・ 当該条例においては、少なくとも制限する区域及び期間については、具体的な区域及び期間を特定して明確に定めることが適当である。
・ 法第18条に基づき制定される条例の公布の前に、当該条例による住宅宿泊事業の制限地域において住宅宿泊事業を営む旨の届出をした者(準備行為期間に届出をした者を含む。)に対する制限の適用については、経過措置等の特段の定めがない限り、施行日から対象事業者への制限は適用されることとなるが、生活環境の悪化を防止する緊急性や、事業者の既得の権利等を比較衡量した上で、各都道府県等において経過措置の必要性等を検討する必要がある。なお、条例の制定にあたっては、公布の前に十分な周知を図る等届出しようとする者が事業の実施について適切に判断できるような情報提供等の配慮を行うことが望ましい。
・ 当該条例による制限に違反した場合について、本法の罰則は適用できないため、必要な罰則等は、条例において定める必要がある。
【区域及び期間の設定のイメージ】
以下に、条例制定に当たってのイメージを例示する。なお、これらの事例はあくまで例示であり、制限される区域の範囲、期間の妥当性、必要性等については、各都道府県等で個々具体的に検討の上、判断される必要がある。
A 静穏な環境の維持及び防犯の観点から学校・保育所等の近隣地域において、住宅宿泊事業を実施することにより、学校・保育所等の運営に支障をきたすほどに、現状では保たれているその生活環境が悪化するおそれのある場合
区域:当該施設周辺の一定の地域
期間:月曜日から金曜日まで(学校の長期休暇中は除く。)
B 静穏な環境を求める住民が多く滞在する別荘地において、住宅宿泊事業を実施することにより、現状では保たれているその生活環境が悪化するおそれのある場合
区域:別荘地内
期間:別荘地の繁忙期となる時期
C 狭隘な山間部等にあり、道路事情も良好でない集落において、住宅宿泊事業を実施することにより、道路等の混雑や渋滞を悪化させ、日常生活を営むことに支障が生じ、生活環境を損なうおそれのある場合
区域:当該集落地域
期間:紅葉時期等例年道路渋滞等が発生する時期
※ 駐車場が無い、あるいは、公共交通が著しく不足している等の事情のある場合には、都市部でも同様の考え方により地域・区間を定めることはあり得る。
※ 本例示はあくまで視点を提供しているにすぎず、これらの事例であれば必ず条例の制定が可能であるという趣旨ではなく、また、これらの事例に限って条例の制定が可能であるという趣旨でもない。
(2) 保健所設置市等及びその長による住宅宿泊事業等関係行政事務の処理(法第68条関係)
・ 本条によらず、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の17の2に基づく事務処理の特例により、都道府県知事の権限に属する事務の一部を、条例の定めるところにより、市町村が処理することとすることは可能である。
3―1.住宅宿泊管理業の登録の申請等
(1) 住宅宿泊管理業の登録の申請(法第23条第1項関係)
① 登録の申請の方法について
・ 登録の申請は、民泊制度運営システムを利用して行うことを原則とする。
② 登録の申請等の様式の記載についての留意事項について
(a) 住宅宿泊管理業者登録申請書(国規則第1号様式)
・ 申請者が法人である場合は、登録申請者の「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「氏名」には、当該法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。申請者が個人である場合は、「商号又は名称」がある場合は、当該事項を記入し、「氏名」には、申請者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
・ 申請者又は法定代理人が法人である場合は、「商号、名称又は氏名及び住所」、「法定代理人に関する事項」、「法定代理人の代表者に関する事項(法人である場合)」、「法定代理人の役員に関する事項(法人である場合)」、「役員に関する事項(法人である場合)」について、登記事項証明書に記載された情報を記入することとする。
・ 申請者(個人の場合)、代表者、法定代理人(個人の場合)、法定代理人の代表者、法定代理人の役員並びに役員の氏名及び住所については、住民票に記載された氏名及び住所を記入することとする。
・ 「法定代理人の役員に関する事項(法人である場合)」については、法定代理人の役員全員について記載することとする。
・ 「役員に関する事項(法人である場合)」については、法人の役員全員について記載することとする。
(b) 誓約書(国規則第4号様式)
・ 「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「代表者の氏名」には、法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
(c) 誓約書(国規則第6号様式)
・ 「氏名」には、申請者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。申請者が未成年者である場合において、法定代理人が法人である場合は、「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「氏名」には、法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
(d) 登録事項変更届出書(国規則第7号様式)
・ (a)住宅宿泊管理業者登録申請書(国規則第1号様式)と同様。
(e) 廃業等届出書(国規則第8号様式)
・ 「氏名」については、届出者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
・ 「商号、名称又は氏名」については、住宅宿泊管理業者登録申請書(国規則第1号様式)に記入したとおり記入することとする。
(f) 標識(国規則第10号様式)
・ 「商号、名称又は氏名」及び「主たる営業所又は事務所の所在地」については、住宅宿泊管理業者登録申請書(国規則第1号様式)に記入したとおり記入することとする。
③ 申請に対する処分に係る標準処理期間について
・ 法第23条第1項に基づく申請に対する処分に係る標準処理期間については、原則として、地方整備局長等に当該申請が到達した日の翌日から起算して当該申請に対する処分の日までの期間を90日とする。
・ なお、適正な申請を前提に定めるものであるから、形式上の要件に適合しない申請の補正に要する期間はこれに含まれない。また、適正な申請に対する処理についても、審査のため、相手方に必要な資料の提供等を求める場合にあっては、相手方がその求めに応ずるまでの期間はこれに含まれないこととする。
