に係る費用は、入院医療機関において算定し、入院基本料等の本点数は控除せずに算定すること。この場合において、入院医療機関で算定している入院料等に包括されている診療に係る費用は、算定できない。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。

(7) 他医療機関において診療を行った場合には、入院医療機関から提供される当該患者に係る診療情報に係る文書を診療録に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に「入院医療機関名」、「当該患者の算定する入院料」、「受診した理由」、「診療科」及び「画像1 (20KB)別ウィンドウが開きます
(受診日数:○日)」を記載すること。

(8) 入院医療機関においては、診療報酬明細書の摘要欄に、「他医療機関を受診した理由」、「診療科」及び「画像2 (20KB)別ウィンドウが開きます
(受診日数:○日)」を記載すること。ただし、(6)のウの特定入院料等を10%減算する場合(ただし書に該当し5%減算する場合を含む。)には、他医療機関のレセプトの写しを添付すること。

(9) 入院中の患者(DPC算定病棟に入院している患者であって「診療報酬の算定方法」により入院料を算定する患者に限る。)に対し他医療機関での診療が必要となり、当該入院中の患者が他医療機関を受診した場合(当該入院医療機関にて診療を行うことができない専門的な診療が必要となった場合等のやむを得ない場合に限る。)の他医療機関において実施された診療に係る費用は、入院医療機関の保険医が実施した診療の費用と同様の取扱いとし、入院医療機関において算定すること。なお、この場合の医療機関間での診療報酬の分配は、相互の合議に委ねるものとする。

6 外泊期間中の入院料等

(1) 入院患者の外泊期間中の入院料等については、入院基本料(療養病棟入院基本料を算定する療養病棟にあっては、外泊前日の入院基本料)の基本点数の15%又は特定入院料の15%を算定するが、精神及び行動の障害の患者について治療のために外泊を行わせる場合は更に15%を算定できる。ただし、入院基本料の基本点数又は特定入院料の30%を算定することができる期間は、連続して3日以内に限り、かつ月(同一暦月)6日以内に限る。

外泊中の入院料等を算定する場合においては、その点数に1点未満の端数があるときは、小数点以下第一位を四捨五入して計算するものとする。

なお、当該外泊期間は、7の入院期間に算入する。

(2) 入院中の患者が在宅医療に備えて一時的に外泊するに際して、当該在宅医療に関する指導管理が行われた場合は、(1)に規定する点数に加えて、区分番号「C100」に掲げる退院前在宅療養指導管理料を、外泊初日に1回に限り算定できる。

7 入院期間の計算

(1) 入院の日とは、入院患者の保険種別変更等の如何を問わず、当該保険医療機関に入院した日をいい、保険医療機関ごとに起算する。

また、A傷病により入院中の患者がB傷病に罹り、B傷病についても入院の必要がある場合(例えば、結核で入院中の患者が虫垂炎で手術を受けた場合等)又はA傷病が退院できる程度に軽快した際に他の傷病に罹り入院の必要が生じた場合においても、入院期間はA傷病で入院した日を起算日とする。

(2) (1)にかかわらず、保険医療機関を退院後、同一傷病により当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合の入院期間は、当該保険医療機関の初回入院日を起算日として計算する。

ただし、次のいずれかに該当する場合は、新たな入院日を起算日とする。

ア 1傷病により入院した患者が退院後、一旦治癒し若しくは治癒に近い状態までになり、その後再発して当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合

イ 退院の日から起算して3月以上(悪性腫瘍、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)第5条第1項に規定する指定難病(同法第7条第4項に規定する医療受給者証を交付されている患者(同条第1項各号に規定する特定医療費の支給認定に係る基準を満たすものとして診断を受けたものを含む。)に係るものに限る。)又は「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)に掲げる疾患(当該疾患に罹患しているものとして都道府県知事から受給者証の交付を受けているものに限る。ただし、スモンについては過去に公的な認定を受けたことが確認できる場合等を含む。)に罹患している患者については1月以上)の期間、同一傷病について、いずれの保険医療機関に入院又は介護老人保健施設に入所(短期入所療養介護費を算定すべき入所を除く。)することなく経過した後に、当該保険医療機関又は当該保険医療機関と特別の関係にある保険医療機関に入院した場合

(3) 「特別の関係」とは、次に掲げる関係をいう。

ア 当該保険医療機関等と他の保険医療機関等の関係が以下のいずれかに該当する場合に、当該保険医療機関等と当該他の保険医療機関等は特別の関係にあると認められる。

(イ) 当該保険医療機関等の開設者が、当該他の保険医療機関等の開設者と同一の場合

(ロ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者と同一の場合

(ハ) 当該保険医療機関等の代表者が、当該他の保険医療機関等の代表者の親族等の場合

(ニ) 当該保険医療機関等の理事・監事・評議員その他の役員等のうち、当該他の保険医療機関等の役員等の親族等の占める割合が10分の3を超える場合

(ホ) (イ)から(ニ)までに掲げる場合に準ずる場合(人事、資金等の関係を通じて、当該保険医療機関等が、当該他の保険医療機関等の経営方針に対して重要な影響を与えることができると認められる場合に限る。)

イ 「保険医療機関等」とは、保険医療機関である病院若しくは診療所、介護老人保健施設又は指定訪問看護事業者をいう。

ウ 「親族等」とは、親族関係を有する者及び以下に掲げる者をいう。

(イ) 事実上婚姻関係と同様の事情にある者

(ロ) 使用人及び使用人以外の者で当該役員等から受ける金銭その他の財産によって生計を維持しているもの

(ハ) (イ)又は(ロ)に掲げる者の親族でこれらの者と生計を一にしているもの

8 病棟移動時の入院料

同一保険医療機関内の病棟(病室及び治療室を含む。)から病棟(病室及び治療室を含む。)に移動した日の入院料の算定については、移動先の病棟(病室及び治療室を含む。)の入院料(入院基本料又は特定入院料)を算定する。

9 退院時処方に係る薬剤料の取扱い

投薬に係る費用が包括されている入院基本料(療養病棟入院基本料等)又は特定入院料(特殊疾患病棟入院料等)を算定している患者に対して、退院時に退院後に在宅において使用するための薬剤(在宅医療に係る薬剤を除く。)を投与した場合は、当該薬剤に係る費用(薬剤料に限る。)は、算定できる。

10 定数超過入院に該当する保険医療機関、医療法に定める人員標準を著しく下回る保険医療機関の取扱いについては、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成18年厚生労働省告示第104号)」に基づくものとし、その具体的な取扱いについては別途通知する。

11 入院診療計画、院内感染防止対策、医療安全管理体制、褥瘡対策及び栄養管理体制について、別に厚生労働大臣が定める基準に適合している場合に限り入院基本料(特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、夜勤時間特別入院基本料及び重症患者割合特別入院基本料(以下「特別入院基本料等」という。)及び特定入院基本料を含む。)、特定入院料又は短期滞在手術等基本料3の算定を行うものであり、基準に適合していることを示す資料等を整備しておく必要がある。

12 救急患者として受け入れた患者が、処置室、手術室等において死亡した場合は、当該保険医療機関が救急医療を担う施設として確保することとされている専用病床(区分番号「A205」救急医療管理加算又は区分番号「A300」救命救急入院料を算定する病床に限る。)に入院したものとみなすものであること。

13 退院が特定の時間帯に集中している場合の入院基本料の算定について

(1) 以下のいずれも満たす病棟を有する保険医療機関を対象とする。

ア 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している病棟を有する保険医療機関であること。

イ 当該病棟の退院全体のうち、正午までに退院するものの割合が9割以上の保険医療機関であること。

(2) 減算の対象となる入院基本料は、一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料のうち、当該病棟に30日を超えて入院している者の退院日の入院基本料であって、以下のいずれも満たすものとする。

ア 退院日に1,000点以上の処置又は手術を算定していないもの

イ 入退院支援加算を算定していないもの

(3) (1)のイに係る計算式は退院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者を対象として、以下のいずれかの方法によること。

ア 電子カルテ等で退院時間が明らかな場合については、以下により算定する。

1月当たりの当該病棟の退院患者のうち、正午以前に退院した患者数/1月当たりの退院患者数

イ 退院時間が明らかでない場合は、毎月16日を含む1週間(例えば16日が火曜日の場合は14日(日)から20日(土)までの7日間)に当該病棟を退院した患者を対象とし、該当する退院患者の退院日、退院日前日の食事回数をもとに以下により算定する。

(退院日前日に退院患者に提供した夕食数-退院日に退院患者に提供した昼食数)/退院日前日に退院患者に提供した夕食数

ウ ア又はイのいずれかの方法により、直近6か月の月ごとの割合を算定し、当該6か月のいずれも9割以上の場合、翌月から(2)に該当する入院基本料は、所定点数の100分の92に相当する点数により算定する。

14 入院日及び退院日が特定の日に集中している場合の入院基本料の算定について

(1) 以下のいずれも満たす保険医療機関を対象とする。

ア 一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している病棟を有する保険医療機関

イ アに掲げる病棟の入院全体のうち金曜日に入院したものの割合と、退院全体のうち月曜日に退院したものの割合の合計が40%以上の保険医療機関

(2) 減算の対象となる入院基本料は、金曜日に入院した患者の入院基本料(一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料をいう。以下この項目において同じ。)又は月曜日に退院した患者の入院基本料とするが、金曜日に入院した患者については、入院日直後の土曜日及び日曜日の入院基本料であって、当該日に1,000点以上の処置又は手術を伴わないものであり、月曜日に退院した患者については、退院日直前の土曜日及び日曜日の入院基本料であって、当該日に1,000点以上の処置又は手術を伴わないものとする。金曜日に入院し、月曜日に退院した患者については、要件を満たす入院日直後の土曜日及び日曜日、退院日直前の土曜日及び日曜日のいずれも減算の対象となる。なお、金曜日に入院し、その直後の月曜日に退院した患者については、要件を満たす土曜日及び日曜日の入院基本料は所定点数の100分の92に相当する点数により算定することとする。

(3) (1)イに係る計算式は入院患者は入院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者、退院患者は退院日に一般病棟入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料を算定している患者を対象として、以下の方法による。

(1月当たりの金曜日入院患者数/1月当たりの全入院患者数)×100

+(1月当たりの月曜日退院患者数/1月当たりの全退院患者数)×100

直近6か月の月ごとの割合を算定し、当該6か月のいずれも4割以上の場合、翌月より(2)に該当する入院基本料を減算する。

15 算定回数が「週」単位又は「月」単位とされているものについては、特に定めのない限り、それぞれ日曜日から土曜日までの1週間又は月の初日から月の末日までの1か月を単位として算定する。

第1節 入院基本料

A100 一般病棟入院基本料

(1) 一般病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料並びに月平均夜勤時間超過減算及び「注7」の夜勤時間特別入院基本料から構成され、「注1」の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟に入院している患者について、各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料並びに月平均夜勤時間超過減算及び「注7」の夜勤時間特別入院基本料については、届け出た一般病棟に入院している患者について算定する。

(2) 当該保険医療機関において複数の一般病棟がある場合には、当該病棟のうち、障害者施設等入院基本料等又は特殊疾患病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の一般病棟入院基本料を算定するものとする。ただし、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別紙2に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域に属する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟においては、病棟ごとに違う区分の入院基本料を算定しても差し支えない。

(3) 「注3」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(4) 「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を一般病棟(地域一般入院基本料に限る。)で受け入れた場合に入院初日に算定する。ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

(5) 「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者や介護老人保健施設、介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第29項に規定する介護医療院(以下「介護医療院」という。)、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等(以下「介護老人保健施設等」という。)の入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療を支えることを目的として、一般病棟(地域一般入院基本料、13対1入院基本料又は15対1入院基本料に限る。)が有する以下のような機能を評価したものであり、転院又は入院した日から起算して14日を限度に算定できる。当該加算を算定するに当たっては、入院前の患者の居場所(転院の場合は入院前の医療機関名)、自院の入院歴の有無、入院までの経過等を診療録に記載すること。

ア 急性期医療を担う病院に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を速やかに一般病棟が受け入れることにより、急性期医療を担う病院を後方支援する。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料、一類感染症患者入院医療管理料、特殊疾患入院医療管理料又は小児入院医療管理料を算定する病棟であること。なお、同一医療機関において当該一般病棟に転棟した患者については、算定できない。

イ 自宅や介護老人保健施設等で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態になった際に、一般病棟(地域一般入院基本料、13対1入院基本料又は15対1入院基本料に限る。)が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していることにより、自宅や介護老人保健施設等における療養の継続を後方支援する。なお、当該加算を算定する一般病棟を有する病院に介護老人保健施設等が併設されている場合は、当該併設介護老人保健施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。

(6) 一般病棟入院基本料の算定患者が90日を超える期間一般病棟に入院している場合((8)に規定するアの方法により算定している患者を除く。)は、平均在院日数の算定の対象から除外すること。このため、一般病棟入院基本料の算定患者を入院させる保険医療機関においては、当該患者の人数等が明確に分かるような名簿を月ごとに作成し、適切に管理しておく必要があること。

(7) 一般病棟入院基本料を算定する病棟については、「注10」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(8) 一般病棟入院基本料(特別入院基本料を除く。)を算定する病棟に入院している患者であって、当該病棟に90日を超えて入院する患者については、下記のいずれかにより算定する。

ア 引き続き一般病棟入院基本料を算定する。(平均在院日数の算定の対象となる。)

イ 一般病棟入院基本料の「注11」の規定により、区分番号「A101」療養病棟入院料1の例により算定する。(平均在院日数の算定の対象とならない。)

上記については、当該保険医療機関の病棟ごとの取扱いとなるが、上記イにより算定する場合については、あらかじめ地方厚生(支)局長に届け出た病棟に限る。

平成26年3月31日時点で当該病棟(平成26年改定前における7対1入院基本料又は10対1入院基本料に限る。)に入院していた患者であって、イの方法により算定する者については、当分の間、医療区分を3とする。

(9) (8)のイにより、区分番号「A101」の療養病棟入院料1の例により算定する場合の費用の請求については、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、下記のとおりとする。

ア 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注3」に規定する費用は入院基本料に含まれるため、別に算定できない。

イ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注4」に規定する褥瘡対策加算1又は2を算定することができる。

ウ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注5」に規定する重症児(者)受入連携加算及び「注6」に規定する急性期患者支援療養病床初期加算及び在宅患者支援療養病床初期加算は算定することができない。

エ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注7」に規定する加算のうち、以下のものを算定することができる。

(イ) 乳幼児加算・幼児加算

(ロ) 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算(算定日数の上限については、療養病棟に入院しているものとして取り扱う。)

(ハ) 地域加算

(ニ) 離島加算

(ホ) HIV感染者療養環境特別加算

(ヘ) 療養病棟療養環境加算(別に届出を行った場合に限る。)

(ト) 重症皮膚潰瘍管理加算(別に届出を行った場合に限る。)

(チ) 栄養サポートチーム加算(ただし、当該保険医療機関に入院した日を入院初日と起算して算定する。)

(リ) 入退院支援加算(ただし、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、区分番号「A246」入退院支援加算1又は2のロに規定する療養病棟入院基本料等の場合の例により算定する。)

(ヌ) データ提出加算

(ル) 排尿自立支援加算

オ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注9」に規定する慢性維持透析管理加算を算定することができる。

カ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注10」に規定する在宅復帰機能強化加算は算定することができない。

キ 区分番号「B005―7」認知症専門診断管理料の算定に当たっては、(8)のイにより区分番号「A101」の療養病棟入院料1の例により算定する患者を、「療養病棟に入院している患者」とみなす。

(10) 「注11」の規定により、区分番号「A101」の療養病棟入院料1の入院料Aから入院料Fのいずれかを算定する場合にあっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ、十分な説明を行うとともに診療録に添付すること。

(11) 「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は、急性期医療において、入院中の患者の日常生活機能(以下「ADL」という。)の維持、向上等を目的として、リハビリテーション専門職等が当該病棟において以下のアからケまでに掲げる取組を行った場合であって、あらかじめ専従又は専任を含む常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下(11)において「常勤理学療法士等」という。)をあわせて5名を上限として定めた上で、当該常勤理学療法士等のいずれかが当該病棟で実際に6時間以上(ADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者について、引き続き、区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H001―2」廃用症候群リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007―2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007―3」認知症患者リハビリテーション料又は区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料(以下(11)において「疾患別リハビリテーション料等」という。)を算定した場合は、1日2時間を超えない範囲でその時間を含んでよい。)勤務した日に限り、患者1人につき入院した日から起算して14日を限度に算定できる。

ただし、当該加算の対象となる患者であっても、当該患者に対して疾患別リハビリテーション料等を算定した場合は、当該療法を開始した日から当該加算を算定することはできない。

ア 入院患者に対する定期的なADLの評価は、別紙様式7の2又はこれに準ずる様式を用いて行っていること。

イ 入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行っていること。

ウ 必要最小限の抑制とした上で、転倒転落を防止する対策を行っていること。

エ 必要に応じて患者の家族に対して、患者の状況を情報提供していること。

オ 入院患者のADLの維持、向上等に係るカンファレンスが定期的に開催されており、医師、看護師及び必要に応じてその他の職種が参加していること。

カ 指導内容等について、診療録等に記載すること。

キ 自宅等、想定される退棟先の環境を把握し、退棟後に起こりうるリスクについて、多職種のカンファレンスで共有していること。

ク 必要に応じて他の職種と共同し、機能予後について患者がどのように理解しているかを把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。

ケ 必要に応じて他の職種と共同し、患者が再び実現したいと願っている活動や社会参加等について、その優先順位と共に把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。

また、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

A101 療養病棟入院基本料

(1) 療養病棟入院基本料は、「注1」の入院料及び「注2」の特別入院基本料から構成され、「注1」の入院料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た療養病棟に入院している患者について、別に厚生労働大臣が定める区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)に従い、当該患者ごとに入院料A等の各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料については、届け出た療養病棟に入院している患者について算定する。ただし、「注1」の入院料を算定している場合において、患者の急性増悪により、同一の保険医療機関の一般病棟へ転棟する場合にはその前日を1日目として3日前までの間、別の保険医療機関の一般病棟へ転院する場合にはその当日を1日目として3日前までの間は、その日ごとに入院料Iを算定することができる。

(2) 当該保険医療機関において複数の療養病棟がある場合には、当該病棟のうち、回復期リハビリテーション病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、「注1」の入院料又は「注2」の特別入院基本料のいずれかを算定するものとする。

(3) 「注1」の入院料のうち、入院料Aから入院料Fまでのいずれかの算定に当たっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ十分な説明を行うとともに診療録に添付すること。また、やむを得ない理由により説明を行うことが困難な場合であっても、患者又はその家族の求めに応じ、当該書面又はその写しを交付するとともに診療録に添付すること。なお、患者又はその家族への説明に当たり、特に悪性腫瘍等の患者に対しては、患者本人の治療方針に関する理解状況を踏まえ、療養上著しく不適切なことが生じないよう配慮すること。

(4) 基本診療料の施設基準等別表第五に掲げる画像診断及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤、特定保険医療材料又は区分番号「J201」酸素加算の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については療養病棟入院基本料に含まれる。なお、療養病棟入院基本料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、療養病棟入院基本料に含まれているものであるため別に算定できない。ただし、「注1」のただし書の規定により、入院料Iを算定する場合については、この限りではない。

(5) 療養病棟入院基本料を算定する病棟は主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する施設であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病棟への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。なお、「注1」のただし書の規定により入院料Iを算定した場合においても、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(6) 療養病棟入院基本料を算定するに当たっては、次の点に留意する。

