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○胃腸薬製造販売承認基準の一部改正について

(令和元年5月30日)

(薬生発0530第7号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

(公印省略)

一般用医薬品のうち、胃腸薬の製造販売承認については、「胃腸薬製造(輸入)承認基準について」(昭和55年4月22日付け薬発第520号厚生省薬務局長通知)の別記「胃腸薬製造(輸入)承認基準」(以下「旧基準」という。)により取り扱ってきたところです。

今般、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第80条第2項第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品の種類等の一部を改正する件について」(令和元年5月30日付け薬生発0530第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)のとおり、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第80条第2項第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品の種類等が改正されました。

これに伴い、旧基準の見直しを行い、別紙「胃腸薬製造販売承認基準」(以下「本基準」という。)により取り扱うこととしたので、下記に御留意の上、貴管下関係業者に対し周知徹底するとともに、円滑な事務処理が行われるよう御配慮をお願いします。

本基準は令和元年6月1日以降に製造販売承認申請される品目に適用します。

1 胃腸疾患の症状に対して用いることを目的として調製された経口投与する薬剤(瀉下薬及び漢方処方に基づく製剤を除く。)は、全て本基準が適用されること。

2 別添のビタミン類を配合する場合は、配合理由及び安全性についての資料を添付する必要はないこと。

3 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる有効成分を主体とする製剤の制酸力及びpH試験法並びに同表のⅢ欄1項に掲げる消化酸素の消化力を測定する試験法は、昭和55年4月22日付け薬審第523号で通知されたものによること。

4 本基準に基づき製造販売承認を受けようとする者は、申請書の備考欄に「一般用」及び「胃腸薬製造販売承認基準による」と記載すること。

5 本基準の適用の日前に製造販売承認申請がされたものについては、申請者に対し、本基準に照らし、所要の措置をとらせること。

6 既存の通知等については、旧基準を引用している等の場合には別途の通知等が発出されない限り、必要な読替えを行ったうえで、引き続き旧基準が適用されるものであること。

7 本基準の内容については、科学的知見等の集積を踏まえ、定期的に見直しが行われるものであること。

別紙

胃腸薬製造販売承認基準

1 胃腸薬の範囲

ここでいう胃腸薬の範囲は、胃腸疾患の症状に対して用いることを目的として調製された経口投与する薬剤(瀉下薬及び漢方処方に基づく製剤を除く。)とする。

2 基準

胃腸薬の基準は次のとおりとする。

なお、この基準に適合しないものにあっては、配合理由及び安全性についての資料の提出を求め、それに基づき審査する。

(1) 有効成分の種類

(ア) 配合できる有効成分の種類は、別表1に掲げるものとする。

(イ) 別表1のうち、Ⅰ欄からⅣ欄までに掲げる有効成分を主体とした製剤は、Ⅰ欄からⅣ欄までの有効成分を相互に配合することができるほか、同表のⅤ欄(3項、4項又は5項の△印を付したものに限る。)、Ⅶ欄又はⅧ欄に掲げる有効成分を配合することができる。

ただし、上記の規定にかかわらず、Ⅰ欄に掲げる有効成分のみを主体とした製剤にあってはⅣ欄の2項に掲げる有効成分又はⅤ欄の5項の△印を付したものを、また、Ⅳ欄に掲げる有効成分のみを主体とした製剤にあってはⅦ欄に掲げる有効成分を、それぞれ配合してはならない。

(ウ) 別表1のⅤ欄に掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のⅠ欄からⅣ欄まで又はⅥ欄(1項のロートエキス又は4項に限る。)に掲げる有効成分を配合することができる。

(エ) 別表1のⅥ欄に掲げる有効成分を主体とした製剤は、同表のⅠ欄(3項を除く。)、Ⅱ欄、Ⅲ欄又はⅤ欄(3項又は4項に限る。)に掲げる有効成分を配合することができる。

ただし、Ⅵ欄1項に掲げる有効成分を主体とした製剤は、Ⅱ欄(1項のホミカエキス又は3項に限る。)に掲げる有効成分を配合してはならない。

なお、Ⅵ欄(4項を除く。)に掲げる有効成分の配合は、同一項内においては1種に限る。

(オ) 別表1のⅦ欄(9項を除く。)に掲げる有効成分を配合する場合は、同一項内においては1種に限る。

(カ) 別表1のⅠ欄(3項を除く。)とⅡ欄の2項に掲げる有効成分を同時に配合してはならない。

(キ) 同一有効成分が別表1の2欄以上に掲げられている場合には、重複して配合してはならない。

(ク) 別表1のⅤ欄1項のベルベリン塩化物水和物又はタンニン酸ベルベリンは、同表のⅡ欄1項又はⅤ欄5項のオウレン又はオウバクと、また、同表のⅦ欄3項のグリチルリチン酸及びその塩類並びにカンゾウ抽出物は、Ⅶ欄9項のカンゾウと配合してはならない。