(2) 営業所又は事務所について(法第23条第1項第4号関係)
① 営業所又は事務所の範囲について
・ 本号に規定する「営業所又は事務所」とは、商業登記簿等に登載されたもので、継続的に住宅宿泊管理業の営業の拠点となる施設としての実体を有するものが該当し、住宅宿泊管理業を営まないものは該当しないものとする。なお、登記していない個人にあっては、当該住宅宿泊管理業者の営業の本拠が営業所又は事務所に該当するものとする。
② 実態のない営業所又は事務所について
・ 営業所又は事務所の実態がない場合は、住宅宿泊事業者等と連絡対応を行うことができず、住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されているものとは認められない。
(3) 住宅宿泊管理業の登録申請の添付書類(法第23条第2項関係)
① 各添付書類について
・ 添付書類において必要な官公署が証明する書類は、申請日前3月以内に発行されたものであるものとし、官公署から発行された書類を提出することとする(写し等は認められない。)。
・ 国規則第6条第1項第1号イに規定する「定款又は寄附行為」は、商号、事業目的、役員数、任期及び主たる営業所又は事務所の所在地が登記事項証明書の内容と一致しているものであって、現在効力を有するものとする。
・ 国規則第6条第1項第1号ロ及び第2号ホに規定する「登記事項証明書」は、履歴事項全部証明書とする。
・ 国規則第6条第1項第1号ニに規定する「役員が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書」は、外国籍の役員においては、第6条第1項第1号ホの書類と重複するため、ニの書類については提出する必要はない。
・ 国規則第6条第1項第1号ホに規定する「役員が、民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第一項及び第二項の規定により成年被後見人及び被保佐人とみなされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書」は、外国籍の役員においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者と同様に取り扱われている者に該当しない旨を証明する書類とする。当該書類が存在しない場合は、「これに代わる書面」として、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に相当するものに該当しない者であることを公証人又は公的機関等が証明した書類を提出することとする。
・ 国規則第6条第1項第1号チに規定する「最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書」は
(i) 最も新しい確定した決算書を添付すること。
(ii) 新規設立の法人で、最初の決算期を迎えていない場合は、開業貸借対照表(会社の設立時や会社の開業時に作成される貸借対照表のことをいう。)を添付するのみで足り、損益計算書及び国規則第6条第1項第1号ハに規定する「法人税の直前一年の各年度における納付すべき額及び納付済額を証する書面」の添付は省略することができる。
・ 国規則第6条第1項第1号リ(同項第2号チに規定するものを含む。)に規定する「住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていることを証する書類」は、下記のとおりとする。
(i) 「管理受託契約の締結に係る業務の執行が法令に適合することを確保するための必要な体制」(国規則第9条第1号関係)を証する書類は、個人の場合には住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験が記載された職務経歴書、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)に規定する宅地建物取引士証の写し、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号)に規定する管理業務主任者証の写し又は一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の賃貸不動産経営管理士資格制度運営規程に基づく賃貸不動産経営管理士証の写し、法人の場合には住宅の取引又は管理に関する2年以上の事業経歴が記載された事業経歴書、宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業の免許証の写し、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に規定するマンション管理業の登録の通知書の写し、賃貸住宅管理業者登録規程(平成23年国土交通省告示第998号)に規定する賃貸住宅管理業の登録の通知書の写し又は要件を満たす従業者を有する場合における当該従業者についての上記の書類とする。
(ii) 「住宅宿泊管理業務を適切に実施するための必要な体制」(国規則第9条第2号関係)を証する書類は、人員体制図、ICT等を用いて遠隔で業務を行うことを予定している場合には使用する機器の詳細を記載した書面とする。また、再委託による人員の確保を予定している場合には、再委託先に求める人員体制の要件を記載した書面も併せて提出することとする。
② 登録申請の添付書類の一部省略について(国規則第6条第3項関係)
・ 宅地建物取引業法第2条第3号に規定する宅地建物取引業者及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第8号に規定するマンション管理業者が登録申請する場合で法人の場合にあっては、国規則第6条第1項第1号イからチまでに掲げる書類、個人の場合にあっては、国規則第6条第1項第2号イからヘまでに掲げる書類をそれぞれ省略することができる。
・ 賃貸住宅管理業者登録規程第2条第4項に規定する賃貸住宅管理業者が登録申請する場合で法人の場合にあっては、国規則第6条第1項第1号イからホまで及びチに掲げる書類、個人の場合にあっては、国規則第6条第1項第2号イからハまで、ホ及びヘに掲げる書類をそれぞれ省略することができる。
(4) 登録番号の取り扱い(法第24条第1項関係)
・ 登録番号は、地方整備局単位ではなく全国を通して、登録をした順に付与することとする。
・ 登録番号の( )書きには、登録の更新の回数に1を加えた数を記入するものとする。
・ 登録が効力を失った場合の登録番号は欠番とし、補充は行わないものとする。