ア 定期的(少なくとも月に1回)に患者の状態の評価及び入院療養の計画を見直し、その要点を診療録に記載する。なお、入院時と退院時のADLの程度を診療録に記載する。

イ 患者の状態に著しい変化がみられた場合には、その都度、患者の状態を評価した上で、治療やケアを見直し、その要点を診療録等に記載する。

(7) 「注4」に規定する褥瘡対策加算1及び2は、ADL区分3の状態の患者について、「別紙様式46」の「褥瘡対策に関する評価」を用いて褥瘡の状態を確認し、治療及びケアの内容を踏まえ毎日評価し、以下により算定すること。なお、以下において、「褥瘡対策に関する評価」における褥瘡の状態の評価項目のうち「深さ」の項目の点数は加えない当該患者のDESIGN―Rの合計点数を「DESIGN―Rの合計点」といい、暦月内におけるDESIGN―Rの合計点が最も低かった日の点数を当該月における「実績点」という。また、褥瘡の状態の評価の結果を別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定欄に記載し、治療及び看護の計画を見直した場合には、その内容を診療録等に記載すること。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

ア 褥瘡対策加算1については、入院後若しくは新たに当該加算に係る評価を始めて暦月で3月を超えない間又は褥瘡対策加算2を算定する日以外の日において算定する。

イ 褥瘡対策加算2については、直近2月の実績点が2月連続して前月の実績点を上回った場合であって、DESIGN―Rの合計点が前月の実績点より上回った日に算定する。

(8) 「注5」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を、療養病棟で受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

(9) 「注6」に規定する急性期患者支援療養病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者支援療養病床初期加算は在宅患者や介護保険施設入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療及び在宅での療養を支えることを目的として、療養病棟が有する以下のような機能を評価したものであり、転院、入院又は転棟した日から起算して14日を限度に算定できる。また、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

ア 急性期患者支援療養病床初期加算については、急性期医療を担う病院の一般病棟に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を、速やかに療養病棟が受け入れることにより、急性期医療を担う病院を後方支援する。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟であること。ただし、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料を算定する保険医療機関にあっては、区分番号「A205」救急医療管理加算の届出を行っている場合に限るものとする。また、一般病棟と療養病棟が同一の病院に併存する場合で、当該一般病棟から療養病棟に転棟した患者については、1回の転棟に限り算定できるものとする。

イ 在宅患者支援療養病床初期加算については、介護保険施設、居住系施設等又は自宅で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状を来したために入院医療を要する状態になった際に、療養病棟が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していること及び厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、入院時に治療方針に関する患者又はその家族等の意思決定に対する支援を行うことにより、自宅や介護保険施設等における療養の継続を後方支援する。なお、当該加算を算定する療養病棟を有する病院に介護保険施設等が併設されている場合は、当該併設介護保険施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。

(10) 療養病棟入院基本料を算定する病棟(「注11」を算定する病棟を含む。)については、「注7」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(11) 「注8」の規定は、新型インフルエンザ等感染症がまん延している期間として別に厚生労働大臣が指定する期間において、療養病棟入院基本料の届出を行っている病棟においても、新型インフルエンザ等感染症等の患者が当該病棟に入院した場合には、届出を行った上で、一般病棟入院基本料の例により算定することができるようにしたものであること。

(12) 「注8」の規定により新型インフルエンザ感染症等の患者を入院させる際には、院内感染防止対策を十分に行うこと。

(13) 「注8」の規定により、区分番号「A100」の一般病棟入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、以下のとおりとする。

ア 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算は算定することができない。

イ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算は算定することができない。

ウ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注10」に規定する加算について、当該病棟において各加算の要件を満たしている場合には算定できる。

エ 区分番号「A100」一般病棟入院基本料の「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は算定することができない。

(14) 「注9」に規定する慢性維持透析管理加算は、療養病棟における透析患者の診療を評価したものであり、自院で人工腎臓、持続緩徐式血液濾過、腹膜灌流又は血漿交換療法を行っている場合に算定する。なお、これらの項目については、継続的に適切に行われていれば、毎日行われている必要はない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

(15) 「注10」に規定する在宅復帰機能強化加算は、在宅復帰機能の高い病棟を評価したものである。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

(16) 「注12」に規定する夜間看護加算は、療養生活の支援が必要な患者が多い病棟において、看護要員の手厚い夜間配置を評価したものであり、当該病棟における看護にあたって、次に掲げる身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する。

ア 入院患者に対し、日頃より身体的拘束を必要としない状態となるよう環境を整える。

イ 身体的拘束を実施するかどうかは、職員個々の判断ではなく、当該患者に関わる医師、看護師等、当該患者に関わる複数の職員で検討する。

ウ やむを得ず身体的拘束を実施する場合であっても、当該患者の生命及び身体の保護に重点を置いた行動の制限であり、代替の方法が見いだされるまでの間のやむを得ない対応として行われるものであることから、可及的速やかに解除するよう努める。

エ 身体的拘束を実施するに当たっては、次の対応を行う。

(イ) 実施の必要性等のアセスメント

(ロ) 患者家族への説明と同意

(ハ) 身体的拘束の具体的行為や実施時間等の記録

(ニ) 二次的な身体障害の予防

(ホ) 身体的拘束の解除に向けた検討

オ 身体的拘束を実施した場合は、解除に向けた検討を少なくとも1日に1度は行う。なお、身体的拘束を実施することを避けるために、ウ及びエの対応をとらず家族等に対し付添いを強要することがあってはならない。

(17) 「注12」に規定する夜間看護加算を算定する各病棟における夜勤を行う看護要員の数は、「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)イ①に定める夜間の看護職員の最小必要数を超えた看護職員1人を含む看護要員3人以上でなければ算定できない。なお、「注11」の規定により入院料を算定する場合及び特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。

A102 結核病棟入院基本料

(1) 結核病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料、月平均夜勤時間超過減算、「注6」の夜勤時間特別入院基本料及び「注7」の重症患者割合特別入院基本料から構成され、「注1」の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た結核病棟に入院している患者について、7対1入院基本料等の各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料及び月平均夜勤時間超過減算、「注6」の夜勤時間特別入院基本料並びに「注7」の重症患者割合特別入院基本料については、届け出た結核病棟に入院している患者について算定する。

(2) 結核病棟に入院している結核患者に化学療法を行う際には、日本結核病学会が作成した「院内DOTSガイドライン」を踏まえ、下記の服薬支援計画の作成、服薬確認の実施、患者教育の実施及び保健所との連携を行っていること。当該基準を満たさない場合は、「注2」の特別入院基本料として581点を算定する。

ア 服薬支援計画の作成

個々の患者の服薬中断リスクを分析し、服薬確認、患者教育、保健所との連携等に関する院内DOTS計画を策定すること。計画の策定に当たっては、患者の病態、社会的要因、副作用の発生や退院後の生活状態等による服薬中断リスクを考慮すること。

イ 服薬確認の実施

看護師が患者の内服を見届けるなど、個々の患者の服薬中断リスクに応じた方法で服薬確認を行うこと。

ウ 患者教育の実施

確実な服薬の必要性に関する患者への十分な説明を行うとともに、服薬手帳の活用等により退院後も服薬を継続できるための教育を実施すること。

エ 保健所との連携

退院後の服薬の継続等に関して、入院中から保健所の担当者とDOTSカンファレンス等を行うなど、保健所との連絡調整を行い、その要点を診療録等に記載すること。

(3) 「注3」において結核病棟入院基本料を算定する患者は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)」第19条、第20条及び第22条の規定並びに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における結核患者の入退院及び就業制限の取扱いについて(平成19年9月7日健感発第0907001号)」に基づき入退院が行われている結核患者であり、これらの基準に従い退院させることができる患者については、退院させることができることが確定した日以降は「注2」の特別入院基本料を算定する。

なお、次の全てを満たした場合には、退院させることができることが確定したものとして取り扱うものであること。

ア 2週間以上の標準的化学療法が実施され、咳、発熱、痰等の臨床症状が消失している。

イ 2週間以上の標準的化学療法を実施した後の異なった日の喀痰の塗抹検査又は培養検査の結果が連続して3回陰性である。(3回の検査は、原則として塗抹検査を行うものとし、アによる臨床症状消失後にあっては、速やかに連日検査を実施すること。)

ウ 患者が治療の継続及び感染拡大の防止の重要性を理解し、かつ、退院後の治療の継続及び他者への感染の防止が可能であると確認できている。

(4) (3)にかかわらず、カリエス、リンパ節結核などのこれらの基準に従うことができない結核患者については、当該患者の診療を担当する医師の適切な判断により入退院が行われるものである。

(5) 「注4」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(6) 当該保険医療機関において複数の結核病棟がある場合には、当該病棟全てについて同じ区分の結核病棟入院基本料を算定するものとする。

(7) 結核病棟入院基本料を算定する病棟については、「注5」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

A103 精神病棟入院基本料

(1) 精神病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料及び月平均夜勤時間超過減算並びに「注9」の夜勤時間特別入院基本料から構成され、「注1」の入院基本料及び「注2」の特別入院基本料についてはそれぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た精神病棟に入院している患者について、10対1入院基本料等の各区分の所定点数を算定し、「注9」の夜勤時間特別入院基本料については、届け出た精神病棟に入院している患者について算定する。

(2) 当該保険医療機関において複数の精神病棟がある場合には、当該病棟のうち、精神科急性期治療病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の精神病棟入院基本料を算定するものとする。

(3) 「注3」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(4) 「注4」に掲げる加算を算定するに当たっては、当該加算の施設基準を満たすとともに、次のアからウまでの要件を満たすことが必要である。なお、既に入院中の患者が当該入院期間中に、当該施設基準の要件を満たすこととなっても、当該加算は算定できない。

ア 入院時において、当該加算の施設基準に基づくランクがMであること。

イ 当該加算の施設基準に基づき、患者の身体障害の状態及び認知症の状態を評価するとともに、当該加算の施設基準に基づく評価、これらに係る進行予防等の対策の要点及び評価日を診療録に記載するものとする。当該加算は、対策の要点に基づき、計画を立て、当該計画を実行した日から算定する。

ウ 当該加算を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に当該加算の算定根拠となる評価(当該加算の施設基準に基づくランク等)及び評価日を記載すること。

(5) 「注5」の救急支援精神病棟初期加算は、当該病棟に入院する患者が、精神科救急搬送患者地域連携受入加算を算定したものである場合には、入院した日から起算して14日を限度として加算する。

(6) 精神病棟入院基本料を算定する病棟については、「注6」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(7) 「注7」の精神保健福祉士配置加算は、入院中の患者の早期退院を目的として精神保健福祉士の病棟配置を評価したものであり、当該病棟の全ての入院患者に対して、医師、看護師、作業療法士、公認心理師等の関係職種と共同して別紙様式6の2又はこれに準ずる様式を用いて、退院支援計画を作成し、必要に応じて患家等を訪問し、患者の希望を踏まえ、適切な保健医療サービス又は福祉サービス等を受けられるよう、障害福祉サービス事業所、相談支援事業所等と連携しつつ、在宅療養に向けた調整を行った場合に算定する。なお、病棟に配置された精神保健福祉士は当該病棟の入院患者の退院調整等を行うものであり、他病棟の患者の退院調整について行うことはできない。

(8) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者は、公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A104 特定機能病院入院基本料

(1) 特定機能病院入院基本料は、「注1」に規定する入院基本料について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟、結核病棟又は精神病棟に入院している患者について、7対1入院基本料等の各区分の所定点数を算定する。

(2) 結核病棟に入院している結核患者に化学療法を行う際には、日本結核病学会が作成した「院内DOTSガイドライン」を踏まえ、下記の服薬支援計画の作成、服薬確認の実施、患者教育の実施及び保健所との連携を行っていること。当該基準を満たさない場合は、区分番号「A102」結核病棟入院基本料の「注2」の特別入院基本料として581点を算定する。

ア 服薬支援計画の作成

個々の患者の服薬中断リスクを分析し、服薬確認、患者教育、保健所との連携等に関する院内DOTS計画を策定すること。計画の策定に当たっては、患者の病態、社会的要因、副作用の発生や退院後の生活状態等による服薬中断リスクを考慮すること。

イ 服薬確認の実施

看護師が患者の内服を見届けるなど、個々の患者の服薬中断リスクに応じた方法で服薬確認を行うこと。

ウ 患者教育の実施

確実な服薬の必要性に関する患者への十分な説明を行うとともに、服薬手帳の活用等により退院後も服薬を継続できるための教育を実施すること。

エ 保健所との連携

退院後の服薬の継続等に関して、入院中から保健所の担当者とDOTSカンファレンス等を行うなど、保健所との連絡調整を行い、その要点を診療録等に記載すること。

(3) 「注2」において特定機能病院入院基本料(結核病棟に限る。)を算定する患者は、感染症法第19条、第20条及び第22条の規定並びに「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における結核患者の入退院及び就業制限の取扱いについて(平成19年9月7日健感発第0907001号)」に基づき入退院が行われている結核患者であり、これらの基準に従い退院させることができる患者については、退院させることができることが確定した日以降は「注2」の特別入院基本料を算定する。

なお、次の全てを満たした場合には、退院させることができることが確定したものとして取り扱うものであること。

ア 2週間以上の標準的化学療法が実施され、咳、発熱、痰等の臨床症状が消失している。

イ 2週間以上の標準的化学療法を実施した後の異なった日の喀痰の塗抹検査又は培養検査の結果が連続して3回陰性である。(3回の検査は、原則として塗抹検査を行うものとし、アによる臨床症状消失後にあっては、速やかに連日検査を実施すること。)

ウ 患者が治療の継続及び感染拡大の防止の重要性を理解し、かつ、退院後の治療の継続及び他者への感染の防止が可能であると確認できている。

(4) (3)にかかわらず、カリエス、リンパ節結核などのこれらの基準に従うことができない結核患者については、当該患者の診療を担当する保険医の適切な判断により入退院が行われるものである。

(5) 当該特定機能病院において同一種別の病棟が複数ある場合の入院基本料の算定については、一般病棟入院基本料の(2)、結核病棟入院基本料の(6)及び精神病棟入院基本料の(2)の例による。

(6) 「注3」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(7) 「注4」に掲げる加算を算定するに当たっては、当該加算の施設基準を満たすとともに、次のアからウまでの要件を満たすことが必要である。なお、既に入院中の患者が当該入院期間中に、当該施設基準の要件を満たすこととなっても、当該加算は算定できない。

ア 入院時において、当該加算の施設基準に基づくランクがMであること。

イ 当該加算の施設基準に基づき、患者の身体障害の状態及び認知症の状態を評価するとともに、当該加算の施設基準に基づく評価、これらに係る進行予防等の対策の要点及び評価日を診療録に記載するものとする。当該加算は、対策の要点に基づき、計画を立て、当該計画を実行した日から算定する。

ウ 当該加算を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に当該加算の算定根拠となる評価(当該加算の施設基準に基づくランク等)及び評価日を記載すること。

(8) 「注5」に規定する看護必要度加算は、10対1入院基本料(一般病棟に限る。)を算定する病棟であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす病棟に入院している患者について算定すること。

(9) 特定機能病院入院基本料を算定する病棟については、「注8」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(10) 特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)を算定する病棟に入院している患者であって、当該病棟に90日を超えて入院する患者の取扱いについては、一般病棟入院基本料の(6)及び(8)から(10)までの例による。

(11) 「注10」に規定するADL維持向上等体制加算については、一般病棟入院基本料の(11)の例による。

A105 専門病院入院基本料

(1) 専門病院入院基本料は、「注1」に規定する入院基本料について、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟に入院している患者について、7対1入院基本料等の各区分の所定点数を算定する。

(2) 当該専門病院において複数の一般病棟がある場合には、当該病棟のうち、障害者施設等入院基本料又は緩和ケア病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の専門病院入院基本料を算定するものとする。

(3) 「注2」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(4) 「注3」に規定する看護必要度加算は、10対1入院基本料を算定する病棟であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす病棟に入院している患者について算定すること。

(5) 「注4」に規定する一般病棟看護必要度評価加算は、13対1入院基本料を算定する病棟であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす病棟に入院しており、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度(以下この節において「看護必要度」という。)の測定及び評価が行われた患者について算定すること。

(6) 専門病院入院基本料を算定する病棟については、「注7」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(7) 専門病院入院基本料を算定する病棟に入院している患者であって、当該病棟に90日を超えて入院する患者の取扱いについては、一般病棟入院基本料の(6)及び(8)から(10)までの例による。

(8) 「注9」に規定するADL維持向上等体制加算については、一般病棟入院基本料の(11)の例による。

A106 障害者施設等入院基本料

(1) 障害者施設等入院基本料は、「注1」の入院基本料及び「注2」の月平均夜勤時間超過減算により算定するものから構成され、「注1」の入院基本料については、それぞれ別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た障害者施設等一般病棟に入院している患者について、7対1入院基本料等の各区分の所定点数を算定し、「注2」の月平均夜勤時間超過減算については、届け出た障害者施設等一般病棟に入院している患者について算定する。

(2) 当該保険医療機関において複数の障害者施設等一般病棟がある場合には、当該病棟全てについて同じ区分の障害者施設等入院基本料を算定するものとする。

(3) 「注3」及び「注9」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(4) 「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を、障害者施設等で受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(5) 「注5」に規定する特定患者は、特定入院基本料(969点又は863点)を算定すること。

(6) 特定患者とは、90日を超える期間、同一の保険医療機関(特別の関係にある保険医療機関を含む。)の一般病棟(障害者施設等入院基本料を算定する病棟に限り、一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料を除く。)に入院している患者であって、当該90日を経過する日の属する月(90日経過後にあってはその後の各月とする。以下、下の表において単に「月」という。)に下の表の左欄に掲げる状態等にあって、中欄の診療報酬点数に係る療養のいずれかについて、右欄に定める期間等において実施している患者(以下「基本料算定患者」という。)以外のものをいう。

なお、左欄に掲げる状態等にある患者が、退院、転棟又は死亡により右欄に定める実施の期間等を満たさない場合においては、当該月の前月に基本料算定患者であった場合に限り、当該月においても同様に取り扱うこととする。

状態等

診療報酬点数

実施の期間等

1 難病患者等入院診療加算を算定する患者

難病患者等入院診療加算

当該加算を算定している期間

2 重症者等療養環境特別加算を算定する患者

重症者等療養環境特別加算

当該加算を算定している期間

3 重度の肢体不自由者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。)、脊髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。)、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者及び難病患者等(※1参照)

左欄の状態にある期間

4 悪性新生物に対する治療(重篤な副作用のおそれがあるもの等に限る。)を実施している状態(※2参照)

動脈注射

左欄治療により、集中的な入院加療を要する期間

抗悪性腫瘍剤局所持続注入

点滴注射

中心静脈注射

骨髄内注射

放射線治療(エックス線表在治療又は血液照射を除く。)

5 観血的動脈圧測定を実施している状態

観血的動脈圧測定

当該月において2日以上実施していること

6 リハビリテーションを実施している状態(患者の入院の日から起算して180日までの間に限る。)

心大血管疾患リハビリテーション、脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション、運動器リハビリテーション及び呼吸器リハビリテーション

週3回以上実施している週が、当該月において2週以上であること

7 ドレーン法若しくは胸腔又は腹腔の洗浄を実施している状態

ドレーン法(ドレナージ)

当該月において2週以上実施していること

胸腔穿刺

腹腔穿刺

8 頻回に喀痰吸引・排出を実施している状態(※3参照)

喀痰吸引、干渉低周波去痰器による喀痰排出

1日に8回以上(夜間を含め約3時間に1回程度)実施している日が、当該月において20日以上であること

気管支カテーテル薬液注入法

9 人工呼吸器を使用している状態

間歇的陽圧吸入法、体外式陰圧人工呼吸器治療

当該月において1週以上使用していること

人工呼吸

10 人工腎臓、持続緩徐式血液濾過又は血漿交換療法を実施している状態

人工腎臓、持続緩徐式血液濾過

各週2日以上実施していること

当該月において2日以上実施していること

血漿交換療法

11 全身麻酔その他これに準ずる麻酔を用いる手術を実施し、当該疾病に係る治療を継続している状態(当該手術を実施した日から起算して30日までの間に限る。)

脊椎麻酔


開放点滴式全身麻酔

マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔

※1 3の左欄に掲げる状態等にある患者は具体的には以下のような状態等にあるものをいう。

a 重度の肢体不自由者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。以下単に「重度の肢体不自由者」という。)及び脊髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。以下単に「脊髄損傷等の重度障害者」という。)

