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○「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について」の一部改正について

(令和2年2月7日)

(雇均発0207第1号)

(各都道府県労働局長あて厚生労働省雇用環境・均等局長通知)

(公印省略)

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号。以下「法」という。)については、平成27年10月28日付け職発1028第2号・雇児発1028第5号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について」(以下「解釈通達」という。)により、その趣旨及び内容を示し、これに基づく行政指導等を指示してきたところである。

令和元年6月5日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号。以下「改正法」という。)が公布され、令和元年12月27日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和元年厚生労働省令第86号)及び事業主行動計画策定指針の一部を改正する告示(令和元年内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第1号)が公布及び告示され、令和2年6月1日(一部令和2年4月1日、令和4年4月1日)から施行及び適用することとされたことに伴い、解釈通達の一部を別紙の新旧対照表のとおり改め、同日から適用することとしたので、その円滑な実施を図るよう配慮されたい。

○ 別添一覧

(別紙)平成27年10月28日付け職発1028第2号・雇児発1028第5号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について」新旧対照表

(参考資料)平成27年10月28日付け職発1028第2号・雇児発1028第5号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について」溶け込み版

[別紙]

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様式第1号(省令第一条及び第五条関係)

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様式第2号(次世代則第一条の二及び第二条並びに女活省令第一条及び第五条関係)

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様式第3号

様式第4号

様式第5号

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様式第6号

様式第7号

様式第8号

様式第9号

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様式第10号

改正後全文

○女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について

(平成27年10月28日)

(/職発1028第2号/雇児発1028第5号/)

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

最終改正 令和2年2月7日雇均発0207第1号

(公印省略)

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号。以下「法」という。)については、平成27年9月4日に公布され、同日付け雇児発0904第1号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の公布について」により、雇用均等・児童家庭局長から貴職宛通達されたところである。

これに伴い、平成27年10月28日に女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令(平成27年厚生労働省令第162号。以下「省令」という。)及び事業主行動計画策定指針(平成27年内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第1号)が公布され、法の公布の日(一部平成28年4月1日)から施行されているところである。

令和元年6月5日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第24号。以下「改正法」という。)が公布され、同日付け雇均発0605第1号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律について」により、改正法の内容が貴職宛て通達されたところであるが、令和元年12月27日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(令和元年厚生労働省令第86号。以下「整備省令」という。)及び事業主行動計画策定指針の一部を改正する告示(令和元年内閣官房、内閣府、総務省、厚生労働省告示第1号。以下「改正告示」という。)が公布及び告示され、令和2年6月1日(一部令和2年4月1日、令和4年4月1日)から施行及び適用することとされた。

これら法等の都道府県労働局に関係する部分(民間事業主に関する部分)の主たる内容等は下記のとおりであるので、その的確な施行に遺漏なきを期されたい。

第1 法制定及び改正の経緯

我が国における15歳から64歳までの女性の就業率は、着実に上昇してきているが、就業を希望しているものの育児・介護等を理由に働いていない女性(女性の非労働力人口のうち就業希望者)は約240万人に上る。さらに、子育て期の女性に焦点を当てると、第一子出産を機に約5割の女性が離職するなど出産・育児を理由に離職する女性は依然として多い。

また、雇用形態を見ると、女性は出産・育児等による離職後の再就職にあたって非正規雇用労働者となる場合が多いことなどから、女性雇用者における非正規雇用労働者の割合は約6割となっている。

さらに、管理的職業従事者(就業者のうち、会社役員、企業の課長相当職以上、管理的公務員等)における女性の割合は約15%(平成30年)と低い水準にとどまっており、近年ゆるやかな上昇傾向にあるものの、欧米諸国のほか、アジア諸国と比べても低い状況にある。

このように、働く場面において女性の力が十分に発揮できているとはいえない状況を踏まえると、働くことを希望する女性が、その希望に応じた働き方を実現できるよう社会全体として取り組んでいくことが重要である。

一方、我が国は急速な人口減少局面を迎えており、将来の労働力不足が懸念されている。さらに、国民のニーズの多様化やグローバル化等に対応するためには、企業等における人材の多様性(ダイバーシティ)を確保することが不可欠であり、新たな価値を創造し、リスク管理等への適応能力を高めるためにも、女性の活躍の推進が重要と考えられる。

このため、女性の活躍推進の取組を一過性のものに終わらせることなく着実に前進させるべく、民間事業者及び国・地方公共団体といった各主体が女性の活躍推進に向けて果たすべき役割を定める新たな法的枠組みを構築することとし、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律を制定することとしたものである。

さらに、法附則に基づく法施行3年後の見直しを行い、女性活躍の取組を更に推進するため、一般事業主行動計画の策定等の義務の対象拡大などを内容とする法改正を行うこととしたものである。

第2 法の概要

1 目的(法第1条)

(1) 法は、近年、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性がその個性と能力を十分に発揮して職業生活において活躍すること(以下「女性の職業生活における活躍」という。)が一層重要となっていることに鑑み、男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進について、その基本原則を定め、関係者の責務を明らかにするとともに、基本方針及び事業主の行動計画の策定、支援措置等について定めることにより、女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、かつ、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化その他の社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会を実現することを目的とするものとしたこと。

(2) 「男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)の基本理念にのっとり」とは、本法が男女共同参画社会基本法第3条から第7条までに規定されている「基本理念」を念頭に置き、その趣旨に従うものであることを規定するものであること。

2 基本原則(法第2条)

(1) 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活における活躍に係る男女間の格差の実情を踏まえ、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性に対する採用、教育訓練、昇進、職種及び雇用形態の変更等に関する機会の積極的な提供及びその活用を通じ、かつ、性別による固定的な役割分担等を反映した職場における慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響に配慮して、その個性と能力が十分に発揮できるようにすることを旨として、行われなければならないものとしたこと。

(2) 女性の職業生活における活躍の推進は、職業生活を営む女性が結婚、妊娠、出産、育児、介護等の事由によりやむを得ず退職することが多いことその他の家庭生活に関する事由が職業生活に与える影響を踏まえ、家族を構成する男女が、男女の別を問わず、相互の協力と社会の支援の下に、育児、介護等について家族の一員としての役割を円滑に果たしつつ職業生活における活動を行うために必要な環境の整備等により、男女の職業生活と家庭生活との円滑かつ継続的な両立が可能となることを旨として、行われなければならないものとしたこと。

(3) 女性の職業生活における活躍の推進に当たっては、本人の意思が尊重されるべきものであることに留意されなければならないものとしたこと。

(4) 「家族を構成する男女」とは、必ずしも婚姻関係だけを指すものではなく、婚姻(事実婚含む。)、血縁等を基礎として生活上の関係を有する社会の自然かつ基礎的な集団単位を指す幅広い概念を指しているものであり、一人親世帯や独身者を施策や取組の対象外とする趣旨のものではないこと。

3 関係者の責務(法第3条及び第4条)

国及び地方公共団体並びに事業主の責務を定めるものとしたこと。

4 基本方針等(法第5条及び第6条)

(1) 政府は、基本原則にのっとり、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならないものとしたこと。

(2) 都道府県及び市町村は、基本方針(市町村にあっては、都道府県推進計画が策定されている場合には、基本方針及び都道府県推進計画)を勘案して、区域内における女性の職業生活における活躍の推進に関する施策についての計画を定めるよう努めるものとしたこと。

5 事業主行動計画策定指針(法第7条)

(1) 内閣総理大臣、厚生労働大臣及び総務大臣は、基本方針に即して、一般事業主行動計画及び特定事業主行動計画の策定に関する指針(以下「事業主行動計画策定指針」という。)を定めなければならないものとしたこと。

なお、事業主行動計画策定指針のうち、特定事業主行動計画に係る部分については、主務大臣は内閣総理大臣及び総務大臣であり、一般事業主行動計画に係る部分については、主務大臣は厚生労働大臣であること。

(2) 事業主行動計画策定指針の各項について

ア はじめに

事業主行動計画策定指針の位置付け、基本方針との関係等ついて明らかにしたものであること。

イ 一般事業主行動計画

一般事業主行動計画に関する事項として、女性の活躍の意義、現状及び課題、女性の活躍推進及び行動計画策定に向けた手順、女性の活躍推進に関する効果的な取組について示すものであること。

(ア) 女性活躍の意義、現状及び課題

「女性の活躍」とは、一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることであり、あらゆる職階や非正規雇用を含めたあらゆる雇用形態等で働く一人一人の女性が、その個性と能力を十分に発揮できることを目指して推進する必要があること。また、我が国には採用から登用に至るあらゆる雇用管理の段階において、男女間の事実上の格差が残っていること。我が国の女性の活躍が十分でない現状は、まずこうした男女間の事実上の格差から生じており、その背景には、固定的な性別役割分担意識と、それと結びついた長時間労働等の働き方があること。

(イ) 女性の活躍推進及び行動計画策定に向けた手順

法においては、国及び地方公共団体と、常時雇用する労働者の数が300人(令和4年4月1日以降は100人、以下この(イ)柱書きにおいて同じ。)を超える事業主については、自らの事業における女性の活躍に関する状況把握・課題分析、一般事業主行動計画の策定、周知・公表、自らの事業における女性の活躍に関する情報の公表が義務づけられており、常時雇用する労働者の数が300人以下の事業主については、これらの努力義務が課されているが、これらの義務又は努力義務の履行に当たり踏まえることが重要である事項について示すものであること。

① 女性の活躍の推進に向けた体制整備

女性の活躍推進に向けた取組を効果的に行うためには、組織全体の理解の下に進めることが重要であり、組織トップの関与の下に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)第13条の2の男女雇用機会均等推進者等の専任の担当者を配置するなど実務体制の整備等が重要であること。なお、同法附則第2項の規定により、法の有効期限までの間は、一般事業主行動計画に基づく取組や情報公表の推進のための措置に関する業務も男女雇用機会均等推進者の業務とされているものであること。

また、一般事業主行動計画の策定に当たっては、非正社員を含め、幅広い男女労働者の理解と協力を得ながら取り組んでいくことが重要であり、このため、例えば人事労務担当者や現場管理職に加え、男女労働者や労働組合等の参画を得た一般事業主行動計画策定のための体制(委員会等)を設けることが効果的であること。

さらに、法に基づく状況把握項目として把握した数字以外の定性的な事項も含めた職場の実情の的確な把握を行うことも重要である。このため、一般事業主行動計画の策定の過程において、必要に応じて、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や、意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要であること。