(ケ) 別表1に掲げる有効成分のほか、ビタミン類であって配合理由があり、かつ作用が緩和なものについては、別添により配合して差し支えない。

(2) 有効成分の分量

(ア) 別表1に掲げる各有効成分(Ⅲ欄1項及びⅣ欄1項に掲げる有効成分を除く。)の1日最大分量は、別表1に掲げる量とし、1回最大分量は1日最大分量の1/3とする。

(イ) 別表1のⅠ欄の1項又は2項に掲げる有効成分を2種以上配合する場合は、当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの1日最大分量で除して得た数値の和が2を超えてはならない。

(ウ) 別表1のⅡ欄の2項若しくは3項に掲げる有効成分を2種以上配合する場合、同表Ⅲ欄の2項に掲げる有効成分を2種以上配合する場合又は同表のⅤ欄の1項、2項、3項若しくは4項に掲げる有効成分を2種以上配合する場合には、当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの1日最大分量で除して得た数値の同一項内における和が1を超えてはならない。また、同表のⅤ欄の1項に掲げる有効成分と5項の木クレオソートを配合する場合には、当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの1日最大分量で除して得た数値の和が1を超えてはならない。

(エ) 別表1のⅠ欄に掲げる有効成分を主体とする製剤に同表Ⅱ欄1項の生薬のうち※印を付したものを配合する場合には、当該生薬の1日分量は、別表1に示すそれらの生薬の1日最大分量の1/10以下とすること。

(オ) 別表1のⅠ欄1項及び2項に掲げる有効成分を主体とする製剤は、別に定める制酸力及びpHの試験法により試験するとき、1日分の製剤の制酸力が0.1mol/L塩酸の消費量として150mL以上であり、かつ当該製剤のpHは3.5以上でなければならない。

なお、1回分の製剤の制酸力は50mL以上でなければならない。

(カ) 別表1のⅢ欄1項に掲げる有効成分を主体とする製剤にあっては、1日分の製剤に含まれる消化酵素の消化力が、同表Ⅲ欄1項に定めるでんぷん糖化力、でんぷん糊精化力、でんぷん液化力、たん白消化力、脂肪消化力、繊維素糖化力又は繊維素崩壊力の1日最小単位のうちいずれか1つ以上について、その1日最小単位以上でなくてはならない。

なお、1回最小単位は1日最小単位の1/3とする。

(キ) 別表1のⅣ欄1項に掲げる有効成分を主体とする製剤にあっては、当該有効成分の1日最小分量は別表1に掲げる量とし、1回の最小分量は1日最小分量の1/3とする。

(3) 剤形

剤形は、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、細粒剤、散剤、舐剤、錠剤、浸剤・煎剤用製剤及び経口液剤(Ⅰ欄又はⅡ欄を主体とした緩和な成分の製剤に限る。)とする。

(4) 用法及び用量

(ア) 用法は、原則として1日3回服用するものとする。

ただし、別表1のⅠ欄又はⅡ欄を主体とする経口液剤並びにⅤ欄又はⅥ欄を主体とした製剤にあっては、1日1~3回の範囲内で服用するものとするが、1日2回以上の服用の場合には服用間隔は4時間以上おくこと。

(イ) 浸剤・煎剤用製剤にあっては、服用時の調製法を明記すること。

(ウ) 服用時期(食前、食後、食間等)又は服用間隔を明記すること。

(エ) 生後3か月未満の者を対象とする用法は認められない。

(オ) カプセル剤並びに直径6mmを超える丸剤及び錠剤については、5歳未満の者を対象とする用法は認められない。

(カ) 直径6mm以下の丸剤及び錠剤であっても、3歳未満の者を対象とする用法は認められない。

(キ) 15歳未満の者における1日最大分量は、別表1に掲げる1日最大分量に別表2の当該年齢区分に対応する係数欄の数値を乗じた量とする。

(ク) (2)の(オ)及び(2)の(カ)で定める1日最小分量は、15歳未満の者に対しては、当該1日最小分量に別表2の年齢区分に対応する係数欄の数値を乗じた量とする。

