添付一覧
○安全性定期報告に関する質疑応答集(Q&A)について
(平成30年11月8日)
(事務連絡)
(各都道府県衛生主管部(局)あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課通知)
安全性定期報告に関する取扱いについては、「安全性定期報告書別紙様式及びその記載方法について」(平成25年5月17日付け薬食審査発0517第4号、薬食安発0517第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、安全対策課長連名通知。以下「二課長通知」という。)により示してきたところであり、この取扱いに関する質疑応答集は、「安全性定期報告制度に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成25年12月20日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課、安全対策課事務連絡。以下「旧事務連絡」という。)により示してきたところです。
「「安全性定期報告書別紙様式及びその記載方法について」の一部改正について」(平成29年11月28日付け薬生薬審発1128第5号、薬生安発1128第4号厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長、医薬安全対策課長連名通知)により、二課長通知の一部が改正されたことに伴い、旧事務連絡の全般的な見直しを行い、今般、別添のとおり新たな質疑応答集を取りまとめましたので、貴管下関係業者に対しご周知方よろしくお願いします。
なお、本事務連絡は本日より適用しますが、2019(平成31)年9月30日まで旧事務連絡に基づき安全性定期報告を行っても差し支えないものとします(旧事務連絡は2019(平成31)年10月1日以降、完全に廃止することとします。)。
(別添)
安全性定期報告に関する質疑応答集(Q&A)について
本質疑応答集において、「企業中核安全性情報」を「CCSI」、「医薬品製造販売承認取得者」を「MAH」、「定期的ベネフィット・リスク評価報告」を「PBRER」、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構」を「PMDA」、「厚生労働大臣が指定する日」を「指定日」と、「「薬事法施行規則の一部を改正する省令の施行及び新医療用医薬品に関する安全性定期報告制度について」(平成25年5月17日付け薬食発0517第2号厚生労働省医薬食品局長通知)」を「局長通知」と、「「安全性定期報告書別紙様式及びその記載方法について」(平成25年5月17日付け薬食審査発0517第4号、薬食安発0517第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、安全対策課長連名通知)」を「二課長通知」とそれぞれ省略する。
1.全般的事項
1) 指定日
(問1) 指定日として希望する日は、PBRERの作成基準日等に基づき、MAHの意向や運用上の効率性を考慮し任意の日としてもよいか。 |
(答1)
よい。ただし、指定日は、希望した日から起算して6か月の整数倍を経過した日のうち当該医薬品が承認された日の直前の日又は承認日になる。
(問2) MAHがPBRER作成基準日を変更し、指定日から起算した報告期限日に適切な調査期間のPBRERを提出することができない場合、報告期限日を変更することは可能か。 |
(答2)
指定日を変更することにより、調査単位期間及び報告期限日を変更することが可能である。その際、次に掲げる事項を記載した厚生労働大臣宛ての変更願書を、変更後の指定日に基づいて安全性定期報告書を初めて提出する予定の日までに、PMDA審査業務部業務第一課に提出すること。
ただし、変更を希望する指定日の範囲は、当該医薬品が承認された日から起算して6か月前から、承認された日までの間に限る。
一 当該医療用医薬品の名称
二 承認年月日及び承認番号
三 指定日の変更が必要となった理由
四 現在の指定日及び変更を希望する日
五 変更した場合に設定される報告期限日のスケジュール
六 担当者名及び連絡先
2) 安全性定期報告書の提出時期
(問3) 薬価収載されていない又は発売していない等の理由により、安全性定期報告の調査単位期間の満了日までに製造販売後調査等を開始していない場合、どの様な形式・内容で安全性定期報告書を提出すればよいか。 |
(答3)
承認時までの状況、海外情報あるいは成分同一物の情報を記載した安全性定期報告書を提出すること。その際、別紙様式1―2には、製造販売後調査等の実施の有無によらず、承認時までの主要な臨床試験を全て記載すること。別紙様式2~4に記載すべき情報がない場合は、局長通知の別紙様式第1に、記載すべき情報がない旨及びその理由を記載することで、記載すべき情報がない別紙様式の提出は不要とする。
なお、製造販売後調査等の開始が遅延している場合は、局長通知の別紙様式第1に、開始遅延の理由及び開始予定時期を記載すること。
(問4) 記載すべき情報がない別紙様式は提出しなくてよいか。 |
(答4)
よい。その場合、局長通知の別紙様式第1に、記載すべき情報がない旨及びその理由を記載すること。
