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○指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について

(令和2年3月5日)

(保発0305第4号)

(各都道府県知事・地方厚生(支)局長あて厚生労働省保険局長通知)

(公印省略)

指定訪問看護及び指定老人訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準については、「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成12年3月31日老発第397号・保発第70号)により取り扱われてきたところであるが、本日「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準についての一部を改正する省令」(令和2年厚生省令第25号)が公布され、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第九号)附則第一条第四号の政令で定める日から施行されることとなったことに伴い、その取扱いについては、下記によることとしたので、その実施に遺漏のないよう関係者に対して周知徹底を図られたい。

なお、これに伴い、「指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について」(平成12年3月31日老発第397号・保発第70号)は、医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第九号)附則第一条第四号の政令で定める日限り廃止する。

第一 総論

1 本基準は、指定訪問看護の事業がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定訪問看護事業者は、常にその事業の運営の向上に努めなければならないこと。

2 基準を満たさない場合には、指定訪問看護事業者の指定は受けられず、また、運営開始後、基準を下回るに至った場合、地方厚生(支)局の指導等の対象となり、この指導等に従わない場合には、当該指定を取り消すことができるものであること。

3 指定訪問看護事業者の指定は、原則として事業所ごとに行うものとするが、例外的に、待機や道具の保管、着替え等を行う出張所等(以下「従たる事業所」という。)であって、次の要件を満たすものについては、一体的な指定訪問看護の提供の単位として当該事業所に含めて指定することができる取扱いとすること。

① 利用申込みに係る調整、指定訪問看護の提供状況の把握、職員に対する技術指導等が一体的に行われること。

② 職員の勤務体制、勤務内容等が一元的に管理されること。また、必要な場合に随時、主たる事業所との間で相互支援が行える体制(例えば、従たる事業所の従業者が急病等で指定訪問看護の提供ができなくなった場合に、主たる事業所から急遽代替要員を派遣できるような体制)にあること。

③ 苦情処理や損害賠償等に際して、一体的な対応ができる体制にあること。

④ 事業の目的や運営方針、営業日及び営業時間、利用料等を定める同一の運営規程が定められること。

⑤ 人事、給与・福利厚生等の勤務条件等による職員管理が一元的に行われること。

第二 用語の定義

基準中に用いられている用語であって、定義規定が置かれていないものの意味を明らかにするものである。

1 「勤務延時間数」

勤務表上、当該事業に係る指定訪問看護の提供に従事する時間又は当該事業に係る指定訪問看護の提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む。)として明確に位置づけられている時間の合計数とする。なお、従業者1人につき、勤務延時間数に参入することができる時間数は、当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数を上限とすること。

2 「常勤」

指定訪問看護事業者の当該指定に係る訪問看護事業を行う事業所(以下「指定訪問看護ステーション」という。)における勤務時間が、当該指定訪問看護ステーションにおいて定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数(週当たり32時間を下回る場合は32時間を基本する。)に達していることをいうものである。

ただし、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号)第23条第1項、同条第3項又は同条第24条に規定する所定労働時間の短縮措置が講じられている者については、利用者の処遇に支障がない体制が事業所として整っている場合は、例外的に常勤の従業者が勤務すべき時間数を30時間として取り扱うことを可能とする。

3 「専ら従事する」

原則として、指定訪問看護の提供の時間帯を通じて指定訪問看護以外の職務に従事しないことをいうものである。この場合の指定訪問看護の提供の時間帯とは、当該従業者の当該指定訪問看護ステーションにおける勤務時間をいうものであり、当該従業者の常勤・非常勤の別を問わない。

第三 指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準

1 基本方針

基準第1条は、指定訪問看護の事業の基本方針を示したものであり、指定訪問看護の事業の各般にわたってこの基本方針が生かされることが望まれること。

2 人員に関する事項

指定訪問看護ステーションの職員には、それぞれの職務を遂行する熱意と能力を有するものを充てることが、利用者の療養生活の質の向上を図る観点から極めて重要であること。

また、基準第2条及び第3条の運用に当たっては、次の点に留意すること。

(1) 看護師等の員数

① 基準第2条第1項第1号に規定する保健師、助産師、看護師又は准看護師(以下「看護職員」という。)の員数については、指定訪問看護ステーションの看護職員の勤務延時間数を当該指定訪問看護ステーションにおいて常勤の看護職員が勤務すべき時間数で除して得た数が2.5以上と定められたが、これについては、職員の支援体制等を考慮した最小限の員数として定められたものであり、各地域における指定訪問看護の利用の状況や利用者数及び指定訪問看護の事業の業務量を考慮し、適切な員数の人員を確保するものとする。