② 状況把握・課題分析

状況把握・課題分析の意義は、自らの組織が解決すべき女性の活躍に向けた課題を明らかにし、一般事業主行動計画の策定の基礎とすることにあるが、我が国の事業主においては、女性の採用割合が少ないこと、第一子出産前後の女性の継続就業が困難であること、男女を通じた長時間労働の状況があり仕事と家庭の両立を妨げていること、管理職に占める女性比率が低いこと等の課題を抱える場合が多いため、省令第2条第1項各号に掲げる事項のうち、第1号から第4号までに掲げる事項(以下「基礎項目」という。)について課題分析・状況把握を行い、課題があると判断された事項については更にその原因分析を深めることが望ましいこと。

この点、雇用管理区分ごとの男女の賃金の差異の状況は、行動計画の策定等による取組の結果、特に女性の継続就業や登用の進捗を測る観点から有効な指標となり得ることから、各企業の実情を踏まえつつ、この指標の積極的な把握に努めることが重要であること。

③ 行動計画の策定

(i) 行動計画の策定対象となる課題の選定

行動計画においては、①計画期間、②数値目標、③取組内容及び実施時期を定めるものとされていること(法第8条第2項)。

また、行動計画の策定に際しては、状況把握・課題分析を行い、その結果を勘案して定めなければならないものとされていること(法第8条第3項及び第8項)。

(ii) 計画期間の決定

計画期間の決定においては、計画期間内に数値目標の達成を目指すことを念頭に、平成28年度から令和7年度までの10年間を、各事業主の実情に応じておおむね2年間から5年間に区切るとともに、定期的に一般事業主行動計画の進捗を検証しながら、その改定を行うことが望ましいこと。

(iii) 数値目標の設定

数値目標の設定の対象については、状況把握・課題分析の結果、各事業主にとって課題であると判断されたものに対応すべきであり、必ずしも、管理職に占める女性比率の上昇等に向けた数値目標である必要はないこと。

他方で、職業生活における女性の継続的な活躍を推進していくためには、①その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供と②その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する取組をバランスよく進めていくことが重要であるため、常時雇用する労働者が300人を超える事業主については、原則、①②のそれぞれの区分の状況把握項目から1つ以上選択し、関連する数値目標を設定するものとしたこと。

また、常時雇用する労働者が300人以下の事業主においては、まずは、各事業主にとって最も大きな課題と考えられるものから優先的に数値目標の設定を行うことが考えられるが、できる限り積極的に複数の課題に対応する数値目標の設定を行うことが効果的であること。

(iv) 取組内容の選定・実施時期の決定

取組内容の選定・実施時期の決定に際しては、まず、状況把握・課題分析の結果、数値目標の設定を行ったものについて、優先的にその数値目標の達成に向けてどのような取組を行うべきか検討を行うことが基本であり、検討の際は、組織全体にわたって、性別にかかわりのない公正な採用・配置・育成・評価・登用が行われるように徹底していくことが必要であること。

その上で、我が国全体でみると、依然として、第一子出産前後の継続就業が困難なことが大きな課題となっているが、女性の活躍推進に早期から取り組んできた事業主の経験からは、両立支援制度の整備のみを進めても、両立支援制度を利用しながら女性が活躍していくことに協力的な職場風土が形成されていない場合や、長時間労働等働き方に課題がある職場の場合は、十分な効果が現れていないことが指摘されていることに留意する必要があること。したがって、職場風土や長時間労働等の働き方に関する課題を有する事業主においては、併せてその是正に取り組むことが効果的であること。

さらに、取組内容については、事業主行動計画策定指針の別紙二の方法を参考に、内容及び実施時期を併せて決定することが必要であること。なお、実施時期については、計画期間終了時までを実施時期とするものについては、その旨を個別に記載する必要はないこと。

(v) その他

派遣労働者については、女性の活躍推進の取組は、採用・配置・育成・継続就業等、一人一人の職業生活を通じた取組が求められることから、派遣元事業主が責任を持って、状況把握・課題分析を行い、一般事業主行動計画の策定等に取り組む必要があること。

他方、職場風土改革に関する取組や長時間労働の是正は、職場単位で行うことも重要であることから、派遣先事業主は、派遣労働者も含めて全ての労働者に対して取組を進めていくことが求められること。

また、これら職場風土に関する課題や長時間労働という課題については、派遣元事業主は、派遣労働者の派遣先ごとに状況把握・課題分析を行い、必要な場合には、派遣先の人事労務担当者と話合いを行うなど、取組を推進するよう働きかけるとともに、必要なフォローアップを行うことが重要であること。

一般事業主行動計画については、男女雇用機会均等法に違反しない内容とすることが必要である。

男女雇用機会均等法においては、募集・採用・配置・昇進等において女性労働者を優先的に取り扱う措置のうち、同法に違反しないものは、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない雇用管理区分における措置であるなど、一定の場合に限られるとしている(労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針(平成18年厚生労働省告示第614号)第2の14(1))ことから、女性の活躍推進に向けた取組として、女性労働者を優先的に取り扱う措置を講じる場合は、この点に留意が必要であること。

なお、社内に女性管理職等のロールモデルがまだ育成されていない企業においては、外部から女性管理職等を登用することも考えられるが、男性労働者と同様に、自社で働く女性労働者を育成・登用することも重要であることに留意が必要であること。

④ 労働者に対する行動計画の周知・公表

一般事業主行動計画に定めた数値目標の達成に向けて組織全体で取り組むため、まずは、非正社員を含めた全ての労働者がその内容を知り得るように、書面の交付や電子メールによる送付等適切な方法で周知することが求められること。さらに、組織トップの主導の下、管理職や人事労務担当者に対する周知を徹底することが期待されること。

また、策定又は変更した一般事業主行動計画の公表について、適切な方法等について例示するものであること。

⑤ 行動計画の推進

一般事業主行動計画の推進に当たっては、一般事業主行動計画の策定のための体制を活用することが効果的であること・また、定期的に数値目標の達成状況や、一般事業主行動計画に基づく取組の実施状況の点検・評価を実施し、その結果をその後の取組や計画に反映させるPDCAサイクルを確立すること等が重要であること。

その際には、一般事業主行動計画の策定に際して状況把握を行った女性の活躍に関する状況の数値の改善状況についても、併せて点検・評価を行うことが効果的であること。また、各企業の実情を踏まえつつ、取組の結果を測るための指標である男女の賃金の差異の積極的な把握に努めることが重要であること。

また、一般事業主行動計画の改定に向けた検討は、職場の実情を踏まえた実施状況の的確な点検を基に行うことも重要であり、必要に応じて、労働者や労働組合等に対するアンケート調査や意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要であること。

⑥ 情報の公表

情報の公表の意義、情報の公表の項目及び方法、情報の公表の頻度について示すものであること。

情報の公表の際には、一般事業主行動計画策定の際に状況把握・課題分析した項目から選択することが基本であると考えられること。

公表に際しては、より求職者の企業選択に資するよう、情報の公表項目と併せて、一般事業主行動計画を一体的に閲覧できるようにすることが望ましいこと。

なお、各事業主が選択した項目を公表すれば足り、必ずしも全ての項目を公表しなければならないものではないが、公表範囲そのものが事業主の女性活躍推進に対する姿勢を表すものとして、求職者の企業選択の要素となることに留意が必要であること。

⑦ 認定

認定を受けた事業主であることを幅広く積極的に周知・広報することにより、優秀な人材の確保や企業イメージの向上等のメリットにつながることから、認定に向けて積極的な取組が期待されること。

(ウ) 女性の活躍推進に関する効果的な取組

各事業主の実情に応じて、必要な取組を検討する際には、事業主行動計画策定指針の別紙二に示す女性の活躍推進に関する効果的な取組例を参考にすることが求められること。

6 一般事業主行動計画の策定等(法第8条第1項及び第2項)

(1) 基本的考え方

一般事業主行動計画の策定、実施等を通じ、一般事業主による女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を促進するため、一般事業主行動計画の策定及び、策定した場合の届出等について規定するものであること。

また、一般事業主は、一般事業主行動計画を定めようとするときは、省令で定めるところにより、採用した労働者に占める女性労働者の割合、男女の継続勤務年数の差異、労働時間の状況、管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合等のその事業における女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し、女性の職業生活における活躍を推進するために改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案して、これを定めなければならないものとしていること。

一般事業主行動計画の策定及び策定した旨の厚生労働大臣に対する届出については、中小企業の事務負担等を勘案し、常時雇用する労働者数が300人を超える一般事業主について義務を課しているが、本来、一般事業行動計画の策定、実施を始めとする女性の活躍の推進に関する取組は、企業規模を問わず、全ての事業主において行われるべきものであることから、常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主についても努力義務としていること。

この点、社会全体で女性活躍を一層推進するためには、計画的なPDCAサイクルを促す行動計画の策定に、より多くの企業が取り組むことが必要であることから、一般事業主行動計画の策定及び策定した旨の厚生労働大臣に対する届出については、負担軽減にも配慮しつつ、令和4年4月1日以降、その義務の対象を常時雇用する労働者数が100人を超える一般事業主まで拡大することとしたこと。

さらに、策定した一般事業主行動計画について、従業員の理解を得ながら企業全体で女性の活躍を推進するため、一般事業主行動計画を策定又は変更したときは労働者に周知させるための措置を講じなければならない旨について規定するものであること。

(2) 一般事業主とは、国及び地方公共団体以外の労働者を雇用して事業を行う全ての事業主を指し、個人事業主にあってはその事業主個人、会社その他の法人組織の場合はその法人そのものを指すものであること。したがって、独立行政法人、日本郵政公社、国立大学法人、大学共同利用機関法人及び地方独立行政法人は、一般事業主に該当すること。

(3) 「常時雇用する労働者」とは、雇用契約の形態を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者を指すものであり、次のような者は常時雇用する労働者となること。

ア 期間の定めなく雇用されている者

イ 一定の期間を定めて雇用されている者又は日々雇用される者であってその雇用期間が反復更新されて事実上アと同等と認められる者。すなわち、過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者

(4) 常時雇用する労働者数が300人(令和4年4月1日以降は100人。以下この(4)及び(8)から(10)までにおいて同じ。)を超える一般事業主が一般事業主行動計画を策定したときは、当該一般事業主行動計画自体ではなく、「一般事業主行動計画策定・変更届」(以下「策定等届」という。)により、一般事業主行動計画を策定した旨を届け出なければならないものであること。届出が必要な事項については省令第1条各号に示されているが、その要件を満たすものとして参考様式を様式第1号に示すものであること。