なお、脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者については、当該傷病が主たる病である患者のことをいう。

b 重度の意識障害者

重度の意識障害者とは、次に掲げる者をいう。なお、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。

ア 意識障害レベルがJCS(Japan Coma Scale)でⅡ―3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態が2週以上持続している患者

イ 無動症の患者(閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)

c 以下の疾患に罹患している患者

筋ジストロフィー、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎及びもやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)

※2 4の「重篤な副作用のおそれがあるもの等」とは、以下のものである。

a 肝障害、間質性肺炎、骨髄抑制、心筋障害等の生命予後に影響を与えうる臓器障害を有する腫瘍用薬による治療

b 放射線治療

c 末期の悪性新生物に対する治療

※3 8に係る喀痰吸引又は干渉低周波去痰器による喀痰排出を算定した場合は、当該喀痰吸引又は干渉低周波去痰器による喀痰排出を頻回に行った旨、その実施時刻及び実施者について診療録等に記載すること。

(7) 基本診療料の施設基準等別表第五に掲げる画像診断及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤、特定保険医療材料又は区分番号「J201」に掲げる酸素加算の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については特定入院基本料に含まれる。

なお、特定入院基本料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、特定入院基本料に含まれているものであるため別に算定できない。

(8) 「注6」に定める脳卒中を原因とする重度の意識障害によって当該病棟に入院する患者については、区分番号「A101」に掲げる療養病棟入院基本料における医療区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)の例に従い、当該患者ごとに各医療区分に相当する所定点数を算定する。その際、当該患者の疾患及び状態の該当する医療区分の項目について、医療機関において診療録等に記録する。

(9) 「注6」に定める所定点数を算定する場合は、第2章特掲診療料の算定については、区分番号「A101」に掲げる療養病棟入院基本料の規定に従って算定し、第1章第2部第2節入院基本料等加算については、障害者施設等入院基本料の規定に従って算定する。

(10) 平成30年3月31日時点で、継続して6月以上脳卒中を原因とする重度の意識障害によって障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院している患者であって、引き続き同病棟に入院しているものについては、医療区分3に相当するものとみなす。なお、脳卒中を原因とする重度の意識障害によって障害者施設等入院基本料を算定する病棟に入院している患者であって、その疾患及び状態等が医療区分3に規定する疾患及び状態等に相当するものについては、注6によらず、障害者施設等入院基本料に規定する所定点数を算定すること。

(11) 障害者施設等入院基本料を算定する病棟については、「注7」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(12) 「注9」に規定する看護補助加算は、当該病棟において入院基本料等の施設基準に定める必要な数を超えて配置している看護職員については、看護補助者とみなして(以下「みなし看護補助者」という。)計算することができる。ただし、「基本診療料の施設基準等」の第五の七の(7)のロに定める夜勤を行う看護補助者の数は、みなし補助者を除いた看護補助者を夜勤時間帯に配置している場合のみ算定できる。

(13) 「注9」に規定する看護補助加算を算定する病棟は、身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する。取組内容については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料の(16)の例による。

A108 有床診療所入院基本料

(1) 有床診療所入院基本料は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所(療養病床に係るものを除く。)に入院している患者について、有床診療所入院基本料1等の各区分の所定点数を算定する。

(2) 有床診療所入院基本料に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(3) 「注2」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を、有床診療所で受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(4) 「注3」に規定する有床診療所一般病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者や介護保険施設入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療を支えることを目的として、急性期有床診療所の一般病床が有する以下のような機能を評価したものであり、転院又は入院した日から起算して14日を限度に算定できる。

ア 急性期医療を担う病院の一般病棟に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を、速やかに有床診療所の一般病床が受け入れることにより、急性期医療を担う病院を後方支援する。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟であること。ただし、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料を算定する保険医療機関にあっては、区分番号「A205」救急医療管理加算の届出を行っている場合に限るものとする。

イ 介護保険施設、居住系施設等又は自宅で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態になった際に、有床診療所の一般病床が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していることにより、自宅や介護保険施設等における療養の継続を後方支援する。なお、当該加算を算定する一般病床を有する有床診療所に介護保険施設等が併設されている場合は、当該併設介護保険施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。

(5) 有床診療所入院基本料を算定する診療所であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所において、夜間に医師を配置している、又は近隣の保険医療機関が連携して入院患者の急変に備えて夜間の緊急診療体制を確保した場合について、その体制を入院患者に対して文書で説明し、夜間に緊急対応できる医師名を院内に掲示している場合に、「注4」に掲げる加算を算定することができる。

(6) 有床診療所入院基本料1から6までを算定する診療所であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所において、療養病床の有無に関わらず、当該診療所に勤務する医師が2人以上の場合に、各区分に応じて「注5」に掲げる加算を算定することができる。

(7) 有床診療所入院基本料1から6までを算定する診療所であって、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所において、各区分に応じて「注6」のイからヘまでに掲げる加算を算定することができる。イとロ、ハとニ、ホとヘは併算定出来ないものであること。

(8) 「注7」に規定する看取り加算は、夜間に1名以上の看護職員が配置されている有床診療所において、入院の日から30日以内に看取った場合に算定する。この場合、看取りに係る診療内容の要点等を診療録に記載する。なお、当該加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(9) 有床診療所入院基本料を算定する診療所については、「注8」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(10) 有床診療所入院基本料を算定する診療所のうち、区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床を有する診療所においては、有床診療所入院基本料を算定する病床に入院している患者であっても、患者の状態に応じて、区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料を算定することができる。

なお、この取扱いについては、患者の状態に応じて算定する入院基本料を変更できるが、変更は月単位とし、同一月内は同じ入院基本料を算定することとする。

(11) 区分番号「A109」の有床診療所療養病床入院基本料の例により算定する場合の費用の請求については、下記のとおりとする。

ア 区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料の「注3」に定める費用は基本料に含まれるため、算定できない。

イ 区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料の「注4」から「注7」までの加算並びに「注8」及び「注11」に掲げる各加算については、当該診療所に入院した日を入院初日として、それぞれの算定要件を満たす場合に算定することができる。

この場合において、入退院支援加算については、区分番号「A246」入退院支援加算1又は2のロの療養病棟入院基本料等の場合の例により算定する。

(12) 区分番号「A109」の入院基本料A、入院基本料B又は入院基本料Cのいずれかの算定に当たっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ十分な説明を行うとともに診療録に添付しておくこと。

(13) 「注10」に規定する栄養管理実施加算については、以下のとおりとする。

ア 栄養管理実施加算は、入院患者ごとに作成された栄養管理計画に基づき、関係職種が共同して患者の栄養状態等の栄養管理を行うことを評価したものである。

イ 当該加算は、入院患者であって、栄養管理計画を策定し、当該計画に基づき、関係職種が共同して栄養管理を行っている患者について算定できる。なお、当該加算は、食事を供与しておらず、食事療養に係る費用の算定を行っていない中心静脈注射等の治療を行っている患者であっても、栄養管理計画に基づき適切な栄養管理が行われている者であれば算定対象となること。

ウ 救急患者や休日に入院した患者など、入院日に策定できない場合の栄養管理計画は、入院後7日以内に策定したものについては、入院初日に遡って当該加算を算定することができる。

エ 管理栄養士をはじめとして、医師、薬剤師、看護師その他の医療従事者が共同して栄養管理を行う体制を整備し、あらかじめ栄養管理手順(栄養スクリーニングを含む栄養状態の評価、栄養管理計画、定期的な評価等)を作成すること。

オ 栄養管理は、次に掲げる内容を実施するものとする。

(イ) 入院患者ごとの栄養状態に関するリスクを入院時に把握すること(栄養スクリーニング)。

(ロ) 栄養スクリーニングを踏まえて栄養状態の評価を行い、入院患者ごとに栄養管理計画(栄養管理計画の様式は、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添6の別紙23又はこれに準じた様式とする。)を作成すること。

(ハ) 栄養管理計画には、栄養補給に関する事項(栄養補給量、補給方法、特別食の有無等)、栄養食事相談に関する事項(入院時栄養食事指導、退院時の指導の計画等)、その他栄養管理上の課題に関する事項、栄養状態の評価の間隔等を記載すること。また、当該計画書又はその写しを診療録等に添付すること。

(ニ) 医師又は医師の指導の下に管理栄養士、薬剤師、看護師その他の医療従事者が栄養管理計画を入院患者に説明し、当該栄養管理計画に基づき栄養管理を実施すること。

(ホ) 栄養管理計画に基づき患者の栄養状態を定期的に評価し、必要に応じて当該計画を見直していること。

カ 当該栄養管理の実施体制に関する成果を含めて評価し、改善すべき課題を設定し、継続的な品質改善に努めること。

キ 当該診療所以外の管理栄養士等により栄養管理を行っている場合は、算定できない。

ク 当該加算を算定する場合は、区分番号「B001」特定疾患治療管理料の「10」入院栄養食事指導料は別に算定できない。

(14) 「注11」に規定する有床診療所在宅復帰機能強化加算は、在宅復帰機能の高い有床診療所を評価したものであること。

(15) 「注12」に規定する介護連携加算1及び2は、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条各号に規定する疾病を有する40歳以上65歳未満の者又は65歳以上の者の受入について、十分な体制を有している有床診療所を評価したものである。なお、当該加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

A109 有床診療所療養病床入院基本料

(1) 有床診療所療養病床入院基本料は、「注1」の入院基本料及び「注2」の特別入院基本料から構成され、「注1」の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た診療所(療養病床に係るものに限る。)に入院している患者について、別に厚生労働大臣が定める区分(1日に2つ以上の区分に該当する場合には、該当するもののうち最も高い点数の区分)に従い、当該患者ごとに入院基本料A等の各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料については、届け出た診療所(療養病床に係るものに限る。)に入院している患者について算定する。ただし、「注1」の入院基本料を算定している場合において、患者の急性増悪により、同一の保険医療機関の療養病床以外へ転室する場合にはその前日を1日目として3日前までの間、別の保険医療機関の一般病棟若しくは有床診療所の療養病床以外の病室へ転院する場合にはその当日を1日目として3日前までの間は、その日ごとに入院基本料Eを算定することができる。

(2) 「注1」の入院基本料のうち、入院基本料A、入院基本料B又は入院基本料Cのいずれかの算定に当たっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ十分な説明を行うとともに診療録に添付しておくこと。なお、やむを得ない理由により説明を行うことが困難な場合であっても、患者又はその家族の求めに応じ、当該書面又はその写しを交付するとともに診療録に添付しておくこと。また、患者又はその家族への説明に当たり、特に悪性腫瘍等の患者に対しては、患者本人の治療方針に関する理解状況を踏まえ、療養上著しく不適切なことが生じないよう配慮すること。

(3) 基本診療料の施設基準等別表第五に掲げる画像診断及び処置並びにこれらに伴い使用する薬剤、特定保険医療材料又は区分番号「J201」に掲げる酸素加算の費用並びに浣腸、注腸、吸入等基本診療料に含まれるものとされている簡単な処置及びこれに伴い使用する薬剤又は特定保険医療材料の費用については有床診療所療養病床入院基本料に含まれる。なお、有床診療所療養病床入院基本料を算定する日に使用するものとされた投薬に係る薬剤料は、有床診療所療養病床入院基本料に含まれているものであるため別に算定できない。ただし、「注1」のただし書の規定により、入院基本料Eを算定する場合については、この限りではない。

(4) 有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床は主として長期にわたり療養の必要な患者が入院する施設であり、医療上特に必要がある場合に限り他の病床への患者の移動は認められるが、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。なお、「注1」のただし書の規定により入院基本料Eを算定した場合においても、その医療上の必要性について診療報酬明細書の摘要欄に詳細に記載する。

(5) 有床診療所療養病床入院基本料を算定するに当たっては、次の点に留意する。

ア 定期的(少なくとも月に1回)に患者の状態の評価及び入院療養の計画を見直し、その要点を診療録に記載する。なお、入院時と退院時のADLの程度を診療録に記載する。

イ 患者の状態に著しい変化がみられた場合には、その都度、患者の状態を評価した上で、治療やケアを見直し、その要点を診療録等に記載する。

(6) 「注4」に規定する褥瘡対策加算1及び2については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料の(7)の例による。

(7) 「注5」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を、有床診療所で受け入れた場合に入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(8) 「注6」に規定する救急・在宅等支援療養病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者や介護保険施設入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療を支えることを目的として、有床診療所の療養病床が有する以下のような機能を評価したものであり、転院又は入院した日から起算して14日を限度に算定できる。

ア 急性期医療を担う病院の一般病棟に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を、速やかに有床診療所の療養病床が受け入れることにより、急性期医療を担う病院を後方支援する。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟であること。ただし、地域一般入院基本料又は13対1入院基本料を算定する保険医療機関にあっては、区分番号「A205」救急医療管理加算の届出を行っている場合に限るものとする。また、同一の有床診療所内に一般病床と療養病床が併存する場合で、当該一般病床から療養病床に転床した患者については、算定できないものとする。

イ 介護保険施設、居住系施設等又は自宅で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態になった際に、有床診療所の療養病床が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していることにより、自宅や介護保険施設等における療養の継続を後方支援する。なお、当該加算を算定する療養病床を有する有床診療所に介護保険施設等が併設されている場合は、当該併設介護保険施設等から受け入れた患者については、算定できないものとする。

(9) 「注7」に規定する看取り加算は夜間に1名以上の看護職員が配置されている有床診療所において、入院の日から30日以内に看取った場合に算定する。この場合、看取りに係る診療内容の要点等を診療録に記載する。なお、当該加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。

(10) 有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床については、「注8」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。

(11) 有床診療所療養病床入院基本料を算定する診療所のうち、区分番号「A108」有床診療所入院基本料を算定する病床を有する診療所においては、有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床に入院している患者であっても、患者の状態に応じて、区分番号「A108」有床診療所入院基本料の例により算定することができる。

なお、この取扱いについては、患者の状態に応じて算定する入院基本料を変更できるが、変更は月単位とし、同一月内は同じ入院基本料を算定することとする。

(12) 区分番号「A108」の有床診療所入院基本料の例により算定する場合、区分番号「A108」有床診療所入院基本料の「注2」から「注7」までの加算並びに「注8」、「注11」及び「注12」に掲げる各加算については、当該診療所に入院した日を初日として、それぞれの算定要件を満たす場合に算定することができる。

この場合において、入退院支援加算については、区分番号「A246」入退院支援加算1又は2のイの一般病棟入院基本料等の場合の例により算定する。

(13) 「注10」に規定する栄養管理実施加算の算定については、有床診療所入院基本料の(13)の例による。

(14) 「注11」に規定する有床診療所療養病床在宅復帰機能強化加算は、在宅復帰機能の高い療養病床を持つ有床診療所を評価したものであること。

第2節 入院基本料等加算

第1節入院基本料、第3節特定入院料及び第4節短期滞在手術等基本料と本節との関係は、別表1のとおりであるため、参考にされたい。

A200 総合入院体制加算

総合入院体制加算は、十分な人員配置及び設備等を備え総合的かつ専門的な急性期医療を24時間提供できる体制及び医療従事者の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制等を評価した加算であり、入院した日から起算して14日を限度として算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

A204 地域医療支援病院入院診療加算

(1) 地域医療支援病院入院診療加算は、地域医療支援病院における紹介患者に対する医療提供、病床や高額医療機器等の共同利用、24時間救急医療の提供等を評価するものであり、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) (1)にかかわらず入院初日に病棟単位で行うべき特定入院料以外の特定入院料を算定した場合については、入院基本料の入院期間の計算により一連の入院期間とされる期間中に特定入院料を算定しなくなった日(当該日が退院日の場合は、退院日)において1回に限り算定する。

A204―2 臨床研修病院入院診療加算

(1) 研修医が、当該保険医療機関の研修プログラムに位置づけられた臨床研修病院及び臨床研修協力施設において、実際に臨床研修を実施している場合に、入院初日に限り算定できる。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) (1)において研修を実施している場合とは、基幹型臨床研修病院においては実際に研修医が研修を実施している期間及び研修医が協力型臨床研修病院又は協力施設において研修を実施している期間、協力型臨床研修病院においては実際に研修医が研修を実施している期間のことをいう。

(3) 研修医の診療録の記載に係る指導及び確認は、速やかに行うこととし、診療録には指導の内容が分かるように指導医自らが記載を行い、署名をすること。

A205 救急医療管理加算

(1) 緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に、入院した日から起算して7日に限り算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(2) 救急医療管理加算1の対象となる患者は、次に掲げる状態のうちアからケのいずれかの状態にあって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者をいう。なお、当該加算は、入院時において当該重症患者の状態であれば算定できるものであり、当該加算の算定期間中において継続して当該状態でなくても算定できる。

ア 吐血、喀血又は重篤な脱水で全身状態不良の状態

イ 意識障害又は昏睡

ウ 呼吸不全又は心不全で重篤な状態

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

キ 広範囲熱傷

ク 外傷、破傷風等で重篤な状態

ケ 緊急手術、緊急カテーテル治療・検査又はt―PA療法を必要とする状態

コ その他の重症な状態

(3) 救急医療管理加算2の対象となる患者は、(2)のアからケまでに準ずる状態又はコの状態にあって、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた重症患者をいう。なお、当該加算は、患者が入院時において当該状態であれば算定できるものであり、当該加算の算定期間中において継続して当該状態でなくても算定できる。

(4) 救急医療管理加算1を算定する場合は、以下の内容について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ア (2)のアからケのうち該当する状態

イ (2)のイ、ウ、オ、カ又はキの状態に該当する場合は、それぞれの入院時の状態に係る指標

ウ 当該重症な状態に対して、入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置又は手術のうち主要なもの

(5) 救急医療管理加算2を算定する場合は、以下の内容について、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

ア (2)のアからケまでに準ずる状態又はコの状態として該当するもの

イ (2)のイ、ウ、オ、カ又はキに準ずる状態に該当する場合は、それぞれの入院時の状態に係る指標

ウ 当該重症な状態に対して、入院後3日以内に実施した検査、画像診断、処置又は手術のうち主要なもの

(6) 都道府県知事又は指定都市市長の指定する精神科救急医療施設において、緊急に入院を必要とする重症患者(精神疾患であり、入院させなければ医療及び保護を図る上で支障のある状態)に対して救急医療が行われた場合にも算定できる。ただし、精神科応急入院施設管理加算又は精神科措置入院診療加算を算定した患者については算定できない。なお、精神科救急医療施設の運営については、「精神科救急医療体制整備事業の実施について」(平成20年5月26日障発第0526001号)に従い実施されたい。

(7) 加算の起算日となる入院日については、夜間又は休日において入院治療を必要とする重症患者に対して救急医療を提供した日(午前0時から午後12時まで)であって、その旨を地域の行政部門、医師会等の医療関係者及び救急搬送機関等にあらかじめ周知している日(あらかじめ定められた当番日以外の日でもよい。)とする。また、午前0時をまたいで夜間救急医療を提供する場合においては、夜間の救急医療を行った前後2日間とする。なお、当該加算の起算日に行う夜間又は休日の救急医療にあっては、第二次救急医療施設として必要な診療機能及び専用病床を確保するとともに、診療体制として通常の当直体制のほかに重症救急患者の受入れに対応できる医師等を始めとする医療従事者を確保していることとする。

(8) 「注2」に規定する乳幼児加算は、6歳未満の緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に7日を限度として算定する。

(9) 「注3」に規定する小児加算は、6歳以上15歳未満の緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に7日を限度として算定する。

A205―2 超急性期脳卒中加算

(1) 当該加算は脳梗塞と診断された患者であって、発症後4.5時間以内に組織プラスミノーゲン活性化因子を投与されたものに対して、入院治療を行った場合又は脳梗塞を発症後4.5時間以内に「基本診療料の施設基準等」第八の六の三に定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た他の保険医療機関の外来で組織プラスミノーゲン活性化因子を投与された患者を受け入れ、入院治療を行った場合に入院初日に限り所定点数に加算する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) 投与に当たっては、日本脳卒中学会脳卒中医療向上・社会保険委員会rt―PA(アルテプラーゼ)静注療法指針改訂部会作成の「rt―PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針」を踏まえ適切に行われるよう十分留意すること。