(5) 登録における申請者及び都道府県知事等への通知(法第24条第2項関係)
・ 登録における申請者への通知について、民泊制度運営システムを利用する申請者に対しては、当該システムに登録されたメールアドレスに登録番号等の通知を行うものとする。なお、当該システムを利用しない申請者に対しては、別途定める様式を用いて郵送等の方法により通知を行うものとするが、申請時において、申請者自身で用意した封筒に住所・宛名を明記し、所要の切手を貼付したものを登録申請書類等と一緒に提出すること。また、都道府県知事等への通知については、当該システムを介して行うものとする。
(6) 財産的基礎要件(法第25条第1項第10号関係)
・ 国規則第8条第2号に規定する「支払不能に陥っていないこと」とは、債務者が支払能力の欠乏のため弁済期にある全ての債務について継続的に弁済することができない客観的状態のことをいう。なお、支払能力の欠乏とは、財産、信用、あるいは労務による収入のいずれをとっても債務を支払う能力がないことを意味する。
(7) 「住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者」(法第25条第1項第11号関係)
① 「管理受託契約の締結に係る業務の執行が法令に適合することを確保するための必要な体制が整備されていると認められない者」について(国規則第9条第1号関係)
・ 本要件における必要な体制とは、住宅の管理に関する責任の所在及び費用の負担等について契約上明らかにし、適切に契約締結できる人的構成が確保されていることをいう。住宅の取引又は管理に関する契約に係る依頼者との調整、契約に関する事項の説明、当該事項を記載した書面の作成及び交付といった、契約実務を伴う業務に2年以上従事した者であること又はそれらの者と同等の能力を有すると認められることが必要である。申請者が個人である場合には、宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引士の登録を受けていること、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に規定する管理業務主任者の登録を受けていること、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会の賃貸不動産経営管理士資格制度運営規程第31条に基づく登録を受けていることのいずれかが満たされている場合にも、同等の能力を有するものとみなす。また、申請者が法人である場合には、上記の要件を満たす者を従業者として有すること、当該法人が宅地建物取引業法に規定する宅地建物取引業者の免許を受けていること、マンションの管理の適正化の推進に関する法律に規定するマンション管理業者の登録を受けていること、賃貸住宅管理業者登録規程に規定する賃貸住宅管理業者の登録を受けていることのいずれかが満たされている場合にも、同等の能力を有するものとみなす。
② 「住宅宿泊管理業務を適切に実施するための必要な体制が整備されていると認められない者」について(国規則第9条第2号関係)
・ 法第7条の措置、法第8条の規定による宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置、法第9条の説明、法第10条の規定による苦情及び問合せへの応答について、ICT等を用いて遠隔で業務を行うことを予定している場合には、宿泊者との連絡の必要が生じた場合にすみやかに、かつ、確実に連絡がとれる機能を備えた機器の設置等を行う必要があり、登録の申請の際に、それぞれ具体的な方法を明らかにする必要がある。再委託先の事業者がこれらの方法を用いる場合には、再委託が予定される者の情報を含めて登録の申請を行うこととする。また、これらの場合において、住宅宿泊事業者との間で住宅宿泊管理業務の委託を受けている間、常時、宿泊者と連絡を取ることが可能な人員体制を備える必要があり、住宅宿泊管理業者(自社の従業者を含む。)又は再委託先の従業者の交代制によって、従業者が苦情対応で現地に赴いている間も、別の苦情に応答可能であるような体制を常時確保しなければならない。
・ 旅館業法の許可を受けた施設の営業者であって、玄関帳場を設けている等の事情がある者が住宅宿泊管理業者の登録の申請を受けようとする場合には、常時、宿泊者と連絡を取ることが可能な体制を有しているものとみなして差し支えない。ただし、ICT等を用いて上記の業務を行う場合には、同様に、具体的な方法を明らかにする必要がある。
(8) 変更の届出等(法第26条関係)
① 変更の届出方法について
・ 届出は、民泊制度運営システムを利用して行うことを原則とする。
② 変更の届出の処理について
・ 変更事項が、地方整備局長等の管轄区域を超える主たる営業所又は事務所の変更である場合には、次により取り扱うものとする。
A 変更の届出を受けた変更後の主たる営業所又は事務所の所在地を管轄する地方整備局長等は、住宅宿泊管理業者登録簿に届出者に係る登載事項を追加した旨を変更前の主たる営業所又は事務所の所在地を管轄する地方整備局長等に通知するものとする。
B 当該通知を受けた地方整備局長等は、住宅宿泊管理業者登録簿から当該届出者に係る登載事項を削除するとともに、必要な書類を変更後の主たる営業所又は事務所の所在地を管轄する地方整備局長等に送付するものとする。
(9) 登録事項変更届出書への添付書類(法第26条第4項関係)
① 法人の役員における変更事項について(国規則第10条第2項)
・ 変更に係る事項が法人の役員の氏名であるときには、新しく役員に就任する場合も含むものとする。
② 変更に係る事項が法人の場合に必要な添付書類について
・ 商号、名称及び住所の変更の場合には、国規則第6条第1項第1号ロの書類を添付する必要がある。
・ 法人の役員の就任(変更)の場合には、国規則第6条第1項第1号ロ、ニからヘまでに掲げる書類及び当該役員が法第25条第1項第8号に該当しないことを誓約する書面を添付する必要がある。退任(変更)の場合には、国規則第6条第1項第1号ロに掲げる書類の添付のみで足りる。
・ 法人の役員の氏名が変更される場合(結婚などで姓名が変更する場合)において、変更後の氏名が商業登記簿に記載されているときは、国規則第6条第1項第1号ロ、ニからヘまでに掲げる書類及び当該役員が法第25条第1項第8号に該当しないことを誓約する書面を添付する必要がある。ただし、変更後の氏名で商業登記簿に記載されていないときは、変更届出そのものを行う必要がない。
・ 現在の取締役が監査役に就任(変更)するなど社内で他の役職に就任する場合は、国規則第6条第1項第1号ニ及びホに掲げる書類の添付を省略することができる。