一般事業主行動計画を変更したときも、策定したときと同様に、その旨を届け出なければならないこととされていること。

常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主にあっては、一般事業主行動計画を定め、又は変更した旨の届出をするよう努めなければならないとされていること。

なお、常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主であっても、その後、常時雇用する労働者数が300人を超えた場合にあっては、その時点から一般事業主行動計画を策定し、又は変更した旨を届け出る義務が課されるものであること。

次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号。以下「次世代法」という。)に基づく一般事業主行動計画と法に基づく一般事業主行動計画を一体的に定める場合は、両法に基づく厚生労働大臣への届出も一体的に行うことができるものであること。この場合においては、一体として策定した行動計画が両法に定める要件を満たしている必要があり、定める計画の計画期間が同一である場合に限ること。この場合における策定等届の様式については、様式第2号により届け出られる必要があるものであること。

(5) 「行動計画策定指針に即して」とは、一般事業主行動計画を作成するに当たっては、事業主行動計画策定指針の「第二部 一般事業主行動計画」並びに「別紙一」及び「別紙二」の内容を踏まえて策定しなければならないという趣旨であること。

なお、事業主行動計画策定指針の「別紙二」に掲げられている内容は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し重要と考えられる事項を例示しているものであり、その全ての項目を一般事業主行動計画に盛り込む必要はなく、各事業主の実情に応じて、必要な事項を一般事業主行動計画に定めることが望ましいこと。

(6) 一般事業主行動計画には、計画期間、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施により達成しようとする目標並びに実施しようとする女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の内容及びその実施時期を定めること。

(7) 目標について、「数値を用いて定量的に定めなければならない」とは、実数、割合、倍数等数値を用いたものであればいずれでもよいこと。

(8) 一般事業主行動計画の策定義務のある一般事業主が、一般事業主行動計画を策定し、又は変更した場合には、当該一般事業主行動計画自体を労働者に周知させるための措置を講じなければならないものであること。常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主にあっては、一般事業主行動計画を定め、又は変更した場合には、同様に行動計画を労働者に周知させるための措置を講じなければならないものであること。

(9) 一般事業主行動計画の策定義務のある一般事業主が、一般事業主行動計画を定め、又は変更した場合には、当該一般事業主行動計画自体を公表しなければならないものであること。常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主にあっては、一般事業主行動計画を定め、又は変更した場合には、同様に行動計画を公表しなければならないものであること。

(10) 一般事業主行動計画を策定・変更した場合の届出

常時雇用する労働者数が300人を超える一般事業主が一般事業主行動計画を定めたときは、省令第1条各号に掲げる事項を記載した届出書をその住所を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄都道府県労働局長」という。)に提出しなければならないものとすること(省令第1条)。

「女性の職業生活における活躍に関する状況の分析の概況」とは、法第8条第3項に基づき把握したその事業における女性の職業生活における活躍に関する事項について記載すれば足りること。

また、常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主が一般事業主行動計画を策定した旨の届け出を行う場合も同様とされていること(省令第5条)。

常時雇用する労働者数が300人を超える一般事業主は、一般事業主行動計画を変更したときは、策定等届に必要な事項を記載して、当該策定等届一通を所轄都道府県労働局長あて提出しなければならないものとされていること。

7 女性の職業生活における活躍の推進に関する状況の把握(法第8条第3項)

(1) 一般事業主行動計画の策定に際して女性の職業生活における活躍に関する状況を把握するに当たっては、直近の事業年度におけるその事業における女性の職業生活における活躍に関する状況に関し、基礎項目を把握するとともに、必要に応じて省令第2条第5号から第24号までに掲げる事項(以下「選択項目」という。)を把握しなければならないとされていること。

基礎項目で「雇用管理区分ごとに把握」することとされている項目については、全ての雇用管理区分について把握しなければならないこと。

一方、選択項目については、基礎項目の状況把握・課題分析の結果、事業主にとって課題であると判断された事項について、さらにその原因の分析を深めることが望ましく、その際に活用することが効果的な項目として定めるものであること。選択項目については、把握するか否かも含めて任意であることから、雇用管理区分ごとに把握すべきとされた選択項目を雇用管理区分ごとで把握していない場合には、法に基づく状況把握をしたこととはならないが、法律上違反となるものではないこと。このため、派遣労働者も含め、どの雇用管理区分までを把握するか、どの雇用管理区分をまとめて把握するかなどは、各事業主の実情に応じて判断することとしても法律上違反となるものではないこと。

(2) 「雇用管理区分」とは、職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者の区分であって、当該区分に属している労働者について他の区分に属している労働者とは異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいうこと。雇用管理区分が同一か否かについては、当該区分に属する労働者の従事する職務の内容、転勤を含めた人事異動の幅や頻度等について、同一区分に属さない労働者との間に、客観的・合理的な違いが存在しているか否かにより判断されるものであり、その判断に当たっては、単なる形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して行う必要があるものであること。

(3) 状況把握項目として定めた24項目については、女性の活躍推進に当たって、我が国全体の課題として考えられるものを踏まえて定めたものであるが、基礎項目の4項目については、とりわけ多くの企業に該当する課題を明らかにする項目として定めたものであること。

雇用管理区分ごとに把握することとされている項目については、適切な課題分析の観点から、雇用管理区分ごとに実態が異なる可能性がある項目について、雇用管理区分ごとに把握すべき項目として定めたものであること。

また、派遣労働者を含めて把握することとされている項目については、職場風土に関する課題や長時間労働など、派遣元のみならず派遣先においても状況把握・課題分析を行うことが有効と考えられる項目について、その対象としていること。

(4) 状況把握項目

ア 省令第2条第1項第2号の「男女の平均継続勤務年数の差異」については、期間の定めのない労働契約を締結している労働者及び同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(期間の定めのある労働契約をいう。)の契約期間の通算契約期間が5年を超える労働者を対象とすること。これは、労働契約法(平成19年法律第128号)第18条において有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合は、有期労働契約労働者が期間の定めのない労働契約に転換を申し込むことができる権利が発生する仕組みが設けられていることを参考としているものであること。

イ 省令第2条第1項第3号の「時間外労働及び休日労働の合計時間数」とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)第36条第1項本文の規定により同項に規定する労働時間(一週40時間、一日8時間等)を延長し、又は休日労働させた場合における、その時間数をいうこと。ただし、これにより難い場合については、各月の労働者の総労働時間から各月の労働者の法定労働時間の合計を引いた時間数を把握することとしても差し支えないこと。

また、「時間外労働及び休日労働の合計時間数等の労働時間の状況」の把握対象者については、非正規雇用労働者(通常の労働者(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号。以下「パート・有期雇用労働法」という。)第2条に規定する通常の労働者をいう。以下同じ。)以外の労働者をいう。)も含めた全労働者の労働時間(高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者(労働基準法第41条の2第1項の規定により労働する者をいう。以下同じ。)にあっては、健康管理時間)の状況を把握する必要があること。なお、事業場外みなし労働時間制の適用を受ける労働者(労働基準法第38条の2第1項の規定により労働する者をいう。以下同じ。)、専門業務型裁量労働制の適用を受ける労働者(労働基準法第38条の3第1項の規定により労働する者をいう。以下同じ。)、企画業務型裁量労働制の適用を受ける労働者(労働基準法第38条の4第1項の規定により労働する者をいう。以下同じ。)、管理監督者等(労働基準法第41条各号に該当する労働者をいう。以下同じ。)、高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者及び短時間労働者(パート・有期雇用労働法第2条に規定する労働者をいう。以下同じ。)とその他の労働者とは、それぞれ区分して把握すること。

なお、「労働時間」及び「健康管理時間」の状況については、例えば、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第52条の7の3第1項及び労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第67号)第34条の2第8項の規定によるタイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法等より把握しているもので差し支えないこと。

ウ 省令第2条第1項第4号の「管理職」とは、「課長級」及び課長級より上位の役職にある労働者の合計をいうこと。

「課長級」とは、次のいずれかに該当する者をいうこと。

① 事業所で通常「課長」と呼ばれている者であって、その組織が二係以上からなり、若しくは、その構成員が10人以上(課長を含む。)のものの長

② 同一事業所において、課長の他に、呼称、構成員に関係なく、その職務の内容及び責任の程度が「課長級」に相当する者(ただし、一番下の職階ではないこと。)

エ 省令第2条第1項第5号の「採用における競争倍率」とは、応募者の数を採用者の数で除して得た数をいうものであること。この場合の「応募者」とは、募集に応じて労働者になろうとする者をいうものであるが、採用選考の過程において性別により採用がされにくいといった事情がないか否かを把握するための事項であるため、原則、労働者が募集に対して応じる意思表明をしており、実質的な採用選考が始まった段階の人数を把握することが効果的と考えられること。

オ 省令第2条第1項第8号の「将来の人材育成を目的とした教育訓練」とは、例えば、管理職の養成に向けた選抜研修などの男女別の受講率などを把握することが考えられること。

カ 省令第2条第1項第9号の管理職及び男女の労働者の「配置、育成、評価、昇進及び性別による固定的な役割分担その他の職場風土等に関する意識」とは、例えば、意識調査の内容として、

・ 配置・育成・評価・昇進に関する事項として、

性別にかかわらない公正な業務の配分、権限の付与、評価がなされているか、仕事のやりがいを持つことができているか等や、

・ 職場風土に関する事項として、

様々なハラスメントが行われていないか、ライフイベントを通じた継続就業への理解がある職場環境か等

を調査することが考えられること。

キ 省令第2条第1項第10号の「男女別の継続雇用割合」の把握対象者は、「新規学卒者等」として雇い入れたものに限ること。「新規学卒者等」とは、学校若しくは専修学校を卒業した者若しくは新たに職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第15条の7第1項各号に掲げる公共職業能力開発施設(第4号の職業能力開発促進センターを除く。)の行う職業訓練を修了した者又はこれに準ずる者をいうものであり、「準ずる者」とは、既卒者であって新規学卒者と同じ採用枠で採用したものをいうこと(以下同じ。)。

ク 省令第2条第1項第12号の「職業生活と家庭生活との両立を支援するための制度」とは、例えば、育児休業以外の両立支援制度(短時間勤務制度、所定外労働の免除等)をいい、社内独自の制度も含むこと。

ケ 省令第2条第1項第16号の「役員」とは、会社法上の役員(取締役、会計参与及び監査役)並びにその職務の内容及び責任の程度が「役員」に相当する者を指すこと。

コ 省令第2条第1項第17号の「事業年度の開始の日における各職階の」労働者の数に対する「当該事業年度の開始の日に属していた各職階から一つ上位の職階に昇進した」労働者の数の割合は、当該事業年度中の昇進率をみるものであること。