(3) 投与を行う保険医は日本脳卒中学会等の関係学会が行う脳梗塞t―PA適正使用に係る講習会を受講していること。

(4) 組織プラスミノーゲン活性化因子の投与に当たっては、必要に応じて、薬剤師、診療放射線技師又は臨床検査技師と連携を図ること。

(5) 組織プラスミノーゲン活性化因子を投与した保険医療機関と投与後に入院で治療を行った保険医療機関が異なる場合の当該診療報酬の請求は、組織プラスミノーゲン活性化因子の投与後に入院治療を行った保険医療機関で行うものとし、当該診療報酬の分配は相互の合議に委ねる。

A205―3 妊産婦緊急搬送入院加算

(1) 次に掲げる場合(当該妊娠及び入院医療を必要とする異常の原因疾患につき、直近3か月以内に当該加算を算定する保険医療機関への受診歴のある患者が緊急搬送された場合を除く。)において受け入れた妊産婦が、母体又は胎児の状態により緊急入院の必要があり、医療保険の対象となる入院診療を行った場合に入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

ア 妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が疑われ、救急車等により当該保険医療機関に緊急搬送された場合

イ 他の医療機関において、妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が認められ、当該保険医療機関に緊急搬送された場合

ウ 助産所において、妊娠に係る異常又はその他入院医療を必要とする異常が疑われ、当該保険医療機関に緊急搬送された場合

(2) 当該加算は、緊急搬送された妊産婦が妊娠に係る異常以外の入院医療を必要とする異常が疑われる場合においては、当該保険医療機関において産科又は産婦人科の医師と当該異常に係る診療科の医師が協力して妊産婦の緊急搬送に対応することを評価するものであり、産科又は産婦人科以外の診療科への入院の場合においても算定できる。

(3) (1)において、受診歴とは妊婦健診及び往診等による受診を含むものである。ただし、(1)のウの場合において、当該保険医療機関が当該助産所の嘱託医療機関である場合又は当該保険医療機関の保険医が当該助産所の嘱託医である場合においては、嘱託医療機関又は嘱託医が実施した妊婦健診は、受診歴に含まない。なお、この場合においては、嘱託医療機関であること又は嘱託医の氏名を診療録に記載すること。

(4) 妊産婦とは産褥婦を含む(以下この節において同じ。)。

A206 在宅患者緊急入院診療加算

(1) 在宅での療養を行っている患者の病状の急変等により入院が必要となった場合に、円滑に入院でき、かつ入院を受け入れた保険医療機関(以下この項において「受入保険医療機関」という。)においても患者の意向を踏まえた医療が引き続き提供されるための取組を評価した加算である。

(2) 診療所において区分番号「C002」在宅時医学総合管理料、区分番号「C002―2」施設入居時等医学総合管理料、区分番号「C003」在宅がん医療総合診療料又は第2章第2部第2節第1款に掲げる在宅療養指導管理料の各区分に掲げる指導管理料(区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料を除く。)を入院の月又はその前月に算定している患者について、当該患者の病状の急変等に伴い当該診療所の保険医の求めに応じて入院させた場合に、受入保険医療機関において、当該入院中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(3) 当該診療所の保険医の求めによらない緊急入院において、当該患者の入院後24時間以内に、当該診療所の保険医から、受入保険医療機関の保険医に対して当該患者の診療情報が提供された場合であっても算定できる。

(4) 在宅患者緊急入院診療加算の「1」は、以下の場合に算定する。

ア 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1(2)又は第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1(2)に規定する在宅支援連携体制を構築している在宅療養支援診療所が診療を行っている患者を、当該診療所の保険医の求めに応じて、同じく当該体制を構築している、病床を有する他の在宅療養支援診療所(「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の第9在宅療養支援診療所の施設基準の1(2)の在宅療養支援診療所に限る。)又は在宅療養支援病院(「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の第14の2在宅療養支援病院の施設基準の1(2)の在宅療養支援病院に限る。)に入院させた場合

イ 「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の第16の3在宅療養後方支援病院(当該施設基準を満たすものを以下「在宅療養後方支援病院」という。)の施設基準の1(2)に規定する連携医療機関が訪問診療を行っている患者であって、緊急時に当該在宅療養後方支援病院に入院を希望する者として当該在宅療養後方支援病院にあらかじめ届け出ている者を、当該連携医療機関の保険医の求めに応じて、当該在宅療養後方支援病院に入院させた場合

(5) 在宅患者緊急入院診療加算の「2」は、当該診療所の保険医が患者又はその家族に対して、事前に緊急時の受入保険医療機関の名称等を文書にて提供し、受入保険医療機関に入院した場合(「1」の場合を除く。)に算定する。また、当該診療所の保険医は、提供した文書の写しを診療録に添付すること。

(6) 受入保険医療機関の保険医は、入院前又は入院後速やかに患者の希望する診療内容等の情報を当該診療所の保険医に確認し共有すること。

A207 診療録管理体制加算

診療録管理体制加算は、適切な診療記録の管理を行っている体制を評価するものであり、現に患者に対し診療情報を提供している保険医療機関において、入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

A207―2 医師事務作業補助体制加算

(1) 医師事務作業補助体制加算は、医師の負担の軽減及び処遇の改善に対する体制を確保することを目的として、医師、医療関係職員、事務職員等との間での業務の役割分担を推進し、医師の事務作業を補助する専従者(以下「医師事務作業補助者」という。)を配置している体制を評価するものである。

(2) 医師事務作業補助体制加算は、当該患者の入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(3) 医師事務作業補助者の業務は、医師(歯科医師を含む。)の指示の下に、診断書等の文書作成補助、診療記録への代行入力、医療の質の向上に資する事務作業(診療に関するデータ整理、院内がん登録等の統計・調査、教育や研修・カンファレンスのための準備作業等)、入院時の案内等の病棟における患者対応業務及び行政上の業務(救急医療情報システムへの入力、感染症サーベイランス事業に係る入力等)への対応に限定するものであること。なお、医師以外の職種の指示の下に行う業務、診療報酬の請求事務(DPCのコーディングに係る業務を含む。)、窓口・受付業務、医療機関の経営、運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助及び物品運搬業務等については医師事務作業補助者の業務としないこと。

(4) 医師事務作業補助者は、院内の医師の業務状況等を勘案して配置することとし、病棟における業務以外にも、外来における業務や、医師の指示の下であれば、例えば文書作成業務専門の部屋等における業務も行うことができる。ただし、医師事務作業補助体制加算1を算定する場合は、医師事務作業補助者の延べ勤務時間数の8割以上の時間において、医師事務作業補助の業務が病棟又は外来において行われていること。なお、医師の指示に基づく診断書等の文書作成補助、診療記録への代行入力及び医療の質の向上に資する事務作業(診療に関するデータ整理、院内がん登録等の統計・調査、教育や研修・カンファレンスのための準備作業等)に限っては、当該保険医療機関内での実施の場所を問わず、病棟又は外来における医師事務作業補助の業務時間に含めることとする。

A207―3 急性期看護補助体制加算

(1) 急性期看護補助体制加算は、地域の急性期医療を担う保険医療機関において、看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を確保することを目的として、看護業務を補助する看護補助者を配置している体制を評価するものである。

(2) 急性期看護補助体制加算は、当該加算を算定できる病棟において、看護補助者の配置基準に応じて算定する。なお、当該病棟において入院基本料等の施設基準に定める必要な数を超えて配置している看護職員については、看護補助者とみなして計算することができるが、25対1急性期看護補助体制加算は、当該加算の配置基準に必要な看護補助者の数に対するみなし看護補助者を除いた看護補助者の比率に応じた点数を算定すること。

(3) 急性期看護補助体制加算を算定する病棟は、身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する。取組内容については、区分番号「A101」療養病棟入院基本料の(16)の例による。

(4) 夜間急性期看護補助体制加算は、みなし看護補助者ではなく、看護補助者の配置を夜勤時間帯に行っている場合にのみ算定できる。

(5) 急性期看護補助体制加算及び夜間急性期看護補助体制加算は、当該患者が入院した日から起算して14日を限度として算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部入院料等の通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(6) 「注3」に規定する夜間看護体制加算は、「注2」に規定する夜間30対1急性期看護補助体制加算、夜間50対1急性期看護補助体制加算又は夜間100対1急性期看護補助体制加算を算定している病棟において算定する。

A207―4 看護職員夜間配置加算

(1) 看護職員夜間配置加算は、看護職員の手厚い夜間配置を評価したものであるため、当該基準を満たしていても、基本診療料の施設基準等の第5の1の(7)に定める夜勤の看護職員の最小必要数を超えた3人以上でなければ算定できない。

(2) 看護職員夜間配置加算は、当該患者が入院した日から起算して14日を限度として算定できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部入院料等の通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

A208 乳幼児加算・幼児加算

乳幼児加算又は幼児加算は、当該患者を入院させた場合に算定するものであって、産婦又は生母の入院に伴って健康な乳幼児又は幼児を在院させた場合にあっては、算定できない。

A210 難病等特別入院診療加算

(1) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症患者については、菌の排出がなくなった後、3週間を限度として算定する。

(2) 特殊疾患入院施設管理加算を算定している患者については算定できない。

A211 特殊疾患入院施設管理加算

(1) 重度の肢体不自由児(者)(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。以下単に「重度の肢体不自由児(者)」という。)、脊髄損傷等の重度の障害者、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者等を主として入院させる障害者施設等一般病棟等その他の病棟及び有床診療所(一般病床に限る。)において算定する。

(2) 重度の意識障害者とは、次に掲げる者をいう。なお、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。

ア 意識障害レベルがJCS(Japan Coma Scale)でⅡ―3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態が2週以上持続している患者

イ 無動症の患者(閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)

(3) 神経難病患者とは、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症、シャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎又はもやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)に罹患している患者をいう。

A212 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算

(1) 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算は、出生時、乳幼児期又は小児期等の15歳までに障害を受けた児(者)で、当該障害に起因して超重症児(者)又は準超重症児(者)の判定基準を満たしている児(者)に対し、算定する。

ただし、上記以外の場合であって、重度の肢体不自由児(者)(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者は除く。)、脊髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者は除く。)、重度の意識障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者については、平成24年3月31日時点で30日以上継続して当該加算を算定している患者に限る。)、筋ジストロフィー患者又は神経難病患者等については、(2)又は(3)の基準を満たしていれば、当面の間、当該加算を算定できるものとする。

(2) 超重症児(者)入院診療加算の対象となる超重症の状態は、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別添6の別紙14の「超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準」による判定スコアが25以上のものをいう。

(3) 準超重症児(者)入院診療加算の対象となる準超重症の状態は、当該「超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準」による判定スコアが10以上のものをいう。

(4) 「注3」の救急・在宅重症児(者)受入加算については、超重症児(者)又は準超重症児(者)の判定基準を満たす患者が自宅から入院する場合又は急性期医療を担う病院から転院する場合に、入院又は転院した日から起算して5日を限度として算定する。急性期医療を担う病院から転院する場合の患者については、特定集中治療室管理料の「注2」の小児加算、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料又は総合周産期特定集中治療室管理料の「2」新生児集中治療室管理料を算定したことのある患者であること。なお、同一医療機関において転棟した患者については、当該加算は算定できない。また、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(5) 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算は、一般病棟(障害者施設等入院基本料、特殊疾患病棟入院料及び特殊疾患入院医療管理料を算定する病棟又は病室を除く。)においては、入院した日から起算して90日間に限り算定する。なお、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

A213 看護配置加算

看護配置加算は、看護師比率が40%以上と規定されている入院基本料を算定している病棟全体において、70%を超えて看護師を配置している場合に算定する。

A214 看護補助加算

(1) 看護補助加算は、当該加算を算定できる病棟において、看護補助者の配置基準に応じて算定する。なお、当該病棟において必要最小数を超えて配置している看護職員について、看護補助者とみなして計算することができる。

(2) 看護補助加算を算定する病棟は、次に掲げる身体的拘束を最小化する取組を実施した上で算定する。

ア 入院患者に対し、日頃より身体的拘束を必要としない状態となるよう環境を整える。

イ 身体的拘束を実施するかどうかは、職員個々の判断でなく、当該患者に関わる医師、看護師等、当該患者に関わる複数の職員で検討する。(精神病棟を除く。)

ウ やむを得ず身体的拘束を実施する場合であっても、当該患者の生命及び身体の保護に重点を置いた行動の制限であり、代替の方法が見いだされるまでの間のやむを得ない対応として行われるものであることから、可及的速やかに解除するよう努める。

エ 身体的拘束を実施するに当たっては、次の対応を行う。

(イ) 実施の必要性等のアセスメント

(ロ) 患者家族への説明と同意

(ハ) 身体的拘束の具体的行為や実施時間等の記録

(ニ) 二次的な身体障害の予防

(ホ) 身体的拘束の解除に向けた検討

オ 身体的拘束を実施した場合は、解除に向けた検討を少なくとも1日に1度は行う。なお、身体的な拘束を実施することを避けるために、ウ及びエの対応をとらずに家族等に対し付き添いを強要することがあってはならない。

(3) 夜間75対1看護補助加算は、看護補助加算を算定している病棟において、当該患者が入院した日から起算して20日を限度として所定点数に加算する。なお、みなし看護補助者ではなく、看護補助者の配置を夜勤時間帯に行っている場合にのみ算定できる。また、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

A218 地域加算

地域加算は、医業経費における地域差に配慮したものであり、人事院規則で定める地域及び当該地域に準じる地域に所在する保険医療機関において、入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料2の加算として算定できる。

A218―2 離島加算

離島加算は、離島における入院医療の応需体制を確保する必要があることから、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関において、入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料2の加算として算定できる。

A219 療養環境加算

(1) 特別の療養環境の提供に係る病室については、加算の対象とはならない。

(2) 医師並びに看護師、准看護師及び看護補助者の員数が医療法の定める標準を満たしていない病院では算定できない。

A220 HIV感染者療養環境特別加算

後天性免疫不全症候群の病原体に感染している者については、CD4リンパ球数の値にかかわらず、抗体の陽性反応があれば、患者の希望により特別の設備の整った個室に入室する場合を除き、当該加算を算定する。

A220―2 二類感染症患者療養環境特別加算

(1) 加算の対象となる者は、感染症法第6条第3項に規定する二類感染症の疾病を有する患者、新型インフルエンザの患者及びそれらの疑似症患者であって、保険医が他者へ感染させるおそれがあると認め、状態に応じて、個室又は陰圧室に入院した者である。

(2) 個室かつ陰圧室である場合には、個室加算及び陰圧室加算を併算定できる。

(3) 陰圧室加算を算定する場合は、結核患者等を収容している日にあっては、病室及び特定区域の陰圧状態を煙管(ベビーパウダー等を用いて空気流の状況を確認する方法で代用可能)又は差圧計等によって点検し、記録をつけること。ただし、差圧計はその位置によって計測値が変わることに注意すること。差圧計によって陰圧の確認を行う場合、差圧計の動作確認及び点検を定期的に実施すること。

A221 重症者等療養環境特別加算

(1) 加算の対象となる者は、次のいずれかに該当する患者であって、特に医療上の必要から個室又は2人部屋の病床に入院した者である。

ア 病状が重篤であって絶対安静を必要とする患者

イ 必ずしも病状は重篤ではないが、手術又は知的障害のため常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする患者

(2) インキュベーターに収容した新生児又は乳幼児は、加算の対象とならない。

(3) 当該加算の対象となった患者の氏名及び入院日数を記録し、3年間保存しておくこと。

A221―2 小児療養環境特別加算

(1) 小児療養環境特別加算の対象となる患者は、次のいずれかの状態に該当する15歳未満の小児患者であって、保険医が治療上の必要から個室での管理が必要と認めたものである。

ア 麻疹等の感染症に罹患しており、他の患者への感染の危険性が高い患者

イ 易感染性により、感染症罹患の危険性が高い患者

(2) 当該加算を算定する場合は、(1)のア又はイのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(3) 当該患者の管理に係る個室が特別の療養環境の提供に係る病室であっても差し支えないが、患者から特別の料金の徴収を行うことはできない。

A222 療養病棟療養環境加算

(1) 療養病棟療養環境加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものである。

(2) 特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。

A222―2 療養病棟療養環境改善加算

(1) 療養病棟療養環境改善加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供するための療養環境の整備に資する取組みを総合的に評価したものである。

(2) 患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。

A223 診療所療養病床療養環境加算

(1) 診療所療養病床療養環境加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供される療養環境を総合的に評価したものである。

(2) 特別の療養環境の提供に係る病室に入室しており、かつ、患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。

A223―2 診療所療養病床療養環境改善加算

(1) 診療所療養病床療養環境改善加算は、長期にわたり療養を必要とする患者に提供するための療養環境の整備に資する取組みを総合的に評価したものである。

(2) 患者から特別の料金の徴収を行っている場合には算定できない。

A224 無菌治療室管理加算

(1) 当該加算は、保険医療機関において、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者に対して、必要があって無菌治療室管理を行った場合に算定する。

なお、無菌治療室管理とは、当該治療室において、医師等の立入等の際にも無菌状態が保たれるよう必要な管理をいう。

(2) 当該加算は、一連の治療につき、無菌室に入室した日を起算日として90日を限度として算定する。

A225 放射線治療病室管理加算

当該加算は、悪性腫瘍の患者に対して、放射線治療病室管理を行った場合に算定する。なお、放射線治療病室管理とは、密封小線源あるいは治療用放射性同位元素により治療を受けている患者を入院させる病室における放射線に係る必要な管理をいう。

A226 重症皮膚潰瘍管理加算

(1) 重症皮膚潰瘍管理とは、重症な皮膚潰瘍(Sheaの分類Ⅲ度以上のものに限る。)を有している者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行うことをいう。

(2) 当該加算を算定する場合は、当該患者の皮膚潰瘍がSheaの分類のいずれに該当するかについて、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

A226―2 緩和ケア診療加算

(1) 当該加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、症状緩和に係るチーム(以下「緩和ケアチーム」という。)による診療が行われた場合に算定する。

(2) 末期心不全の患者とは、以下のアからウまでの基準及びエからカまでのいずれかの基準に該当するものをいう。

ア 心不全に対して適切な治療が実施されていること。

イ 器質的な心機能障害により、適切な治療にかかわらず、慢性的にNYHA重症度分類Ⅳ度の症状に該当し、頻回又は持続的に点滴薬物療法を必要とする状態であること。

ウ 過去1年以内に心不全による急変時の入院が2回以上あること。なお、「急変時の入院」とは、患者の病状の急変等による入院を指し、予定された入院は除く。

エ 左室駆出率が20%以下であること。

オ 医学的に終末期であると判断される状態であること。

カ エ又はオに掲げる状態に準ずる場合であること。

(3) 緩和ケアチームは、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要である。緩和ケアチームの医師は緩和ケアに関する研修を修了した上で診療に当たること。ただし、後天性免疫不全症候群の患者を診療する際には当該研修を修了していなくても当該加算は算定できる。

(4) 緩和ケアチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療を担う保険医、看護師及び薬剤師などと共同の上別紙様式3又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付すること。

(5) 当該加算を算定する患者については入院精神療法の算定は週に1回までとする。

(6) 1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。ただし、「注2」に規定する点数を算定する場合は、1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね15人以内とする。

(7) 症状緩和に係るカンファレンスが週1回程度開催されており、緩和ケアチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師などが参加している。

(8) 「注2」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟において、算定可能である。なお、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟ごとに一般病棟入院基本料の届出を行っている保険医療機関においては、一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定している病棟で当該点数を算定できる。

(9) 「注4」に規定する点数は、緩和ケア診療加算を算定している患者について、緩和ケアチームに管理栄養士が参加し、個別の患者の症状や希望に応じた栄養食事管理を行った場合に算定する。

(10) 「注4」に規定する点数を算定する場合は、緩和ケア診療実施計画に基づき実施した栄養食事管理の内容を診療録等に記載又は当該内容を記録したものを診療録等に添付すること。