・ 主たる営業所又は事務所における所在地の変更及び従たる営業所又は事務所における新設、廃止及び所在地の変更の場合においては、国規則第6条第1項第1号ロに掲げる書類を添付する必要がある。ただし、従たる営業所又は事務所における新設、廃止及び所在地の変更の場合で、営業所又は事務所が商業登記簿に記載されていないときは添付する必要がない。
③ 変更に係る事項が個人の場合に必要な添付書類について
・ 個人の氏名が変更される場合(結婚などで姓名が変更する場合)には、戸籍謄(抄)本を添付することとする。
・ 法定代理人が法人である場合には国規則第6条第1項第2号ホ及びト、法定代理人が個人である場合には国規則第6条第1項第2号ロからニまで及びトに掲げる書類を添付することとする。
・ 法定代理人(法人)の役員の就任(変更)の場合には、国規則第6条第1項第2号ロからホまでに掲げる書類及び当該役員が法第25条第1項第8号に該当しないことを誓約する書面を添付する必要がある。退任(変更)の場合には、国規則第6条第1項第2号ホに掲げる書類の添付のみで足りる。
・ 法定代理人(法人)の役員の氏名が変更される場合(結婚などで姓名が変更する場合)において、変更後の氏名で商業登記簿に記載されているときは、国規則第6条第1項第2号ロからホまでに掲げる書類及び当該役員が法第25条第1項第8号に該当しないことを誓約する書面を添付する必要がある。ただし、変更後の氏名で商業登記簿に記載されていないときは、変更届出そのものを行う必要がない。
④ 相続人等による変更における取り扱いについて
・ 個人で地方整備局長等の登録を受けた者の相続人等が引き続き住宅宿泊管理業を営むためには、変更届出による変更は認められず、新たに登録の申請を行う必要がある。
(10) 廃業等の届出(法第28条関係)
・ 一時的な休業の場合は、廃業届を提出する必要は無い。
・ 1年以上業務を行っていない場合には、法第42条第4項の規定により、登録取消しの対象となる。
3―2.住宅宿泊管理業の業務
(1) 公正誠実義務(法第29条関係)
・ 住宅宿泊管理業を営む者は、住宅宿泊管理業の専門家として、専門的知識をもって適切な住宅宿泊管理業務を行い、住宅宿泊事業者が安心して住宅宿泊管理業務を委託することができる環境を整備することが必要である。このため、住宅宿泊管理業者は、常に公正な立場を保持して、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止するとともに、住宅宿泊管理業の円滑な業務の遂行を図る必要があるものとする。
(2) 誇大広告等の禁止(法第31条関係)
① 「誇大広告等」について
・ 「誇大広告等」とは、本条において規定されるところであるが、「虚偽広告」についても本条の適用があるものとする。
・ また、広告の媒体は、新聞の折込チラシ、配布用のチラシ、新聞、テレビ、ラジオ又はインターネットのホームページ等種類を問わないこととする。
② 「誇大広告をしてはならない事項」について
・ 国規則第12条第1号に規定する「住宅宿泊管理業者の責任に関する事項」についての誇大広告等としては、例えば、実際の管理受託契約上は、住宅宿泊管理業者が宿泊者によって生じた損害について一切責任を負わないこととなっているにもかかわらず、家主に損害の負担が全くないかのように誤認させるようなものが想定される。
・ 国規則第12条第2号に規定する「報酬の額に関する事項」についての誇大広告等としては、例えば、実際の管理受託契約上は、宿泊数に比例する料金体系が設定されるようなサービス内容であるにもかかわらず、委託報酬が月額制で上限の定まった定額であるかのように誤認させるようなものが想定される。
・ 国規則第12条第3号に規定する「管理受託契約の解除に関する事項」についての誇大広告等としては、例えば、実際の管理受託契約上は、契約期間途中の解約が制限されるにもかかわらず、委託者の求めるときにいつでも解約できるように誤認させるようなものが想定される。
③ 「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」について
・ 「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」と認められるものとは、住宅宿泊管理業についての専門的な知識に関する情報を有していない一般の家主を誤認させる程度のものをいうこととする。
(3) 「委託者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なもの」(法第32条第1号関係)
・ 委託報酬に関する事項や責任及び免責に関する事項等などの住宅宿泊事業者の不利益に直結する事項が該当する。
(4) 委託者の保護に欠ける禁止行為(法第32条第2号関係)
① 「委託者に迷惑を覚えさせるような時間」について(国規則第13条第1号関係)
・ 「迷惑を覚えさせるような時間」については、相手方となる家主の職業や生活習慣等に応じ、個別に判断されるものであるが、一般的には、相手方に承諾を得ている場合を除き、特段の理由が無く、午後9時から午前8時までの時間帯に電話勧誘又は訪問勧誘を行うことは、「迷惑を覚えさせるような時間」の勧誘に該当する。
② 「住宅宿泊管理業務の適切な実施を確保できないことが明らかであるにもかかわらず、当該住宅宿泊管理業務に係る管理受託契約を締結する行為」について(国規則第13条第3号関係)
・ 「住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の所在地その他の事情」とは、例えば、住宅宿泊管理業者の営業所又は事務所の所在地、これらの営業所又は事務所における人員体制、住宅宿泊管理業務の再委託を行う場合の再委託先の事業者の業務体制、届出住宅周辺の交通事情等が該当する。
・ 住宅宿泊管理業者が管理受託契約の締結の勧誘をするにあたっては、住宅宿泊管理業務の適切な実施が確保できることを明らかにするため、届出住宅へすみやかに駆けつけることが可能な体制を有していることを委託者に示しながら行うことが望ましい。
(5) 管理受託契約締結前の説明事項(法第33条第1項関係)
① 「住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅」について(国規則第14条第2号関係)
・ 届出住宅の所在地及び物件の名称、部屋番号、委託の対象となる部分及び維持保全の対象となる附属設備について説明する必要がある。
② 「住宅宿泊管理業務の内容及び実施方法」について(国規則第14条第3号関係)