② 勤務日及び勤務時間が不定期な看護職員(以下「登録看護職員」という。)についての勤務延時間数の算定については、次のとおりの取扱いとする。

イ 登録看護職員によるサービス提供の実績がある指定訪問看護ステーションについては、登録看護職員1人当たりの勤務時間数は、当該指定訪問看護ステーションの登録看護職員の前年度の週当たりの平均稼働時間(指定訪問看護等の提供時間及び移動時間をいう。)とすること。

ロ 登録看護職員による指定訪問看護の実績がない指定訪問看護ステーション又は極めて短期の実績しかない等のためイの方法によって勤務延時間数の算定を行うことが適当でないと認められる指定訪問看護ステーションについては、当該登録看護職員が確実に稼働できるものとして勤務表に明記されている時間のみを勤務延時間数に参入すること。なお、この場合においても、勤務表上の勤務時間数は、指定訪問看護の提供実態に即したものでなければならないため、勤務表上の勤務時間と実態が乖離していると認められる場合は、勤務表上の勤務時間の適正化の指導の対象となること。

③ 従たる事業所があるときは、看護職員の勤務延時間数には、従たる事業所における勤務延時間数も含めるものとする。

④ 同条第2項は、指定訪問看護ステーションの看護職員のうち1名は、常勤でなければならないことを規定したものであること。

(2) 管理者

① 基準第3条第1項の規定により指定訪問看護ステーションに置くべき管理者は、当該指定訪問看護ステーションに専従、かつ、常勤の者でなければならないこととし、例えば、同時に他の指定訪問看護ステーション等を管理することは認められないものであること。ただし、以下の場合であって、指定訪問看護ステーションの管理上支障がない場合は、他の職務を兼ねることができる。

イ 当該指定訪問看護ステーションの看護職員としての職務に従事する場合

ロ 当該指定訪問看護ステーションが介護保険法による指定を受けている指定訪問看護ステーションである場合に、当該指定訪問看護ステーションの管理者又は看護職員としての職務に従事する場合

ハ 同一敷地内にある又は道路を隔てて隣接する等、特に当該指定訪問看護ステーションの管理業務に支障がないと認められる範囲内に他の事業所、施設等がある場合に、当該他の事業所等の管理者又は従業者としての職務に従事する場合(この場合の他の事業所、施設等の事業の内容は問わないが、例えば、併設される入所施設における看護業務(管理業務を含む。)との兼務は管理者の業務に支障があると考えられるが、施設における勤務時間が極めて限られている職員の場合には、例外的に認められる場合もあり得る。)

② 管理者は管理者としてふさわしいと認められる保健師、助産師又は看護師であって、次のいずれにも該当しない者でなければならないものであること。

イ 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)第14条第1項の規定により保健師、助産師又は看護師の業務の停止を命ぜられ、業務停止の期間終了後5年を経過しない者

ロ 健康保険法第91条又は94条の規定により、指定訪問看護ステーションの管理者として変更の指導を受け、変更された後5年を経過しない者又は取消処分を受けた訪問看護ステーションの当該管理者(ただし、取消処分が当該管理者の責務に関わる場合に限る。)であって、取消日後5年を経過しない者

③ 基準第3条第2項ただし書の規定により、保健師、助産師又は看護師以外の者に指定訪問看護ステーションを管理させることができる場合とは、管理者の長期間の傷病又は出張等のやむを得ない理由があり、かつ、指定訪問看護ステーションの管理をする者が、利用者の療養生活の質の向上に関し相当の知識、経験及び熱意を有し、過去の経歴等を勘案して指定訪問看護ステーションの管理者としてふさわしいと認められる者であるものとして地方厚生(支)局長の承認を受けた場合に限られるものであること。ただし、この場合においても、可能な限り速やかに常勤の保健師、助産師又は看護師の管理者が確保されるように努めなければならないものであること。

