アクセシビリティ閲覧支援ツール

○ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤に係る最適使用推進ガイドラインの策定に伴う留意事項について

(令和元年12月11日)

(保医発1211第2号)

(地方厚生(支)局医療課長・都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長・都道府県後期高齢者医療主管部(局)後期高齢者医療主管課(部)長あて厚生労働省保険局医療課長通知)

(公印省略)

ヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤「ゾレア皮下注」については、「オマリズマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(季節性アレルギー性鼻炎)について」(別添:令和元年12月11日付け薬生薬審発1211第1号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)のとおり、最適使用推進ガイドラインが策定されたところですが、これに伴う当該製剤の保険適用上の留意事項を下記のとおりとするので、貴管下の保険医療機関、審査支払機関等に対して周知徹底をお願いします。

(1) ゾレア皮下注用150mg、同皮下注75mgシリンジ及び同皮下注150mgシリンジについては、最適使用推進ガイドラインに従い、有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間、国内臨床試験の結果等から本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに、副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件を満たす医療機関で使用するよう十分留意すること。

(2) 本製剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があることから、本製剤の投与状況を合併する他のアレルギー性疾患を担当する医師に連絡する等、適切な連携体制を取れる施設であって、その疾患管理に関して指導及び支援を受ける体制が整っている施設で投与すること。

(3) 本製剤をスギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎に投与する場合、本製剤の12週以降の使用経験は無いため、12週以降も継続して投与する場合は患者の状態や原因花粉抗原の飛散時期を考慮し、その必要性を慎重に判断すること。

(4) 本製剤の投与前に、既存治療を行ってもコントロール不十分な鼻症状が1週間以上持続することを同一の医療機関で確認すること。その後、血清中総IgE濃度を検査し、当該濃度を基に投与量を設定すること。なお、スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上(FEIA法で3.5UA/mL以上又はCLEIA法で13.5ルミカウント以上)の患者が本剤の投与対象である。

(5) 本製剤を含む薬物療法は対症療法であるが、アレルゲン免疫療法(減感作療法)は長期寛解も期待できる治療であることから、その年に本製剤を新たにスギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎の患者へ投与する際は、アレルゲン免疫療法(減感作療法)に関する説明を十分に行うこと。

(6) 当該スギ花粉シーズン中における本製剤の投与開始に当たっては、次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

① 次に掲げる医師が本製剤に関する治療の責任者として配置されている施設(「医師要件ア」から「医師要件エ」までのうち該当するもの)

【成人季節性アレルギー性鼻炎患者に投与する場合】

ア 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、4年以上の耳鼻咽喉科診療の臨床研修を行っていること。

イ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、4年以上の臨床経験を有し、そのうち3年以上は季節性アレルギー性鼻炎を含むアレルギー診療の臨床研修を行っていること。

【小児季節性アレルギー性鼻炎患者に投与する場合】

ウ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、4年以上の耳鼻咽喉科診療の臨床研修を行っていること。

エ 医師免許取得後2年の初期研修を修了した後に、3年以上の小児科診療の臨床研修かつ3年以上の季節性アレルギー性鼻炎を含むアレルギー診療の臨床研修を含む4年以上の臨床経験を有していること。

② 投与量の設定に用いた血清中総IgE濃度及び当該検査の実施年月日

③ 患者がスギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎であると判断した理由

④ 前スギ花粉シーズンにおける鼻症状及び本製剤の投与時における鼻症状。なお、鼻症状としては、くしゃみ発作の1日回数、画像1 (19KB)別ウィンドウが開きます
鼻の1日回数及び鼻閉の状態をそれぞれ記載すること。

⑤ 前スギ花粉シーズンに治療に用いた鼻噴霧用ステロイド及びケミカルメディエーター受容体拮抗薬の成分名及び一日投与量

⑥ 既存治療で効果不十分と判断した理由

⑦ アレルゲン免疫療法(減感作療法)に関する説明内容

(7) 当該スギ花粉シーズン中における本製剤の継続投与に当たっては、次の事項を診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

① 本製剤の前回投与時及び当該継続投与時における鼻症状。なお、鼻症状としては、くしゃみ発作の1日回数、画像2 (19KB)別ウィンドウが開きます
鼻の1日回数及び鼻閉の状態をそれぞれ記載すること。

② 本製剤と併用しているヒスタミンH1受容体拮抗薬の成分名及び一日投与量

③ 12週間を超えて本製剤を投与する場合は、継続して投与することが必要かつ適切と判断した理由

[別添]

○オマリズマブ(遺伝子組換え)製剤の最適使用推進ガイドライン(季節性アレルギー性鼻炎)について

(令和元年12月11日)

(薬生薬審発1211第1号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)

(公印省略)

経済財政運営と改革の基本方針2016(平成28年6月2日閣議決定)において、革新的医薬品の使用の最適化推進を図ることが盛り込まれたことを受けて、革新的医薬品を真に必要な患者に提供するために最適使用推進ガイドラインを作成することとしました。

今般、オマリズマブ(遺伝子組換え)製剤(販売名:ゾレア皮下注用75mg、同150mg、同皮下注75mgシリンジ及び同150mgシリンジ)について、季節性アレルギー性鼻炎に対して使用する際の留意事項を別添のとおり最適使用推進ガイドラインとして取りまとめましたので、その使用に当たっては、本ガイドラインについて留意されるよう、貴管内の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします。

[別添]

画像4 (10KB)別ウィンドウが開きます

画像5 (93KB)別ウィンドウが開きます

画像6 (64KB)別ウィンドウが開きます

画像7 (20KB)別ウィンドウが開きます

画像8 (58KB)別ウィンドウが開きます

画像9 (53KB)別ウィンドウが開きます

画像10 (56KB)別ウィンドウが開きます

画像11 (27KB)別ウィンドウが開きます

画像12 (55KB)別ウィンドウが開きます

画像13 (17KB)別ウィンドウが開きます

画像14 (56KB)別ウィンドウが開きます

画像15 (16KB)別ウィンドウが開きます

画像16 (62KB)別ウィンドウが開きます

画像17 (8KB)別ウィンドウが開きます