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○老人ホーム等における食中毒予防の徹底について

(平成28年9月16日)

(生食監発0916第1号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課長通知)

(公印省略)

先般、老人ホームで発生した腸管出血性大腸菌O157食中毒事案について、平成28年9月2日付け生食監発0902第1号「腸管出血性大腸菌O157による食中毒患者の発生について」により通知したところですが、関係自治体による調査の結果、未加熱の野菜調理品(きゅうりのゆかり和え)が原因食品と判明しました(別紙参照)。

集団給食施設等において野菜及び果物を加熱せずに供する場合には、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日付け衛食第85号 別添 最終改正:平成28年7月1日付け生食発0701第5号)に基づき、必要に応じて次亜塩素酸ナトリウム等で殺菌するよう指導してきたところです。

今般の事案を踏まえ、特に高齢者等に食事を提供する施設への指導にあたり、野菜を加熱せずに供する場合には、次亜塩素酸ナトリウム等による殺菌を徹底するよう指導方よろしくお願いします。

また、上記マニュアルに従い、原材料及び調理済み食品の温度管理を行う等、引き続き衛生管理の徹底を指導するよう申し添えます。

別紙

千葉県及び東京都の老人ホームにおける腸管出血性大腸菌O157食中毒事案について(概要)

(1) 千葉県及び東京都の老人ホームにおいて、同一の給食事業者が提供した食事(同一メニュー)を原因とする腸管出血性大腸菌O157による食中毒が発生。

<患者等の情報>※9月14日時点

・千葉県:患者数52名(うち死者5名)

・東京都:患者数32名(うち死者1名)

(2) 千葉県及び東京都の検査において、「きゅうりのゆかり和え」及び患者便から腸管出血性大腸菌O157を検出し、遺伝子レベルで同一性を認めた。

(3) 原因食品は、8月22日の夕食に提供された「きゅうりのゆかり和え」。

(4) 千葉県及び東京都における調査の結果、同一流通経路の原材料を用い、同メニューを提供した各施設の調理工程は以下のとおり。

有症者発生施設①:きゅうり流水洗浄→スライス→ゆかりと和える→冷蔵保管

有症者発生施設②:きゅうり流水洗浄→スライス→塩もみ→ゆかりと和える→冷蔵保管

有症者非発生施設①:きゅうり流水洗浄→次亜塩素酸ナトリウム溶液漬け込み※(約40ppm 5分間程度)→流水洗浄(20~30分間)→スライス→塩もみ→ゆかりと和える→冷蔵保管 ※食中毒調査では効果について検証は行っていない。

有症者非発生施設②:きゅうり流水洗浄→スライス→加熱(沸騰水に入れ3~5分加熱)→流水冷却→ゆかりと和える→冷蔵保管

【参考情報】

8月22日夜に提供した食事(主な献立)

赤魚の煮付け、厚揚げの海老あんかけ、きゅうりのゆかり和え、みそ汁、ごはん

※「赤魚の煮付け」と「厚揚げの海老あんかけ」は既製品。「きゅうりのゆかり和え」は各施設で調理。