④ 管理者は、医療機関における看護、訪問看護又は健康増進法(平成14年法律第103号)第17条第1項の規定による保健指導(健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)第7条による改正前の老人保健法(昭和57年法律第80号)第19条に規定する訪問看護等を含む。)の業務に従事した経験のある者であること。さらに、管理者としての資質を確保するために関連機関が提供する研修等を受講していることが望ましい。

(3) 従たる事業所の人員配置

従たる事業所のうち、4の(11)に掲げる訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成等の業務も含めて行うなど訪問看護の提供の拠点としての機能を果たしているものについては、当該従たる事業所において、利用者数に応じた適正な員数を確保することとし、配置する看護師等(基準第2条第1項に規定する看護師等をいう。以下同じ。)のうち1人以上は保健師、助産師又は看護師とすること。

また、その場合にあっては、利用者に対する看護やサービス提供の質について定期的に主従の事業所のスタッフによって一体的にカンファレンスが行われ、その内容について記録がなされ、全スタッフが共有すること。

3 設備に関する事項

① 指定訪問看護ステーションには、事業の運営に必要な面積を有する専用の事務室を設ける必要がある。ただし、当該指定訪問看護ステーションが介護保険法による指定を受けている指定訪問看護ステーションである場合には、両者で共有することは差し支えない。また、当該指定訪問看護ステーションが、他の事業の事業所を兼ねる場合には、必要な広さの専用の区画を設けることで差し支えないものとする。なお、この場合に、区分されていなくても業務に支障がないときは、指定訪問看護の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるものである。

② 事務室については、利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保するものとする。

③ 指定訪問看護に必要な設備及び備品等を確保する必要がある。特に、感染症予防に必要な設備等に配慮する必要がある。ただし、他の事業所、施設等と同一敷地内にある場合であって、指定訪問看護の事業又は当該他の事業所、施設等の運営に支障がない場合は、当該他の事業所、施設等に備え付けられた設備及び備品等を使用することができるものとする。

4 運営に関する事項

指定訪問看護ステーションの運営については、基準第5条から第31条に定めるもののほか、次の点に留意すること。

(1) 内容及び手続の説明及び同意(基準第5条関係)

基準第5条は、利用者に対し適切な指定訪問看護を提供するため、その提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族等に対し、運営規程の概要、看護師等の勤務の体制その他の利用申込者が指定訪問看護を選択するに当たっての重要事項を記載した文書を交付し説明し、提供の開始についての同意を得なければならないこととしたものであること。なお、当該同意については、利用者及び指定訪問看護事業者双方の保護の立場から書面によって確認することが望ましいものであること。

(2) 提供拒否の禁止(基準第6条関係)

基準第6条は、原則として、利用申込に対しては応じなければならないことを規定したものであり、特に、必要とする療養上の世話の程度が重いことをもって利用を拒否することを禁止するものであること。

(3) 提供困難時の対応(基準第7条関係)

基準第7条は、利用申込者の病状が重篤なために指定訪問看護ステーションでの対応が困難である場合、利用申込者の居住地と指定訪問看護ステーションの所在地との間が遠距離である場合、指定訪問看護ステーションの看護師等の現員からは利用申込に応じきれない場合等、自ら適切に指定訪問看護の提供をすることが困難であると認めた場合についてのみ基準第6条の例外を認めることとしたものであるが、この場合にあっても、速やかに主治医への連絡を行い、適当な他の指定訪問看護事業者を紹介する等の必要な措置を講じなければならないものであること。

(4) 受給資格の確認(基準第8条関係)

① 基準第8条は、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の利用の開始に当たって、利用申込者が指定訪問看護の提供を受ける資格があることをその者の提示する被保険者証等により確かめなければならない旨規定したものであること。特に、現に他の指定訪問看護ステーションにより指定訪問看護が提供されている場合にあっては、重ねて訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費の支給は行われないことに留意し、利用申込者等に対し問い合わせる、訪問時に確認する等により、現に他の指定訪問看護ステーションによる指定訪問看護を受けているか否かを確認すること。ただし、被保険者等で確認できる場合は、この限りでないものであること。

