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○毒物及び劇物の盗難又は紛失防止に係る留意事項について

(平成30年7月24日)

(薬生薬審発0724第1号)

(各都道府県知事・各保健所設置市市長・各特別区区長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)

(公印省略)

毒物及び劇物による事故の未然防止等については、かねてより種々御配慮いただき、厚く御礼申し上げます。

毒物又は劇物の盗難、紛失防止については、毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)第11条第1項等に基づき、「毒物及び劇物の保管管理について」(昭和52年3月26日付け薬発第313号薬務局長通知)をはじめとして、「毒物及び劇物の適正な保管管理の徹底について」(平成30年2月2日付け薬生薬審発0202第5号医薬品審査管理課長通知)等により、適切な毒物及び劇物の保管管理について注意喚起をしてきたところです。

今般、近年発生している毒物又は劇物の盗難、紛失事案を踏まえ、危害の発生を未然に防止する観点から、改めて保管管理について注意喚起を行うべく、毒物及び劇物の盗難又は紛失防止に係る留意事項について下記のとおりまとめました。

つきましては、貴職において、下記に御留意の上、貴管下関係者等に対する指導について、格段の御配慮をお願いいたします。

なお、同旨の通知を、文部科学省高等教育局長及び初等中等教育局長、一般社団法人日本化学工業協会会長、全国化学工業薬品団体連合会会長、日本製薬団体連合会会長、公益社団法人日本薬剤師会会長、一般社団法人日本化学品輸出入協会会長並びに公益社団法人全日本トラック協会会長宛に発出することとしていることを申し添えます。

第1 保管場所における盗難、紛失防止

毒物劇物営業者、特定毒物研究者又は業務上取扱者(以下「毒物劇物営業者等」という。)のうち毒物又は劇物を直接取り扱う者においては、以下のそれぞれの項目に記載した盗難、紛失防止措置を実施されたい。

1 保管場所の管理について

毒物及び劇物を取り扱う必要のない従業員や部外者が、不用意に毒物又は劇物に触れることのないようにするため、以下の措置を講じること。

(1) 毒物又は劇物の保管場所をその他の物から明確に区分された毒物劇物専用とすること。

(2) かぎをかける設備等のある堅固な施設に保管すること。また、構造上かぎをかけられないタンク等の場合は、人が近づくことができないよう、その周囲に柵を設けること。

(3) 保管場所は、事業場等の敷地境界線から十分離すか又は部外者が容易に近づくことができない措置を講じること。

2 かぎの管理について

かぎの管理が不十分である場合、毒物及び劇物の保管管理が意味をなさないため、毒物及び劇物の保管場所の管理と併せて、以下の措置を講じ、かぎの管理にも十分留意すること。

(1) かぎの管理者を選任すること。

(2) かぎの管理者の不在時に備え、あらかじめ代理者を選任しておくこと。

(3) かぎの管理簿を備えること。

(4) 毒物及び劇物を取り扱う必要のない従業員や部外者がかぎを入手及び使用できないようにすること。また、かぎの管理者又は代理者が不在時においても、同様の管理を実施すること。

3 在庫管理について

毒物及び劇物の在庫量の定期点検等を行うことで、不要な在庫の早期把握ができ、より適切な在庫管理の実施につながる。また、毒物及び劇物の盗難、紛失があった場合の早期発見等にもつながるため、以下の措置を講じること。

(1) 管理簿又は帳簿を備え、入出庫や在庫量の定期点検の際の記録をつける等、適切に毒物又は劇物の在庫管理を行うこと。この際、管理簿等に記載された数量と実際の毒物又は劇物の数量が一致していることを確認すること。

(2) 毒物又は劇物の種類等に応じて、使用量の把握を行うこと。

(3) 在庫量の定期点検を適切な頻度で行うこと。

(4) 不要となった毒物又は劇物については、廃棄等を検討し適切に実施すること。

(5) 業の廃止又は研究廃止時には事前に毒物又は劇物の処理について、十分に検討を行うこと。処理の方法としては、例えば、他の毒物劇物営業者等に譲渡する、適切に廃棄処分するなどがある。

第2 運搬時における盗難、紛失防止

毒物又は劇物の運搬に当たっては、通常の毒物又は劇物の保管場所から離れることや複数の者を介することが多いため、盗難又は紛失にあう危険性が高くなる。そのため、運搬時の毒物又は劇物の保管管理をより一層徹底することを目的として、毒物劇物営業者等のうち、毒物又は劇物の運搬を委託する者、運搬する者、運搬の過程で一時的に保管庫等にて保管する者及び当該貨物を受け取る者は、以下の措置を講じること。

1 積載前、積降し後の毒物又は劇物の貨物について、当該貨物を積載前に保管する場合及び積降し後に保管する場合において、記の第1に準じて適切な保管管理を行うこと。

2 毒物又は劇物の貨物の授受(運搬する者による中継点での積降し及び積込みを含む。)の際には、授受する者双方がそれぞれの立場で当該貨物の確認を行うこと。

第3 盗難、紛失時の対応

実際に盗難又は紛失事案が発生した場合に迅速に対応できるようにするため、毒物又は劇物に関わる全ての毒物劇物営業者等は以下の措置を講じること。

1 盗難又は紛失時に備え、警察署及び関係行政機関(保健所、消防機関等)への連絡体制を整備しておくこと。

2 盗難又は紛失の事態が生じた場合には、直ちに警察署及び関係行政機関に届け出る等の適切な措置を講じること。