・ 届出住宅の維持保全及び法第5条から第10条までの規定による業務の内容について、届出住宅の状況等に応じて回数や頻度を明示して可能な限り具体的に説明されることが必要である。また、法第7条から第9条までの規定による業務については、説明等の方法について対面による等、具体的方法を明示する必要がある。これらのほか、緊急時の連絡対応等の方法についても明示されることが望ましい。委託者である住宅宿泊事業者が届出住宅の管理に関する十分な知識や経験を有している場合であっても、当事者間の責任関係を明確にするため、当該事項について説明せずに契約することは認められない。
③ 「住宅宿泊事業者が通常必要とするもの」について(国規則第14条第5号関係)
・ 住宅宿泊管理業者が委託業務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費や、委託業務の実施のために要した届出住宅に設置・配置する備品その他届出住宅を住宅宿泊事業の用に供するために必要な物品等の購入に要した費用が考えられる。
④ 「住宅宿泊管理業務の一部の再委託に関する事項」について(国規則第14条第6号関係)
・ 住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業者の承諾を得た上で、住宅宿泊管理業務の一部を第三者に再委託することができることを事前に説明する必要がある。また、再委託先は、住宅宿泊管理業者の業務実施体制に大きく影響するものであることから、再委託予定者を事前に明らかにする必要があり、再委託先が変更する度ごとに書面又は電磁的方法により委託者に知らせる必要がある。再委託先が一方的に変更される可能性がある場合には、その旨をあわせて事前に説明する必要がある。
⑤ 「責任及び免責に関する事項」について(国規則第14条第7号関係)
・ 責任及び免責については、責任の所在の明確化を図る観点から、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者の責任の所在について事前に説明しておく必要がある。損害賠償請求に至った場合にはトラブルに発展することが予見されることから、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が事前に協議を行った上で賠償責任保険に加入する等の措置をとることが望ましい。
・ また、再委託事業者が住宅宿泊管理業者から委託された住宅宿泊管理業務を行う上での過失等によって生じた住宅宿泊事業者又は届出住宅の宿泊者の損害については、住宅宿泊管理業者が責任を負うことが一般的であると考えられるが、最終的には住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約を踏まえて取り決めることが望ましい。
⑥ 「契約期間に関する事項」について(国規則第14条第8号関係)
・ 契約の始期、終期及び期間を説明する必要がある。
⑦ 「契約の更新及び解除に関する事項」について(国規則第14条第9号関係)
・ 住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者間における契約の更新の方法について事前に説明する必要がある。
・ 住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者が、契約に定める義務に関してその本旨に従った履行をしない場合には、その相手方は、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、契約を解除することができる旨を事前に説明する必要がある。
(6) 「住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅」(法第34条第1項第1号関係)
・ 届出住宅の所在地及び物件の名称、部屋番号、委託の対象となる部分及び維持保全の対象となる附属設備である。
(7) 「住宅宿泊管理業務の実施方法」(法第34条第1項第2号関係)
・ 届出住宅の維持保全及び法第5条から第10条までの規定による業務の内容について、届出住宅の状況等に応じて回数や頻度を明示して可能な限り具体的に説明されることが必要である。また、法第7条から第9条までの規定による業務については、説明等の方法について対面による等具体的方法を明示する必要がある。これらのほか、緊急時の連絡対応等の方法についても明示されることが望ましい。委託者である住宅宿泊事業者が届出住宅の管理に関する十分な知識や経験を有している場合であっても、当事者間の責任関係を明確にするため、当該事項について明確に記載する必要がある。
(8) 「契約期間に関する事項」(法第34条第1項第3号関係)
・ 契約の始期、終期及び期間が明示されている必要がある。
(9) 「報酬に関する事項」(法第34条第1項第4号関係)
・ 報酬の支払い時期及び支払い方法についても明示されている必要がある。また、報酬とは別に要する費用として、住宅宿泊管理業者が委託業務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費や、委託業務の実施のために要した届出住宅に設置・配置する備品その他届出住宅を住宅宿泊事業の用に供するために必要な物品等の購入に要した費用についても想定されるため、それらの費用の負担方法、支払い時期及び支払い方法についても明示することが望ましい。
(10) 「契約の更新又は解除に関する定め」(法第34条第1項第5号関係)
・ 住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者間における契約の更新の方法について明示する必要がある。
・ 住宅宿泊事業者又は住宅宿泊管理業者が、契約に定める義務に関してその本旨に従った履行をしない場合には、その相手方は、相当の期間を定めて履行を催告し、その期間内に履行がないときは、契約を解除することができる旨を明示することが望ましい。
(11) 「その他国土交通省令で定める事項」(法第34条第1項第6号関係)
① 「住宅宿泊管理業務の内容」について(国規則第17条第2号関係)
・ 本条に基づく書面は、法定の業務の履行状況に関する重要な書類となることから、具体性をもって業務内容が記載される必要がある。
② 「一部の再委託に関する定め」について(国規則第17条第3号関係)
・ 住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊事業者の承諾を得た上で、住宅宿泊管理業務の一部を第三者に再委託することができることを明示する必要がある。再委託先が一方的に変更される可能性がある場合には、その旨を契約上、明示する必要がある。また、再委託先は、住宅宿泊管理業者の業務実施体制に大きく影響するものであることから、再委託先を事前に明らかにする必要があり、再委託先が変更する度ごとに書面又は電磁的方法により委託者に通知する必要がある。なお、当該再委託先の情報は、法第3条第2項第6号の届出事項である。