A226―3 有床診療所緩和ケア診療加算

(1) 当該加算は、一般病床に入院する悪性腫瘍、後天性免疫不全症候群又は末期心不全の患者のうち、疼痛、倦怠感、呼吸困難等の身体的症状又は不安、抑うつなどの精神症状を持つ者に対して、当該患者の同意に基づき、医師、看護師が共同して緩和ケアに係る診療が行われた場合に算定する。なお、末期心不全の患者については、A226―2緩和ケア診療加算の(2)の基準に該当するものに限る。

(2) 緩和ケアに従事する医師、看護師は、身体症状及び精神症状の緩和を提供することが必要である。緩和ケアに従事する医師又は看護師のいずれかは緩和ケアに関する研修を修了していること。ただし、後天性免疫不全症候群の患者を診療する際には当該研修を修了していなくても当該加算は算定できる。

(3) 緩和ケアに係る診療に当たり、医師、看護師が共同の上別紙様式3(主治医、精神科医、緩和ケア医は同一で差し支えない。)又はこれに準じた緩和ケア診療実施計画書を作成し、その内容を患者に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付すること。

(4) 当該加算を算定する患者については入院精神療法の算定は週に1回までとする。

A227 精神科措置入院診療加算

精神科措置入院診療加算は、措置入院又は緊急措置入院に係る患者について当該入院期間中1回に限り入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。ただし、応急入院患者として入院し、入院後措置入院又は緊急措置入院が決定した場合は、当該措置入院又は緊急措置入院が決定した日に算定する。また、この場合にあっては、精神科応急入院施設管理加算は算定できない。

A227―2 精神科措置入院退院支援加算

(1) 精神科措置入院退院支援加算は、措置入院又は緊急措置入院に係る患者(措置入院又は緊急措置入院後に当該入院を受け入れた保険医療機関又は転院先の保険医療機関において医療保護入院等により入院継続した者を含む。以下この項目において「措置入院者」という。)に対して、入院中から、都道府県、保健所を設置する市又は特別区(以下この項において「都道府県等」という。)と連携して退院に向けた以下の全ての支援を実施した場合に、退院時1回に限り算定する。

ア 当該保険医療機関の管理者は、措置入院者を入院させた場合には、入院後速やかに、当該患者の退院後の生活環境に関し、本人及びその家族等の相談支援を行う担当者を選任すること。

イ 都道府県等が作成する退院後支援に関する計画が適切なものとなるよう、多職種で共同して当該患者の退院後支援のニーズに関するアセスメントを実施し、都道府県等と協力して計画作成のために必要な情報収集、連絡調整を行うこと。

ウ 退院後支援に関する計画を作成する都道府県等に協力し、当該患者の入院中に、退院後支援のニーズに関するアセスメントの結果及びこれを踏まえた計画に係る意見書を都道府県等へ提出すること。

エ アからウまでに関して、精神障害者の退院後支援に関する指針に沿って実施すること。

(2) 当該加算の退院とは、自宅等へ移行することをいう。なお、ここでいう「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービスを行う施設又は福祉ホーム(以下「精神障害者施設」という。)へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関において転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう。

A228 精神科応急入院施設管理加算

(1) 精神科応急入院施設管理加算の算定の対象となる応急入院患者は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号。以下「精神保健福祉法」という。)第33条の7第1項に規定する応急入院患者及び精神保健福祉法第34条第1項から第3項までの規定により移送された患者(以下「応急入院患者等」という。)であり、その取扱いについては昭和63年4月6日健医発第433号厚生省保健医療局長通知に即して行うこと。

(2) 当該加算は、入院初日に算定できるものであるが、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(3) 応急入院患者等として入院した場合であっても、入院後、精神保健福祉法第29条第1項に規定する措置入院として措置が決定した場合は精神科応急入院施設管理加算は算定できない。なお、応急入院等の後の入院形態の変更については、各都道府県の衛生担当部局との連絡を密にすること。

(4) 診療報酬明細書を審査支払機関に提出した後に措置入院が決定した場合にあっては、遅滞なく、精神科応急入院施設管理加算の請求を取り下げる旨を当該保険医療機関が審査支払機関に申し出ること。

(5) 精神科応急入院施設管理加算を算定する場合にあっては、応急入院患者等である旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

A229 精神科隔離室管理加算

(1) 当該加算が算定できる隔離とは、精神保健福祉法第36条第3項の規定に基づいて行われるものをいう。患者の隔離に当たっては、同法第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準に従うとともに、隔離を行っている間は1日1回以上診察を行うこと。

(2) 精神科隔離室管理加算を算定する場合には、その隔離の理由を診療録に記載し、1日1回の診察の内容を診療録に記載すること。

(3) 精神保健福祉法第36条第3項に規定する隔離が数日間にわたり連続して行われた場合にあっては、当該隔離の開始日及び終了日についても精神科隔離室管理加算を算定できる。

(4) 隔離時間が12時間以下の場合や患者本人の意思に基づいて隔離を行った場合には算定できない。また、当該加算は、月に7日を超えて算定できない。なお、応急入院中の期間及び精神科措置入院診療加算を算定した日に行った隔離については、当該加算の日数には数えない。

(5) 精神科応急入院施設管理加算を算定した入院患者について、当該応急入院中に行った隔離については、精神科隔離室管理加算は算定できない。ただし、当該応急入院の終了後も措置入院等で入院を継続している場合であって、精神保健福祉法第36条第3項の規定に基づく隔離を行った場合は算定できる。

(6) 精神科措置入院診療加算を算定する同一日に行った隔離については、精神科隔離室管理加算は算定できない。

(7) 当該加算は、「厚生労働大臣の定める入院患者数の基準及び医師等の員数の基準並びに入院基本料の算定方法(平成18年厚生労働省告示第104号)」に規定する基準に該当する保険医療機関については、算定できない。

A230 精神病棟入院時医学管理加算

精神病棟においては、総合入院体制加算は算定できず、精神病棟入院時医学管理加算のみを算定する。

A230―2 精神科地域移行実施加算

精神科地域移行実施加算は、精神障害者の地域移行支援に係る取組を計画的に進めることにより、当該保険医療機関における入院期間5年を超える入院患者のうち、1年間に5%以上の患者(退院後3月以内に再入院した患者を除く。)が退院した実績がある場合に、1年間算定する。

A230―3 精神科身体合併症管理加算

(1) 精神科身体合併症管理加算は、精神科を標榜する保険医療機関であって、精神科以外の診療科の医療体制との連携が取られている病棟において、精神病床に入院している身体合併症を併発した精神疾患患者に対して、精神疾患、身体疾患両方について精神科を担当する医師と内科又は外科を担当する医師が協力し、治療が計画的に提供されることを評価したものである。

(2) 当該加算は、当該疾患の治療開始日から15日間に限り算定できるものであり、同一月において同一疾患に対して1回に限り算定できる。また、同一月に複数の身体疾患を発症した場合には、それぞれの疾患について、それぞれの疾患の治療開始日から15日間に限り当該加算を算定することが可能であるが、この場合であっても、同一月内に当該加算を算定できる期間は20日間までとする。なお、複数の身体疾患を同時期に発症した場合であって、当該加算を算定する日が重複する日は、いずれか1つの疾患に係る加算を算定する。

(3) 精神科身体合併症管理加算の注に規定する厚生労働大臣が定める身体合併症のうち、肺炎については、抗生物質又はステロイドの投与を要する状態、意識障害については、意識レベルにかかわらず、規定された疾患や手術後によるせん妄状態に準ずる状態である。また、手術又は直達・介達牽引を要する骨折については、骨折の危険性が高い骨粗鬆症であって骨粗鬆症治療剤の注射を要する状態を含むものとする。

(4) 当該加算を算定する場合は、診療報酬明細書の摘要欄に、別に厚生労働大臣が定める身体合併症の患者のいずれに該当するかを記載する。

A230―4 精神科リエゾンチーム加算

(1) 精神科リエゾンチーム加算は、一般病棟におけるせん妄や抑うつといった精神科医療のニーズの高まりを踏まえ、一般病棟に入院する患者の精神状態を把握し、精神科専門医療が必要な者を早期に発見し、可能な限り早期に精神科専門医療を提供することにより、症状の緩和や早期退院を推進することを目的として、精神科医、専門性の高い看護師、薬剤師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師等多職種からなるチーム(以下「精神科リエゾンチーム」という。)が診療することを評価したものである。

(2) 精神科リエゾンチーム加算の算定対象となる患者は、せん妄や抑うつを有する患者、精神疾患を有する患者、自殺企図で入院した患者であり、当該患者に対して精神科医療に係る専門的知識を有した精神科リエゾンチームによる診療が行われた場合に週1回に限り算定する。

(3) 1週間当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。

(4) 精神科リエゾンチームは以下の診療を行うこと。

ア 精神科リエゾンチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療を担当する保険医、看護師等と共同で別紙様式29の2又はこれに準じた診療実施計画書を作成し、その内容を患者等に説明した上で診療録等に添付する。

イ 精神症状の評価や診療方針の決定等に係るカンファレンス及び回診が週1回程度実施されており、必要に応じて当該患者の診療を担当する医師、看護師等が参加し、別紙様式29又はこれに準じた治療評価書を作成し、その内容を患者等に説明した上で診療録等に添付する。

ウ 治療終了時又は退院若しくは転院時に、治療結果の評価を行い、それを踏まえてチームで終了時指導又は退院時等指導を行い、その内容を別紙様式29又はこれに準じた治療評価書を作成し、その内容を患者等に説明した上で診療録等に添付する。

エ 退院又は転院後も継続した精神科医療が必要な場合、退院又は転院後も継続できるような調整を行うこと。紹介先保険医療機関等に対して、診療情報提供書を作成した場合は、当該計画書及び評価書を添付する。

(5) 精神科リエゾンチーム加算を算定した患者に精神科専門療法を行った場合には別に算定できる。

(6) 精神科リエゾンチームは、現に当該加算の算定対象となっていない患者の診療を担当する医師、看護師等からの相談に速やかに応じ、必要に応じて精神状態の評価等を行うこと。

(7) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者を公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A231―2 強度行動障害入院医療管理加算

(1) 強度行動障害入院医療管理加算は、医学的管理を要する行為があるが意思の伝達が困難な強度行動障害児(者)に対して、経験を有する医師、看護師等による臨床的観察を伴う専門的入院医療が提供されることを評価したものである。

(2) 強度行動障害入院医療管理加算の対象となる強度行動障害の状態は、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別添6の別紙14の2の強度行動障害スコアが10以上及び医療度判定スコアが24以上のものをいう。

A231―3 重度アルコール依存症入院医療管理加算

(1) 重度アルコール依存症入院医療管理加算は、アルコール依存症の入院患者に対して、医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師等によるアルコール依存症に対する集中的かつ多面的な専門的治療の計画的な提供を評価したものであり、入院した日から起算して60日を限度として、当該患者の入院期間に応じて算定する。なお、ここでいう入院した日とは第2部通則5に規定するものをいい、入院期間が通算される再入院時は算定できない。

(2) 当該加算の対象となるのは、入院治療を要するアルコール依存症患者に対して、治療プログラムを用いたアルコール依存症治療を行った場合であり、合併症の治療のみを目的として入院した場合は算定できない。

(3) 当該加算を算定する場合には、医師は看護師、精神保健福祉士、公認心理師等と協力し、家族等と協議の上、詳細な診療計画を作成する。また、作成した診療計画を家族等に説明の上交付するとともにその写しを診療録に添付する。なお、これにより入院診療計画の基準を満たしたものとされるものである。

(4) 家族等に対して面接相談等適切な指導を適宜行う。

(5) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者を公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A231―4 摂食障害入院医療管理加算

(1) 摂食障害入院医療管理加算は、摂食障害の患者に対して、医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師及び管理栄養士等による集中的かつ多面的な治療が計画的に提供されることを評価したものである。

(2) 摂食障害入院医療管理加算の算定対象となる患者は、摂食障害による著しい体重減少が認められる者であって、BMI(Body Mass Index)が15未満であるものをいう。

(3) 平成31年4月1日から当分の間、以下のいずれかの要件に該当する者を公認心理師とみなす。

ア 平成31年3月31日時点で、臨床心理技術者として保険医療機関に従事していた者

イ 公認心理師に係る国家試験の受験資格を有する者

A232 がん拠点病院加算

(1) がん診療の拠点となる病院として、当該加算の対象となる病院は、「がん診療連携拠点病院等の整備について」(平成30年7月31日健発0731第1号厚生労働省健康局長通知)に定めるがん診療連携拠点病院等(がん診療連携拠点病院(都道府県がん診療連携拠点病院及び地域がん診療連携拠点病院(高度型及び特例型を含む。))、特定領域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院)又は「小児がん拠点病院の整備について」(平成30年7月31日健発0731第2号厚生労働省健康局長通知)に定める小児がん拠点病院をいう。特定領域がん診療連携拠点病院については、当該特定領域の悪性腫瘍の患者についてのみ、がん拠点病院加算の1のイを算定する(以下同じ。)。

(2) がん拠点病院加算の1のイは、キャンサーボードの設置を含めたがんの集学的治療、緩和ケアの提供、地域医療との連携、専門医師その他の専門の医療従事者の配置、院内がん登録の適切な実施、相談支援センター等の体制を備えた、がん診療連携拠点病院(地域がん診療連携拠点病院(特例型)を除く。)として指定された病院を評価したものである。

(3) がん拠点病院加算の1のロは、がんの集学的治療、緩和ケアの提供、地域医療との連携、専門医師その他の専門の医療従事者の配置、院内がん登録の適切な実施、相談支援センター等の体制を備えた、地域がん診療連携拠点病院(特例型)又は地域がん診療病院として指定された病院を評価したものである。

(4) がん拠点病院加算の2は、地域における小児がん医療及び支援を提供する中心施設として、キャンサーボードの設置を含めたがんの集学的治療、長期フォローアップ体制、緩和ケアの提供、地域医療との連携、専門医師その他の専門の医療従事者の配置、院内がん登録の適切な実施、相談支援センター、適切な療育環境等の体制を備えた、小児がん拠点病院として指定された病院を評価したものである。

(5) 当該加算は、他の保険医療機関又は健康診断を実施した医療機関の医師により、悪性腫瘍の疑いがあるとされた患者(最終的に悪性腫瘍と診断された患者に限る。)又は悪性腫瘍と診断された患者であって、これらの保険医療機関等からの紹介により、当該がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院に入院した患者(小児がん拠点病院に入院した患者については、20歳未満のものに限る。)について、当該入院中1回に限り、入院初日に算定する。ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。なお、悪性腫瘍の疑いがあるとされ、入院中に悪性腫瘍と診断された患者については、入院初日に限らず、悪性腫瘍と確定診断を行った日に算定する。

(6) 当該加算の対象患者は、(5)に定める患者であり、別の保険医療機関からの紹介を受け、当該がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院で通院治療を行った後入院した患者を含むものであること。なお、悪性腫瘍以外の疾患で別の保険医療機関から紹介を受け、当該がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院又は小児がん拠点病院において悪性腫瘍と診断された患者は含まれない。

(7) 「注2」に規定する加算は、がんゲノム医療を牽引する高度な機能を有する医療機関として、遺伝子パネル検査等の実施及び治療への活用、遺伝性腫瘍等の患者に対する専門的な遺伝カウンセリングの実施、がんゲノム情報に基づく臨床研究・治験の実施等の体制を評価したものであり、がんゲノム医療中核拠点病院又はがんゲノム医療拠点病院において算定する。

(8) がん拠点病院加算を算定した場合は、区分番号「B005―6―3」がん治療連携管理料は算定できない。

A233―2 栄養サポートチーム加算

(1) 栄養サポートチーム加算は、栄養障害の状態にある患者や栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者に対し、患者の生活の質の向上、原疾患の治癒促進及び感染症等の合併症予防等を目的として、栄養管理に係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(以下「栄養サポートチーム」という。)が診療することを評価したものである。

(2) 栄養サポートチーム加算は、栄養管理計画を策定している患者のうち、次のアからエまでのいずれかに該当する者について算定できる。

ア 栄養管理計画の策定に係る栄養スクリーニングの結果、血中アルブミン値が3.0g/dL以下であって、栄養障害を有すると判定された患者

イ 経口摂取又は経腸栄養への移行を目的として、現に静脈栄養法を実施している患者

ウ 経口摂取への移行を目的として、現に経腸栄養法を実施している患者

エ 栄養サポートチームが、栄養治療により改善が見込めると判断した患者

(3) 1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね30人以内とする。ただし、「注2」に規定する点数を算定する場合、1日当たりの算定患者数は、1チームにつき概ね15人以内とする。

(4) 療養病棟、結核病棟及び精神病棟においては栄養サポートチーム加算は入院日から起算して180日以内に限り算定可能とするが、180日を超えても定期的に栄養サポートチームによる栄養管理を行うことが望ましい。

(5) 栄養サポートチームは、以下の診療を通じ、栄養状態を改善させ、また、必要に応じて経口摂取への円滑な移行を促進することが必要である。

ア 栄養状態の改善に係るカンファレンス及び回診が週1回程度開催されており、栄養サポートチームの構成員及び必要に応じて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師等が参加している。

イ カンファレンス及び回診の結果を踏まえて、当該患者の診療を担当する保険医、看護師等と共同の上で、別紙様式5又はこれに準じた栄養治療実施計画を作成し、その内容を患者等に説明の上交付するとともに、その写しを診療録等に添付する。

ウ 栄養治療実施計画に基づいて適切な治療を実施し、適宜フォローアップを行う。

エ 治療終了時又は退院・転院時に、治療結果の評価を行い、それを踏まえてチームで終了時指導又は退院時等指導を行い、その内容を別紙様式5又はこれに準じた栄養治療実施報告書として記録し、その写しを患者等に交付するとともに診療録等に添付する。

オ 当該患者の退院・転院時に、紹介先保険医療機関等に対して診療情報提供書を作成した場合は、当該報告書を添付する。

(6) 栄養サポートチームは、以下の診療を通じ、当該保険医療機関における栄養管理体制を充実させるとともに、当該保険医療機関において展開されている様々なチーム医療の連携を図ることが必要である。

ア 現に当該加算の算定対象となっていない患者の診療を担当する保険医、看護師等からの相談に速やかに応じ、必要に応じて栄養評価等を実施する。

イ 褥瘡対策チーム、感染対策チーム、緩和ケアチーム、摂食嚥下支援チーム等、当該保険医療機関において活動している他チームとの合同カンファレンスを、必要に応じて開催し、患者に対する治療及びケアの連携に努めること。

(7) 「注2」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟において、算定可能である。なお、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟ごとに一般病棟入院基本料の届出を行っている保険医療機関においては、一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定する病棟で当該点数を算定できる。

(8) 「注3」に規定する歯科医師連携加算は、栄養サポートチームに歯科医師が参加し、当該チームとしての診療に従事した場合に、所定点数に加算する。

なお、栄養サポートチームに参加する歯科医師は、院外の歯科医師であっても差し支えないが、当該チームの構成員として継続的に診療に従事していることが必要である。

A234 医療安全対策加算

(1) 医療安全対策加算は、組織的な医療安全対策を実施している保険医療機関を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) 組織的な医療安全対策とは、医療安全管理部門に所属する医療安全管理者が、医療安全管理委員会と連携しつつ、当該保険医療機関の医療安全に係る状況を把握し、その分析結果に基づいて医療安全確保のための業務改善等を継続的に実施していることをいう。

(3) 医療安全確保のための職員研修を計画的に実施するとともに、医療安全管理者が必要に応じて各部門における医療安全管理の担当者への支援を実施し、その結果を記録していること。

(4) 「注2」に掲げる加算は、医療安全対策加算を算定する複数の医療機関が連携し、互いに医療安全対策に関する評価を行っている場合に算定する。

A234―2 感染防止対策加算

(1) 感染防止対策加算は、第2部通則7に規定する院内感染防止対策を行った上で、更に院内に感染制御のチームを設置し、院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止等を行うことで院内感染防止を行うことを評価するものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) 感染制御チームは以下の業務を行うものとする。