② 利用者が介護保険法第7条第5項の規定による居宅サービス(同条第8項に規定する訪問看護に係るものに限る。)の提供を受け、居宅介護サービス費の支給を受けることができるときは、訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費の支給は行われないので、指定訪問看護事業者は、必要に応じ、当該利用者が同法第62条に規定する要介護被保険者等であるか否かの確認を行う必要があること。

(5) 心身の状況等の把握(基準第9条関係)

基準第9条は、適切な指定訪問看護が提供されるようにするため、利用者の病歴、病状、介護の状況、家屋の構造等の家庭環境、他の保健、医療又は福祉サービスの利用状況等の把握に努めるべきことを規定したものであり、これらの利用者に関する記録は、訪問看護記録書に記入し、基準第30条の規定に基づき保存しておかなければならないものであること。

(6) 保健医療サービス及び福祉サービス提供者との連携(基準第10条関係)

① 基準第10条第1項は、指定訪問看護の事業が地域社会に根ざした事業として運営されていくためには、その運営に関して市町村(特別区を含む。以下同じ。)をはじめ他の保健、医療又は介護を含む福祉サービスを提供する者と密接な連携がとれていることが必要であることから、市町村の保健・福祉部門、保健所及び民間の在宅ケアサービス等の介護を含む福祉サービスの提供主体等と十分な連携を図ることを定めたものであること。なお、連携に当たっては、指定訪問看護以外のサービスの提供内容を十分に確認するとともに、市町村に設けられた地域ケア会議、在宅介護支援センター等を積極的に活用すること。

② 同条第2項は、指定訪問看護の提供の終了に際しては、利用者又はその家族等に対する適切な指導を行うとともに、指定訪問看護の提供の終了後においても必要なサービスが継続して提供されるよう、終了後の主治医に対する情報提供及び市町村等の保健・福祉サービスの提供主体等との連携について規定したものであること。なお、この場合、特に市町村に設けられた地域ケア会議及び在宅介護支援センターとの連携について十分配慮すること。

(7) 身分を証する書類の携行(基準第11条関係)

基準第11条は、利用者が安心して指定訪問看護の提供を受けることができるよう、指定訪問看護事業者は、当該指定訪問看護ステーションの看護師等に身分を明らかにする証書や名札等を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならないこととしたものであること。また、この証書等には、当該指定訪問看護ステーションの名称、当該看護師等の氏名を記載するものとし、当該看護師等の写真の貼付や職能の記載を行うことが望ましいこと。

(8) 利用料(基準第13条関係)

基準第13条は、利用者から支払われる利用料の範囲等について規定したものであり、その運用に当たっては、次の点に留意すること。

① 基本利用料については、訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号)により算定した額から訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費として支給された額に相当する額を控除した額により算定した額を徴収しなければならないものであること。

その他、利用料については、次の点に留意すること。

イ 「厚生労働大臣の定める指定訪問看護等」(平成12年3月厚生省告示第169号)に定める指定訪問看護に係る特別の料金については、利用者の選定に基づき提供される場合に限り徴収できるものであり、指定訪問看護事業者の都合による場合には徴収できないものであること。

ロ イの利用料の額については、指定訪問看護ステーションごとに当該指定訪問看護の提供に要する費用の範囲内で設定できるものであること。

ハ 交通費、おむつ代及び家事援助に要する費用等であって、指定訪問看護の提供以外のサービスの提供に要する費用については、当該サービスに要する実費相当額を利用料として徴収できるものであること。

なお、指定訪問看護の提供と連続して行われた在宅での死後の処置については、当該サービスに要する実費相当額を徴収できるものであること。

② 利用料については、指定訪問看護を提供する前に、あらかじめ、利用者やその家族等に対し、基本利用料並びにその他の利用料の内容及び額に関して説明を行い、同意を得なければならないこと。また、利用者から利用料の支払を受ける場合には、費用の細目を記載した領収書を交付する必要があること。

(9) 指定訪問看護の基本取扱方針及び具体的取扱方針(基準第14、15条関係)

