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○「使用上の注意」の改訂について

(平成31年2月12日)

(薬生安発0212第1号)

(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長通知)

医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、医薬品の「使用上の注意」の改訂が必要と考えますので、下記のとおり必要な措置を講ずるよう貴会会員に周知徹底方お願い申し上げます。

別紙1から別紙6のとおり、速やかに添付文書を改訂し、医薬関係者等への情報提供等の必要な措置を講ずること。

また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第52条の2第1項に規定する届出が必要な医薬品の添付文書を改訂する場合については、法第52条の3第2項に基づき独立行政法人医薬品医療機器総合機構宛て届出を行うこと。

別紙1

399 他に分類されない代謝性医薬品

【医薬品名】エリグルスタット酒石酸塩

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[禁忌]の項の次に掲げる患者の記載を

「本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがある以下の患者

1)チトクロームP450(CYP)2D6の活性が通常の患者(Extensive Metabolizer、EM)で、以下に該当する患者

・中等度以上の肝機能障害(Child-pugh分類B又はC)がある患者

・軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)があり、中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を使用中の患者

・軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)があり、弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を使用中の患者

・肝機能が正常であり、中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を使用中の患者

2)CYP2D6の活性が低い患者(Intermediate Metabolizer、IM)で、以下に該当する患者

・肝機能障害(Child-pugh分類A、B又はC)がある患者

・肝機能が正常であり、中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を使用中の患者

3)CYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer、PM)で、以下に該当する患者

・肝機能障害(Child-pugh分類A、B又はC)がある患者

・肝機能が正常であり、中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を使用中の患者」

と改め、[用法・用量に関連する使用上の注意]の項のCYP2D6遺伝子型の確認に関する記載を

「本剤投与開始前にCYP2D6遺伝子型、肝機能、及び併用薬剤を確認すること。また、本剤投与中も肝機能及び併用薬剤の状況に注意すること。」

と改め、用法・用量の調整に関する記載を

「CYP2D6の活性が通常の患者(EM)では、下表を参考に、1回の投与量を100mgとして用法・用量の調整を行うこと。なお、中等度以上の肝機能障害(Child-pugh分類B又はC)がある患者には投与しないこと。

肝機能が正常な患者


CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

1日2回

1日2回

1日1回

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

1日2回

1日2回

1日1回

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

1日1回

1日1回

禁忌

軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者


CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

1日2回

1日1回

1日1回

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

1日1回

1日1回

禁忌

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

禁忌

禁忌

禁忌

CYP2D6の活性が低い患者(IM)では、下表を参考に、1回の投与量を100mgとして用法・用量の調整を行うこと。なお、肝機能障害(Child-pugh分類A、B、又はC)がある患者には投与しないこと。

肝機能が正常な患者


CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注)

併用なし

1日2回

1日2回

禁忌

弱い阻害作用を有する薬剤を併用

1日2回

1日2回

禁忌

中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用

1日1回

1日1回

禁忌

CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)には、本剤の血中濃度が上昇するため投与を避けることが望ましいが、投与する場合は、1回100mg1日1回投与を目安とし、慎重に投与すること。ただし、肝機能障害(Child-pugh分類A、B、又はC)がある場合、又は中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合は投与しないこと。

注)CYP2D6阻害作用を有する薬剤とCYP3A阻害作用を有する薬剤については「相互作用」の項を参照し、禁忌又は用法・用量の調整が必要な薬剤に該当するかを確認すること。」

と改め、[相互作用]の「併用禁忌」の項に

「〈CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者〉

中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤

弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を併用

クラスⅠa抗不整脈薬(キニジン、プロカインアミド等)、クラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン、ソタロール等)、ベプリジル塩酸塩」

を追記する。

別紙2

429 その他の腫瘍用薬

【医薬品名】

トラスツズマブ(遺伝子組換え)

トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続1]

トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続2]

トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続3]

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項に

「腫瘍崩壊症候群:

腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。」

を追記する。

別紙3

429 その他の腫瘍用薬

【医薬品名】ニボルマブ(遺伝子組換え)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項の免疫性血小板減少性紫斑病に関する記載を

「重篤な血液障害:

免疫性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、無顆粒球症等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

と改め、

「血球貪食症候群:

血球貪食症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙4

429 その他の腫瘍用薬

【医薬品名】パルボシクリブ

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。」

を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に

「間質性肺疾患:

間質性肺疾患があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙5

429 その他の腫瘍用薬

【医薬品名】ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項の免疫性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、赤芽球癆に関する記載を

「重篤な血液障害:

免疫性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

と改め、

「血球貪食症候群:

血球貪食症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙6

625 抗ウイルス剤

【医薬品名】グレカプレビル水和物・ピブレンタスビル

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、観察を十分に行うこと。」

を追記し、[副作用]の項に新たに「重大な副作用」として

「肝機能障害、黄疸:

AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

を追記する。