ア 感染制御チームは、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行う。また、院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランス等の情報を分析、評価し、効率的な感染対策に役立てる。院内感染の増加が確認された場合には病棟ラウンドの所見及びサーベイランスデータ等を基に改善策を講じる。巡回、院内感染に関する情報を記録に残す。

イ 感染制御チームは微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進する。バンコマイシン等の抗MRSA薬及び広域抗菌薬等の使用に際して届出制又は許可制をとり、投与量、投与期間の把握を行い、臨床上問題となると判断した場合には、投与方法の適正化をはかる。

ウ 感染制御チームは院内感染対策を目的とした職員の研修を行う。また院内感染に関するマニュアルを作成し、職員がそのマニュアルを遵守していることを巡回時に確認する。

(3) 「注2」に掲げる加算は、感染防止対策加算1を算定する複数の医療機関が連携し、互いに感染防止対策に関する評価を行っている場合に算定する。

(4) 「注3」に掲げる加算は、院内感染防止対策を行った上で、更に院内に抗菌薬の適正使用を支援するチームを設置し、感染症治療の早期モニタリングと主治医へのフィードバック、微生物検査・臨床検査の利用の適正化、抗菌薬適正使用に係る評価、抗菌薬適正使用の教育・啓発、院内で使用可能な抗菌薬の見直し等を行うことによる抗菌薬の適正な使用の推進を行っている場合に算定する。なお、(2)イに規定する抗菌薬の適正使用に係る業務については、施設の実態に応じて、感染制御チームではなく、抗菌薬適正使用支援チームが実施しても差し支えない。

A234―3 患者サポート体制充実加算

(1) 患者サポート体制充実加算は、医療従事者と患者との対話を促進するため、患者又はその家族等(以下この項目において「患者等」という。)に対する支援体制を評価したものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(2) 当該保険医療機関に相談支援窓口を設置し、患者等からの疾病に関する医学的な質問並びに生活上及び入院上の不安等に関する相談について懇切丁寧に対応すること。

(3) 医療従事者と患者等との良好な関係を築くため、患者支援体制が整備されていること。

(4) 区分番号「A232」に掲げるがん拠点病院加算を算定している場合は算定できない。

A236 褥瘡ハイリスク患者ケア加算

(1) 褥瘡ハイリスク患者ケア加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該加算の要件を満たすものについて算定する。

(2) 褥瘡ハイリスク患者ケア加算は、褥瘡ケアを実施するための適切な知識・技術を有する専従の褥瘡管理者が、褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者に対し、適切な褥瘡予防・治療のための予防治療計画に基づく総合的な褥瘡対策を継続して実施した場合、当該入院期間中1回に限り算定する。なお、当該加算は、第2部通則5に規定する入院期間が通算される再入院であっても別に算定できる。

(3) 褥瘡予防・管理が難しく重点的な褥瘡ケアが必要な患者とは、ベッド上安静であって、次に掲げるものをいう。

ア ショック状態のもの

イ 重度の末梢循環不全のもの

ウ 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの

エ 6時間以上の全身麻酔下による手術を受けたもの

オ 特殊体位による手術を受けたもの

カ 強度の下痢が続く状態であるもの

キ 極度の皮膚の脆弱(低出生体重児、GVHD、黄疸等)であるもの

ク 皮膚に密着させる医療関連機器の長期かつ持続的な使用が必要であるもの

ケ 褥瘡に関する危険因子(病的骨突出、皮膚湿潤、浮腫等)があって既に褥瘡を有するもの

(4) 「注2」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟において、算定可能である。なお、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟ごとに一般病棟入院基本料の届出を行っている保険医療機関においては、一般病棟入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定する病棟で当該点数を算定できる。

(5) 「注2」に規定する点数を算定する場合は、褥瘡管理者は、褥瘡リスクアセスメント票・褥瘡予防治療計画書に基づき実施した褥瘡ケアの内容を診療録等に記載すること。

A236―2 ハイリスク妊娠管理加算

(1) ハイリスク妊娠管理加算の算定対象となる患者は、保険診療の対象となる合併症を有している次に掲げる疾患等の妊婦であって、医師がハイリスク妊娠管理が必要と認めた者であること。

ア 妊娠22週から32週未満の早産の患者(早産するまでの患者に限る。)

イ 妊娠高血圧症候群重症の患者

ウ 前置胎盤(妊娠28週以降で出血等の症状を伴う場合に限る。)の患者

エ 妊娠30週未満の切迫早産の患者であって、子宮収縮、子宮出血、頸管の開大、短縮又は軟化のいずれかの兆候を示しかつ以下のいずれかを満たすものに限る。

(イ) 前期破水を合併したもの

(ロ) 羊水過多症又は羊水過少症のもの

(ハ) 経腟超音波検査で子宮頸管長が20mm未満のもの

(ニ) 切迫早産の診断で他の医療機関より搬送されたもの

(ホ) 早産指数(tocolysis index)が3点以上のもの

オ 多胎妊娠の患者

カ 子宮内胎児発育遅延の患者

キ 心疾患(治療中のものに限る。)の患者

ク 糖尿病(治療中のものに限る。)の患者

ケ 甲状腺疾患(治療中のものに限る。)の患者

コ 腎疾患(治療中のものに限る。)の患者

サ 膠原病(治療中のものに限る。)の患者

シ 特発性血小板減少性紫斑病(治療中のものに限る。)の患者

ス 白血病(治療中のものに限る。)の患者

セ 血友病(治療中のものに限る。)の患者

ソ 出血傾向のある状態(治療中のものに限る。)の患者

タ HIV陽性の患者

チ Rh不適合の患者

ツ 当該妊娠中に帝王切開術以外の開腹手術(腹腔鏡による手術を含む。)を行った患者又は行う予定のある患者

テ 精神疾患の患者(当該保険医療機関において精神療法を実施している者又は他の保険医療機関において精神療法を実施している者であって当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されているものに限る。)

ただし、治療中のものとは、対象疾患について専門的治療が行われているものを指し、単なる経過観察のために年に数回程度通院しているのみの患者は算定できない。

(2) 当該加算は、1入院に20日を限度として所定点数に加算する。ただし、第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院については、1入院として取り扱うものであること。

(3) 1入院の期間中に、区分番号「A237」ハイリスク分娩管理加算を算定するハイリスク分娩管理とハイリスク妊娠管理を併せて行うことは可能であり、ハイリスク妊娠管理加算とハイリスク分娩管理加算を併せ、1入院当たり28日を限度として算定できるが、ハイリスク分娩管理加算を算定する日と同一日に行うハイリスク妊娠管理に係る費用は、ハイリスク分娩管理加算に含まれ、別に算定できない。

(4) 妊婦とは産褥婦を含まない。

[早産指数(tocolysis index)]

スコア

0

1

2

3

4

子宮収縮

不規則

規則的

破水

高位破水

低位破水

出血

子宮口の開大度

1cm

2cm

3cm

4cm以上

A237 ハイリスク分娩管理加算

(1) ハイリスク分娩管理加算の算定対象となる患者は、保険診療の対象となる合併症を有している次に掲げる疾患等の妊産婦であって、医師がハイリスク分娩管理が必要と認めた者であること。

ア 妊娠22週から32週未満の早産の患者

イ 40歳以上の初産婦である患者

ウ 分娩前のBMIが35以上の初産婦である患者

エ 妊娠高血圧症候群重症の患者

オ 常位胎盤早期剥離の患者

カ 前置胎盤(妊娠28週以降で出血等の症状を伴う場合に限る。)の患者

キ 双胎間輸血症候群の患者

ク 多胎妊娠の患者

ケ 子宮内胎児発育遅延の患者

コ 心疾患(治療中のものに限る。)の患者

サ 糖尿病(治療中のものに限る。)の患者

シ 特発性血小板減少性紫斑病(治療中のものに限る。)の患者

ス 白血病(治療中のものに限る。)の患者

セ 血友病(治療中のものに限る。)の患者

ソ 出血傾向のある状態(治療中のものに限る。)の患者

タ HIV陽性の患者

チ 当該妊娠中に帝王切開術以外の開腹手術(腹腔鏡による手術を含む。)を行った患者又は行う予定のある患者

ツ 精神疾患の患者(当該保険医療機関において精神療法を実施している者又は他の保険医療機関において精神療法を実施している者であって当該保険医療機関に対して診療情報が文書により提供されているものに限る。)

ただし、治療中のものとは、対象疾患について専門的治療が行われているものを指し、単なる経過観察のために年に数回程度通院しているのみの患者は算定できない。

(2) 当該加算は、ハイリスク分娩管理の対象となる妊産婦に対して、分娩を伴う入院中にハイリスク分娩管理を行った場合に、8日を限度として算定する。ただし、第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院については、1入院として取り扱うものであること。

(3) 1入院の期間中に、区分番号「A236―2」ハイリスク妊娠管理加算を算定するハイリスク妊娠管理とハイリスク分娩管理を併せて行うことは可能であり、ハイリスク妊娠管理加算とハイリスク分娩管理加算を併せ、1入院当たり28日を限度として算定できるが、ハイリスク妊娠管理加算を算定するハイリスク妊娠管理とハイリスク分娩管理を同一日に行う場合には、ハイリスク分娩管理加算のみを算定する。

(4) 妊産婦とは、産褥婦を含む。

A238 削除

A238―3 削除

A238―4 削除

A238―5 削除

A238―6 精神科救急搬送患者地域連携紹介加算

A238―7 精神科救急搬送患者地域連携受入加算

(1) 精神科救急搬送患者地域連携紹介加算及び精神科救急搬送患者地域連携受入加算は、精神科救急医療機関(精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料又は精神科救急・合併症入院料に係る届出を行っている保険医療機関をいう。以下同じ。)に緊急入院した患者(当該保険医療機関の一般病棟等へ緊急入院した後、2日以内に当該特定入院料を算定する病棟に転棟した患者を含む。)について、後方病床の役割を担う保険医療機関(精神病棟入院基本料、児童・思春期精神科入院医療管理料、精神療養病棟入院料又は認知症治療病棟入院料に係る届出を行っている保険医療機関をいう。以下同じ。)で対応可能な場合に、後方病床の役割を担う保険医療機関が当該患者の転院を速やかに受け入れることで、精神科救急医療機関の負担軽減及び緊急入院の受入が円滑になるよう地域における連携を評価するものである。

(2) 精神科救急搬送患者地域連携紹介加算は、精神科救急医療機関が緊急入院患者を受け入れ、入院後60日以内に、あらかじめ連携している後方病床の役割を担う保険医療機関に当該患者に関する診療情報を提供し、転院した場合に、精神科救急医療機関において転院時に算定する。なお、この場合において、診療情報提供料(Ⅰ)は算定できない。

(3) 精神科救急搬送患者地域連携受入加算は、後方病床の役割を担う保険医療機関が精神科救急医療機関に緊急入院した患者を、当該緊急入院から60日以内に受け入れた場合に、後方病床の役割を担う保険医療機関において入院時に算定する。

(4) 精神科救急搬送患者地域連携紹介加算は、他の保険医療機関から転院してきた患者を後方病床の役割を担う保険医療機関に更に転院させた場合には算定できないものとする。ただし、当該他の保険医療機関への入院時から48時間以内に、患者の症状の増悪等により精神科救急搬送患者地域連携紹介加算を届け出ている精神科救急医療機関に転院した後、精神科救急医療機関への入院から60日以内に後方病床の役割を担う保険医療機関に転院させた場合に限り、精神科救急搬送患者地域連携紹介加算を算定できるものとする。精神科救急搬送患者地域連携受入加算も同様とする。

A238―8 削除

A238―9 削除

A240 削除

A242 呼吸ケアチーム加算

(1) 呼吸ケアチーム加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該加算の要件を満たすものについて算定する。

(2) 呼吸ケアチーム加算の算定対象となる患者は、48時間以上継続して人工呼吸器を装着している患者であって、人工呼吸器を装着している状態で当該病棟に入院した日から1月以内の患者又は当該病棟に入院した後人工呼吸器を装着し、装着日から1月以内の患者であること。ただし、人工呼吸器離脱の過程において、一時的に短時間、人工呼吸器を装着していない時間については、継続して装着しているものとみなす。

(3) 呼吸ケアチーム加算は、人工呼吸器離脱のための呼吸ケアに係る専任のチーム(以下「呼吸ケアチーム」という。)による診療が行われた場合に週1回に限り算定する。

(4) 呼吸ケアチームは初回の診療に当たり、当該患者の診療計画書を作成し、その内容に基づき、人工呼吸器離脱のために当該患者の状態に応じたチームによる診療を行い、その評価を行うこと。なお、必要に応じて呼吸ケアチーム以外の医師、看護師等に人工呼吸器の管理や呼吸ケア等の指導を行うこと。

(5) 呼吸ケアチームは当該患者の診療を担う保険医、看護師等と十分に連携を図ること。

A243 後発医薬品使用体制加算

(1) 後発医薬品使用体制加算は、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されている保険医療機関を評価したものである。

(2) 後発医薬品使用体制加算は、当該保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品を合算した規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が70%以上、80%以上又は85%以上であるとともに、入院及び外来において後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を積極的に行っている旨を当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している保険医療機関に入院している患者について、入院期間中1回に限り、入院初日に算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

A244 病棟薬剤業務実施加算

(1) 病棟薬剤業務実施加算は、当該保険医療機関の病棟等において、薬剤師が医療従事者の負担軽減及び薬物療法の有効性、安全性の向上に資する業務(以下「病棟薬剤業務」という。)を実施していることを評価したものであり、病棟専任の薬剤師が病棟薬剤業務を1病棟又は治療室1週間につき20時間相当以上(複数の薬剤師が一の病棟又は治療室において実施する場合には、当該薬剤師が実施に要した時間を全て合算して得た時間が20時間相当以上)実施している場合に、病棟薬剤業務実施加算1にあっては週1回に限り、病棟薬剤業務実施加算2にあっては1日につき所定点数に加算する。ただし、療養病棟入院基本料、精神病棟入院基本料又は特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る。)を算定している患者については、入院した日から起算して8週を限度として加算できる。なお、ここでいう入院した日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される入院の初日のことをいう。

(2) 病棟薬剤業務実施加算の「1」については、区分番号「A100」一般病棟入院基本料、区分番号「A101」療養病棟入院基本料、区分番号「A102」結核病棟入院基本料、区分番号「A103」精神病棟入院基本料、区分番号「A104」特定機能病院入院基本料又は区分番号「A105」専門病院入院基本料のいずれかを算定している患者に対して、病棟薬剤業務実施加算の「2」については、区分番号「A300」救命救急入院料、区分番号「A301」特定集中治療室管理料、区分番号「A301―2」ハイケアユニット入院医療管理料、区分番号「A301―3」脳卒中ケアユニット入院医療管理料、区分番号「A301―4」小児特定集中治療室管理料、区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料のいずれかを算定している患者に対して、薬剤師が病棟において病院勤務医等の負担軽減及び薬物療法の有効性、安全性の向上に資する薬剤関連業務を実施している場合に算定する。

(3) 病棟薬剤業務とは、次に掲げるものであること。

ア 過去の投薬・注射及び副作用発現状況等を患者又はその家族等から聴取し、当該保険医療機関及び可能な限り他の保険医療機関における投薬及び注射に関する基礎的事項を把握すること。

イ 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)によるなど、インターネットを通じて常に最新の医薬品緊急安全性情報、医薬品・医療機器等安全性情報、製造販売業者が作成する医薬品リスク管理計画(RMP:Risk Management Plan)に関する情報、医薬品・医療機器等の回収等の医薬品情報の収集を行うとともに、重要な医薬品情報については、医療従事者へ周知していること。

ウ 当該保険医療機関において投薬される医薬品について、以下の情報を知ったときは、速やかに当該患者の診療を担当する医師に対し、当該情報を文書により提供すること。

i 緊急安全性情報、安全性速報

ii 医薬品・医療機器等安全性情報

iii 医薬品・医療機器等の回収等

エ 入院時に、持参薬の有無、薬剤名、規格、剤形等を確認し、服薬計画を書面で医師等に提案するとともに、その書面の写しを診療録等に添付すること。

オ 当該病棟に入院している患者に対し2種以上(注射薬及び内用薬を各1種以上含む。)の薬剤が同時に投与される場合には、治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合等を除き、投与前に、注射薬と内用薬との間の相互作用の有無等の確認を行うこと。

カ 患者又はその家族に対し、治療方針に係る説明を行う中で、特に安全管理が必要な医薬品等の説明を投与前に行う必要がある場合には、病棟専任の薬剤師がこれを行うこと。なお、ここでいう特に安全管理が必要な医薬品とは、薬剤管理指導料の対象患者に規定する医薬品のことをいう。

キ 特に安全管理が必要な医薬品等のうち、投与の際に流量又は投与量の計算等が必要な場合は、治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合等を除き、投与前に病棟専任の薬剤師が当該計算等を実施すること。

ク アからキまでに掲げる業務のほか、「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(平成22年4月30日医政発0430第1号)の記の2の(1)(③、⑥及び⑧を除く。)に掲げる業務についても、可能な限り実施するよう努めること。

ケ 退院時の薬学的管理指導について、可能な限り実施すること。

(4) 病棟薬剤業務の実施に当たっては、次の点に留意すること。

ア 医薬品情報の収集、抗がん剤の無菌調製など、病棟薬剤業務の内容によっては、必ずしも病棟において実施されるものではないものであること。

イ 病棟専任の薬剤師は、別紙様式30又はこれに準じた当該病棟に係る病棟薬剤業務日誌を作成・管理し、記入の日から5年間保存しておくこと。また、患者の薬物療法に直接的に関わる業務については、可能な限り、その実施内容を診療録等にも記録すること。

ウ 病棟薬剤業務実施加算を算定できない病棟又は治療室においても病棟薬剤業務を実施するよう努めること。

A245 データ提出加算

(1) 厚生労働省が毎年実施する「DPC導入の影響評価に係る調査(特別調査を含む。)」(以下この区分番号において「DPC調査」という)に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである。

提出されたデータについては、特定の患者個人を特定できないように集計し、医療機関毎に公開されるものである。

また、提出されたデータは、入院医療等を担う保険医療機関の機能や役割の分析・評価等や「DPCデータの提供に関するガイドライン」に従い厚生労働省保険局において行うDPCデータの第三者提供のために適宜活用されるものである。

(2) 当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、データ作成対象病棟(以下「対象病棟」という。)に入院している患者について算定する。データ提出加算1及び2は入院初日、データ提出加算3及び4は入院期間が90日を超えるごとに1回算定する。90日を超えるごと、の計算は、入院日から起算して91日目、181日目等と計算する。なお、ここでいう入院とは第2部通則5に規定する入院期間中の入院のことをいい、データ提出加1及び2については入院期間が通算される再入院の場合には算定できず、データ提出加算3及び4については通算した入院期間から算出し算定する。

(3) データの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月について、当該加算は算定できない。なお、遅延等とは、厚生労働省がDPC調査の一部事務を委託するDPC調査事務局宛てに、DPC導入の影響評価に係る調査実施説明資料(以下「調査実施説明資料」という。)に定められた期限までに、当該医療機関のデータが提出されていない場合(提出時刻が確認できない手段等、調査実施説明資料にて定められた提出方法以外の方法で提出された場合を含む。)、提出されたデータが調査実施説明資料に定められたデータと異なる内容であった場合(データが格納されていない空の媒体が提出された場合を含む。)をいう。

(4) データの作成は月単位で行うものとし、作成されたデータには月の初日から末日までの診療に係るデータが全て含まれていなければならない。

(5) (2)の対象病棟とは、第1節の入院基本料(区分番号「A108」有床診療所入院基本料及び区分番号「A109」有床診療所療養病床入院基本料を除く。)、第3節の特定入院料及び第4節の短期滞在手術等基本料(区分番号「A400」の1短期滞在手術等基本料1を除く。)を算定する病棟をいう。