基準第14条及び第15条にいう指定訪問看護の取扱方針において、特に留意すべきことは、次のとおりであること。

① 指定訪問看護は、利用者の心身の特性を踏まえて、利用者の療養上妥当適切に行い、日常の療養生活の充実に資するようにするとともに、漫然かつ画一的なものにならないよう、主治医との密接な連携のもとに看護目標及び訪問看護計画に沿って行うこととしたものであること。

② 指定訪問看護の提供については、目標達成の度合いやその効果等について評価を行うとともに、訪問看護計画の修正を行い、改善を図る等に努めなければならないものであること。

③ 利用者の病状、心身の状況及び経過、その置かれている環境、看護目標、具体的なサービスの内容その他の療養上必要な事項について利用者及びその家族に理解しやすいように指導又は説明を行うこと。

④ 指定訪問看護の提供に当たっては、医学の進歩に対応した適切な看護の技術をもって行うことができるよう、新しい技術の習得等、研鑽を積むことを定めたものであること。

⑤ 医学の立場を堅持し、広く一般に認められていない看護等については行ってはならないこと。

(10) 主治医との関係(基準第16条関係)

① 指定訪問看護ステーションの管理者は、主治医の指示に基づき指定訪問看護が行われるよう、主治医との連絡調整、指定訪問看護の提供を担当する看護師等の監督等必要な管理を行わなければならないこと。なお、主治医とは、利用申込者の選定により加療している保険医療機関の保険医をいい、主治医以外の複数の医師から指示書の交付を受けることはできないものであること。

② 基準第16条第2項は、指定訪問看護の利用対象者は、その主治医が指定訪問看護の必要性を認めたものに限られるものであることを踏まえ、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、利用者の主治医が発行する訪問看護等の指示の文書(以下「指示書」という。)の交付を受けなければならないこととしたものであること。

③ 同条第3項は、指定訪問看護事業者は、利用者について、その病状及び心身の状態に照らし、定期に指定訪問看護の提供を継続するかどうかについて相談しなければならないこととしたものであること。具体的には、指定訪問看護の提供の要否の判定は、病状及び心身の状態に応じて適宜実施されるべきものであるが、指定訪問看護事業者は、指示書交付時等において主治医に指定訪問看護の継続の要否の相談を行い、その結果を記録書に記入しておかなければならないものであること。なお、特別訪問看護指示書交付時においても症状及び心身の状態の変化等を踏まえ、頻回な訪問看護の必要性について相談を行い、その結果を記録書に記入しなければならないものであること。

④ 指定訪問看護事業者は、主治医と連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、定期的に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を書面又は電子的な方法により主治医に提出しなければならないこと。なお、電子的方法によって、個々の利用者の訪問看護に関する計画等を主治医に提出する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、厚生労働省の定める準拠性監査基準を満たす保健医療福祉分野の公開鍵基盤(HPKI:Healthcare Public Key Infrastructure)による電子署名を施すこと。

⑤ 訪問看護の実施に当たっては、特に保険医療機関内の場合と異なり、看護師が単独で行うことに十分留意するとともに慎重な状況判断等が要求されることを踏まえ、主治医との密接かつ適切な連携を図ること。

(11) 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(基準第17条関係)

① 基準第17条第1項は、看護師等(准看護師を除く。以下(11)において同じ。)が利用者ごとに、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を作成することとしたものであること。

② 看護師等は、訪問看護計画書には、利用者の希望及び心身の状況、主治医の指示等を踏まえて、看護目標、具体的サービス内容等を記載すること。

③ 看護師等は、作成した訪問看護計画書に記載された看護目標や具体的サービス内容等について、利用者及びその家族に理解しやすい方法で説明を行うとともに、その実施状況や評価についても説明を行う必要があること。

④ 看護師等は、訪問看護報告書には、訪問を行った日、提供した看護内容及びサービス提供結果等を記載すること。なお、特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を行った場合については、病状及び心身の状態等の変化等頻回な訪問看護を行う必要性とそれに対して提供した看護内容、サービス提供結果等を記載すること。

⑤ 理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が訪問看護を提供している利用者については、訪問看護計画書及び訪問看護報告書は理学療法士等が提供する内容についても一体的に含むものとし、看護職員(准看護師を除く。)と理学療法士等が連携し作成すること。

