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○「日本国内に住所を有する被扶養者の認定事務について」に関する留意点について〔厚生年金保険法〕

(平成30年8月29日)

(事務連絡)

(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業推進部門(統括担当)担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知)

日本国内に住所を有する被扶養者の認定については、「日本国内に住所を有する被扶養者の認定事務について」(平成30年8月29日付け年管管発0829第4号)(以下「本通知」という。)で示したところであるが、本通知に関連して、取扱いの詳細についてのQ&Aを別紙のとおり作成したので、事務の実施に当たってご留意いただきたい。

なお、本件については、厚生労働省保険局保険課と協議済みであることを申し添える。

【別紙】

「日本国内に住所を有する被扶養者の認定事務について」に関するQ&A

1.全体

Q1 平成30年3月22日に発出された通知「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」と本通知は、どういう関係なのか。

A.本通知は、認定対象者が国内居住の場合の取扱いを示すものであり、本通知が被扶養者認定の基本的な考え方となる。3月22日の通知は、認定対象者が海外居住の場合の認定事務について、戸籍謄本のような国内の公的機関で発行される証明書類の提出が困難な場合の対応方法を示したものであり、本通知の特例的な位置づけとなる。

2.扶養認定の対象

Q2 本通知は「国内認定対象者」を対象としているが、日本国籍の者に限らず、外国籍の者で日本に在住している者を被扶養者とする場合も、本通知に基づき、被扶養者の認定を行うこととなるのか。

A.日本国籍の者に限らず、外国籍の者で日本に在住している者を被扶養者とする場合も、本通知に基づき、被扶養者の認定を行うこととなる。

3.認定の取扱い

Q3 国内認定対象者の扶養認定にあたっては、本通知の取扱いに加え保険者等としての判断基準を追加することや、保険者等の判断により判断基準を緩和することは差し支えないか。

A.保険者等の判断により、判断基準を追加や緩和することは認められない。

Q4 本通知では、提出を求める確認資料が提出できない場合に、それに代わるものとして、健康保険被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄に被保険者本人が記載することによる本人申立てを行うことを認めない、ということか。

また、本人申立てを認めない場合において、保険者等の判断により、例外規定を設けることは可能か。

A.確認書類の提出に代えて本人申立てとすることは認められない。

また、本通知及び本事務連絡の取扱いに、保険者等の判断により、例外規定を設置することも認められない。

したがって、確認書類を提出できない場合は、認定することはできない。

Q5 本通知に基づかない判断により行った被扶養者の認定事務については、行政による指導も想定されるのか。

A.保険者等が本通知及び本事務連絡に基づかない被扶養者認定を行ったことが判明した場合には、厚生労働省から認定の見直し及び通知に基づく事務の徹底について指導を行う。

Q6 本通知の適用が、平成30年10月1日とされている理由如何。

A.本通知の適用にあたっては、事業主への事前周知が必要であることから、一定の周知期間を設けたうえで、平成30年10月1日から適用することとしている。

Q7 海外認定対象者の扶養認定にあたっては、事業主への周知期間を設けずに適用を開始したところであるが、なぜ、国内認定対象者については、一定の周知期間を設けているのか。

A.通常は、一定の周知期間を設けた上で実施しているが、海外認定対象者の扶養認定については、国内認定対象者に求めている証明書類の提出が困難な場合における統一的な取扱いを示したものであるため、速やかに実施したところである。

4.確認書類

Q8 健康保険被扶養者(異動)届に、被保険者及び国内認定対象者の個人番号が記載され、かつ、事業主が書類により国内認定対象者の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した場合は、書類の添付を省略できることとしているが、事業主が確認したことを、どのように届け出ればよいか。

A.健康保険被扶養者(異動)届において、国内認定対象者の備考欄に、続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を記載していただきたい。

※ 国内認定対象者が、被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹以外の三親等内の親族である場合は、身分関係を確認した旨を記載していただく必要あり。

Q9 事業主が確認したことで証明書類の添付を省略して被扶養者の認定を行い、結果的に事実と異なる不適切な認定となってしまった場合、責任の所在はどこにあるのか。

A.事業主における、国内認定対象者の続柄が届書の記載と相違ないことや国内認定対象者が所得税法上の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族であることの確認において虚偽があった場合は、事業主が罰則規定の対象となる。

