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○市町村や地域包括支援センターにおける身元保証等高齢者サポート事業に関する相談への対応について

(平成30年8月30日)

(/老高発0830第1号/老振発0830第2号/)

(各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生労働省老健局高齢者支援課・振興課通知)

我が国においては、少子高齢化が進展し、高齢者の単身世帯が増加していることを背景に、主に一人暮らしの高齢者等を対象とした、身元保証や日常生活支援、死後事務等に関するサービスを提供する事業形態(以下「身元保証等高齢者サポート事業」という。)が生まれている。

こうしたサービスの需要は、今後一層高まっていくことが見込まれている一方で、指導監督に当たる行政機関が必ずしも明らかではなく、また、利用者からの苦情についてもほとんど把握されていないことに鑑み、消費者委員会は、平成29年1月31日に、当該事業に係る消費者被害を防止する観点から、「身元保証等高齢者サポート事業に関する消費者問題についての建議」(以下「建議」という。)を取りまとめた。

当該建議において、「厚生労働省は、関係行政機関と連携して、身元保証等高齢者サポート事業において消費者問題が発生していることを踏まえ、事業者に対してヒアリングを行うなど、その実態把握を行うこと。」等とされていることを踏まえ、厚生労働省は、平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「地域包括ケアシステムの構築に向けた公的介護保険外サービスの質の向上を図るための支援のあり方に関する調査研究事業」(以下「調査研究事業」という。)において実態調査を行うとともに、利用者に対する支援の在り方について検討を行い、報告書が取りまとめられたところである。

今般、報告書の内容を踏まえ、各市町村や地域包括支援センターにおける、身元保証等高齢者サポート事業に関する相談を受けた場合の取扱いを下記のとおり示すので、貴管内市町村へ周知するとともに、適切な運用に努められたい。

なお、本通知は消費者庁消費者政策課と協議済みであり、その内容は同課から各都道府県・市町村の消費生活センター・相談窓口にも周知される予定であることを申し添える。

また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的な助言である。

1.身元保証等高齢者サポート事業に関する相談への対応について

高齢者の単身世帯が増加していること等を背景に、身元保証等高齢者サポート事業の需要は今後も一層高まっていくことが見込まれているが、高齢者やその家族等が身元保証等高齢者サポート事業を利用する場合、高齢者等は、どのような点に着目してサービス内容や事業者を選択すれば良いのか分からない、どの機関に相談したら分からない等の不安を抱えている。

こうした課題に対応するため、調査研究事業は、高齢者等が安心して身元保証等高齢者サポート事業を利用できるよう、当該事業についての説明と、利用する事業者及びサービスを検討する際のポイントを示した普及啓発資料(以下「ポイント集」という。)を作成した。

市町村や地域包括支援センターにおいては、身元保証等高齢者サポート事業に関する相談を受けた場合は、別添のポイント集を適宜活用し、適切な助言を行うようお願いする。

また、高齢者やその家族等が身元保証等高齢者サポート事業を安心して利用するためには、当該事業による消費者被害を防ぐことも重要であることから、消費者行政部局との連携を一層促進し、必要な情報共有や、関係部署間の連携体制の構築等に努められたい。その際、一部の市町村等の消費者行政部局においては、消費者安全法(平成21年法律第50号)に基づいて設置できる消費者安全確保地域協議会を活用し、消費生活上特に配慮を要する消費者の見守り等必要な取組みを行っていることを踏まえ、地域包括支援センター等が構築を推進している地域のネットワークとの連携を図られたい。

2.介護施設等における身元保証人等に求める役割

介護施設等における身元保証人等に求める役割等の実態については、消費者委員会が平成29年1月に取りまとめた建議において、実態の把握等が求められている。

これを踏まえ、平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」において、介護施設等が身元保証人等に求める役割等の実態を調査した結果が公表されたところである。

本調査の結果、介護施設への入所(入院・入居)時に本人以外の署名を求めている施設は95.9%を占めており、施設側が身元引受人等に求める機能・役割は、本人の責任範囲を超えた場合における滞納リスクの回避、本人の能力が衰えた場合における身上保護および財産管理に大別されることが明らかとなった。

なお、平成30年3月の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議でも周知したところであるが、介護保険施設に関する法令上は身元保証人等を求める規定はなく、各施設の基準省令においても、正当な理由なくサービスの提供を拒否することはできないこととされており、入院・入所希望者に身元保証人等がいないことは、サービス提供を拒否する正当な理由には該当しない。

介護保険施設に対する指導・監督権限を持つ都道府県等におかれては、管内の介護保険施設が、身元保証人等がいないことのみを理由に入所を拒むことや退所を求めるといった不適切な取扱を行うことのないよう、適切に指導・監督を行うようお願いする。

【参考】

○ 平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「地域包括ケアシステムの構築に向けた公的介護保険外サービスの質の向上を図るための支援のあり方に関する調査研究事業」報告書

※https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=32522

○ 平成29年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「介護施設等における身元保証人等に関する調査研究事業」報告書

※https://www.mizuho-ir.co.jp/case/research/mhlw_kaigo2018.html

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