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○有毒植物による食中毒防止の徹底について

(平成28年5月3日)

(生食監発0503第1号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課長通知)

(公印省略)

標記については、本年4月1日付け生食監発0401第1号により、一般への情報提供のほか、高齢者施設等を通じた効果的な広報についてお願いしたところですが、本年春先からのイヌサフランやトリカブト等の有毒植物を誤食したことによる食中毒事例(疑い事例を含む。)が別添1のとおり昨年同期に比較して倍増しており、ゴールデンウィークに入っても死亡事例や販売事例等が報告されています。

つきましては、各都道府県等におかれては、これらの食中毒が多発する秋までの間、別添2や自然毒のリスクプロファイル等を活用するなどにより、食用と確実に判断できない植物については、絶対に「採らない」、「食べない」、「売らない」、「人にあげない」よう、継続的に消費者及び食品等関係事業者に注意喚起を行うとともに、必要に応じ、農林部局等関係部局とも連携し、事業者に対する監視指導を行うようお願いします。

参考)厚生労働省ホームページ

・ 有毒植物による食中毒に注意しましょう

(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yuudoku/index.html)

・ 有毒植物による食中毒に関する注意喚起

(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000122955.html)

・ 自然毒のリスクプロファイル

(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/poison/index.html)

[別添1]

平成28年有毒植物による食中毒事例(疑いを含む)

【事例1】

発生年月日

平成28年3月4日

発生場所

尼崎市

原因食品

スイセン

概要

施設敷地内に生えていた植物を食用と思い込み、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

10名

主な症状

吐き気、嘔吐、下痢、腹痛

【事例2】

発生年月日

平成28年3月6日

発生場所

石川県、販売所

原因食品

スイセン

概要

農家がニラと誤ってスイセンを出荷し、当該品を販売所で購入した客が自宅で調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

4名

主な症状

吐き気、頭痛、嘔吐

【事例3】

発生年月日

平成28年3月30日

発生場所

山形県、家庭

原因食品

スイセン

概要

自宅の庭に生えていたスイセンをニラと誤って採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

1名

主な症状

吐き気、嘔吐

【事例4】

発生年月日

平成28年4月3日

発生場所

熊本県、家庭

原因食品

スイセン

概要

自宅の庭に生えていたスイセンをニラと誤って採取し、調理して家族で喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

4名

主な症状

吐き気、下痢、嘔吐

【事例5】

発生年月日

平成28年4月6日

発生場所

福島県、家庭

原因食品

バイケイソウ

概要

ウルイと誤って採取したバイケイソウを調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

1名

主な症状

吐き気、嘔吐、めまい、手指のしびれ

【事例6】

発生年月日

平成28年4月7日

発生場所

宮城県、家庭

原因食品

バイケイソウ

概要

知人からウルイとして譲り受けたバイケイソウを自宅で調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

2名(70代男女)

主な症状

吐き気、口や手足のしびれ、血圧低下等

【事例7】

発生年月日

平成28年4月9日

発生場所

山形県、家庭

原因食品

スイセン

概要

患者がアサツキと間違えて採取したスイセンを、患者家族がこれを調理し、患者2名で喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

2名(60代男性、80代以上女性)

主な症状

嘔吐

【事例8】

発生年月日

平成28年4月10日

発生場所

岐阜県、家庭

原因食品

ハシリドコロ

概要

山林に生えていたハシリドコロを食用と誤認して採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

2名(70代男女)

主な症状

痙攣、瞳孔散大、意識障害

【事例9】

発生年月日

平成28年4月12日

発生場所

江戸川区、家庭

原因食品

スイセン

概要

自宅の庭に生えていたスイセンをニラと誤って採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

1名

主な症状

吐き気、嘔吐等

【事例10】

発生年月日

平成28年4月21日

発生場所

旭川市、家庭

原因食品

イヌサフラン(推定)

概要

患者1名が死亡しているため入手経路は不明だが、ギョウジャニンニクと形状が類似しているイヌサフランを喫食したものと推定された。

患者

2名(70代男女)、うち1名死亡

主な症状

吐き気、嘔吐等

【事例11】

発生年月日

平成28年4月23日

発生場所

秋田県、家庭

原因食品

トリカブト(推定)

概要

患者が死亡しているため入手経路は不明だが、シドケと誤認してトリカブトを喫食したものと推定された。

患者

1名(70代男性)※4月28日死亡

主な症状

しびれ、嘔吐、不整脈

【事例12】

発生年月日

平成28年4月23日

発生場所

宮城県、家庭

原因食品

バイケイソウ

概要

自宅の庭に生えていたバイケイソウをウルイと誤って採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

1名(60代女性)

主な症状

吐き気、嘔吐、めまい等

【事例13】

発生年月日

平成28年4月24日

発生場所

長野県、家庭

原因食品

スイセン

概要

自宅の庭に生えていたスイセンをニラと誤って採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

4名

主な症状

吐き気、嘔吐等

【事例14】

発生年月日

平成28年5月2日

発生場所

長野県、家庭

原因食品

バイケイソウ

概要

バイケイソウをウルイと誤って採取し、調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

2名(60代男女)

主な症状

嘔吐、吐き気、悪寒、めまい等

【事例15】

発生年月日

平成28年5月3日

発生場所

岐阜県、販売所

原因食品

イヌサフラン

概要

生産者がギョウジャニンニクと誤ってイヌサフランを出荷し、当該品を販売所で購入した客が自宅で調理・喫食したところ、食中毒症状を呈した。

患者

1名

主な症状

下痢、嘔吐

(参考)平成28年有毒植物による食中毒件数(疑いを含む) 5月3日現在

植物

事件数

患者数

うち死者

スイセン

7

26

0

バイケイソウ

4

6

0

イヌサフラン

2

3

1

トリカブト

1

1

1

ハシリドコロ

1

2

0

合計

15

38

2

※昨年同時期の有毒植物による食中毒件数

事件数

患者数

うち死者

8

21

0

[別添2]

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