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○リスデキサンフェタミンメシル酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について

(平成31年3月26日)

(/薬生総発0326第1号/薬生薬審発0326第1号/薬生安発0326第8号/薬生監麻発0326第50号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長、厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

リスデキサンフェタミンメシル酸塩製剤(販売名:ビバンセカプセル20mg及び同カプセル30mg。以下「本剤」という。)については、本日、「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」を効能又は効果として、製造販売についての承認(以下「本承認」という。)を行ったところです。

下記の点その他添付文書等の情報に留意の上、本剤を適正に使用するよう、貴管下の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします。

また、貴管下の卸売販売業者に対しても適切に対応するよう周知をお願いします。

1.承認条件について

本承認に際し、製造販売業者に対して、市販直後調査の実施のほか、以下の条件を付した。

【承認条件】

① 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

② 本剤が、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通した医師によって適切な患者に対してのみ処方されるとともに、薬物依存を含む本剤のリスク等について十分に管理できる医療機関及び薬局においてのみ取り扱われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

③ 使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること。

2.流通管理について

(ア) 上記の承認条件②のとおり、製造販売業者に対して医師、薬剤師、医療機関及び薬局(以下「医師等」という。)並びに患者の登録を要点とした適正な流通管理の実施を義務づけた。製造販売業者が実施する流通管理の概要は別添のとおりであり、管理システムへの登録を受けることを希望する医師等に対しては、その詳細が案内される。なお、当該管理システムへの登録を受けた医師等が、当該流通管理を逸脱する行為を行った場合には、当該登録の取消等の措置が執られることとなる。

(イ) 薬局における調剤に関して、当該流通管理に基づく確認をした上で調剤を拒み、又は当該流通管理に基づく登録を受けていないため調剤できなくなることは、薬剤師法(昭和35年法律第146号)第21条(調剤の求めに応ずる義務)及び医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号)第11条の11の「正当な理由」がある調剤の拒否に当たるものと解される。

3.効能又は効果について

上記の承認条件③のとおり、使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ本剤を使用することとしている。

4.その他

本剤の有効成分であるリスデキサンフェタミンメシル酸塩は覚せい❜❜剤取締法(昭和26年法律第252号)に規定する覚せい❜❜剤原料であるため、取扱いにあたっては覚せい❜❜剤取締法を遵守する必要がある。医師等及び卸売販売業者が本剤を取り扱う場合はそれぞれ、「覚せい剤原料の取扱いについて」(平成12年9月29日付け医薬麻第1793号厚生省医薬安全局麻薬課長通知)別添「病院・診療所・飼育動物診療施設・薬局における覚せい剤原料取扱いの手引き」及び「覚せい剤原料取扱者における覚せい剤原料取扱いの手引き」を参考とすること。

別添

ビバンセカプセル適正流通管理の概要

1.実施体制

○ 医師、薬剤師、弁護士等からなる「ビバンセカプセル適正流通管理委員会」を製造販売業者の外に組織し、各種登録時の審査や登録取消、流通管理の実施状況の確認、必要に応じた流通管理の見直し等に関して製造販売業者に対して助言や勧告等を行う役割を担う。

○ 適正流通管理委員会の登録事務局が管理する「ビバンセカプセル適正流通管理システム」(以下「管理システム」という。)において、各種登録や本剤の流通量等を一元管理する。

○ 本剤を取り扱う医師、薬剤師(調剤責任者)、医療機関及び薬局(以下「医師等」という。)は、管理システムへの登録を要する。当該登録時には、本剤の適正な使用や管理を含む流通管理への同意を求めた上で、その適格性について確認を行う。この際、医師及び薬剤師(調剤責任者)についてはe―ラーニングの受講を求め、さらに医師については、関連学会への参加状況やADHD症例報告、関連論文等のADHDの治療経験に関する提出を求める。また、医師及び薬剤師(調剤責任者)については、登録の定期的な更新を求める。

○ また、卸売販売業者に対しては、登録医療機関及び薬局以外への納入を禁止する。

○ 管理システムへ登録された医師は、新規に本剤を処方する患者をあらかじめ管理システムに登録する。

ビバンセカプセル適正流通管理体制全体図

2.処方及び調剤の手順

【患者登録】

○ 医師は、患者及び代諾者に対し、本剤の情報(覚せい❜❜剤取締法に規定される規制及び罰則を含む。)を説明した上で同意を取得し、イニシャル、性別、生年月日、薬物乱用歴や第三者から得た患者の症状に関する情報源等について、管理システムに登録する。

○ 当該登録については、登録医師が管理システムにより、患者の重複登録が無いことを確認してから行う。

○ 患者情報の登録後、ID番号を記載した患者カードを登録事務局が発行し、登録医師から患者に交付する。

【処方】

○ 医師が、患者カード及び管理システムを用いて過去の処方内容を確認した上で、新たに処方する内容を管理システムに入力し、処方箋を発行する。

【調剤】

○ 薬剤師は、患者カード、処方箋等の情報を、管理システム上の情報と突合した上で、調剤する内容を管理システムに入力し薬剤を交付する。