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○保険医療機関等において本人確認を実施する場合の方法について
(令和2年1月10日)
(/保保発0110第1号/保国発0110第1号/保高発0110第1号/保医発0110第1号/)
(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・後期高齢者医療主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療広域連合事務局長・全国健康保険協会理事長・健康保険組合理事長あて厚生労働省保険局保険課長・厚生労働省保険局国民健康保険課長・厚生労働省保険局高齢者医療課長・厚生労働省保険局医療課長通知)
(公印省略)
保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)において本人確認を実施する場合の方法について、下記のとおり示すため、内容を御了知の上、適切に御対応頂きたい。なお、本通知は、保険医療機関等に本人確認を義務付けるものではないことに御留意頂きたい。
記
第1 基本的な考え方
1 本人確認の必要性について
(1) 医療保険制度の健全運営を維持する観点
医療保険制度は、保険料を納付することで保険給付が受けられる仕組み(被保険者証は適切に保険料を納付している者であることを保険者として明らかにする証)であることから、他人の被保険者証を流用した受診が行われた場合には、保険料の納付なしで保険給付がなされることとなるため、持続的な保険財政の確保の観点から問題が生じる。また、保険料を適切に納付している被保険者の医療保険制度への信頼感を損なうおそれがあること。
(2) 保険医療機関等を受診する患者の医療安全の観点
過去に被保険者証記載の本人が受診したことがある保険医療機関等において、他人が偽って受診した場合、過去の診療記録を基に医療が提供された結果、身体に異常を来すことなどのおそれがあること。
(3) 犯罪被害を防ぐ観点
他人の被保険者証を流用した受診は、詐欺罪(刑法第246条)等に当たり得ること。
2 対応方針
2020年度のオンライン資格確認の運用開始に伴い、マイナンバーカードのICチップの読み取りによりオンライン資格確認を行う保険医療機関等においては、マイナンバーカードによる本人確認が可能となる。
一方、各保険医療機関等がオンライン資格確認を導入し、患者によるマイナンバーカードの提示が普及するまでの対応として、保険医療機関等が必要と判断する場合には、被保険者証とともに本人確認書類の提示を求めることができること。
第2 保険医療機関等における本人確認の具体的な方法について
保険医療機関等において、窓口での本人確認の必要性が高いと考える場合は、過去の診療履歴等により本人であることが明らかな事例や本人確認書類の提示が困難な子どもの事例など、一定のケースを除いて、外来患者に幅広く本人確認書類の提示を求めることができる。その際、本人確認が恣意的に行われることで患者に混乱が生じることがないよう、以下の点に留意して本人確認を行う。
なお、上記のような幅広い範囲での本人確認を実施しない保険医療機関等においても、例えば、過去の診療履歴等に照らして血液型や身長が違っているなど、本人であることに合理的な疑いがある場合に、個別に本人確認を行うことは差し支えない。
(1) 保険医療機関等の判断で本人確認を実施する場合には、国籍による差別とならないよう、国籍に応じて本人確認の実施の有無を判断しないこと。
(2) 提示された被保険者証が本人のものでないと判断される場合には、当該被保険者証を用いた保険診療は認められないが、すべての患者が顔写真付きの本人確認書類を所持しているわけではないことに鑑み、本人確認書類が提示されなかったことのみをもって保険診療を否定しないこと。
(3) 本人確認書類(写真付き身分証)については、以下に掲げるものを参考とすること。
(写真付き身分証の例)
運転免許証、運転経歴証明書(平成24年4月1日以降交付のもの)、旅券、個人番号カード(マイナンバーカード)、在留カード、特別永住者証明書、官公庁が顔写真を貼付した書類(身体障害者手帳等)
第3 周知等について
幅広い範囲での本人確認を実施するに当たっては、保険医療機関等において事前に掲示等を行うことにより、患者が保険医療機関等を受診する際に混乱を生じさせないよう十分な期間を設けて周知を行うこと。