また、被保険者における届書の記載や事業主への申請において虚偽があった場合は、被保険者が罰則規定の対象となる。

Q10 被保険者と国内認定対象者が内縁関係にある者である場合、どのような書類により身分関係を確認すればよいか。

A.国内認定対象者が内縁関係にある場合は、次のすべての書類の添付を求めることにより、被保険者との身分関係を確認いただきたい。

・被保険者及び国内認定対象者が重婚でないこと及び再婚禁止期間中でないことを確認できる、被保険者及び国内認定対象者それぞれの戸籍謄本又は戸籍抄本

・内縁関係にあることを確認できる、被保険者世帯全員の住民票記載事項証明書

Q11 被保険者及び国内認定対象者のいずれも戸籍を有していない場合であって、同一世帯に属していない場合、身分関係の確認にあたり、どのような書類を添付すればよいか。

A.例えば、被保険者及び国内認定対象者がいずれも外国籍の者であって戸籍を有していない場合には、母国において発行される続柄が確認できる公的証明書又はそれに準ずる書類(外国語で作成されたものであるときは、翻訳者の署名がされた日本語の翻訳文を添付)を添付いただく必要がある。

Q12 認定対象者の収入の確認にあたっては、どのような書類の添付を求めればよいか。

A.認定対象者の収入の確認にあたっては、例えば、次のような書類により確認を行っていただきたい。

認定対象者の状況

確認書類

①退職した者の場合

退職証明書又は雇用保険被保険者離職票の写し

②雇用保険の失業給付受給中又は受給終了者の場合

雇用保険受給資格者証の写し

③年金受給中の場合

年金受給額が確認できる年金証書、改定通知書又は振込通知書等の写し

④自営業による収入、不動産収入等がある場合

直近の確定申告書の写し

⑤上記②~④に加えて他に収入がある場合

②~④の確認書類及び課税(非課税)証明書

⑥上記①~⑤に該当しない場合

課税(非課税)証明書

Q13 国内認定対象者が所得税法上の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族であることを、事業主が確認し、かつ、保険者等が当該取扱を認める場合は、書類の添付を省略できることとしているが、事業主が確認したことを、どのように記載させればよいか。

A.これまでと同様に、健康保険被扶養者(異動)届の「事業主確認欄」の「確認」部分を○で囲んでいただきたい。

Q14 本通知に示す「年間収入」とは、見込額でもよいか。

A.本通知に示す「年間収入」は、認定対象者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとする。

Q15 国内認定対象者の収入の確認において、書類の添付を省略した場合、国内認定対象者の年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満であることや、国内認定対象者の年間収入が被保険者からの年間の仕送り額未満であることを、どのように確認したらよいか。

A.書類の添付を省略した場合には、健康保険被扶養者(異動)届の被保険者及び国内認定対象者の「収入(年収)」欄に記載された金額により確認していただきたい。

Q16 本通知において、16歳以上の昼間の学生についても、収入の確認ができる書類の提出を求めることとした理由如何。

A.16歳以上の学生について、昼間であるか夜間であるかにかかわらず、取扱いを統一することとし、収入の確認ができる書類の提出を求めるものである。

なお、国内認定対象者が所得税法上の控除対象扶養親族であることを、事業主が確認した場合には、書類の添付を省略できることとしているところである。

Q17 国内認定対象者が被保険者の直系尊属、配偶者、子、孫及び兄弟姉妹については、同一世帯であることが扶養認定の要件となっていないにも関わらず、被保険者と同一世帯であることを確認する書類の提出を求める理由如何。

A.「被保険者と同一世帯であることを確認できる住民票記載事項証明書」は、同一世帯であることを扶養認定の要件としている者にかかる確認のためだけでなく、「国内認定対象者の年間収入が被保険者の年間収入の2分の1未満であること」を要件とする対象者であること等を確認するために求めるものである。

なお、当該書類については、一定の要件を満たす場合には、添付を省略できることとしているところである。

Q18 同一世帯であることを確認する書類については、日本年金機構において確認できる場合は添付を省略できることとされているが、全ての届書について、書類添付を省略できるのか。

A.日本年金機構において、被保険者と国内認定対象者の本人確認を行う際に同一世帯であることの確認も行うこととしているため、同一世帯であることを確認できる住民票記載事項証明書の添付を省略できることとしている。

なお、日本年金機構において確認した結果、同一世帯であることが確認できなかった場合には、事業主を通じて、被保険者と国内認定対象者が同一世帯であることを確認できる書類の提出を求めることとしている。

Q19 被保険者と同一世帯であることを確認する書類として、民生委員等による証明書の添付も可能か。

A.民生委員等による同居の証明書の添付でも差し支えない。

Q20 仕送りが振込の場合に、預金通帳等の写しを徴する際に留意すべき点はあるか。

A.振込者、振込先の者及び振込額が明らかである必要があることに留意されたい。

なお、疑義がある場合は、認定を行う前に、個別に日本年金機構本部を通じて厚生労働省年金局事業管理課と協議されたい。また、例示による照会ではなく、具体的事案が生じた際のみ協議をすること。