サ 省令第2条第1項第18号の「男女の人事評価の結果における差異」とは、例えば、人事評価の評価段階ごとの男女別分布や高評価者の男女別分布を把握することなどが考えられること。

シ 省令第2条第1項第21号の「再雇用」とは、過去に在籍した労働者を再び雇用することをいい、定年後に雇い入れる場合は除くこと(以下同じ。)。また、「中途採用」とは、新規学卒者等及び定年後の者以外の雇入れをいうこと(以下同じ。)。

ス 省令第2条第1項第24号の「賃金」とは、労働基準法第11条に規定する「賃金」をいい、具体的には、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払う全てのものをいうこと。

8 数値目標の設定(法第8条第2項第2号及び第3項)

計画に定める目標については、数値を用いて定量的に定めなければならないものとし、定めた一般事業主行動計画に基づく取組を実施するとともに、目標を達成するよう努めなければならないものとしたこと。また、施行の日(令和2年4月1日)以降にその計画期間が開始したものについては、常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主においては、各事業主の状況に応じた自主的な判断を尊重しつつ、法第4条の責務を踏まえた取組が一層進むよう、状況把握項目を①その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する項目と②その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する項目に区分し、各区分について1項目以上(計2項目以上)を選択して関連する数値目標を設定することとしたが、施行の日前にその計画期間が開始したものについては、この限りではないこと(省令第2条の2、整備省令附則第2条第1項)。また、省令第2条の2の「取組のいずれか一方が既に進んでおり、他の区分に関する取組を集中的に実施することが適当と認められる場合」とは、例えば、状況把握・課題分析の結果、各事業主において、いずれか一方の区分に関する取組の実績が、他の区分に関する取組の実績に比べて優良であり、①及び②に関する取組をバランスよく進めていく上で他の区分に関する取組を集中的に実施することが適当と認められる場合などをいうこと。

なお、令和4年4月1日から行動計画の策定等の義務の対象となる常時雇用する労働者が100人を超え300人以下である事業主については、数値目標を1項目以上設定すれば足りること。

9 一般事業主行動計画の労働者への周知(法第8条第4項)

一般事業主行動計画の策定が義務である一般事業主が一般事業主行動計画を策定又は変更したときは、事業所の見やすい場所へ掲示すること、書面を労働者へ交付すること又は電子メールを利用して労働者へ送信することその他の適切な方法により労働者への周知をするための措置を講じなければならないものとされていること(省令第3条)。この労働者への周知をするための措置は、策定後遅滞なく行わなければならないものであること。

その他の適切な方法として、例えば、事業所への備え付けによって労働者に一般事業主行動計画の周知を行う場合は、労働者に対し備え付けの場所が十分に周知されており、かつ、労働者にとって手に取りやすい場所に備え付けるなど、労働者が容易に一般事業主行動計画を随時確認することができるようにする方法が考えられること。

また、一般事業主行動計画の策定が努力義務である一般事業主が一般事業主行動計画を策定又は変更したときに労働者への周知をする場合も同様とされていること(省令第6条)。

10 一般事業主行動計画の公表の方法(法第8条第5項)

一般事業主行動計画の策定が義務である一般事業主が一般事業主行動計画を定め又は変更したときは、インターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならないものとされていること(省令第4条)。この公表は、策定後遅滞なく行わなければならないものであること。

「インターネットの利用」とは、厚生労働省がインターネット上に開設する「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページの利用等を指すものであること。

その他の適切な方法としては、「日刊紙への掲載」「県の広報誌」等の一般の者が一般事業主行動計画を知り得る状況にする方法が考えられるが、インターネットの利用が不可能な一般事業主については、事務所の見やすい場所に備え付ける等の方法により、求めに応じて一般の者が一般事業主行動計画を知り得るようにする方法も差し支えないこと。

また、一般事業主行動計画の策定が努力義務である一般事業主が一般事業主行動計画を策定又は変更したときに公表をする場合も同様とされていること(省令第6条)。

11 基準に適合する一般事業主の認定(法第9条)

(1) 基本的考え方

法においては、女性の職業生活における活躍を推進するために、法第4条において、女性に対する職業生活に関する機会の積極的な提供、職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備等の取組に努めることを事業主の責務としていることを踏まえ、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が優良な事業主を評価することを通じ、更なる取組を推奨する仕組みとして、認定制度が設けられたものであること。具体的には、一般事業主行動計画の策定に係る届出をした一般事業主からの申請に基づき、当該一般事業主が省令で定める基準に適合するものである旨の認定を、厚生労働大臣が行うことができるものであること。

(2) 法第9条に基づく認定は、一般事業主行動計画を定め、届け出た一般事業主であれば、その常時雇用する労働者の数にかかわらず認定の対象になるものであること。

(3) 認定の基準等(省令第8条)

法第9条に基づく認定に係る認定基準については、労働市場等において認定取得事業主が評価されることを通じ、事業主の取組を促進するため、現に働いている女性やこれから働こうとする女性が子育て等をしながらでも活躍しやすい企業環境であるか、すなわち、採用から登用に至る各ステージにおいて女性の活躍に向けた大きな課題がなく能力が発揮しやすい企業環境であるかという観点から定めたものであること。

上記の考えに従い、認定基準については、(1)女性の職業生活における活躍の状況に関する実績に係る基準、(2)その他の基準とし、(1)については、①採用、②継続就業、③働き方(労働時間)、④登用(配置・育成・評価等の指標)、⑤再チャレンジ(多様なキャリアコース)についての評価項目を設けていること。なお、①女性の活躍状況の水準(実績値等)と、取組による改善度合い(伸び)の両面で評価、②業種毎・企業規模毎の特性に配慮した基準となるよう設定していること。

また、全ての評価項目について基準を満たした場合に加え、一部の評価項目について基準を満たしており、満たさない項目について取組の実施と改善が見られる場合について、認定の対象とするなど、実績に係る基準を満たす項目の数に応じて複数段階の認定を設けるものとしたこと。

ア 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況に関する実績に係る基準については、次の5項目とすること。なお、雇用管理区分ごとに算出する場合において、同一の雇用管理区分に属する労働者の数がその雇用する労働者のおおむね十分の一に満たない雇用管理区分がある場合は、職務の内容等に照らし、類似の雇用管理区分と合わせて算出することができること(雇用形態が異なる場合を除く。)。

(ア) 女性の採用に大きな課題がないこととして、次のいずれかに該当すること。

① 雇用管理区分ごとに算出した女性の採用における競争倍率(直近3事業年度の平均値)に0.8を乗じて得た数が、雇用管理区分ごとに算出した男性の採用における競争倍率(直近3事業年度の平均値)よりもそれぞれ低いこと。なお、競争倍率の算出の対象となる募集については、期間の定めのない労働契約を締結する労働者として雇い入れることを目的とするものに限ること(省令第8条第1項第1号イ(1)(i))。

② 次のいずれにも該当すること(省令第8条第1項第1号イ(1)(ii))。

(i) 直近の事業年度におけるその雇用する通常の労働者に占める女性労働者の割合が産業ごとの通常の労働者に占める女性労働者の割合の平均値(当該平均値が4割を超える産業にあっては4割)以上であること。

(ii) 直近の事業年度におけるその雇用する通常の労働者の基幹的な雇用管理区分における通常の労働者に占める女性労働者の割合が産業ごとの通常の労働者の基幹的な雇用管理区分における通常の労働者に占める女性労働者の割合の平均値(当該平均値が4割を超える産業にあっては4割)以上であること。産業ごとの「平均値」は、日本標準産業分類に掲げる大分類(製造業にあっては、大分類及び中分類)ごとに雇用環境・均等局長が別に定めることとしていること。ただし、通常の労働者に雇用管理区分を設定していない一般事業主にあっては、(i)のみを満たすことで足りること。なお、「基幹的な雇用管理区分」とは、具体的には、例えば、総合職のように当該事業主の基幹的な業務を担う雇用管理区分を指すものであること。

①の基準については、採用者に占める女性労働者の割合が業種等により大きく異なることが想定される一方、男女別の競争倍率が同程度であることは、公平な採用選考が行われていればどのような業種等であれ満たすことができることから定めたものであること。また、男女の採用における競争倍率が「同程度」であることとは、男性の採用における競争倍率よりも女性の採用における競争倍率に0.8を乗じて得た数が下回っていることとしているが、これは、誤差を勘案した上で社会通念上適当と考えられることから定めたものであること。

②の基準については、女性の応募者数が多い企業は女性の競争倍率がむしろ高くなり①の基準を満たせない場合もあることから、現に女性活躍の取組を積極的に進めている企業が適切にえるぼし認定を受けられるようにするため、①とは別に通常の労働者に占める女性労働者の割合に着目した基準を設定することとしたものであること。

(イ) 女性の継続就業に大きな問題がないこととして、次の①から③までのいずれかに該当すること。ただし、③は、直近の事業年度において①及び②で定める割合を算出することができない一般事業主に限ること。

① 雇用管理区分ごとに算出した男性労働者の平均継続勤務年数に対する女性労働者の平均継続勤務年数の割合がそれぞれ0.7以上であること。なお、算出の対象者については、期間の定めのない労働契約を締結する者に限ること(省令第8条第1項第1号イ(2)(i))。

② 雇用管理区分ごとに算出した十事業年度前及びその前後の事業年度に採用した女性労働者の継続雇用割合を十事業年度及びその前後の事業年度に採用した男性労働者の継続雇用割合で除して得た数がそれぞれ0.8以上であること。なお、算出の対象者については、新規学卒者等として雇い入れたものであって、期間の定めのない労働契約を締結するものに限ること(省令第8条第1項第1号イ(2)(i))。

③ 直近の事業年度における女性の通常の労働者の平均継続勤務年数が産業ごとの女性の通常の労働者の平均継続勤務年数の平均値以上であること。産業ごとの「平均値」は、日本標準産業分類に掲げる大分類(製造業にあっては、大分類及び中分類)ごとに雇用環境・均等局長が別に定めることとしていること(省令第8条第1項第1号イ(2)(ii))。

①の基準について0.8としていないのは、平均継続勤務年数の男女差の改善には通常長期間を要すると考えられることから、全国平均の数値(男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数の割合68.9%。平成26年)を踏まえたためであること。