ただし、(2)の(キ)で定める1日最小分量については、年齢区分に関係なく適用する。

(5) 効能又は効果

(ア) 別表1の各欄(Ⅶ欄及びⅧ欄を除く。)の有効成分を主体とした製剤の効能又は効果の範囲は、別表3のとおりとする。

また、Ⅰ欄、Ⅱ欄、Ⅲ欄又はⅣ欄のうち主体とする有効成分が2つ以上の欄にわたる場合には、それぞれに対応する効能又は効果を合わせた範囲内とする。

なお、同表Ⅲ欄1項に掲げる有効成分を主体とする製剤については、でんぷん糖化力、でんぷん糊精化力、でんぷん液化力、たん白消化力又は脂肪消化力のうち、いずれか1つ以上が1日最小単位以上となる場合のみ別表3のⅢ欄の効能又は効果とすることができる。

(イ) 別表3のⅤ欄又はⅥ欄を効能又は効果とする製剤にあっては、同表他欄を効能又は効果とすることはできない。

(ウ) 上記の規定にかかわらず、別表1のⅠ欄に掲げる有効成分を配合する製剤に同表Ⅱ欄1項のホミカエキスを配合した場合は、別表3のⅠ欄の効能又は効果とすることはできない。

また、別表1のⅠ欄3項に掲げる有効成分のみを主体とする製剤にあっては、別表3のⅠ欄の効能又は効果とすることはできない。

別表1

区分

有効成分名

一日最大分量

Ⅰ欄

1項

乾燥水酸化アルミニウムゲル

3g

ケイ酸アルミン酸マグネシウム

4g

ケイ酸マグネシウム

6g

合成ケイ酸アルミニウム

10g

合成ヒドロタルサイト

4g

酸化マグネシウム

1g

水酸化アルミナマグネシウム

4g

水酸化アルミニウムゲル

30mL

(酸化アルミニウムとして1.2g)

水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物

2g

水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル

3g

水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物

4g

水酸化マグネシウム

2.4g

炭酸水素ナトリウム

5g

炭酸マグネシウム

2g

沈降炭酸カルシウム

3g

メタケイ酸アルミン酸マグネシウム

4g

無水リン酸水素カルシウム

2.4g

リン酸水素カルシウム水和物

3g

ウゾクコツ

3g

セツケツメイ(アワビ殻)

3g

ボレイ

3g

2項

グリシン

0.9g

ジヒドロキシアルミニウムアミノアセタート

3g

3項

ロートエキス

30mg

区分

有効成分名

1日最大分量(g)

エキス(原生薬換算量)

粉末

Ⅱ欄

1項

アニス実

3

1

アロエ

0.15

ウイキョウ

3

1

ウコン

6

2

ウヤク

5

1

エンメイソウ

10

3

オウゴン

6

3

オウバク

3

3

オウレン

3

1.5

加工ダイサン(オキソアミジン)

0.2

ガジュツ

3

3

カッコウ

8

3

カラムス根

6

2

カンキョウ

3

1

キコク

5

2

キジツ

5

2

ケイヒ

5

1

ゲンチアナ

1.5

0.5

コウジン

6

3

コウボク

5

1.5

ゴシュユ

3

1

※コショウ

5

1.5

コロンボ

5

1.5

コンズランゴ

9

3

※サンショウ

3

1

サンナ

6

2

シソシ

6

3

シュクシャ

3

1

ショウキョウ

3

1

ショウズク

3

1

セイヒ

5

3

セキショウコン

6

2

センタウリウム草

2

0.7

センブリ

1.5

0.05

ソウジュツ

5

2

ソヨウ

2

1

ダイウイキョウ

3

1

ダイオウ

0.2

0.1

チクセツニンジン

6

3

チョウジ

2

0.5

チンピ

5

3

※トウガラシ

0.1

トウヒ

5

3

動物胆(ユウタンを含む)

0.5

ニガキ

5

0.5

ニクズク

3

1

ニンジン

6

3

ハッカ(セイヨウハッカを含む)

3

1

ヒハツ

2

0.5

ビャクジュツ

5

2

ホップ

3

1

ホミカエキス

0.03

スイサイヨウ

4

1.3

モッコウ

3

1

ヤクチ

3

1

リュウタン

1.5

0.5

リョウキョウ

3

1

ウイキョウ油

0.08

ケイヒ油

0.03

ショウキョウ油

0.03

ショウズク油

0.03

チョウジ油

0.02

トウヒ油

0.03

ハッカ油

0.03

レモン油

0.03

l―メントール

0.18

dl―メントール

0.18

2項

塩酸ベタイン

0.6

グルタミン酸塩酸塩

1.8

3項

カルニチン塩化物

0.6

ベタネコール塩化物

0.045

4項

乾燥酵母

10