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○食品衛生責任者の取扱いについて

(令和2年1月17日)

(薬生食監発0117第1号)

(各都道府県・各保健所設置・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課長通知)

(公印省略)

標記については、平成7年7月11日付け衛食第131号厚生省生活衛生局食品保健・乳肉衛生・食品化学課長連名通知「食品衛生責任者の取扱いについて」により通知されているところですが、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号。以下「改正法」という。)の施行に伴い、原則として全ての食品等事業者がHACCPに沿った衛生管理を実施することとされたこととなりました。

今般、食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(令和元年厚生労働省令第68号)において、営業者(器具又は容器包装を製造する営業者、食鳥処理の事業及び公衆衛生に与える影響が少ない営業を行う者を除く。)は、施設の衛生管理にあたって中心的な役割を担う者として食品衛生責任者を定めることとされ、併せて食品衛生責任者の資格要件が規定されました。

食品衛生責任者は、食品衛生監視員又は食品衛生管理者の資格要件を満たす者及び調理師、製菓衛生師、栄養士等の食品衛生に関する一定の知識を有する者のほか、都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会(以下「養成講習会」という。)を受講した者のいずれかに該当する者とされています。また、営業許可の対象となる施設の食品衛生責任者は、都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会(以下「実務講習会」という。)を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めることとされました。

食品衛生責任者について全国的に統一的な取扱いがなされるよう、下記のとおり養成講習会の標準的なプログラム及び留意事項を示しますので、円滑な運用に格別の御配慮方お願いします。

これに伴い、平成7年7月11日付け衛食第131号厚生省生活衛生局食品保健・乳肉衛生・食品化学課長連名通知「食品衛生責任者の取扱いについて」は廃止します。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添えます。

一 養成講習会について

1.養成講習会の科目及び時間は、次を標準とすること。

(一) 食品衛生学 2.5時間

● 主要な食中毒、健康被害及び食品事故並びにその原因(微生物、自然毒、化学物質・汚染物質、異物等)

● 食中毒等の発生を防止するための基本的な対応

・ 施設・設備の衛生管理(5S(整理、整頓、清掃、清潔、習慣)を含む。)

・ 基本的な食品の取扱い(食中毒予防の3原則を含む。)

・ 食品取扱者等の衛生管理(感染症の予防対策を含む。) 等

(二) 食品衛生法 3時間

● 食品衛生法の全体像

● 自主的な衛生管理に関すること

・ 営業者の責務(衛生管理計画及び手順書の作成、食品取扱者等への周知、衛生管理の実施状況の記録及びその保存並びに衛生管理の検証)

・ 一般衛生管理及びHACCPに沿った衛生管理の基準

・ 小規模事業者等による手引書の活用方法 等

● 自主回収報告制度に関すること

● 営業規制に関すること(許可、届出、施設基準)

● その他食品衛生関連法規に関すること 等

(三) 公衆衛生学 0.5時間

● 環境衛生

● 労働衛生 等

(四) 確認試験

● 講義の理解度及び知識の定着度を確認するための試験

計6時間程度

2.1.のうち、HACCPに沿った衛生管理を含む自主的な衛生管理に関する内容については、養成講習会のみにおいて、手引書の実際の活用方法等について詳細に講義することは困難であると考えられることから、対象業種を絞った講習会を別途実施する等の方法により、食品衛生責任者の知見の補完を図られたいこと。

3.講義や講義で使用する教材等においては、重要なポイントを平易な表現で分かりやすく解説するよう努められたいこと。また、日本語を母語としない受講者の支援方法(テキストにルビをふる、イラスト・写真等の視覚教材を活用する、母国語を併記する等)についても必要に応じて検討されたいこと。

二 修了証明について

養成講習会を修了した者には、修了証明書その他講習会を修了した旨を証明する書類(以下「修了証明書等」という。)を交付するものとし、修了証明書等には、都道府県等名、講習会の名称、受講年月日、受講者氏名、生年月日その他必要な事項を記載するものとすること。また、都道府県等は養成講習会の実施を外部機関等に委託する場合、修了証明書を取得した者の情報を実施機関に適切に保管させること。

三 都道府県等間を移動した場合の取扱いについて

都道府県等は、他の都道府県等から移動してきた者の食品衛生責任者の資格要件を確認する場合にあっては、二の修了証明書等により行うものとすること。

四 養成講習会の受講によらない食品衛生責任者について

都道府県知事等が、一の標準的な養成講習会修了者と同等以上の知識を有しているものとして条例等に規定した者については、食品衛生責任者たる者としてみなすものとすること。なお、食品衛生責任者たる者としてみなされた者が他の都道府県等に移動する場合にあっては、移動先での資格要件の確認を円滑に実施する観点から、移動元の都道府県等は、移動した者からの求めに応じ、必要に応じて、その者が標準的な養成講習会修了者と同等以上の知識を有している旨を証明する書面等を交付するものとすること。

五 既に食品衛生責任者となっている者の取扱いについて

平成7年7月11日付け衛食第131号の取扱いに基づき、都道府県等が既に食品衛生責任者と認めた者については、引き続き食品衛生責任者たる者として取り扱って差し支えないこと。ただし、HACCPに沿った衛生管理を含む自主的な衛生管理の推進等、標準プログラムに新たに追加された内容については、実務講習会の受講等を通じて、標準的な養成講習会を受講した者と同等以上の知見等を習得させること。

六 その他

食品衛生責任者には、営業の種類、業態等に応じ、可能な限り、講ずべき公衆衛生上の措置について知識及び経験を有する適切な者を充てるよう、営業者に指導されたいこと。特に、飲食店営業については、調理業務において講ずべき公衆衛生上の措置が適切に行われるよう、食品衛生責任者に調理師を選定することを努めるよう引き続き営業者を指導されたいこと。