②の基準については、女性の正規職員の第1子出産前後の継続就業率(52.9%(女性全体38.0%)平成22年)が政府目標を達成する(女性全体の継続就業率が55%となる)場合に推計される水準(52.9×55.0/38.0=76.7(%))を踏まえて0.8としていること。正規職員の継続就業率を用いているのは、②の基準の対象者が新規学卒者等として雇い入れたものであって、期間の定めのない労働契約を締結するものに限っているからであること。また、この場合、男性の第1子出産前後の継続就業率は100%と想定していること。

なお、①の基準について実績の改善に通常長期間を要すると考えられることから、②の基準を併せて定めたものであること。

③の基準については、①及び②の割合を算出することができない場合があることから、そうした場合の代替的な基準を定めることとしたものであり、①及び②の割合を算出できない場合に限るものであること。

(ウ) 長時間労働でないこととして、以下に該当すること。

労働者一人当たりの各月ごとの時間外労働及び休日労働の合計時間数を雇用管理区分ごとに算出したものが、直近の事業年度の各月ごとに全て45時間未満であること。「時間外労働及び休日労働の合計時間数」とは、労働基準法第36条第1項本文の規定により同項に規定する労働時間(一週40時間、一日8時間等)を延長し、又は休日労働させた場合における、その時間数をいうこと。ただし、これにより難い場合については、各月の労働者の総労働時間から各月の労働者の法定労働時間の合計を引いた時間数を把握することとしても差し支えないこと。

算出の対象者については、事業場外みなし労働時間制の適用を受ける労働者、専門業務型裁量労働制の適用を受ける労働者、企画業務型裁量労働制の適用を受ける労働者、管理監督者、高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者を除くこと(省令第8条第1項第1号イ(3))。なお、労働基準法第32条及び第36条第6項(第2号及び第3号に係る部分に限る。)に違反している労働者がいないことは当然求められること。

この基準については、労働基準法第36条第4項に規定する一箇月についての限度時間を参考としていること。

(エ) 女性の登用が行われていることとして、次の①又は②のいずれかに該当すること。

① 管理職に占める女性労働者の割合が産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値以上であること。産業ごとの「平均値」は、日本標準産業分類に掲げる大分類(製造業にあっては、大分類及び中分類)ごとに雇用環境・均等局長が別に定めることとしていること(省令第8条第1項第1号イ(4))。

② 課長より1つ下の職階にある女性労働者のうち課長級に昇進した割合(直近3事業年度の平均値)を課長より1つ下の職階にある男性労働者のうち課長級に昇進した割合(直近3事業年度の平均値)で除して得た割合が0.8以上であること(省令第8条第1項第1号イ(4))。

①の基準について管理職に占める男性労働者の割合の0.8としていないのは、管理職に占める女性労働者の割合の改善には通常長期間を要すると考えられることから、産業ごとの平均値以上としたものであること。

②の基準については、管理職に占める女性労働者の割合が業種等により大きく異なる一方、男女別の登用割合が同程度であることは、公平な登用選考が行われていればどのような業種等であっても満たすことができることから定めたものであること。

なお、①の基準については実績の改善に通常長期間を要すると考えられることから、②の基準も併せて定めたものであること。

(オ) 多様なキャリアコースがあることとして、直近の3事業年度において、次の事項のうち常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主については1以上の事項、常時雇用する労働者数が300人を超える事業主については2以上の事項(通常の労働者以外の労働者を雇用し、又は派遣労働者を使用する事業主は、(i)に加え、(ii)から(iv)のうち一以上の事項)の実績があること(省令第8条第1項第1号イ(5))。

(i) 女性労働者(通常の労働者を除く。)の通常の労働者への転換又は女性の派遣労働者の通常の労働者としての雇入れ

(ii) 女性労働者のキャリアアップに資するよう行われる雇用管理区分間の転換((i)を除く。)

(iii) 女性の通常の労働者としての再雇用

(iv) おおむね30歳以上の女性の通常の労働者としての採用

イ その他の基準については省令第8条第1項第1号ハからホまでに掲げるとおりであること。

ウ 省令第8条第1項第1号ホは、(1)~(3)に掲げる事項のいずれにも該当しない場合に認定できるとしたもの。

(ア) 省令第8条第1項第1号ホ(1)は、認定の取消し又は辞退の日から起算して3年を経過するまでは、認定申請できないものとすること。

ただし、認定を受けた後、省令第8条第1項第1号イ、同条第2号イ又は同条第3号イの規定により公表された実績が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第8条第1項第1号ホ(1)の規定に基づき厚生労働省雇用均等・児童家庭局長が定める基準について」(平成29年3月30日付け雇児発0330第14号。以下「辞退通達」という。)に掲げる基準を満たさなくなったことにより、認定の辞退を行った事業主については、その辞退の日から3年を経過せずとも認定申請できるものとすること。

(イ) 省令第8条第1項第1号ホ(2)は、職業安定法(昭和22年法律第141号)第5条の5第1項第3号の規定により、公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者が求人の申し込みを受理しないことができる場合に該当する事業主については、認定申請できないものとすること。

(ウ) 省令第8条第1項第1号ホ(3)の「法及び法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がない」とは、関係法令に違反する重大な事実のあった一般事業主を認定から排除するための規定であり、軽微な違反のあった事業主まで排除するものではないこと。関係法令に違反する重大な事実のあった一般事業主については、是正等を確認してから1年間を経過するまでは、認定申請できないものとすること。

「その他関係法令」は、男女雇用機会均等法、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)、パート・有期雇用労働法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号。以下「労働施策総合推進法」という。)、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下「高年齢者雇用安定法」という。)、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号。以下「障害者雇用促進法」という。)、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号。以下「労働保険徴収法」という。)、労働基準法、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「安衛法」という。)等の関係法令をいうものであること。

「関係法令に違反する重大な事実」とは、例えば男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パート・有期雇用労働法、労働施策総合推進法に違反して勧告を受けたことや、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法又は労働者派遣法の勧告に従わず企業名が公表されたこと、労働保険徴収法に定められた労働保険料を直近2年度について滞納していること、労働基準法及び安衛法に違反して送検され、当該事案が公になったこと(なお、送検後、不起訴とされたこと又は裁判で無罪となったことを把握した場合は、当該要件に該当しないものとする。)、「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」(平成29年1月20日付け基発0120第1号)及び「裁量労働制の不適正な運用が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長による指導の実施及び企業名の公表について」(平成31年1月25日付け基発0125第1号)に基づき、当該事業主の企業名が公表されたこと等をいうものであること。

エ 認定の段階は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況に関する実績に係る基準を満たす項目の個数に応じるものであるが、具体的には、①1又は2の事項に該当する場合、②3又は4の事項に該当する場合、③すべてに該当する場合の3段階に分かれること。

オ 基準を満たす事項の実績については、厚生労働省がインターネット上に開設する「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」において、毎年少なくとも一回、公表するものとすること。

カ 実績を満たさない事項については、事業主行動計画策定指針に定められた当該事項に関する取組を実施し、2年以上連続して当該事項の実績が改善していることが求められるが、「事業主行動計画策定指針に定められた」取組とは、必ずしも事業主行動計画策定指針に盛り込まれた取組に限定されるものではなく、指針に盛り込まれた取組と同等以上に効果的と考えられる取組であれば差し支えないこと。また、取組状況の公表についてもオと同様、「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」において公表するものとすること。

12 認定一般事業主の表示等(法第10条)

(1) 認定一般事業主は、商品等の省令で定めるものに厚生労働大臣の定める表示を付することができるものとしたこと。

(2) 「商品、役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの」として、以下のものが定められていること。

ア 商品

イ 役務の提供の用に供する物

ウ 商品、役務又は一般事業主の広告

一般事業主の広告とは、会社案内等一般事業主そのものに関する広告をいうものであること。

エ 商品又は役務の取引に用いる書類又は通信

商品又は役務の取引に用いる書類とは、カタログ、注文書及び契約書等商取引の関係書類一般を指し、商品又は役務の取引に用いる通信とは、書状、ファックス等商取引に伴う書類以外の全ての通信や連絡を指すものであること。

オ 一般事業主の営業所、事務所その他の事業場

カ インターネットを利用した方法により公衆の閲覧に供する情報

いわゆるインターネットホームページを指すものであること。

キ 労働者の募集の用に供する広告又は文書

いわゆる求人広告又は求人票等を指すものであること。

(3) 法第9条の規定による認定一般事業主以外の者が(2)に掲げるもの等における表示又はこれと紛らわしい表示をしてはならないこととされていること。

13 認定の取消し(法第11条)

(1) 厚生労働大臣は、認定一般事業主が法第9条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき、法又は法に基づく命令に違反したとき、不正の手段により認定を受けたと認めるときは、同条の認定を取り消すことができるものとされたこと。

(2) 「基準に適合しなくなったと認めるとき」として、以下の場合には、認定の取消しを検討するものとすること。

① 認定を受けた後、省令第8条第1項の規定より公表された実績が、辞退通達に掲げるいずれかの基準に適合せず、同公表の翌年度の公表においても、同一の基準に関し、当該状況が継続しており、認定を受けている段階が求める実績に係る基準の項目の数を満たせなくなった場合

② 認定取得時以降の省令第8条第1項の規定による公表を2年間にわたり怠った場合

(3) 認定一般事業主がその認定を取り消された場合又は辞退を申し出た場合において当該取消し又は辞退の日以後は、当該取消し又は辞退に係る認定に係る法第10条に基づく表示を付することはできないものであること。

14 基準に適合する認定一般事業主の認定(特例認定)(法第12条)

(1) 基本的考え方

認定取得のインセンティブを強化し、認定企業における更なる女性活躍の取組を推進する仕組みとして、法第9条による認定よりも更に水準の高い特例認定制度が設けられたものであること。具体的には、認定一般事業主からの申請に基づき、当該認定一般事業主が、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が特に優良なものであることその他の省令で定める基準に適合するものである旨の認定を、厚生労働大臣が行うことができるものであること。

(2) 法第12条に基づく認定は、認定一般事業主であれば、その常時雇用する労働者の数にかかわらず認定の対象になるものであること。

(3) 認定の基準等(省令第9条の3)

法第12条に基づく特例認定に係る認定基準については、法第9条の認定基準の考え方を基本としつつ、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が特に優良な事業主が特例認定一般事業主として認定され、労働市場等において評価されるよう、法第9条の認定よりも更に水準の高い基準を設定したものであること。

ア 特例認定の申請の対象となる一般事業主行動計画は、改正法の施行前に計画期間が終了したものでもよいが、申請日の直近にその計画期間が終了したものであって、当該計画期間が2年以上5年以下のものに限ること。