Q21 仕送りが預金通帳等により確認できない場合(例えば、現金手渡しの場合や、現金以外を給付している場合、世帯用のクレジットカードを使用されている場合等)、同一世帯に属していない被扶養者の認定は認められないということか。

A.仕送り額の申立のみでは被扶養者の認定をすることはできない。

しかしながら、同居はしているものの、世帯を分離している、または、近所に住んでいる等の事情で現金の手渡しや現物(食料、衣料等)を渡すことにて生計維持をしている場合は、住民票記載事項証明書で住所、所得証明等で年間収入を確認した上で、手渡し等で生計維持をしていることが合理的に認められる場合は、認定できるものとする。(例:手渡しする現金を口座から引き出したことが分かる預金通帳等の写し等)

Q22 被保険者資格取得日において、仕送りがまだ行われていない者への認定方法如何。また、仕送りの認定にあたり、何回以上必要となるか。

A.同一世帯に属していない国内認定対象者の扶養認定については、被保険者からの送金事実と仕送り額が確認できる書類の添付が必要であり、書類を添付することなしに本人の申立て等だけで扶養認定を行うことはできないため、必ず書類の添付を求めることとする。

なお、扶養の事実が発生した資格取得日以降に仕送りの事実が発生した場合であっても、送金の事実等を確認した後に、遡って資格取得日で扶養認定して差し支えない。

また仕送りの回数については、年間複数回の仕送りを予定している場合、または、年間複数回かつ一定額ではない仕送りを予定している場合は、届書の「扶養に関する申立書」欄に予定している仕送り回数及び各回の仕送り予定額を記載することとし、被扶養者認定日時点においては、仕送りの金額を元に今後1年間で生計維持に必要な程度の金額となるような回数等であれば可とするが、その後の保険者における被扶養者に係る確認時において、改めて実績に基づく仕送りの金額及び回数を確認し、継続した仕送りによる生計維持が確認できない場合は、被扶養者の認定を見直すこととする。

Q23 同一世帯に属していない配偶者と子を被扶養者とする場合であって、配偶者あてに仕送りをまとめて行っている場合や、子のみを被扶養者とする場合であって、子に対する仕送りを配偶者へ行っている場合など、国内認定対象者以外の者へ仕送りを行っている場合、確認書類の添付に加え、その旨を届書に記載する必要はあるか。

A.送金事実と仕送り額を確認するための書類に加え、仕送りの対象者を複数名である場合は対象者を、仕送り先が国内認定対象者以外の者である場合は仕送り先の者を、届書の「扶養に関する申立書」欄に記載していただきたい。

5.認定内容の確認

Q24 本通知に基づき被扶養者として認定した者について、認定後における被扶養者の状況の確認頻度如何。

A.認定後、少なくとも年1回は保険者において被扶養者に係る確認を行い、過去の送金履歴等を確認し、被扶養者の要件を引き続き満たしていることを確認することが望ましい。

なお、確認したところ被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合、

①認定時には瑕疵がなく、その後の事情により被扶養者の要件を満たさないこととなった場合には、当該要件を満たさなくなった時点(その時点を確認出来ない場合は例えば「検認日」とするなど、保険者において事前に定めた日)以降で、被扶養者を削除する届出を提出させること。

②認定時に瑕疵があり、被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合には、認定時に遡って取り消すこととなる。

6.その他

Q25 これまで、書類の提出を不要または本人の申立てにより認定していたものについても、書類の提出を求めることとした理由如何。また、事業主や被保険者の負担が増加し、理解を得られないのではないか。

A.海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定に係る統一的な取扱いを整理したことに併せ、国内認定対象者についても、身分関係及び生計維持関係の確認をする際に、申立てによらず、証明書類に基づき確認を行うよう、認定事務の取扱を整理したものである。

また、本通知の適用にあたっては、健康保険被扶養者(異動)届への被保険者及び国内認定対象者の個人番号の記載があり、かつ、事業主が、書類により、国内認定対象者の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した場合等には、書類の添付を省略できることとしている。

Q26 本通知の取扱いは、今後も現状を踏まえつつ、改定を行うとのことであるが、改定により、本通知に基づき求めることとした書類に変更があり得るのか。また、いつ頃改定が行われるのか。

A.本通知で示す取扱いは、現時点の状況を踏まえ、必要な確認方法及び確認書類等を示したものであり、今後、被扶養者の認定事務を行う中で問題が生じた場合には、本通知に加えて、新たな取扱いを示す可能性があるので、ご留意いただきたい。