・ 再委託事業者が住宅宿泊管理業者から委託された住宅宿泊管理業務を行う上での過失等によって生じた住宅宿泊事業者又は届出住宅の宿泊者の損害については、住宅宿泊管理業者が責任を負うことが一般的であると考えられるが、最終的には住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約を踏まえて取り決めることが望ましい。
③ 「責任及び免責に関する定め」について(国規則第17条第4号関係)
・ 責任及び免責については、責任の所在の明確化を図る観点から、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者の責任の所在について明示しておく必要がある。損害賠償請求に至った場合にはトラブルに発展することが予見されることから、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が事前に協議を行った上で賠償責任保険に加入する等の措置をとることが望ましい。
(12) 住宅宿泊管理業務の再委託の禁止(法第35条関係)
① 本条の趣旨について
・ 本条は、住宅宿泊事業者から委託を受けた住宅宿泊管理業務の全てを再委託することを禁ずるものであり、管理受託契約に住宅宿泊管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、再委託を行うことができる。
② 再委託における責任について
・ 再委託先は住宅宿泊管理業者である必要はないが、住宅宿泊事業者と管理受託契約を交わした住宅宿泊管理業者が再委託先の住宅宿泊管理業務の実施について責任を負うこととなる。このため、法第25条各号(第11号を除く。)の登録拒否要件に該当しない事業者に再委託することが望ましく、また、再委託期間中は、住宅宿泊管理業者が責任をもって再委託先の指導監督を行うことが必要である。なお、契約によらずに住宅宿泊管理業務を自らの名義で他者に行わせる場合には、名義貸しに該当する場合があるため、再委託は契約を締結して行うことが必要である。
③ 再委託の対象範囲について
・ 再委託は住宅宿泊管理業務の一部については認められるものの、全てについて他者に再委託することや、住宅宿泊管理業務を複数の者に分割して再委託して自らは住宅宿泊管理業務を一切行わないことは本条に違反する。
(13) 住宅宿泊管理業務の実施(法第36条関係)
・ 住宅宿泊管理業者は、委託を受けた住宅宿泊管理業務について、2―2.(1)~(7)に準じて対応する必要がある。
① 住宅宿泊事業の適切な実施のための届出住宅の維持保全について
・ 委託義務の対象となる住宅宿泊管理業務の範囲は、法第2条第5項に規定するとおりであるが、届出住宅の維持保全に係る業務については、1―1.(3)住宅宿泊管理業務の定義法第2条第5項関係の解釈を踏まえた上で、管理受託契約において対象範囲を明確に定める必要がある。届出住宅の維持保全が適切に行われない場合には、業務改善命令等監督処分の対象となり得る。
② 宿泊者の衛生確保について
・ 各居室の床面積に応じた宿泊者数の制限を確実に履行するためには、住宅宿泊事業者が制限を超える宿泊者との契約を締結した場合の宿泊拒否の権限等について、予め住宅宿泊管理業者と委託者との間で取り決めておくことが望ましい。
③ 宿泊者の安全の確保について
・ 法第6条に規定する措置は、委託を受けた住宅宿泊管理業者の責任において行うこととなるため、必要な器具の設置及び維持保全に要する費用の負担については、予め住宅宿泊管理業者と委託者との間で取り決めて置くことが望ましい。委託者の用意した器具等を住宅宿泊管理業者が利用する場合には、動作等について予め住宅宿泊管理業者が確認する必要がある。
④ 宿泊者名簿の作成・備付けについて
A 宿泊者の本人確認方法について
・ 住宅宿泊管理業者が住宅宿泊管理業務の委託を受けて行う場合には、正確な記載を確保するための措置の実施について、住宅宿泊管理業者の責任の下に行う必要がある。
・ 本人確認の方法は、委託者との間で、管理受託契約により明確に取り決めておく必要がある。
B 宿泊者名簿の提出先
・ 住宅宿泊管理業者に対して宿泊者名簿の提出を求めることができるのは、国土交通大臣及び住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の所在地を管轄する都道府県知事等である。
⑤ 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に必要な事項の説明について
・ 当該説明事項は、法第9条の解釈を十分踏まえるとともに、届出住宅固有の配慮事項や注意事項について、住宅宿泊管理業者は委託者に予め内容を確認しておくことが必要である。
⑥ 苦情等への対応について
・ 苦情及び問合せが、緊急の対応を要する場合には、関係機関への通報の他、委託者に対しても報告することが適切である。
・ 苦情への対応については、必要に応じてすみやかに現地へ赴くこととし、苦情があってから現地に赴くまでの時間は、30分以内を目安とする。ただし、交通手段の状況等により現地に赴くまでに時間を要することが想定される場合は、60分以内を目安とする。
(14) 従業者証明書の携帯(法第37条第1項関係)
・ 従業者であることを表示する方法は証明書による方法に統一することとする。この従業者証明書を携帯させるべき者の範囲は、住宅宿泊管理業者の責任の下に当該住宅宿泊管理業者が委託を受けた住宅宿泊管理業務に従事する者とし、再委託契約に基づき住宅宿泊管理業務の一部の再委託を受ける者を含む。このため、住宅宿泊管理業者と直接の雇用関係にある者であっても、内部管理事務に限って従事する者は、従業者証明書の携帯の義務はない。また、直接に届出住宅に立ち入り又は宿泊者や委託者と業務上接する者が対象であり、例えば、リネンの洗濯のみを行う者や車の運転手等は含まない。ただし、当該者についても従業者証明書を携帯することが望ましい。単に一時的に業務に従事するものに携帯させる証明書の有効期間については、他の者と異なり、業務に従事する期間に限って発行することとする。
(15) 帳簿の記載事項(法第38条関係)
① 「契約の対象となる届出住宅」について(国規則第19条第1項第3号関係)
・ 届出住宅の所在地及び物件の名称、部屋番号、委託の対象となる部分及び維持保全の対象となる附属設備である。
② 「受託した住宅宿泊管理業務の内容」について(国規則第19条第1項第4号関係)
