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○ナルメフェン塩酸塩水和物の使用に当たっての留意事項について
(平成31年1月8日)
(/薬生薬審発0108第10号/薬生安発0108第1号/障精発0108第1号/)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長、各都道府県・各指定都市精神保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課長通知)
(公印省略)
ナルメフェン塩酸塩水和物(販売名:セリンクロ錠10mg。以下「本剤」という。)については、本日、「アルコール依存症患者における飲酒量の低減」を効能又は効果として承認したところです。
厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業(障害者政策総合研究事業(精神障害分野))アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究により作成されたアルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)では、アルコールを含む物質依存症の治療の主体は心理社会的治療であり、薬物療法は補助的な役割を担うとされています。本剤も臨床試験において、心理社会的治療との併用下でのみ、飲酒量を低減する有効性が確認されています。
また、ガイドラインでは、明確な合併症を有しない等の一部のアルコール依存症患者では飲酒量の低減が治療目標になり得るという考え方が示されていますが、一方で、アルコール依存症の治療目標は、原則的に断酒の達成とその継続であるともされています。
これらを踏まえ、本剤の投与に当たっては、ガイドライン等の情報に留意し、診断、治療目標の設定及び心理社会的治療の実施を含むアルコール依存症治療の全般が適切に実施されている必要があります。本剤の処方を行う医師においては、専門医療施設や学会が行う講習会を受講すること等により技術の向上を図っていただくこと、依存症専門医療機関ではない医療機関で本剤を処方する際は、「依存症専門医療機関及び依存症治療拠点機関の整備について」(平成29年6月13日付け障発0613第4号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)によって定められている依存症専門医療機関及び厚生労働科学研究費補助金アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究 平成28年度 総括研究報告書の選定基準を満たす医療機関と継続的な連携を図っていただくことが適切と考えます。
このようなアルコール依存症の治療に本剤を使用する際の要件及び注意事項については、添付文書及び医薬品リスク管理計画に記載してあるため、貴管下の医療機関等に対する周知をお願いします。
また、貴殿においては、引き続きアルコール依存症治療に係る医療関係者の技術の向上を推進していただき、ひいては本剤の適正使用が図られるよう、ご協力をお願いします。