イ 「当該一般事業主行動計画に定められた目標を達成したこと」とは、常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主であって、当該一般事業主行動計画の始期が令和2年4月1日以降である場合には、整備省令及び改正告示による改正後の規定に基づき、行動計画に定められた2つ以上の数値目標を少なくとも2つ達成していることが求められること。

ウ 男女雇用機会均等法第13条の2の男女雇用機会均等推進者及び育児・介護休業法第29条の職業家庭両立推進者については、同一の者が兼務することも認められること。

エ 女性の継続就業に関する基準については、法第9条に基づく認定よりも更に高い水準の基準として、11(3)ア(イ)①について0.7を0.8に、②について0.8を0.9に引き上げたものであること。

オ 女性の登用の実績に係る基準については、産業計の管理職に占める女性労働者の割合(9.6%(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく認定制度に係る「産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値」について(改訂)(令和元年5月20日雇均発0520第2号)))が第4次男女共同参画基本計画における民間企業の雇用者の課長相当職に占める女性の割合の目標(15%(令和2年))を達成する場合に推計される水準(15/9.6=約1.5)を踏まえ、管理職に占める女性労働者の割合が、産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値の原則1.5倍以上であることを求めることとしたこと。

その際、平均値の1.5倍後の数値が15%以下である場合にも、管理職に占める女性労働者の割合は第4次男女共同参画基本計画で定められた目標である15%以上であることを原則として求めることとしたこと。ただし、女性労働者の1つ上位の職階へ昇進した労働者の割合が男性労働者の1つ上位の職階へ昇進した労働者の割合以上である場合には、女性の登用を積極的に進めている事業主であると考えられることから、産業計の管理職に占める女性労働者の割合の平均値以上であれば当該基準を満たすこととしたこと。

一方、産業ごとの管理職に占める女性労働者の割合の平均値の1.5倍後の数値が40%以上である場合には、男女雇用機会均等法との関係も踏まえ、管理職に占める女性労働者の割合が、直近の事業年度におけるその雇用する通常の労働者に占める女性労働者の割合に0.8を乗じて得た値以上であることを求めることとしたこと。ただし、当該値が40%を下回る場合には、40%以上であることを求めることとしたこと。

カ 省令第9条の3第7号では、特例認定一般事業主については、一般事業主行動計画の策定届出義務が免除されることを踏まえ、女性の職業生活における活躍に関する情報公表、「見える化」の状況についても基準を設定することとしたものであること。具体的には、法第20条に基づく情報公表項目(社内制度の概要を除く。)のうち過半数(8項目)以上を厚生労働省がインターネット上に開設する「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」で公表していることとしたこと。

キ 省令第9条の3第8号の「雇用管理区分ごとのその雇用する労働者の男女の賃金の差異の状況について把握したこと」とは、雇用管理区分ごとのその雇用する労働者の男女の賃金の差異の状況について把握したことをいうものであること。なお、賃金の解釈は、7(4)スと同様であること。また、把握の時期は、必ずしも認定の対象となる行動計画の策定時に限らず、認定申請の前であれば差し支えないこと。

ク 省令第9条の3第9号イの「一般事業主行動計画に定められた目標を容易に達成できる目標に変更している」とは、例えば、計画期間の途中で一般事業主行動計画を変更し、既に定めていた目標を下方修正する場合いうこと。ただし、目標を下方修正することなく、一般事業主行動計画の期間を2年以上5年以内の範囲で変更することは差し支えないこと。

ケ 省令第9条の3第9号ロは、認定の取消し又は辞退の日から起算して3年を経過するまでは、認定申請できないものとすること。

ただし、認定を受けた後、法第13条第2項の規定に基づき公表された女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令第9条の3第9号ロの規定に基づき厚生労働省雇用環境・均等局長が定める基準について」(令和2年2月7日付け雇均発0207第2号。以下「特例認定辞退通達」という。)に掲げる基準を満たさなくなったことにより、認定の辞退を行った事業主については、その辞退の日から3年を経過せずとも認定申請できるものとすること。

コ その他の基準については、省令第9条の3第5号、第8号及び第9号に掲げるとおりであること。

15 特例認定一般事業主の特例等(法第13条)

(1) 法第12条の規定による認定を受けた一般事業主(以下「特例認定一般事業主」という。)については、当該特例認定一般事業主の一般事業主行動計画の策定及び届出に係る負担を軽減するとともに、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の水準を維持するため、法第8条第1項又は第7項に基づく一般事業主行動計画の策定及び届出に代えて、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施状況について、毎年少なくとも1回公表することを規定するものであること。

(2) 特例認定を受けた場合であっても、特例認定一般事業主の任意により、法第8条第1項又は第7項に基づき、一般事業主行動計画を策定し、届け出ることは可能であること。なお、この場合には、併せて、法第8条第4項又は第5項(これらの規定を法第8条第8項の規定により準用する場合も含む。)に基づく労働者への周知及び公表を行うことが望ましいこと。

(3) 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況の公表に当たっては、厚生労働省がインターネット上に開設する「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」において、特例認定を受けた後概ね3か月以内(2回目以降にあっては、直近の公表を行った日が属する事業年度(各事業主における会計年度をいう。)の終了日から3ヶ月以内)に、省令第9条の3第4号から第7号までに掲げる事項の実績を公表すること。

16 特例認定一般事業主の表示等(法第14条)

(1) 特例認定一般事業主は、商品等の省令で定めるものに厚生労働大臣の定める表示を付することができるものとしたこと。

(2) 「商品、役務の提供の用に供する物、商品又は役務の広告又は取引に用いる書類若しくは通信その他の厚生労働省令で定めるもの」の内容等については、12の(2)及び(3)と同様であること。

17 認定の取消し(法第15条)

(1) 厚生労働大臣は、認定一般事業主が以下のいずれかに該当するときは認定を取り消すことができるとされたこと。

① 法第11条の規定により、法第9条の認定一般事業主としての認定を取り消すとき。

② 法第12条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき。

③ 法第13条第2項の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき。

④ 法又は法に基づく命令に違反したとき。

⑤ 不正の手段により法第12条の認定を受けたと認めるとき。

(2) 「法第12条に規定する基準に適合しなくなったと認めるとき」とは、認定を受けた後、法第13条第2項の規定に基づき公表された女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が、特例認定辞退通達に掲げるいずれかの基準に適合せず、同公表の翌年度の公表においても、同一の基準に関し当該状況が継続していると認められる場合をいうこと。

(3) 「法第13条第2項の規定による公表をせず、又は虚偽の公表をしたとき」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況に関する公表について認定取得時以降の公表を2年間にわたり怠った場合又は虚偽の公表をした場合をいうこと。

(4) 特例認定一般事業主がその認定を取り消された場合又は辞退を申し出た場合において当該取消し又は辞退の日以後は、当該取消し又は辞退に係る認定に係る法第14条第1項に基づく表示を付することはできないものであること。

18 認定の辞退(省令第9条の5)

認定一般事業主又は特例認定一般事業主は、所轄都道府県労働局長に対し、様式第3号「基準適合事業主認定辞退申出書」又は様式第4号「基準適合認定事業主認定辞退申出書」により、認定の辞退の申出をできるものとすること。なお、認定基準を満たさなくなった場合以外であっても、自発的な理由等によって、認定を辞退することは可能であること。

この場合において、11(3)ウ(ア)及び14(3)ケのとおり、認定辞退通達又は特例認定辞退通達に掲げる基準に該当すること以外を理由として辞退を申し出た場合はその辞退の日から起算して3年を経過しない間は再度認定を受けることはできないものとすること。

19 委託募集の特例(法第16条)

(1) 基本的考え方

女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集をしやすくすることは、事業主にとって重要であるばかりでなく、労働者にとっても職業生活における活躍の機会の活用や、職業生活と家庭生活との両立が図られる雇用環境の整備という観点から、強く望まれることであるが、労働者を臨機に募集することは特に中小事業主にとって、事務負担となるだけでなく、知名度等から、実際に必要な時期までに労働者を募集できない場合も生じ得るところである。そのため、法第16条において、一定の基準を満たした中小事業主団体に関しては、事前に厚生労働大臣の承認を受けた後、その構成員たる中小事業主(常時雇用する労働者の数が300人以下のものをいう。以下同じ。)から女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集の委託を受けた場合、中小事業主団体が厚生労働大臣に届出をすることによって当該女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の委託募集ができるようにしたものであること。

(2) 委託募集の特例の前提

委託募集を行うに際しては、募集を委託された団体は、単に募集を行うだけではなく、募集後雇用された労働者の労働条件について募集時の労働条件との相違がないか等を常にチェックし、不適切な点があれば是正するように指導できる立場にあることが前提となるものであること。

そのために、その構成員たる中小事業主と密接に連携し合いながら構成員たる中小事業主の雇用管理面について適切に指導していくことが可能でなければならず、このような観点から、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の確保に当たっても、構成員たる中小事業主において女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施しやすい雇用環境の整備の事業を協同して行う団体であることを前提に、手続を緩和したものであること。

(3) 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の範囲

ア 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者は、中小事業主が女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の適用を受ける労働者の代替要員等又は当該措置の実施に係る労働者であり、例えば次のようなものが考えられること。

(ア) 女性の職業生活における活躍に関する取組に係る各種労務管理の実施業務を行う労働者

(イ) 女性が子育てをしながらでも働きやすい労働条件とするために、短時間勤務や隔日勤務等、多様就業型ワークシェアリングを導入する場合、本制度の導入に伴い、代替要員として必要となる労働者

(ウ) 管理職直前の女性労働者がいない会社で女性管理職比率を増加させようとする場合、新たに雇用しようとする管理職になれる能力・経験を有する労働者

イ 雇用期間

女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の適用を受ける労働者の代替要員等又は当該措置の実施に関して必要な労働者であるため、当該労働者の雇用期間は、基本的には、当該女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を講じる期間と同一又はそれより短期である必要があるが、訓練期間、引継期間等を考慮して、当該女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を講じる期間の前後にわたり、当該期間よりも若干長い雇用期間が設定されることは妨げないものであること。

(4) 中小事業主団体の範囲

中小事業主団体の範囲は以下のとおりであること(省令第10条及び第11条)。

ア 事業協同組合及び事業協同小組合並びに協同組合連合会(中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号))

イ 水産加工業協同組合及び水産加工業協同組合連合会(水産業協同組合法(昭和23年法律第242号))

ウ 商工組合及び商工組合連合会(中小企業団体の組織に関する法律(昭和32年法律第185号))