(6) (2)の「データ提出の実績が認められた保険医療機関」とは、データの提出が厚生労働省保険局医療課において確認され、その旨を通知された保険医療機関をいう。

(7) データ提出加算1及び3は、入院患者に係るデータを提出した場合に算定し、データ提出加算2及び4は、入院患者に係るデータに加え、外来患者に係るデータを提出した場合に算定することができる。

(8) 「注3」に規定する提出データ評価加算を算定する場合は、当該加算を算定する月の前々月において、調査実施説明資料に定められた様式1において入力されるレセプト電算処理用の傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名のコード(レセプト電算処理用の傷病名コード:0000999)の割合、外来EFファイルに入力される傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名の割合がそれぞれ2%未満、かつ、医科の全ての診療報酬明細書に記載された傷病名コードの総数に対する未コード化傷病名の割合が10%未満であって、当該保険医療機関において、その結果を記録し保存している場合に、データ提出加算2のロ又は4のロを算定する医療機関において算定できる。

(9) 「注3」に規定する提出データ評価加算は、(3)による遅延等が認められ、データ提出加算を算定できない月がある場合、データ提出加算を算定できない月から6か月間、当該加算を算定できない。例えば、4月22日に提出すべきデータが遅延等と認められ、6月にデータ提出加算を算定できない場合、当該加算は6月から11月までの6か月間算定できない。

A246 入退院支援加算

(1) 入退院支援加算は、患者が安心・納得して退院し、早期に住み慣れた地域で療養や生活を継続できるように、施設間の連携を推進した上で、入院早期より退院困難な要因を有する患者を抽出し、入退院支援を実施することを評価するものである。なお、第2部通則5に規定する入院期間が通算される入院については、1入院として取り扱うものとするが、入退院支援加算1にあってはこの限りでない。

(2) 入退院支援加算1にあっては、入退院支援及び地域連携業務に専従する職員(以下「入退院支援職員」という。)を各病棟に専任で配置し、原則として入院後3日以内に患者の状況を把握するとともに退院困難な要因を有している患者を抽出する。また、入退院支援加算2にあっては、患者の入院している病棟等において、原則として入院後7日以内に退院困難な要因を有している患者を抽出する。なお、ここでいう退院困難な要因とは、以下のものである。

ア 悪性腫瘍、認知症又は誤嚥性肺炎等の急性呼吸器感染症のいずれかであること

イ 緊急入院であること

ウ 要介護状態であるとの疑いがあるが要介護認定が未申請であること(介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条各号に規定する特定疾病を有する40歳以上65歳未満の者及び65歳以上の者に限る。)

エ 家族又は同居者から虐待を受けている又はその疑いがあること

オ 生活困窮者であること

カ 入院前に比べADLが低下し、退院後の生活様式の再編が必要であること(必要と推測されること。)

キ 排泄に介助を要すること

ク 同居者の有無に関わらず、必要な養育又は介護を十分に提供できる状況にないこと

ケ 退院後に医療処置(胃瘻等の経管栄養法を含む。)が必要なこと

コ 入退院を繰り返していること

サ その他患者の状況から判断してアからコまでに準ずると認められる場合

(3) 退院困難な要因を有する患者について、入退院支援加算1の「イ 一般病棟入院基本料等の場合」にあっては原則として7日以内、「ロ 療養病棟入院基本料等の場合」にあっては原則として14日以内に患者及び家族と病状や退院後の生活も含めた話合いを行うとともに、関係職種と連携し、入院後7日以内に退院支援計画の作成に着手する。また、入退院支援加算2を算定する場合においても、できるだけ早期に患者及び家族と話合いを行うとともに、入院後7日以内に退院支援計画の作成に着手する。

(4) ここでいう退院支援計画の内容は、以下の内容を含むものとする。

ア 患者氏名、入院日、退院支援計画着手日、退院支援計画作成日

イ 退院困難な要因

ウ 退院に関する患者以外の相談者

エ 退院支援計画を行う者の氏名(病棟責任者、病棟に専任の入退院支援職員及び入退院支援部門の担当者名をそれぞれ記入)

オ 退院に係る問題点、課題等

カ 退院へ向けた目標設定、支援期間、支援概要、予想される退院先、退院後の利用が予測される福祉サービスと担当者名

(5) 退院支援計画を実施するに当たって、入退院支援加算1にあっては、入院後7日以内に病棟の看護師及び病棟に専任の入退院支援職員並びに入退院支援部門の看護師及び社会福祉士等が共同してカンファレンスを実施する。また、入退院支援加算2にあっても、できるだけ早期に病棟の看護師及び入退院支援部門の看護師並びに社会福祉士等が共同してカンファレンスを実施する。なお、カンファレンスの実施に当たっては、必要に応じてその他の関係職種が参加すること。

(6) 退院支援計画については、文書で患者又は家族に説明を行い、交付するとともに、その内容を診療録等に添付又は記載する。また、当該計画に基づき、患者又は家族に退院後の療養上必要な事項について説明するとともに、必要に応じて退院・転院後の療養生活を担う保険医療機関等との連絡や調整、介護サービス又は障害福祉サービス、地域相談支援若しくは障害児通所支援の導入に係る支援を行う。なお、当該計画を患者又は家族に交付した後、計画内容が変更となった場合は、患者又は家族に説明を行い、必要時、変更となった計画を交付する。

(7) 入退院支援加算1については、当該病棟又は入退院支援部門の入退院支援職員が、他の保険医療機関や介護サービス事業所等を訪れるなどしてこれらの職員と面会し、転院・退院体制に関する情報の共有等を行う。

(8) 入退院支援加算3は、当該入院期間中に区分番号「A302」新生児特定集中治療室管理料又は区分番号「A303」総合周産期特定集中治療室管理料の「2」新生児集中治療室管理料を算定した退院困難な要因を有する患者及び他の保険医療機関において入退院支援加算3を算定した上で転院した患者について、当該患者又はその家族の同意を得て退院支援計画を策定し、当該計画に基づき退院した場合に算定する。なお、ここでいう退院困難な要因とは、以下のものである。

ア 先天奇形

イ 染色体異常

ウ 出生体重1,500g未満

エ 新生児仮死(Ⅱ度以上のものに限る。)

オ その他、生命に関わる重篤な状態

(9) 入退院支援加算3について、入院後7日以内に退院困難な要因を有する患者を抽出し、現在の病状及び今後予想される状態等について家族等と話し合いを開始する。この他、家族等に対して退院後の療養上必要な事項について説明するとともに、転院・退院後の療養生活を担う保険医療機関等との連絡や調整、福祉サービスの導入に係る支援等を行う。

(10) 入退院支援加算3について、入院後1か月以内に退院支援計画の作成に着手し、文書で家族等に説明を行い交付するとともに診療録等に添付又は記載する。なお、退院支援計画は「別紙様式6」を参考として関係職種と連携して作成することとし、病棟及び入退院支援部門の看護師並びに社会福祉士等の関係職種が共同してカンファレンスを行った上で作成及び実施すること。また、退院時には家族等に対して、緊急時の連絡先等を文書で提供し、24時間連絡が取れる体制を取る。

(11) 入退院支援加算と退院時共同指導料を同時に算定する場合には、在宅療養を担う保険医療機関等と患者が在宅療養に向けて必要な準備を確認し、患者に対して文書により情報提供する。

(12) 退院先については、診療録等に記載し、又は退院先を記載した文書を診療録等に添付すること。

(13) 死亡による退院については算定できない。また、入退院支援加算1の「ロ」又は2の「ロ」の療養病棟入院基本料等の場合については、他の保険医療機関に入院するために転院した患者については算定できない。

(14) 入退院支援加算1の「ロ」又は2の「ロ」の療養病棟入院基本料等の場合について、当該加算を算定する病棟に転棟後、当該病棟から退院する場合にあっては、転棟後14日以上入院していた場合に限り算定できる。

(15) 「注4」において、地域連携診療計画は、疾患ごとに作成され、一連の治療を担う複数の保険医療機関、介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者、施設サービス事業者、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第51条の17第1項第1号に規定する指定特定相談支援事業者(以下「指定特定相談支援事業者」という。)、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第24条の26第1項第1号に規定する指定障害児相談支援事業者(以下「指定障害児相談支援事業者」という。)等(以下「A246」において「連携保険医療機関等」という。)との間であらかじめ共有して活用されるものであり、病名、入院時の症状、予定されている診療内容、標準的な転院までの期間、転院後の診療内容、連携する保険医療機関を退院するまでの標準的な期間、退院に当たり予想される患者の状態に関する退院基準、その他必要な事項が記載されたものであること。

また、地域連携診療計画は、患者の状態等により、異なる連携が行われることが想定されることから、あらかじめ複数の地域連携診療計画を作成しておき、患者の状態等に応じて最も適切な地域連携診療計画を選択することは差し支えない。

(16) 地域連携診療計画加算の算定に当たっては、地域連携診療計画の対象疾患の患者に対し、地域連携診療計画に沿って治療を行うことについて患者の同意を得た上で、入院後7日以内に地域連携診療計画に基づく個別の患者ごとの診療計画を作成し、文書で家族等に説明を行い交付するとともに診療録に添付又は記載する。

(17) 地域連携診療計画加算について、当該患者に対して連携保険医療機関等において引き続き治療等が行われる場合には、連携保険医療機関等に対して、当該患者に係る診療情報や退院後の診療計画等を文書により提供する。

また、当該患者が転院前の保険医療機関において当該加算を算定した場合には、退院時に、当該転院前の保険医療機関に対して当該患者に係る診療情報等を文書により提供する。

(18) 「注5」に規定する点数は、「基本診療料の施設基準等」別表第六の二に掲げる地域に所在する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟及び療養病棟等において、算定可能である。なお、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添2「入院基本料等の施設基準等」第5の6の規定により看護配置の異なる病棟ごとに一般病棟入院基本料の届出を行っている保険医療機関においては、一般病院入院基本料(急性期一般入院料1を除く。)を算定する病棟で当該点数を算定できる。

(19) 「注7」に規定する入院時支援加算は、入院を予定している患者が入院生活や入院後にどのような治療過程を経るのかをイメージでき、安心して入院医療が受け入れられるよう、入院前の外来において、入院中に行われる治療の説明、入院生活に関するオリエンテーション、入院前の服薬状況の確認、褥瘡・栄養スクリーニング等を実施し、支援することを評価するものである。

(20) 「注7」に規定する入院時支援加算を算定するに当たっては、入院の決まった患者に対し、入院中の治療や入院生活に係る計画に備え、入院前に以下のアからクまで(イについては、患者が要介護又は要支援状態の場合のみ)を実施し、その内容を踏まえ、入院中の看護や栄養管理等に係る療養支援の計画を立て、患者及び入院予定先の病棟職員と共有した場合に算定する。入院前にアからク(イについては、患者が要介護又は要支援状態の場合のみ)までを全て実施して療養支援の計画書(以下「療養支援計画書」という。)を作成した場合は入院時支援加算1を、患者の病態等によりアからクまでの全ては実施できず、ア、イ及びク(イについては、患者が要介護又は要支援状態の場合のみ)を含む一部の項目を実施して療養支援計画書を作成した場合は、入院時支援加算2を算定する。

ア 身体的・社会的・精神的背景を含めた患者情報の把握

イ 入院前に利用していた介護サービス又は福祉サービスの把握

ウ 褥瘡に関する危険因子の評価

エ 栄養状態の評価

オ 服薬中の薬剤の確認

カ 退院困難な要因の有無の評価

キ 入院中に行われる治療・検査の説明

ク 入院生活の説明

(21) 「注7」に規定する入院時支援加算を算定するに当たって、作成した療養支援計画書を、患者の入院前に入院予定先の病棟職員に共有すること。また、当該計画書については、入院前又は入院日に患者又はその家族等に説明を行い交付するとともに、診療録に添付又は記載すること。なお、第1章第2部の通則7の規定に基づき作成する入院診療計画書等をもって、当該計画書としても差し支えない。

(22) 患者の栄養状態の評価や服薬中の薬剤の確認に当たっては、必要に応じて、管理栄養士や薬剤師等の関係職種と十分に連携を図ること。

(23) 「注8」に規定する総合機能評価加算については、介護保険法施行令第2条各号に規定する疾病を有する40歳以上65歳未満である者又は65歳以上である者について、身体機能や退院後に必要となりうる介護サービス等について総合的に評価を行った上で、当該評価の結果を入院中の診療や適切な退院支援に活用する取組を評価するものである。

(24) 「注8」に規定する総合機能評価加算は、患者の病状の安定が見込まれた後できるだけ早期に、患者の基本的な日常生活能力、認知機能、意欲等について総合的な評価(以下「総合的な機能評価」という。)を行った上で、結果を踏まえて入退院支援を行った場合に算定する。

(25) 総合的な機能評価に係る測定は、医師又は歯科医師以外の医療職種が行うことも可能であるが、当該測定結果に基づく評価は、研修を修了した医師若しくは歯科医師、総合的な機能評価の経験を1年以上有する医師若しくは歯科医師又は当該患者に対する診療を担う医師若しくは歯科医師が行わなければならない。なお、総合的な機能評価の実施に当たっては、関係学会等より示されているガイドラインに沿った適切な評価が実施されるよう十分留意すること。

(26) 総合的な機能評価の結果については、患者及びその家族等に説明するとともに、説明内容を診療録に記載又は添付すること。

A247 認知症ケア加算

(1) 認知症ケア加算は、認知症による行動・心理症状や意思疎通の困難さが見られ、身体疾患の治療への影響が見込まれる患者に対し、病棟の看護師等や専門知識を有した多職種が適切に対応することで、認知症症状の悪化を予防し、身体疾患の治療を円滑に受けられることを目的とした評価である。

(2) 認知症ケア加算の算定対象となる患者は、「「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について」(平成18年4月3日老発第0403003号)(「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」別添6の別紙12参照)におけるランクⅢ以上に該当すること。ただし、重度の意識障害のある者(JCS(Japan Coma Scale)でⅡ―3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態にある者)を除く。

(3) 身体的拘束を実施した場合の点数については、理由によらず、身体的拘束を実施した日に適用する。この点数を算定する場合は、身体的拘束の開始及び解除した日、身体的拘束が必要な状況等を診療録等に記載すること。

(4) 身体的拘束について

ア 身体的拘束は、抑制帯等、患者の身体又は衣服に触れる何らかの用具を使用して、一時的に当該患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動の制限をいうこと。

イ 入院患者に対し、日頃より身体的拘束を必要としない状態となるよう環境を整えること。また、身体的拘束を実施するかどうかは、職員個々の判断ではなく、当該患者に関わる医師、看護師等、当該患者に関わる複数の職員で検討すること。

ウ やむを得ず身体的拘束を実施する場合であっても、当該患者の生命及び身体の保護に重点を置いた行動の制限であり、代替の方法が見出されるまでの間のやむを得ない対応として行われるものであることから、できる限り早期に解除するよう努めること。

エ 身体的拘束を実施するに当たっては、以下の対応を行うこと。

(イ) 実施の必要性等のアセスメント

(ロ) 患者家族への説明と同意

(ハ) 身体的拘束の具体的行為や実施時間等の記録

(ニ) 二次的な身体障害の予防

(ホ) 身体的拘束の解除に向けた検討

オ 身体的拘束を実施することを避けるために、ウ、エの対応をとらず家族等に対し付添いを強要するようなことがあってはならないこと。

(5) 認知症ケア加算1

ア 認知症ケアに係る専門知識を有した多職種からなるチーム(以下「認知症ケアチーム」という。)が当該患者の状況を把握・評価するなど当該患者に関与し始めた日から算定できることとし、当該患者の入院期間に応じ所定点数を算定する。

イ 当該患者を診療する医師、看護師等は、認知症ケアチームと連携し、病棟職員全体で以下の対応に取り組む必要がある。

① 当該患者の入院前の生活状況等を情報収集し、その情報を踏まえたアセスメントを行い、看護計画を作成する。その際、行動・心理症状がみられる場合には、その要因をアセスメントし、症状の軽減を図るための適切な環境調整や患者とのコミュニケーションの方法等について検討する。

② 当該計画に基づき認知症症状を考慮したケアを実施し、その評価を定期的に行う。身体的拘束を実施した場合は、解除に向けた検討を少なくとも1日に1度は行う。

③ 計画作成の段階から、退院後に必要な支援について、患者家族を含めて検討し、円滑な退院支援となるよう取り組む。

④ ①から③までについて診療録等に記載する。

ウ 認知症ケアチームは、以下の取組を通じ、当該保険医療機関における認知症ケアの質の向上を図る必要がある。

① 認知症患者のケアに係るチームによるカンファレンスを週1回程度開催し、症例等の検討を行う。カンファレンスには、病棟の看護師等が参加し、検討の内容に応じ、当該患者の診療を担う医師等が参加する。

② 週1回以上、各病棟を巡回し、病棟における認知症ケアの実施状況を把握し、病棟職員及び患者家族に対し助言等を行う。

③ 当該加算の算定対象となっていない患者に関するものを含め、患者の診療を担当する医師、看護師等からの相談に速やかに応じ、必要なアセスメント及び助言を実施する。

④ 認知症患者に関わる職員を対象として、認知症患者のケアに関する研修を定期的に実施する。

(6) 認知症ケア加算2

ア 病棟において、看護師等が、当該患者の行動・心理症状等を把握し、対応について看護計画を作成した日から算定できることとし、当該患者の入院期間に応じ所定点数を算定する。

イ 当該患者が入院する病棟の看護師等は、当該患者の行動・心理症状等が出現し、あるいは出現すると見込まれ、身体疾患の治療への影響が見込まれる場合に、症状の軽減を図るための適切な環境調整や患者とのコミュニケーションの方法等を踏まえた看護計画を作成し、当該計画に基づき認知症症状を考慮したケアを実施し、その評価を行うこと。

ウ 認知症患者の診療について十分な経験を有する専任の常勤医師又は認知症患者の看護に従事した経験を5年以上有する看護師であって、認知症看護に係る適切な研修を修了した専任の常勤看護師が、病棟における認知症患者に対するケアの実施状況を定期的に把握し、病棟職員に対し必要な助言等を行うこと。

エ 身体的拘束を実施した場合は、解除に向けた検討を少なくとも1日に1度は行うこと。

(7) 認知症ケア加算3

(6)のア、イ及びエを満たすものであること。

A247―2 せん妄ハイリスク患者ケア加算

(1) せん妄ハイリスク患者ケア加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該加算の要件を満たすものについて算定する。

(2) せん妄ハイリスク患者ケア加算は、急性期医療を担う保険医療機関の一般病棟において、全ての入院患者に対してせん妄のリスク因子の確認を行い、ハイリスク患者に対するせん妄対策を実施した場合に、当該対策を実施した患者について、当該入院期間中1回に限り算定する。

(3) せん妄のリスク因子の確認及びハイリスク患者に対するせん妄対策は、各保険医療機関において作成したチェックリストに基づいて行うこと。なお、当該チェックリストを作成するに当たっては、別紙様式7の3を参考にすること。

(4) せん妄のリスク因子の確認は患者の入院前又は入院後3日以内、ハイリスク患者に対するせん妄対策はリスク因子の確認後速やかに行うこと。また、リスク因子の確認及びせん妄対策に当たっては、それぞれの病棟において、医師、看護師及び薬剤師等の関係職種が連携を図ること。

(5) せん妄のハイリスク患者については、せん妄対策を実施した上で、定期的にせん妄の有無を確認し、早期発見に努めること。なお、せん妄ハイリスク患者ケア加算は、せん妄対策を実施したが、結果的にせん妄を発症した患者についても算定可能であること。

A248 精神疾患診療体制加算

(1) 精神疾患診療体制加算は、身体合併症を有する精神疾患患者の転院の受入れや、身体疾患や外傷のために救急搬送された患者であって、精神症状を伴う者の診療を行った場合を評価するものである。

(2) 精神疾患診療体制加算1は、他の保険医療機関の精神病棟に入院する精神疾患患者の身体合併症の入院治療のために、当該他の保険医療機関の求めに応じて転院を受け入れた場合に入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