(問5) 承認の承継等により発売が指定日から極端に遅くなった(例えば2年以上)場合、第1回の安全性定期報告は発売開始後に提出することでよいか。 |
(答5)
発売時期にかかわらず、指定日より起算した調査単位期間での安全性定期報告を行うこと。
(問6) 最後の報告期限日が再審査期間終了後になる場合、最後の安全性定期報告の提出時期について、どのようにすればよいか。 |
(答6)
局長通知の記の3.のとおり、最後の調査期間開始後9か月以内に提出すること。ただし、局長通知の記の2.の調査により得られた資料が邦文である場合は、当該調査期間開始後6か月+70日以内に提出すること。
また、再審査期間の満了日から3か月目(局長通知の記の2.の調査により得られた資料が邦文で記載されている場合にあっては70日目)が最後の調査期間開始後9か月を超える場合にあっては、再審査期間の満了日から3か月(局長通知の記の2.調査により得られた資料が邦文で記載されている場合にあっては70日)以内に提出すること。
3) 調査結果を踏まえた対策
(問7) 安全性定期報告の調査結果に基づいて、使用上の注意を改訂する場合はどのような手続きを行うのか。 |
(答7)
「調査結果を踏まえた今後の安全対策」欄に使用上の注意の改訂を検討する旨を記載して、安全性定期報告書をPMDAに提出するとともに、並行して、PMDA安全第二部へ改訂案について相談すること。
(問8) 局長通知の記の4.において「「調査結果を踏まえた今後の安全対策」については、国内の製造販売後調査等と成分同一物における調査の結果を比較し、報告者としての見解を記載すること。」とあり、また、二課長通知では、記の1.の(7)に「調査結果を踏まえた今後の安全対策」欄に関する記載方法が示されているが、本欄における報告者としての見解に、使用上の注意とCCSI記載内容の相違点の記載は必要か。 |
(答8)
CCSIとの相違点、特にCCSIに新たに記載された注意事項の本邦使用上の注意への記載の検討結果は重要と考えられ、CCSIと使用上の注意の相違点に関する考察を本欄において行うべきである。また、添付文書とCCSIの比較表を利用して考察することも適当と考えられる。
2.二課長通知別紙様式の記載方法
1) 別紙様式1―2、2
(問9) 臨床検査値の異常変動に関する副作用を副作用頻度表等に記載する場合、発現頻度の分母は安全性解析対象症例とするのか、当該臨床検査値を測定した症例とするのか。 |
(答9)
副作用発現頻度表は安全性解析対象症例を分母として頻度を算出する。ただし、臨床検査値の変動等を検討・考察する場合には、必要に応じ、検査実施例を分母とすること。
(問10) 別紙様式1―2「承認時までの副作用・感染症の発現状況」について、表左上に「調査・試験名」を記載し、かつ注意として「承認時までの主要な臨床試験を併合して記載すること。」とされているが、再審査期間中の効能・効果や用法・用量が複数ある場合には、それぞれの承認された効能・効果や用法・用量ごとに作成、あるいは再審査期間中のすべての効能・効果や用法・用量に関する主要な臨床試験の結果を併合する等、安全性評価に適切と考えられる集団ごとに作成することでよいか。 |
(答10)
よい。なお、承認された効能・効果、用法・用量等ごとに作成する場合には、調査・試験名だけでなく、いずれの効能・効果、用法・用量等を対象とした調査・試験であるか示すこと。
(問11) 二重盲検比較試験を実施中に発現した副作用は、当該症例が対象医薬品によるものか否かはキーオープンまで不明である。安全性定期報告の別紙様式2への記載は判明した後でよいか。 |
(答11)
安全性定期報告の別紙様式2への記載は、キーオープン前で不明であっても記載すること。その際、キーオープン前であること、キーオープンを行わない理由、対照薬剤名を脚注や本文中(副作用発現状況等)に明記すること。なお、製造販売後臨床試験の実施中に医薬品のベネフィット・リスク評価に著しい影響を与えるような情報を有する場合は、キーオープン前であっても速やかに対応措置等をPMDAへ報告すること。
(問12) 別紙様式2に示すデータは、対照群をおいた調査・試験等においては、副作用ではなく有害事象として集計することが適切な場合もあるため、調査・試験ごとに提示するデータの内容について注釈を付し、適切なデータを記載することでよいか。 |
(答12)
よい。ただし、有害事象として集計することが適切と考える場合は、調査・試験の計画時に明確に規定しておき、実施計画書に記載しておくこと。
なお、副作用又は有害事象のいずれの集計であるかについては、別紙様式2の注釈にて明記すること。
2) 別紙様式3、4
(問13) 成分同一物で効能・効果の追加等のための治験で発現し、PMDAに報告した副作用・感染症症例は安全性定期報告の対象とするのか。 |
(答13)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第63条第2項第10号の「当該医療用医薬品等の品質、有効性及び安全性に関する事項その他当該医療用医薬品の適正な使用のために必要な情報」にあたる場合には、報告対象となる。