エ 商店街振興組合及び商店街振興組合連合会(商店街振興組合法(昭和37年法律第141号))

オ 農業協同組合及び農業協同組合中央会(農業協同組合法(昭和22年法律第132号))

カ 生活衛生同業組合(生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律(昭和32年法律第164号))であって、その構成員の3分の2以上が中小事業主であるもの

キ 酒造組合及び酒造組合連合会(酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(昭和28年法律第7号))であって、その直接又は間接の構成員たる酒類製造業者の3分の2以上が中小事業主であるもの

ク その直接又は間接の構成員の3分の2以上が中小事業主である一般社団法人(民法(明治29年法律第89号))

(5) 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施するための人材確保に関する相談及び援助

ア 基本前提

(2)で述べた女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施しやすい雇用環境の整備の事業として、中小事業主団体が、構成員たる中小事業主に対して、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組を実施するための人材確保に関する相談及び援助の事業(以下「相談援助事業」という。)を行っていることが前提となるものであること。

イ 承認基準の内容

法第16条第2項に基づく承認中小事業主団体の承認基準においては、相談及び援助の事業として実施又は実施することを予定しているものとして、次のものが挙げられていること(省令第12条第1号)。

(ア) 女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の確保を容易にするための事例の収集及び提供に係る事業

「女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の確保を容易にするための事例の収集及び提供に係る事業」は例示であって、中小事業主団体は、構成員たる中小事業主の女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の確保を容易にするために、これらと同程度の事業を行っていれば足りるものであること。

(イ) (ア)のほか、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者が雇用される事業所における雇用管理その他に係る講習会の開催、相談及び助言

「講習会の開催、相談及び助言」は例示であって、中小事業主団体としては、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組に係る雇用管理等に資する事業を行っていれば足りるものであること。

(6) その他の承認基準

その他の承認基準としては、以下のものがあること。

ア 事業を適切に実施するために必要な体制の整備(省令第12条第2号)

上記(5)の事業を行うのに適当と認められる事務処理の体制が整備されていること。

「事業を適切に実施するために必要な体制が整備」とは、中小事業主団体の役員又は職員が事務の担当責任者として決められていることをいうものであること。

イ 構成員たる中小事業主の3分の1以上が、一般事業主行動計画を策定した旨の届出を行っていること。

ウ 適正な委託募集内容(省令第12条第4号)

募集に係る労働条件その他の募集の内容が適切なもので、かつ、労働者の利益に反しないことが見込まれること。

これは、

(ア) 賃金が、同業種の賃金水準に比較して低くないこと。

(イ) 労働時間、休日その他の労働条件が、法定の労働条件以上であること。

(ウ) 募集従事者が、当該中小事業主団体の役員又は職員であること。

をいうものであること。

(7) 承認手続(法第16条第2項)

ア 法第16条第2項の規定により承認を受けようとする中小事業主団体は、様式第5号「承認中小事業主団体承認申請書」を作成して、当該申請書1通及びその写し2通をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経て、厚生労働大臣に提出するものとすること(省令第13条)。

イ 承認

(ア) 厚生労働大臣は、中小事業主団体から「承認中小事業主団体承認申請書」の提出を受けたときは、遅滞なく当該中小事業主団体が法令及び承認基準に照らして適当であるか否か審査し、適当であると判断されるものについて承認するものであること。

(イ) 承認期限は、承認日から承認日の属する年度から起算して5年度目の年度の末日(当該末日が令和8年3月31日以後である場合は、令和8年3月31日)までとすること。

(ウ) 厚生労働大臣は、承認をしたときは、遅滞なく、様式第6号「承認中小事業主団体承認通知書」により、所轄の都道府県労働局長を経て、当該承認に係る中小事業主団体(以下「承認中小事業主団体」という。)に対して通知するものとすること。

ウ 不承認

(ア) 厚生労働大臣は、中小事業主団体から「承認中小事業主団体承認申請書」の提出を受けたときは、遅滞なく当該中小事業主団体が法令及び承認基準に照らして適当であるか否か審査し、適当でないと判断されるものについて不承認とするものであること。

(イ) 厚生労働大臣は、不承認としたときは、遅滞なく、様式第7号「承認中小事業主団体不承認通知書」により、所轄の都道府県労働局長を経て、当該承認に係る中小事業主団体に対して通知するものとすること。

(8) 承認の取消(法第16条第3項)

ア 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体が相談援助事業を行うものとして省令第12条に定める基準に適合しなくなったと認めるときは、当該承認を取り消すものとしたものであること。「基準に適合しなくなった」場合としては、相談援助事業の実施に著しい支障が生じて当該事業を実施する見込みがなくなった場合、当該承認中小事業主団体が法令及び承認基準を満たさなくなったと認められる場合があるものであること。

イ 厚生労働大臣は、承認中小事業主団体の承認の取消をしたときは、遅滞なく、様式第8号「承認中小事業主団体承認取消通知書」により、所轄の都道府県労働局長を経て、当該承認に係る中小事業主団体に対して通知するものとすること。

ウ 承認中小事業主団体の承認の取消を行った場合における当該取消の日後には、届出による委託募集を行うことはできないものであること。

(9) 委託募集の届出(法第16条第4項)

ア 承認中小事業主団体が、その構成員たる中小事業主の委託を受けて女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行う際には、承認中小事業主団体は、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に対して、委託募集の届出を行うものであること(省令第16条第2項)。ただし、承認中小事業主団体の主たる事務所の所在する都道府県の区域以外の地域(以下「自県外地域」という。)を募集地域とする委託募集であって、一中小事業主が自県外地域において募集しようとする労働者の数の合計が100人以上である委託募集又は一中小事業主が自県外地域において募集しようとする労働者の数の合計が100人未満であっても自県外地域のうち一の都道府県の区域において募集しようとする労働者の数の合計が30人以上である委託募集については、厚生労働大臣に対して、承認中小事業主が委託募集の届出を行うものであること(省令第14条及び第16条第2項)。

イ 委託募集の届出の有効期間は6か月以内とするものであること。

ウ 承認中小事業主団体は、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとする中小事業主についてのみ、委託募集の届出を行うものであること。

エ 承認中小事業主団体は、委託募集届出書(様式第9号)を、都道府県労働局長への届出にあっては正本1通、副本2通を作成し、委託募集を開始する日の7日前までに、厚生労働大臣への届出にあっては正本1通、副本3通を作成し、委託募集を開始する日の14日前までに、それぞれその主たる事務所の所在地を管轄する公共職業安定所長(以下「所在地公共職業安定所長」という。)に対して提出するものであること(省令第14条及び第16条第2項)。

(10) 委託募集の届出の受理(法第16条第5項)

ア 所在地公共職業安定所長は委託募集の届出の受付を行い、届出の受付から2日以内に、副本1通を保管のうえ、都道府県労働局長への届出にあっては正本1通、副本1通を、厚生労働大臣への届出にあっては正本1通、副本2通をそれぞれ都道府県労働局長へ送付するものとする。うち厚生労働大臣への届出にあっては都道府県労働局長は副本1通を保管のうえ所在地公共職業安定所長から送付のあった日から2日以内に、正本1通及び副本1通を厚生労働大臣へ送付するものであること。

イ 届出書の送付を受けた都道府県労働局長(厚生労働大臣への届出にあっては厚生労働大臣)は、届出に係る募集の内容が、女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとしていることを確認したうえで当該届出を受理し、その副本1通に確認の印を押し、届出の送付を受けてから2日以内に、所在地公共職業安定所長(厚生労働大臣への届出にあっては都道府県労働局長及び所在地公共職業安定所長)を経由して届出を行った承認中小事業主団体に交付するものであること。

ウ 所在地公共職業安定所長、就業地を管轄する公共職業安定所長(以下「就業地公共職業安定所長」という。)及びその募集地を管轄する公共職業安定所長(以下「募集地公共職業安定所長」という。)が異なる場合は、届出を受理した都道府県労働局長又は厚生労働大臣は、受理した届出書の写しを、就業地公共職業安定所長及び募集地公共職業安定所長に対して、それらの公共職業安定所を管轄する都道府県労働局を経由して送付するものであること。

(11) 労働者募集報告

委託募集に従事する承認中小事業主団体は、毎年度の委託募集の状況をとりまとめ、様式第10号の労働者募集報告を作成し、当該年度の翌年度の4月末日まで(当該年度の終了前に労働者の募集を終了させる場合にあっては、当該終了の日の属する月の翌月末日まで)に委託募集の届出の受付を行った公共職業安定所長に報告するものであること(省令第17条)。

(12) 報告の徴収(法第16条第7項)

厚生労働大臣は、必要と認めるときは、所轄の都道府県労働局長を通じて、法第12条第7項の規定に基づき、承認中小事業主団体に対し、相談援助事業の実施状況について、随時報告を求めるものであること。

(13) 公共職業安定所の援助(法第17条)

ア 公共職業安定所は、委託募集が効果的かつ適切に行われるよう、承認中小事業主団体及び当該募集を委託する中小事業主に対して、求人条件の決定、募集方法等について助言、指導を行うなど配意するものであること。

イ 公共職業安定所は、求職者に対する職業紹介に際して、当該募集に係る求人が女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施に関し必要な労働者の募集を行わせようとしている中小事業主からの求人である場合には、その旨説明するよう配意するものであること。

(14) その他の留意事項

承認中小事業主団体は、当該届出によっては、職業紹介に及ぶ行為をすることはできないものであること。

20 一般事業主行動計画に対する国の援助(法第18条)

国は、一般事業主行動計画を策定、実施する一般事業主に対し、必要な助言、指導、その他の援助の実施に努めることとしたこと。

本条においては、法第8条第1項に基づき一般事業主行動計画を策定しその旨を届け出なければならないとされている一般事業主のみならず、法第8条第4項に基づき一般事業主行動計画を策定しようとする又は策定しその旨を届け出た一般事業主に対しても、国が必要な助言、指導、その他の援助の実施に努めるものとされていること。

21 女性の職業生活における活躍に関する情報の公表(法第20条)

(1) 基本的考え方

女性の職業生活における活躍に関する情報の公表は、常時雇用する労働者数が300人を超える一般事業主は、省令で定めるところにより、職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業選択に資するよう、その事業等における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表しなければならないものとされていること。

情報公表の意義は、就職活動中の学生等の求職者の企業選択を通じ、女性が活躍しやすい企業であるほど優秀な人材が集まり、競争力を高めることができる社会環境を整備することにより、市場を通じた社会全体の女性の活躍の推進を図ることにあること。