⑥ 指定訪問看護ステーションの管理者にあっては、訪問看護計画書に沿った実施状況を把握し、訪問看護計画書及び訪問看護報告書に関し、助言、指導等必要な管理を行わなければならないこと。

⑦ 指定訪問看護事業者は、主治医との連携を図り、適切な指定訪問看護を提供するため、訪問看護計画書及び訪問看護報告書を定期的に主治医に提出しなければならないこと。

⑧ 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の具体的な記載要領等については、別に通知するところによるものであること。

(12) 利用者に関する全国健康保険協会、後期高齢者医療広域連合又は健康保険組合への通知(基準第18条関係)

基準第18条は、指定訪問看護ステーションが、利用者に対する訪問看護療養費又は家族訪問看護療養費の支給が不適当であると認める場合であって全国健康保険協会、後期高齢者医療広域連合又は健康保険組合に通知しなければならない理由を列記したものであること。

(13) 緊急時の対応(基準第19条関係)

基準第19条は、看護師等が現に指定訪問看護の提供を行っているときに、利用者の病状に急変等が生じた場合には、運営規程に定められた緊急時の対応方法に基づき、速やかに主治医に連絡を行い指示を求めるとともに、必要に応じて臨時応急の手当を行う等の必要な措置を講じなければならないこととしたものであること。

(14) 管理者の責務(基準第20条関係)

基準第20条は、管理者の責務について規定したものであり、管理者は指定訪問看護の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握等の管理を一元的に行い、併せて、適切な指定訪問看護を提供できるよう、運営に関する事項を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとすること。

(15) 運営規程(基準第21条関係)

基準第21条は、指定訪問看護の事業の適正な運営及び利用者等に対する適切な指定訪問看護の提供を確保するため、同条第1号から第7号までに掲げる事項を内容とする規程を定めることを指定訪問看護ステーションごとに義務づけたものであること。

(16) 勤務体制の確保等(基準第22条関係)

基準第22条は、利用者等に対する適切な指定訪問看護の提供を確保するため、職員の勤務体制等を規定したものであるが、このほか次の点に留意すること。

① 職員の毎月の勤務体制及び職務内容を定めること。また、看護師等については、日々の勤務体制を明確に定めるとともに、非常勤又は兼務の看護師等の勤務についても、あらかじめ計画された勤務表により行うこと。

② 同条第2項は、指定訪問看護事業者は、その雇用する看護師等によって指定訪問看護を提供するべきものであることを規定したものであり、例えば、第三者への委託等を行うことは認められないものであること。

③ 同条第3項は、指定訪問看護ステーションの各職種等にわたって、統一した運営方針のもとに指定訪問看護の提供を行い、かつ、その向上を図るため、計画的に職員の研修の機会を確保しなければならないものとしたものであること。

(17) 衛生管理等(基準第23条関係)

基準第23条は、指定訪問看護ステーションの管理者は、看護師等の清潔の保持及び健康状態の管理並びに指定訪問看護ステーションの設備及び備品等の衛生的な管理に努めるべきことを規定したものであること。特に、指定訪問看護ステーションの管理者は、看護師等が感染源となることを予防し、また看護師等を感染の危険から守るため、使い捨ての手袋等感染を予防するための備品等を備え付けるなど対策を講じる必要があること。

(18) 掲示(基準第24条関係)

基準第24条は、利用者に対し適切な指定訪問看護を提供するため、指定訪問看護ステーション内の見やすい場所に、運営規程の概要、職員の勤務体制その他の利用申込者の選択に資すると思われる事項を掲示し、周知しなければならないこととしたものであること。

(19) 秘密保持(基準第25条関係)

① 基準第25条第1項は、指定訪問看護の事業に関しては、利用者の家庭において行われる事業であることに鑑み、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者またはその家族等の秘密を漏らしてはならないこととしたものであること。また、訪問看護情報提供療養費に係る市町村等への情報提供の際についても、必ず本人又はその家族等の同意を得なければならないものであること。