(問14) 別紙様式3の(注意)1.には「機構に報告した副作用・感染症の症例(外国の症例を除く。)について記載すること。」、別紙様式4の(注意)3.には「機構へ報告した副作用・感染症症例(外国症例を除く。)について、調査単位期間ごとにまとめて作成すること。」とあるが、いずれの別紙様式も当該調査単位期間に収集した情報のうち、PMDAに報告した副作用・感染症症例を対象として作成することでよいか。 |
(答14)
よい。
(問15) 別紙様式3「副作用・感染症症例報告における発現状況」の集計で、同一症例の中で同一の副作用・感染症について追加報告を行った場合、複数の記載が必要か。 |
(答15)
不要である。同一症例の中で同一の副作用・感染症の情報を異なる調査単位期間に入手し追加報告した場合でも、調査単位期間ごとにそれぞれ別記様式3に記載する必要はない。
(問16) 別紙様式3の(注意)1.に「また、医療関係者から厚生労働大臣になされた副作用・感染症報告(医療機関報告)のうち、機構により詳細調査が行われ、機構より得られた情報(機構への報告を不要としたもの)も含めること」とあるが、当該医療機関報告については、調査単位期間にPMDAより入手した副作用・感染症報告のうち、自発報告との重複を除いた重篤な副作用・感染症を含めることでよいか。 |
(答16)
よい。
3.PBRER関連
(問17) 海外導入品で、種々の事情のためMAHからICHで合意された形式と調査単位期間に従ったPBRERが入手できない場合はどうしたらよいか。 |
(答17)
可能な限り、PBRERあるいはICHの目指すところを踏まえ以下のように対応すること。
①調査単位期間について
当該安全性定期報告の調査単位期間を含む期間で作成されたPBRERを添付すること。なお、「定期的ベネフィット・リスク評価報告(PBRER)について」(平成25年5月17日付け薬食審査発0517第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)別添の「2.8 報告頻度とPBRERのデータロックポイント」も参照すること。
②形式(様式)について
ICHで合意された形式のPBRERが入手できない場合、可能な限り情報は入手し、局長通知記の4.(2)に準じ、記2.の事項ごとに整理して安全性定期報告書に記載すること。
いずれの場合も、自社からMAHへの依頼文書、MAHからの回答書等の文書を保存しておく必要がある。
(問18) 海外導出品(自社がMAH)で、種々の事情で導出先から情報が入手できず、ICHで合意された内容のPBRERが作成できない場合はどうすべきか。 |
(答18)
入手できた情報の範囲を明記して、その範囲で作成すること。
いずれの場合も、自社から導出先への依頼、導出先からの回答等の記録を保存しておく必要がある。
(問19) 国内開発で国内のみの販売品目についてはPBRERを添付して提出するのか。 |
(答19)
すべての情報が安全性定期報告に含まれるのであれば、PBRERを添付(提出)する必要はない。この場合は、国内販売のみのためPBRERは添付していない旨を局長通知の別紙様式第1の「備考」欄に記載すること。
4.その他
(問20) 製造販売後調査等の結果をどの様に記載すべきか。 |
(答20)
製造販売後調査等が実施中の場合は、局長通知の別紙様式第1の「医薬品リスク管理計画の実施状況」欄及び二課長通知の別紙様式1に進捗状況を記載し、安全性等についての検討を行った場合は、それぞれの製造販売後調査等ごとに局長通知の別紙様式第1の「医薬品安全性監視計画実施結果の概要」又は「リスク最小化計画実施結果の概要」で検討した結果を記載すること。
製造販売後調査等が終了した場合は、局長通知の別紙様式第1の「医薬品安全性監視計画実施結果の概要」又は「リスク最小化計画実施結果の概要」で、それぞれの製造販売後調査等ごとに検討した結果又は総括報告書等の詳細な報告書を添付する旨を記載すること。製造販売後調査等の終了後2回目以降の安全性定期報告では当該製造販売後調査等の結果を報告済みである旨を記載してもよい。
なお、添付する製造販売後調査等の総括報告書等の詳細な報告書は、電子媒体で提出することでも差し支えない。電子媒体での提出方法については、問21を参照すること。
(問21) 局長通知の記の7.において、「(2)提出部数は、正本1部及び副本1部とすること。なお、添付するPBRERについては、別途定める電子媒体で提出して差し支えないこと。」とされているが、PBRER又はPSURを電子媒体により提出する場合、正本とともに1部提出することでよいか。また、電子媒体の提出に際して留意すべき点はあるか。 |
(答21)
電子媒体であっても正本1部及び副本1部の計2部を提出すること。PBRER又はPSURを電子媒体で提出する場合には、紙の文書をスキャンして作成するのではなく、テキスト情報を含んだ形式とすること。また、電子媒体(CD―R又はDVD―R)は、MAHの名称、販売名、報告回数、提出日を記載する等容易に判別可能な状態にすること。
(問22) 市販直後調査結果は安全性定期報告書にどのように反映するのか。 |
(答22)
市販直後調査を通じて収集しPMDAへ報告した副作用・感染症症例を安全性定期報告書の該当する様式に記載する。