アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○病院又は診療所間において検体検査の業務を委託及び受託する場合の留意点について

(平成30年11月29日)

(/医政総発1129第1号/医政地発1129第1号/)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医政局長総務課長・厚生労働省医政局地域医療計画課長通知)

(公印省略)

病院が検体検査業務を受託することについては、「病院における検体検査業務の受託について」(平成17年3月15日付け医政総発第0315001号厚生労働省医政局総務課長通知。以下「旧通知」という。)において、病院については、病院本来業務の適正な実施を確保する観点から、「営利を目的としていないこと」、「業として(反復継続して)行っていないこと」、「病院本来の検体検査業務に支障が生じていないこと」という要件を全て満たした場合のみ受託が認められることを原則とした上で、専門性の高い検体検査業務(「①病理学的検査(②に該当するものを除く。)」及び「②検体中の核酸又は遺伝子を対象としたいわゆる遺伝子検査」)については、営利を目的とせず、かつ、病院本来の検体検査業務に支障が生じていない場合には、「業として(反復継続して)行っていないこと」という要件を別途求めないことを示していたところである。

今般、医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)の一部の規定が平成30年12月1日に施行され、同法による改正後の医療法(昭和23年法律第205号)第15条の3の規定により、病院、診療所又は助産所が検体検査の業務を病院又は診療所(以下「病院等」という。)に委託する場合は、委託先の病院等が検体検査の業務の適正な実施に必要な基準に適合することが求められることとなる。これに関して、検体検査の業務を委託及び受託する際の留意点等については下記のとおりであるので、貴職におかれては、その趣旨を十分に御理解いただくとともに、その取扱いに遺漏なきようお取り計らい願いたい。

なお、本通知の適用日は平成30年12月1日とし、適用日をもって旧通知は廃止する。

1 検体検査業務の委託及び受託において遵守すべき事項について

検体検査業務を委託する病院等(以下「委託病院等」という。)及び検体検査業務を受託する病院等(以下「受託病院等」という。)が留意すべき事項は以下のとおりとする。

(1) 検体検査業務の委託について委託病院等が留意すべき事項

委託病院等は、受託病院等が「医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令」(平成30年厚生労働省令第93号)による改正後の医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号。以下「新規則」という。)第9条の8第1項で定める基準を満たす施設であることを確認すること。

(2) 検体検査の受託について受託病院等が留意すべき事項

受託病院等は、検体検査業務を受託するに当たり、新規則第9条の8第1項で定める基準を満たすこと。(別添参照)

2 その他留意すべき事項について

病院等における検体検査の委託及び受託については、以下の点に留意すること。

(1) 委託病院等においては、委託する検体検査の衛生検査所等への委託の可否を考慮した上で、適切な委託先を検討すること。

(2) 受託病院等においては、本来の検体検査業務に支障を生じない範囲内で受託すること。

(3) 受託病院等においては、非営利性を確保すること。

(4) 受託病院等においては、検体検査業務の再委託は行わないこと。

(別添)

○医療法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(平成三十年厚生労働省令第九十三号)による改正後の医療法施行規則(昭和二十三年厚生省令第五十号)(抄)

第九条の八 法第十五条の三第一項第二号の病院、診療所又は前条の施設(施設告示第四号に定める施設を除く。)における厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとする。

一 受託する業務(以下「受託業務」という。)の責任者として、検査業務に関し相当の経験を有する医師が受託業務を行う場所に置かれているか、又は受託業務の責任者として検査業務に関し相当の経験を有する臨床検査技師が受託業務を行う場所に置かれ、かつ、受託業務を指導監督するための医師(別表第一の三において「指導監督医」という。)を選任していること。

二 受託業務の従事者として、医師又は臨床検査技師その他の受託業務を行うために必要な知識及び技能を有する者が必要な数受託業務を行う場所に置かれていること。

三 第一号に掲げる受託業務の責任者及び前号に掲げる者のほか、専ら精度管理(検体検査の精度を適正に保つことをいう。以下同じ。)を職務とする者として、医師又は臨床検査技師(検査業務に関し相当の経験を有し、かつ、精度管理に関し相当の知識及び経験を有する者に限る。)を有すること。

四 遺伝子関連・染色体検査の業務を実施するに当たつては、遺伝子関連・染色体検査の精度の確保に係る責任者として、遺伝子関連・染色体検査の業務に関し相当の経験を有する医師若しくは臨床検査技師又は遺伝子関連・染色体検査の業務に関し相当の知識及び経験を有する者を有すること。

五 電気冷蔵庫、電気冷凍庫及び遠心器のほか、別表第一の二の上欄に掲げる検査にあつては、同表の中欄に掲げる検査の内容に応じ、同表の下欄に掲げる検査用機械器具を有すること。ただし、委託する者の検査用機械器具を使用する場合は、この限りでない。

六 別表第一の三に掲げる事項を記載した標準作業書を常備し、従事者に周知していること。

七 次に掲げる事項を記載した業務案内書を常備していること。

イ 検査方法

ロ 基準値及び判定基準

ハ 病院又は診療所に緊急報告を行うこととする検査値の範囲

ニ 病院又は診療所の外部で検査を行う場合にあつては、所要日数

ホ 検査の一部を委託する場合にあつては、実際に検査を行う者の名称

ヘ 検体の採取条件、採取容器及び採取量

ト 検体の提出条件

チ 検査依頼書及び検体ラベルの記載項目

リ 業務の管理体制

八 別表第一の三の上欄に掲げる標準作業書に記載された作業日誌の記入要領に従い、次に掲げる作業日誌(事故又は異常への対応に関する記録の欄が設けられているものに限る。)が作成されていること。ただし、血清分離のみを行う場所にあつては、ハ及びヘに掲げる作業日誌を、血清分離を行わない場所にあつては、ニに掲げる作業日誌を作成することを要しない。

イ 検体受領作業日誌

ロ 検体搬送作業日誌

ハ 検体受付及び仕分作業日誌

ニ 血清分離作業日誌

ホ 検査機器保守管理作業日誌

ヘ 測定作業日誌

九 別表第一の三の上欄に掲げる標準作業書に記載された台帳の記入要領に従い、次に掲げる台帳が作成されていること。ただし、血清分離のみを行う場所にあつては、ロからトまで及びヌに掲げる台帳を作成することを要しない。

イ 委託検査管理台帳

ロ 試薬管理台帳

ハ 温度・設備管理台帳

ニ 統計学的精度管理台帳

ホ 外部精度管理台帳

ヘ 検体保管・返却・廃棄処理台帳

ト 検査依頼情報・検査結果情報台帳

チ 検査結果報告台帳

リ 苦情処理台帳

ヌ 教育研修・技能評価記録台帳

十 従事者に対して、適切な研修を実施していること。

2 (略)