・ 本号で規定する「住宅宿泊管理業」については、法第2条第5項に基づく住宅宿泊管理業務に限らず、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約において規定する委託業務の内容を指す。
③ 「報酬の額」について(国規則第19条第1項第5号関係)
・ 住宅宿泊管理業務に対する報酬だけでなく、住宅宿泊管理業務に要する費用等(住宅宿泊管理業者が当該業務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、当該業務の実施のために要した届出住宅に設置・配置する備品その他届出住宅を住宅宿泊事業の用に供するために必要な物品等の購入に要した費用)についても住宅宿泊管理業者が費用を支払い、その費用を住宅宿泊事業者から支払いを受ける場合は、その費用も含むものとする。
④ 「管理受託契約における特約その他参考となる事項」について(国規則第19条第1項第6号関係)
・ 住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約において、国土交通省が定める標準管理受託契約書に定めのない事項など、参考となる事項については、住宅宿泊管理業者の判断により記載する。
⑤ 「電子計算機その他の機器」について(国規則第19条第2項関係)
・ 「電子計算機その他の機器」には、タブレット端末やスマートフォン等を含む。
(16) 住宅宿泊事業者への定期報告(法第40条関係)
① 「住宅宿泊管理業務の実施状況」について(国規則第21条第1項第2号関係)
・ 本号で規定する「住宅宿泊管理業務」については、法第2条第5項に基づく住宅宿泊管理業務に限らず、住宅宿泊事業者と住宅宿泊管理業者が締結する管理受託契約における委託業務の全てについて報告する必要がある。苦情への対応状況は、住宅宿泊管理業務の実施状況に含まれる。
② 「住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の維持保全の状況」について(国規則第21条第1項第3号関係)
・ 住宅宿泊事業において届出住宅に設ける必要があるとされている台所、浴室、便所、洗面設備の状態について報告を行うとともに、水道や電気などのライフラインの状態についても報告を行う必要がある。また、ドアやサッシなどの届出住宅の設備の状態についても報告を行うことが望ましい。
③ 「住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の周辺地域の住民からの苦情の発生状況」について(国規則第21条第1項第4号関係)
・ 苦情の発生した日時、苦情を申し出た者の属性、苦情内容等について、把握可能な限り記録し、報告する必要がある。単純な問合せについて、記録及び報告の義務はないが、苦情を伴う問合せについては、記録し、対処状況も含めて報告する必要がある。
3―3.住宅宿泊管理業の監督
(1) 業務改善命令(法第41条第1項及び第2項関係)
① 国土交通大臣と都道府県知事等との関係について
・ 原則として、国土交通大臣が住宅宿泊管理業者に対する監督を一元的に行うが、法第5条から第10条までの規定による業務については、住宅宿泊管理業者の不正行為に関する事実について都道府県知事等の方がより的確に把握し、迅速に処分を行えることが想定されるため、都道府県知事等による業務改善命令を第2項において認めている。このため、業務改善命令を行うことができる都道府県知事等は、不正行為が行われた届出住宅の所在地を管轄する都道府県知事等である。
(2) 立入検査(法第45条関係)
・ 国土交通大臣と都道府県知事等は、密に情報共有を図るとともに互いに連携を取り、必要に応じて同時に立入検査を行う等の対応が望ましい。
4―1.住宅宿泊仲介業の登録関係
(1) 住宅宿泊仲介業の登録(法第46条関係)
① 登録の申請の方法について
・ 登録申請は民泊制度運営システムを利用して行うことを原則とする。
(2) 住宅宿泊仲介業の登録申請事項(法第47条第1項関係)
① 登録についての考え方について
・ 「役員」とは、次に掲げる者をいう。
(i) 株式会社においては、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)及び監査役
(ii) 合名会社、合資会社及び合同会社においては、定款をもって業務を執行する社員を定めた場合は、当該社員。その他の場合は、総社員
(iii) 財団法人及び社団法人においては、理事及び監事
(iv) 特殊法人等においては、総裁、理事長、副総裁、副理事長、専務理事、理事、監事等法令により役員として定められている者
② 届出の様式の記載についての留意事項について
・ 日本語で作成する必要があるが、名称、住所等の固有名詞については、外国語で記載することができる。
(a) 住宅宿泊仲介業者登録申請書(国規則第12号様式)
・ 申請者が法人である場合は、登録申請者の「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「氏名」には、当該法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。申請者が個人である場合は、「商号又は名称」がある場合は、当該事項を記入し、「氏名」には、申請者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
・ 申請者又は法定代理人が法人である場合は、「商号、名称又は氏名及び住所」、「法定代理人に関する事項」、「法定代理人の代表者に関する事項(法人である場合)」、「法定代理人の役員に関する事項(法人である場合)」、「役員に関する事項(法人である場合)」について、登記事項証明書に記載された情報を記入することとする。
・ 申請者(個人の場合)、代表者、法定代理人(個人の場合)、法定代理人の代表者、法定代理人の役員並びに役員の氏名及び住所については、住民票に記載された氏名及び住所を記入することとする。外国籍の者の場合は、日本国政府の承認した外国政府の発行した書類やこれに準じる書類に記載された住所及び氏名を記載することとする。
・ 「法定代理人の役員に関する事項(法人である場合)」については、法定代理人の役員全員について記載することとする。
・ 「役員に関する事項(法人である場合)」については、法人の役員全員について記載することとする。
・ 「営業所又は事務所に関する事項」については、住宅宿泊仲介業務を実施する全ての営業所又は事務所について記載することとする。
(b) 誓約書(国規則第13号様式)