(3) 精神疾患診療体制加算1を算定する患者の精神疾患に係る薬剤は、当該保険医療機関で処方する必要があること。やむを得ず他の保険医療機関が処方した持参薬を投与する場合は、入院後5日以内に限られること。この場合には、持参した薬剤名、規格、剤形等を確認し、診療録等に記載すること。

(4) 精神疾患診療体制加算2は、当該保険医療機関の精神保健指定医若しくは精神科医又は当該保険医療機関の求めに応じた他の保険医療機関の精神保健指定医が、身体疾患や外傷に加え、精神症状等を有する患者であって、救急用の自動車等(消防法(昭和23年法律第186号)及び消防法施行令(昭和36年政令第37号)に規定する市町村又は都道府県の救急業務を行うための救急隊の救急自動車並びに道路交通法(昭和35年法律第105号)及び道路交通法施行令(昭和35年政令第270号)に規定する緊急自動車(傷病者の緊急搬送に用いるものに限る。)をいう。)及び救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法(平成19年法律第103号)第2条に規定する救急医療用ヘリコプターにより搬送された患者を診察した場合に、入院初日から3日以内に1回に限り算定すること。

(5) (4)において、精神症状を有する患者とは、以下の場合をいうこと。

イ 過去6か月以内に精神科受診の既往がある患者

ロ 医師が、抑うつ、せん妄、躁状態等、精神状態の異常を認めた患者

ハ アルコール中毒を除く急性薬毒物中毒が診断された患者

(6) 精神疾患診療体制加算2を算定した場合には、区分番号「A300」救命救急入院料の注2に規定する加算及び区分番号「I001」入院精神療法は算定できない。ただし、精神保健指定医又は精神科医による初回の診察の結果、継続して精神疾患の管理が必要と判断された場合には、入院した日から起算して4日目以降に限り、区分番号「I001」入院精神療法を算定することができる。

A249 精神科急性期医師配置加算

精神科急性期医師配置加算は、精神症状とともに身体疾患又は外傷を有する患者の入院医療体制を確保している保険医療機関の精神病棟や、急性期の精神疾患患者及び治療抵抗性統合失調症患者(クロザピンの新規導入を目的とした患者に限る。)に密度の高い入院医療を提供する精神病棟において、医師を手厚く配置することを評価したものである。

A250 薬剤総合評価調整加算

(1) 「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算は、複数の薬剤が処方されている患者であって、薬物有害事象の存在や服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等のおそれのあるものに対して、処方の内容を総合的に評価した上で、当該処方の内容を変更し、当該患者に対して療養上必要な指導を行う取組を評価したものであり、次に掲げる指導等を全て実施している場合に算定する。

ア 患者の入院時に、持参薬を確認するとともに、(7)の関連ガイドライン等を踏まえ、特に慎重な投与を要する薬剤等の確認を行う。

イ アを踏まえ、患者の病状、副作用、療養上の問題点の有無を評価するために、医師、薬剤師及び看護師等の多職種によるカンファレンスを実施し、薬剤の総合的な評価を行い、適切な用法及び用量への変更、副作用の被疑薬の中止及びより有効性・安全性の高い代替薬への変更等の処方内容の変更を行う。また、評価した内容や変更の要点を診療録等に記載する。

ウ 当該カンファレンスにおいて、処方の内容を変更する際の留意事項を多職種で共有した上で、患者に対して処方変更に伴う注意点を説明する。また、併せて当該患者に対し、ポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行う。なお、ここでいうポリファーマシーとは、「単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態」をいう。

エ 処方変更による病状の悪化や新たな副作用の有無ついて、多職種で確認し、必要に応じて、再度カンファレンスにおいて総合的に評価を行う。

(2) 「注1のイ」については、入院中の患者であって、入院前に内服を開始して4週間以上経過した内服薬が6種類以上処方されていたものについて、算定する。この場合において、「特に規定するもの」として、屯服薬については内服薬の種類数から除外する。また、服用を開始して4週間以内の薬剤については、調整前の内服薬の種類数からは除外する。

(3) 「注1のロ」については、精神病棟に入院中の患者であって、入院時又は退院1年前のうちいずれか遅い時点で抗精神病薬を4種類以上内服していたものについて、算定する。

(4) 当該加算の算定における内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。

(5) 「注1のロ」及び「注2のロ」に規定する抗精神病薬の種類については、第2章第5部第2節(3)イにおける抗精神病薬の種類と同様の取扱いとする。

(6) 医師は、処方内容の総合調整に当たって、薬効の類似した処方や相互作用を有する処方等について、当該保険医療機関の薬剤師に必要に応じ照会を行う。また、当該保険医療機関の薬剤師は、薬効の類似した処方や相互作用を有する処方等について、必要に応じ医師に情報提供を行う。

(7) 持参薬の確認及び内服薬の総合的な評価及び変更に当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。

(8) 患者に対してポリファーマシーに関する一般的な注意の啓発を行うに当たっては、「高齢者が気を付けたい多すぎる薬と副作用」(日本老年医学会、日本老年薬学会)等を参考にすること。

(9) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算に係る算定要件を満たした上で、薬効の重複する薬剤の減少又は合剤への変更等により、退院時に処方される内服薬が減少したことを評価したものである。

(10) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、「注1」に規定する薬剤総合評価調整加算に係る算定要件を満たした上で、退院時に処方される内服薬が2種類以上減少し、その状態が4週間以上継続すると見込まれる場合又は退院までの間に、抗精神病薬の種類数が2種類以上減少した場合に算定する。なお、保険医療機関がクロルプロマジン換算を用いた評価を行う場合には、別紙36の2に示す係数を用い、クロルプロマジン換算で2,000mg以上内服していたものについて、クロルプロマジン換算で1,000mg以上減少した場合を含めることができる。

(11) 「注2」に規定する薬剤調整加算の算定に当たっては、内服薬が減少する前後の内服薬の種類数(クロルプロマジン換算の評価による場合はクロルプロマジン換算した量)を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(12) 「注2」に規定する薬剤調整加算の算定に当たっては、当該保険医療機関及び他の保険医療機関で処方された内服薬を合計した種類数から2種類以上減少した場合については、区分番号「B008―2」薬剤総合評価調整管理料と合わせて、1か所の保険医療機関に限り算定できることとする。この場合には、当該他の保険医療機関名及び各保険医療機関における調整前後の薬剤の種類数を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(13) 「注2」に規定する薬剤調整加算は、当該保険医療機関で薬剤調整加算又は区分番号「B008―2」薬剤総合評価調整管理料を1年以内に算定した場合においては、前回の算定に当たって減少した後の内服薬の種類数から、更に2種類以上減少しているときに限り新たに算定することができる。

A251 排尿自立支援加算

(1) 排尿自立支援加算は、当該保険医療機関に排尿に関するケアに係る専門的知識を有した多職種からなるチーム(以下「排尿ケアチーム」という。)を設置し、当該患者の診療を担う医師、看護師等が、排尿ケアチームと連携して、当該患者の排尿自立の可能性及び下部尿路機能を評価し、排尿誘導等の保存療法、リハビリテーション、薬物療法等を組み合わせるなど、下部尿路機能の回復のための包括的なケア(以下「包括的排尿ケア」という。)を実施することを評価するものである。

(2) 当該指導料は、次のいずれかに該当する者について算定できる。

ア 尿道カテーテル抜去後に、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの

イ 尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの

(3) 病棟の看護師等は、次の取組を行った上で、排尿ケアチームに相談すること。

ア 尿道カテーテル抜去後の患者であって、尿失禁、尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有する患者を抽出する。

イ アの患者について下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌、残尿測定等)を行う。

ウ 尿道カテーテル挿入中の患者について、尿道カテーテル抜去後の、排尿自立の可能性について評価し、抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるが、排尿自立の可能性がある患者を抽出する。

(4) 排尿ケアチームは、(3)を基に下部尿路機能障害を評価し、病棟の看護師等と共同して、排尿自立に向けた包括的排尿ケアの計画を策定する。包括的排尿ケアの内容は、看護師等による排尿誘導や生活指導、必要に応じ理学療法士等による排尿に関連する動作訓練、医師による薬物療法等を組み合わせた計画とする。

(5) 排尿ケアチーム、病棟の看護師等及び関係する従事者は、共同して(4)に基づく包括的排尿ケアを実施し、定期的な評価を行う。

(6) (3)から(5)までについて、診療録等に記載する。

(7) 排尿ケアチームが当該患者の状況を評価する等の関与を行うと共に、病棟の看護師等が、包括的排尿ケアの計画に基づいて患者に対し直接的な指導又は援助を行った場合について、週1回に限り、12週を限度として算定できる。排尿ケアチームによる関与と、病棟の看護師等による患者への直接的な指導又は援助のうち、いずれか片方のみしか行われなかった週については算定できない。また、排尿が自立し指導を終了した場合には、その後については算定できない。

(8) 退院後に外来において、引き続き、包括的排尿ケアを実施する必要性を認めた場合には、診療録等にその旨を記載すること。

A252 地域医療体制確保加算

(1) 地域医療体制確保加算は、地域の救急医療体制において重要な機能を担うとともに、病院勤務医の負担の軽減及び処遇の改善に資する取組を実施する体制を評価するものである。

(2) 地域医療体制確保加算は、当該患者の入院初日に限り算定する。なお、ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。

別表1(第1節入院基本料、第3節特定入院料及び第4節短期滞在手術等基本料との関係)

○ 算定可(特定入院料は,包括されず別途算定可という意味。)

× 算定不可(特定入院料は,包括されており別途算定不可という意味。)

(●) 50対1補助体制加算,75対1補助体制加算及び100対1補助体制加算に限る。

① 医師事務作業補助体制加算1に限る。

② 特定機能病院の病棟では,医師事務作業補助体制加算2を除く。

注 短期滞在手術等基本料2、3はDPC対象病院を除く。

● 難病患者等入院診療加算に限る。

★ 看護配置等による制限あり

△ A300の「注2」加算を算定しない場合に限る。

□ 精神病棟を除く。


特別入院基本料等

急性期一般入院料1

急性期一般入院料2

急性期一般入院料3

急性期一般入院料4

急性期一般入院料5

急性期一般入院料6

急性期一般入院料7

地域一般入院料1

地域一般入院料2

地域一般入院料3

療養病棟入院料1

療養病棟入院料2

療養病棟入院料 注⑪

結核病棟入院基本料

重症患者割合特別入院基本料(A102)


一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般

療養

療養

療養

結核

結核

A200総合入院体制加算

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A204地域医療支援病院入院診療加算

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A204―2臨床研修病院入院診療加算

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A205救急医療管理加算

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A205―2超急性期脳卒中加算

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A205―3妊産婦緊急搬送入院加算

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A206在宅患者緊急入院診療加算

A207診療録管理体制加算

A207―2医師事務作業補助体制加算

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(●)

(●)

(●)

(●)

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A207―3急性期看護補助体制加算

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A207―4看護職員夜間配置加算

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A208乳幼児加算・幼児加算

A210難病等特別入院診療加算

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A211特殊疾患入院施設管理加算

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A212超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算

A213看護配置加算

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A214看護補助加算

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A218地域加算

A218―2離島加算

A219療養環境加算

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A220HIV感染者療養環境特別加算

A220―2二類感染症患者療養環境特別加算

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A221重症者等療養環境特別加算

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A221―2小児療養環境特別加算

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A222療養病棟療養環境加算

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A222―2療養病棟療養環境改善加算

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A223診療所療養病床療養環境加算

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A223―2診療所療養病床療養環境改善加算

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A224無菌治療室管理加算

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A225放射線治療病室管理加算

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A226重症皮膚潰瘍管理加算

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A226―2緩和ケア診療加算

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A226―3有床診療所緩和ケア診療加算

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A227精神科措置入院診療加算

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A227―2精神科措置入院退院支援

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A228精神科応急入院施設管理加算

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A229精神科隔離室管理加算

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A230精神病棟入院時医学管理加算

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A230―2精神科地域移行実施加算

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A230―3精神科身体合併症管理加算

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A230―4精神科リエゾンチーム加算

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A231―2強度行動障害入院医療管理加算

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A231―3重度アルコール依存症入院医療管理加算

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A231―4摂食障害入院医療管理加算

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A232がん拠点病院加算

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A233―2栄養サポートチーム加算

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A234医療安全対策加算

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A234―2感染防止対策加算

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A234―3患者サポート体制充実

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A236褥瘡ハイリスク患者ケア加算

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A236―2ハイリスク妊娠管理加算

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A237ハイリスク分娩管理加算

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A238―6精神科救急搬送患者地域連携紹介加算

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A238―7精神科救急搬送患者地域連携受入加算

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A242呼吸ケアチーム加算

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A243後発医薬品使用体制加算

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A244病棟薬剤業務実施加算1

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A244病棟薬剤業務実施加算2

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A245データ提出加算

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A246入退院支援加算1 イ

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A246入退院支援加算1 ロ

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A246入退院支援加算2 イ

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A246入退院支援加算2 ロ

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A246入退院支援加算3

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A247認知症ケア加算

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A247―2せん妄ハイリスク患者ケア加算

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A248精神疾患診療体制加算

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A249精神科急性期医師配置加算1

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A249精神科急性期医師配置加算2 イ

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A249精神科急性期医師配置加算2 ロ

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A249精神科急性期医師配置加算3

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A250薬剤総合評価調整加算

A251排尿自立支援加算

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A252地域医療体制確保加算

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精神病棟入院基本料

1 特定機能病院入院基本料(一般病棟)

2 特定機能病院入院基本料(結核病棟)

3 特定機能病院入院基本料(精神病棟)

専門病院入院基本料

障害者施設等入院基本料

特定入院基本料(A106)

医療区分(1・2)に応じた点数

有床診療所入院基本料

有床診療所療養病床入院基本料

救命救急入院料

特定集中治療室管理料

ハイケアユニット入院医療管理料

脳卒中ケアユニット入院医療管理料

小児特定集中治療室管理料

新生児特定集中治療室管理料

総合周産期特定集中治療室管理料

新生児治療回復室入院医療管理料

精神

一般

結核

精神

一般

一般

一般

一般

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療養

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一類感染症患者入院医療管理料

特殊疾患入院医療管理料

医療区分(1・2)に応じた点数

1 小児入院医療管理料1

2 小児入院医療管理料2

3 小児入院医療管理料3

4 小児入院医療管理料4

5 小児入院医療管理料5

回復期リハビリテーション病棟入院料1

回復期リハビリテーション病棟入院料2

回復期リハビリテーション病棟入院料3

回復期リハビリテーション病棟入院料4

回復期リハビリテーション病棟入院料5

一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般

一般・結核・精神

一般

療養

一般

療養

一般

療養

一般

療養

一般

療養

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回復期リハビリテーション病棟入院料6

地域包括ケア病棟入院料1

地域包括ケア病棟入院料2

地域包括ケア病棟入院料3

地域包括ケア病棟入院料4

地域包括ケア病棟入院医療管理料1

地域包括ケア病棟入院医療管理料2

地域包括ケア病棟入院医療管理料3

地域包括ケア病棟入院医療管理料4

一般

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1 特殊疾患病棟入院料1

2 特殊疾患病棟入院料2

医療区分(1・2)に応じた点数 イ

医療区分(1・2)に応じた点数 ロ

緩和ケア病棟入院料(1・2)

精神科救急入院料

1 精神科急性期治療病棟入院料1

2 精神科急性期治療病棟入院料2

精神科救急・合併症入院料

児童・思春期精神科入院医療管理料

精神療養病棟入院料

認知症治療病棟入院料

特定一般病棟入院料

地域移行機能強化病棟入院料

1 短期滞在手術等基本料1

2 短期滞在手術等基本料2

3 短期滞在手術等基本料3

一般

一般・精神

一般

一般・精神

一般

精神

精神

精神

精神

精神

精神

精神

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第3節 特定入院料

1 特定入院料(特殊疾患入院医療管理料、小児入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、特殊疾患病棟入院料、緩和ケア病棟入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神療養病棟入院料、認知症治療病棟入院料及び地域移行機能強化病棟入院料を除く。以下この項において同じ。)は、1回の入院について、当該治療室に入院させた連続する期間1回に限り算定できるものであり、1回の入院期間中に、当該特定入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度同一の特定入院料を算定することはできない。

ただし、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)、新生児治療回復室入院医療管理料、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料及び精神科救急・合併症入院料については、前段の規定にかかわらず、1回の入院期間中に当該特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)、新生児治療回復室入院医療管理料、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料又は精神科救急・合併症入院料を算定した後に、入院基本料又は他の特定入院料を算定し、再度病状が悪化などして当該特定集中治療室、ハイケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室、脳卒中ケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室、小児特定集中治療室、新生児特定集中治療室、総合周産期特定集中治療室(新生児集中治療室管理料を算定するものに限る。)、新生児治療回復室入院医療管理料、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料又は精神科救急・合併症入院料を算定する治療室へ入院させた場合には、これを算定できるものとする。

2 特定入院料を算定できる2以上の治療室に患者を入院させた場合において、特定入院料を算定できる日数の限度は、他の特定入院料を算定した日数を控除して計算するものとする。例えば、救命救急入院料を算定した後、ハイケアユニット入院医療管理を行う専用の治療室に入院させた場合においては、21日から救命救急入院料を算定した日数を控除して得た日数を限度として、ハイケアユニット入院医療管理料を算定する。

A300 救命救急入院料

(1) 救命救急入院料の算定対象となる重篤な救急患者とは、次に掲げる状態にあって、医師が救命救急入院が必要であると認めた者であること。

ア 意識障害又は昏睡

イ 急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪

ウ 急性心不全(心筋梗塞を含む。)

エ 急性薬物中毒

オ ショック

カ 重篤な代謝障害(肝不全、腎不全、重症糖尿病等)

キ 広範囲熱傷

ク 大手術を必要とする状態

ケ 救急蘇生後

コ その他外傷、破傷風等で重篤な状態

(2) 広範囲熱傷特定集中治療管理料の算定対象となる患者とは、第2度熱傷30%程度以上の重症広範囲熱傷患者であって、医師が広範囲熱傷特定集中治療が必要であると認めた者であること。なお、熱傷には電撃傷、薬傷及び凍傷が含まれる。

(3) 救命救急入院料は、救命救急医療に係る入院初期の医療を重点的に評価したものであり、救命救急入院後症状の安定等により他病棟に転棟した患者又は他病棟に入院中の患者が症状の増悪等をきたしたことにより当該救命救急センターに転棟した場合にあっては、救命救急入院料は算定できない。

(4) 「注2」に掲げる加算については、自殺企図及び自傷又はそれが疑われる行為により医師が救命救急入院が必要であると認めた重篤な患者であって、統合失調症、躁うつ病、神経症、中毒性精神障害(アルコール依存症等をいう。)、心因反応、児童・思春期精神疾患、パーソナリティ障害又は精神症状を伴う脳器質性障害等(以下この節において「精神疾患」という。)を有する患者又はその家族等に対して、精神保健福祉法第18条第1項に規定する精神保健指定医(以下この節において「精神保健指定医」という。)又は当該保険医療機関の精神科の常勤医師が、患者又は家族等からの情報を得て、精神疾患に対する診断治療等を行った場合に、救命救急入院料の算定期間中における当該精神保健指定医又は当該精神科の常勤医師の最初の診察時に算定する。この場合の精神保健指定医は当該保険医療機関を主たる勤務先とする精神保健指定医以外の者であっても算定できる。

(5) 「注5」に掲げる急性薬毒物中毒加算1については、急性薬毒物中毒(催眠鎮静剤、抗不安剤による中毒を除く。)が疑われる患者(以下「急性薬毒物中毒患者」という。)の原因物質について、日本中毒学会が作成する「急性中毒標準診療ガイド」における機器分析法に基づく機器分析を当該保険医療機関において行い、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。

(6) 「注5」に掲げる急性薬毒物中毒加算2については、急性薬毒物中毒患者の原因物質等について、(5)の機器分析以外の検査を当該保険医療機関において行い、必要な救命救急管理を実施した場合に算定する。

(7) 「注5」に掲げる急性薬毒物中毒加算1又は2については、入院初日にいずれか一方のみを算定することができる。