常時雇用する労働者数が300人以下の一般事業主にあっては、女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表するよう努めなければならないとされていること。

各事業主の女性活躍の推進のための取組を更に促すとともに、求職者の職業選択に資するため、より多くの企業において情報公表が進むよう、令和4年4月1日以降、100人を超え300人以下の事業主にも情報公表を義務付けることとしたこと。令和4年4月1日から情報公表が義務となる常時雇用する労働者が100人を超え300人以下である事業主が情報公表を行う際は、省令第19条第1項各号に掲げる項目のいずれか一つ以上を公表すれば足りるものであること。

(2) 女性の職業生活における活躍に関する情報の公表の項目(省令第19条第1項)

女性の職業生活における活躍に関する情報の公表は、事業主による情報公表を一層促進するため、法第4条の事業主の責務を踏まえ、常時雇用する労働者数が300人を超える一般事業主にあっては、省令第19条第1項各号に掲げる①その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績及び②その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績に関する項目から、事業主が適切と認めるものをそれぞれ1つ以上選択して公表しなければならないこと。

一般事業主行動計画策定の際に、状況把握・課題分析を実施するものとされていることを踏まえると、情報の公表を行う際には、行動計画策定の際に状況把握・課題分析した項目から公表する項目を選択することが基本と考えられること。しかしながら、状況把握・課題分析した項目以外の項目であっても、省令で規定されている項目の中から適切に公表されていれば、法違反とはならないこと。

雇用管理区分ごとに公表することとされている項目を雇用管理区分ごとに公表していない場合については、当該項目について法に基づく情報公表をしたこととはならないこと。ただし、法に基づく情報公表とならない場合であっても、求職者等の職業選択に資する観点から有用な情報を公表することは望ましいものであること。

雇用管理区分ごとに公表することとされている項目について、同一の雇用管理区分に属する労働者の数がその雇用する労働者の数のおおむね十分の一に満たない雇用管理区分がある場合は、職務の内容等に照らし、類似の雇用管理区分と合わせて公表することができること(雇用形態が異なる場合を除く。)。

ア 省令第19条第1項第2号イの「男女の平均継続勤務年数の差異」については、期間の定めのない労働契約を締結している労働者を対象とすること。

イ 省令第19条第1項第2号ニ及びホの「時間外労働及び休日労働の一月当たりの合計時間数」とは、対象となる労働者の1年間の時間外労働及び休日労働の総時間数を12ヶ月で除して、さらに対象となる労働者数で除して得た年間平均の一月当たりの時間外労働及び休日労働の時間数をいうこと。ただし、これにより難い場合については、1年間の時間外労働及び休日労働の総時間数に代えて、1年間の労働者の総労働時間から1年間の労働者の法定労働時間の合計を引いた時間数を把握することとしても差し支えないこと。対象者については、事業場外みなし労働時間制の適用を受ける労働者、専門業務型裁量労働制の適用を受ける労働者、企画業務型裁量労働制の適用を受ける労働者、管理監督者等、高度プロフェッショナル制度の適用を受ける労働者及び短時間労働者を除くこと。

ウ 省令第19条第1項第1号ニの「係長級」とは、「課長級」より下位の役職であって、①事業所で通常「係長」と呼ばれている者又は②同一事業所においてその職務の内容及び責任の程度が「係長」に相当する者を指すものであること。

エ 省令第19条第1項第1号チの「再雇用」の対象は、通常の労働者として雇い入れる場合に限るものであること。また、「中途採用」の対象は、おおむね30歳以上の者を通常の労働者として雇い入れる場合に限るものであること。

オ 省令第19条第2号トにおいて、有給休暇取得率についても、雇用管理区分ごとの実績を情報公表の項目に加えたものであること。

(3) 社内制度の概要の公表(省令第19条第3項)

一般事業主は、省令第19条第1項各号に定める事項のほか、次に掲げるような女性の活躍に資する社内制度の概要を公表することができることとしたこと。具体的には、それぞれ以下のような制度を想定しているが、これらは限定列挙ではないこと。なお、これらの制度の公表は任意であること。

① その雇用し、又は雇用しようとする女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に資する社内制度の概要

職種若しくは雇用形態の転換制度、正社員としての再雇用若しくは中途採用制度、女性労働者の活躍に資する教育訓練・研修制度、キャリアコンサルティング制度、セクシュアルハラスメント等の一元的な相談体制等の望ましい取組等

② その雇用する労働者の職業生活と家庭生活との両立に資する社内制度の概要

育児・介護休業法の各種制度(※1)に関する法律で定める内容を上回る制度(※2)、フレックスタイム・在宅勤務・テレワーク等の柔軟な働き方に資する制度、病気・不妊治療等のための休暇制度、年次有給休暇の時間単位取得制度等

※1 育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働・時間外労働・深夜業の制限、所定労働時間の短縮措置等

※2 法で定めるよりも広い範囲の労働者からの利用を認めること、法で定める利用可能期間を上回る期間の利用を認めること、請求手続や取得回数についてより柔軟な制度設計にすること、休暇・休業期間について有給とすること等

(4) 情報の公表の頻度、方法等(省令第19条第4項)

一般事業主が、省令第19条第1項の規定により適切と認めるものとして公表するに当たっては、おおむね1年に1回以上、公表した日を明らかにして、インターネットの利用その他の方法により、女性の求職者等が容易に閲覧できるように公表しなければならないものとされていること。

「インターネットの利用」とは、厚生労働省がインターネット上に開設する「女性活躍・両立支援総合サイト」内の「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページの利用等を指すものであること。

公表する情報については、その時点に得られる最新の数値(特段の事情のない限り、古くとも公表時点の事業年度の前々事業年度の状況に関する数値)とする必要があること。

「容易に閲覧できるように」とは、一般の求職者等から見て、どこに掲載されているかが不明な場合は、容易に閲覧できるものとはいえないこと。

22 女性の職業生活における活躍を推進するための支援措置(法第22条から第26条)

(1) 国は、職業指導、職業紹介、職業訓練、創業の支援その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとしたこと。

(2) 地方公共団体は、(1)の措置と相まって、職業生活を営み、又は営もうとする女性及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、関係機関の紹介その他の情報の提供、助言等を講ずるよう努めるものとしたこと。

なお、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律施行規則(平成27年内閣府令第51号)において、地方公共団体は、当該業務に係る事務の一部を、その事務を適切、公正かつ中立に実施することができる法人であって、女性の職業生活における活躍の推進に資する活動を行っている一般社団法人若しくは一般財団法人又は特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項の規定に基づき設立された特定非営利法人その他地方公共団体が適当と認める者に委託することができることとされたこと。

(3) 国は、女性の職業生活における活躍の推進に関する地方公共団体の施策を支援するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとしたこと。

(4) 国は、女性の職業生活における活躍の推進に資するため、国及び公庫等の役務又は物件の調達に関し、予算の適正な使用に留意しつつ、認定一般事業主その他の女性の職業生活における活躍に関する状況又は取組の実施の状況が優良な一般事業主の受注の機会の増大その他の必要な施策を実施するものとしたこと。

(5) 国及び地方公共団体は、女性の職業生活における活躍の推進について、国民の関心と理解を深め、かつ、その協力を得るとともに、必要な啓発活動を行うものとしたこと。

(6) 国は、国内外における女性の職業生活における活躍の状況及び当該取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとしたこと。

23 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告(法第30条)

厚生労働大臣は、法の施行に関し必要があると認めるときは、一般事業主行動計画の策定や情報公表が義務である一般事業主又は認定一般事業主若しくは特例認定一般事業主である一般事業主行動計画の策定や情報公表が努力義務である一般事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができるものとしたこと。

「この法律の施行に関し必要があると認めたとき」とは、法によって具体的に事業主の責務とされた事項について、当該責務が十分に遂行されていないと考えられる場合において、当該責務の遂行を促すことが法の目的に照らし必要であると認められる時等をいうものであること。

例えば、一般事業主行動計画の策定や情報公表が義務である一般事業主が一般事業主行動計画の策定・届出をしない場合、一般事業主の労働者への周知・公表をしない場合、女性の職業生活における活躍に関する情報の公表をしない場合、一般事業主行動計画の内容が、女性の職業生活における活躍に関する状況を把握し(基礎項目等)、改善すべき事情について分析した上で、その結果を勘案して定められたものではない場合、また、認定一般事業主若しくは特例認定一般事業主が認定基準を満たしていない場合、特例認定一般事業主が法第13条第2項の公表をしていない場合には、それぞれ、報告を求め又は助言、指導若しくは勧告の対象となるものであること。

24 公表(法第31条)

情報公表の義務がある一般事業主や、努力義務の場合でも国から女性の職業生活における活躍の推進に関する取組の実施の状況が優良であること等の認定を受けている一般事業主が公表した情報については、信頼性が高いものと受け止めることが通常であると考えられ、そうした情報を信用した女性の職業選択に大きな影響を与えるおそれがあることから、これらの一般事業主が適切な情報公表を行うことを確保することが必要である。

このような観点から、厚生労働大臣は、

・ 情報公表をせず、若しくは虚偽の公表をした情報公表等が義務である一般事業主

・ 虚偽の情報公表をした情報公表等が努力義務である認定一般事業主若しくは特例認定一般事業主

に対し、勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができることとしたものであること。

25 権限の委任(法第32条、省令第21条)

法第8条第1項及び第7項、第9条、第11条、第12条、第15条並びに第30条に規定する厚生労働大臣の権限は、所轄都道府県労働局長に委任されているものであること。

26 罰則(法第34条から法第39条)

認定一般事業主、労働者の委託募集の特例の公正確保等について所要の罰則を設けるものとしたこと。

27 施行期日

改正法は、令和2年6月1日から施行するものとしたこと。ただし、一般事業主行動計画の策定義務及び女性の職業生活における活躍に関する情報の公表義務の対象拡大は、令和4年4月1日から施行するものとしたこと。また、一般事主行動計画に関する整備省令及び改正告示の改正(対象拡大に関するものを除く。)は令和2年4月1日から施行するものとしたこと。

28 法の失効

法は、令和8年3月31日限り、その効力を失うものとしたこと。

29 検討

政府は、改正法の施行後5年を経過した場合において、法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしたこと。

30 業務分担

法、省令及び行動計画策定指針等の周知及び啓発については、本省においては雇用環境・均等局長が関係各局との連携を図りつつ行うものであること。

また、都道府県労働局においては、雇用環境・均等部(室)において、局内各部とも連携を密にして、周知及び啓発を行うとともに、地方公共団体等との関係機関とも十分連携を図ること。