② 同条第2項は、指定訪問看護事業者に対して、過去に当該指定訪問看護ステーションの従業者であった者が、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことがないよう必要な措置を取ることを義務づけたものであり、具体的には、指定訪問看護事業者は、当該指定訪問看護ステーションの従業者が従業者でなくなった後においてもこれらの秘密を保持すべき旨を、従業者との雇用時等に取り決め、例えば違約金についての定めを置くなどの措置を講ずべきこととするものであること。

(20) 広告(基準第26条関係)

基準第26条は、指定訪問看護の事業が地域に開かれた事業として、利用者やその家族に対する支援機能を果たすため、必要な事項については、これを広告することができることとしたものであること。

なお、必要な事項とは次に掲げる事項であり、その内容について虚偽にわたってはならないこと。

① 指定訪問看護事業者及び指定訪問看護ステーションの名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項

② 指定訪問看護ステーションに勤務する看護師等の氏名、経歴

③ 看護師等の配置員数

④ 指定訪問看護ステーションの営業日及び営業時間

⑤ 提供されるサービスの概要

⑥ 利用料の内容

⑦ その他地方厚生(支)局長の承認を受けた事項

(21) 苦情処理(基準第27条関係)

基準第27条にいう「必要な措置」とは、具体的には、相談窓口、苦情処理の体制及び手段等当該指定訪問看護ステーションにおける利用者等からの苦情を処理するために講ずる措置の概要を明らかにし、利用申込者に指定訪問看護の内容を説明する文書に苦情に対する措置の概要についても併せて記載するとともに、指定訪問看護ステーションに掲示すること等であること。

(22) 事故発生時の対応(基準第28条関係)

基準第28条は、利用者が安心して指定訪問看護の提供を受けることができるよう、指定訪問看護事業者は、利用者に対する指定訪問看護の提供により事故が発生した場合は、全国健康保険協会、後期高齢者医療広域連合又は健康保険組合、当該利用者の家族等に対して連絡を行う等の必要な措置を講じるべきこととするとともに、当該利用者に対する指定訪問看護の提供により賠償すべき事故が発生した場合は、損害賠償を速やかに行わなければならないこととしたものである。

このほか、以下の点に留意するものとする

① 利用者に対する指定訪問看護の提供により事故が発生した場合の対応方法については、あらかじめ指定訪問看護事業者が定めておくことが望ましいこと。

② 指定訪問看護事業者は、賠償すべき事態において速やかに賠償を行うため、損害賠償保険に加入しておくか、又は賠償資力を有することが望ましいこと。

③ 指定訪問看護事業者は、事故が生じた際にはその原因を解明し、再発生を防ぐための対策を講じること。

(23) 会計の区分(基準第29条関係)

① 基準第29条は、指定訪問看護事業者は、指定訪問看護ステーションごとに経理を区分するとともに、指定訪問看護の事業の会計とその他の事業の会計を区分しなければならないこととしたものであること。

② 具体的な会計処理の方法等については、「指定老人訪問看護の事業及び指定訪問看護の事業の会計・経理準則の制定について」(平成7年6月1日老健第122号・保発第57号厚生省老人保健福祉局長・保険局長連名通知)によることとしたものであること。

(24) 記録の整備(基準第30条関係)

基準第30条は、指定訪問看護の事業の日々の運営及び利用者に対する指定訪問看護の提供等に関する事項を記録し、常時当該指定訪問看護の事業の状況を適正に把握するため、少なくとも次に掲げる記録をその完結の日から2年間備えておかなければならないこととしたものであること。

① 管理に関する記録

イ 事業日誌

ロ 職員の勤務状況、給与及び研修等に関する記録

ハ 月間及び年間の事業計画表及び事業実施状況表

② 市町村等との連絡調整に関する記録

③ 指定訪問看護に関する記録

イ 記録書

ロ 指示書、訪問看護計画書及び訪問看護報告書

ハ 市町村等に対する情報提供書

④ 会計経理に関する記録

⑤ 設備及び備品等に関する記録

(25) 事業報告(基準第31条関係)

基準第31条は、指定訪問看護ステーションの管理者は、その管理する指定訪問看護ステーションに関して、指定訪問看護の事業について、報告しなければならない旨定めたものであること。

なお、具体的な事業報告の方法等については、別に通知するところによるものであること。