○国民健康保険の被保険者資格に係る確認事務の実施について
(平成30年6月27日)
(保国発0627第1号)
(都道府県民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長あて厚生労働省保険局国民健康保険課長通知)
(公印省略)
国民健康保険の被保険者資格の取得、喪失に係る適用事務は、国民健康保険制度の事業運営の基本となるものであり、資格取得の届出時において提出書類等で確認を行うほか、日本年金機構から提供される年金被保険者情報を活用すること等により適用の適正化を実施している。
しかしながら、事業所に勤務し、本来は健康保険や厚生年金に加入すべきでありながら、国民健康保険や国民年金に加入している方がいる可能性があることが従来から指摘されてきたことを踏まえ、「国民健康保険の被保険者の適用にかかる周知について」(平成29年4月3日付保国発0403第1号厚生労働省保険局国民健康保険課長通知)に基づき、平成29年度から各市町村(特別区を含む。以下同じ。)において、周知用リーフレットの窓口設置や必要な者に対する年金事務所への相談案内等の取組を開始したところである。
さらに、平成29年7月から9月の間、市町村の協力を得て、市町村国保の窓口や郵送で就労状況等を確認した上で、日本年金機構年金事務所(以下「年金事務所」という。)へ情報提供を行うモデル事業を実施したところである。
今般、モデル事業の実施結果がとりまとまり、モデル事業を通して健康保険・厚生年金の適用の可能性があるものについて年金事務所へ情報提供を行った結果、加入指導等により適用に結びついているところである。
こうした実施状況を踏まえ、国民健康保険の被保険者資格の適正な管理を促進する観点から、年金事務所と連携した資格確認事務の取扱いについて下記のとおりまとめたところである。
都道府県におかれては、その内容について御了知の上、貴管内市町村に周知するとともに、実施可能な市町村において、準備が整ったところから順次取組を進めるなど、実情に応じた取組が図られるようご配慮願いたい。
なお年金局及び日本年金機構とは協議済であることを申し添える。
記
1.適正な資格管理に係る取組の全体像
各市町村において、「国民健康保険の被保険者の適用にかかる周知について」(平成29年4月3日付保国発0403第1号厚生労働省保険局国民健康保険課長通知)に基づき、引き続き、周知用リーフレットの窓口設置や必要な者に対する年金事務所への相談案内等の取組を実施する。
また、市町村の実情に応じ、さらなる適用の適正化を促進する観点から、次の2.及び3.に示す事務の実施に努める。
2.被保険者資格確認事務
(1) 市町村窓口による確認事務
① 国民健康保険の加入手続きや納付相談等のために国民健康保険担当窓口に来所された方に、状況に応じて就労の有無を聴取し、就労していることが明らかとなった場合に、周知用リーフレット(別添1)を渡して健康保険・厚生年金保険の適用の考え方を説明する。
その上で就労状況等に関する確認票(以下「確認票」という。)(別添2)に記入を依頼して、健康保険・厚生年金の適用の可能性がある場合には、年金事務所へ回付し情報提供を行う。ただし、窓口において記入が困難な場合などは、確認票を渡して所管の年金事務所へ相談に行くよう案内を行う。
② 滞納者に係る納付相談を税務部門等で行っている場合は、当該部門の協力を得る必要がある。また、窓口業務を外部委託している場合等は、本確認事務の内容や社会保険の適用要件について研修を行うなど、充分な制度の理解を図ることが必要と考える。
(2) 郵送による確認事務
① 国民健康保険加入後に事業所で勤務する場合もあることから、国民健康保険料(税)を滞納している被保険者(世帯主)宛ての督促状等の送付や短期証の交付、被保険者証更新の機会などに併せて周知用リーフレット及び確認票を同封して健康保険・厚生年金の適用の考え方を改めて情報提供し、就労している場合には、同封の確認票に記入後、市町村に返送するよう依頼する。ただし、送付物がはがき等であるために同封できない場合は、別途送付することにより行う。
(送付を行う機会の例)
・保険料(税)督促状、催告書、差押予告書
・短期被保険者証、被保険者資格証の交付
・被保険者証の更新
② 送付方法については、制度周知の観点から滞納者や被保険者全員に送付することも一つの方法であるが、60歳以上の在職老齢年金受給者以外の年金受給者を除外したり、課税所得情報等から給与所得者を抽出することで、対象者を絞り込んで送付する方法も有効と考える。
(送付対象者の例)
・1年以上の国保継続加入者で、給与所得のある60歳未満の者
・給与所得が100万円から300万円の者のうち、就労可能性が高い20歳~35歳及び年金受給前の50歳~65歳
・130万円以上の給与収入がある18歳以上65歳未満の者
(3) 管理表の作成
実施市町村は、市町村の窓口や郵送により受け付けた確認票について、市町村受付(回付)管理表(別添3)を作成し、進捗等の管理を行う。
3.年金事務所との連携事務
(1) 年金事務所への確認票の回付等
① 確認票については、記入漏れがないか等のチェックを行い、管轄の年金事務所へ簡易書留の郵送等により回付することで情報提供を行う。
なお、確認票については、当月受付分を翌月15日までに市町村受付(回付)管理表(別添3)と併せて回付することとする。
また、年金事務所へ確認票を回付した後に被保険者等から照会があった場合には、年金事務所へ照会するよう案内する。
② 年金事務所では、確認票の記入内容について本人の年金記録等を確認し、調査結果等について年金事務所受付(進捗)管理表(別添4)により毎月25日までに市町村へ報告する。
(2) 年金事務所からの報告による被保険者資格の喪失処理等
年金事務所での調査結果報告により、健康保険の適用が明らかとなった場合には、資格喪失届の提出を求める等、所要の手続により国民健康保険の資格喪失処理を行う。
なお、遡及して国民健康保険の被保険者資格を喪失した場合、支払済保険料(税)の還付や保険給付費の返還処理を適切に行う。
4.その他
被保険者資格に係る確認事務の実施に要する費用については、予算の範囲内において特別調整交付金による財政支援を行うことを予定している。
なお、交付基準等の詳細については、別途、連絡する。
[別添1]
[別添2]
[別添3]
[別添4]