・ 「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「代表者の氏名」には、法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
(c) 誓約書(国規則第14号様式)
・ 「氏名」には、申請者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。申請者が未成年者である場合において、法定代理人が法人である場合は、「商号又は名称」には、当該事項を記入し、「氏名」には、法人の代表者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
(d) 登録事項変更届出書(国規則第15号様式)
・ (a)住宅宿泊仲介業者登録申請書(国規則第12号様式)と同様。
(e) 廃業等届出書(国規則第16号様式)
・ 「氏名」については、届出者の氏名を記入した上で、押印又は署名をすることとする。
・ 「商号、名称又は氏名」については、住宅宿泊仲介業者登録申請書(国規則第12号様式)に記入したとおり記入することとする。
(f) 標識(国規則第17号様式)
・ 「商号、名称又は氏名」については、住宅宿泊仲介業者登録申請書(国規則第12号様式)に記入したとおり記入することとする。
③ 申請に対する処分に係る標準処理期間について
・ 法第47条第1項に基づく申請に対する処分に係る標準処理期間については、原則として、観光庁長官に当該申請が到達した日の翌日から起算して当該申請に対する処分の日までの期間を60日とする。
・ なお、適正な申請を前提に定めるものであるから、形式上の要件に適合しない申請の補正に要する期間はこれに含まれない。また、適正な申請に対する処理についても、審査のため、相手方に必要な資料の提供等を求める場合にあっては、相手方がその求めに応ずるまでの期間はこれに含まれないこととする。
(3) 住宅宿泊仲介業の登録申請の添付書類(法第47条第2項関係)
・ 申請書の添付書類は、日本語又は英語で記載されたものに限る。英語の場合は、日本語による翻訳文を添付する必要がある。特別の事情で申請書に添付する書類が日本語又は英語で提出できない場合は、その他の言語で記載された書類に、日本語による翻訳文を添付することにより、提出することができる。
・ 官公署(日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関を含む。)が証明する書類は、申請日前3月以内に発行されたものとし、官公署から発行された書類を提出することとする(写し等は認めないこととする。)。
・ 国規則第28条第1項第1号イに規定する「定款、寄附行為又はこれらに準ずるもの」は、商号、事業目的、役員数、任期及び主たる営業所又は事務所の所在地が登記事項証明書の内容と一致しているものであって、現在効力を有するものとする。外国法人においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、商号、事業目的、役員数、任期及び主たる営業所又は事務所の所在地の記載のあるものを提出することとする。
・ 国規則第28条第1項第1号ロに規定する「登記事項証明書又はこれに準ずるもの」は、外国法人においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、法人名、事業目的、代表者名、役員数、任期及び主たる営業所又は事務所の所在地の記載のあるものとする。
・ 国規則第28条第1項第1号ハに規定する「役員が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者に該当しない旨の証明書」は、外国籍の役員においては、第28条第1項第1号ニの書類と重複するため、ハの書類については提出する必要はない。
・ 国規則第28条第1項第1号ニに規定する「役員が、民法の一部を改正する法律附則第三条第一項及び第二項の規定により成年被後見人及び被保佐人とみなされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者に該当しない旨の証明書若しくはこれに代わる書面」は外国籍の役員においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者と同様に取り扱われている者に該当しない旨を証明する書類とする。当該書類が存在しない場合は、「これに代わる書面」として、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に相当するものに該当しない者であることを公証人又は公的機関等が証明した書類を提出することとする。
・ 国規則第28条第1項第1号ホに規定する「最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書」には、
(i) 最も新しい確定した決算書を添付すること。
(ii) 新規設立の法人で、最初の決算期を迎えていない場合は、開業貸借対照表(会社の設立時や会社の開業時に作成される貸借対照表のことをいう。)を添付すること。
・ 国規則第28条第1項第1号ヘ(同条第2項第2号ヘに規定するものを含む。)に規定する「住宅宿泊仲介業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていることを証する書類」については、法第49条第1項第11号に該当しないことを確認するため、
(i) 法令遵守について責任を有する部局並びに当該部局の責任者の氏名及び従業員数を明示した組織図
(ii) 苦情問合せ等について責任を有する部局並びに当該部局の責任者の氏名及び従業員数を明示した組織図
(iii) 情報管理(サイバーセキュリティー体制を含む。)について責任を有する部局並びに当該部局の責任者の氏名及び従業員数を明示した組織図
とする。
・ 国規則第28条第1項第1号ト及び第2号ホに規定する誓約書には決算書類に関する次に掲げる書類を添付する必要がある。
(i) 公認会計士又は監査法人による財務監査を受けている場合にあっては、当該監査証明に係る書類
(ii) 上記以外の場合にあっては、納税申告書の写しその他の資産及び負債の明細を示す書類
・ 国規則第28条第1項第2号イに規定する「登録申請者が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者に該当しない旨の証明書若しくはこれに代わる書面」は、外国籍の申請者においては、第28条第1項第2号ロの書類と重複するため、イの書類については提出する必要はない。
・ 国規則第28条第1項第2号ロに規定する「登録申請者が、民法の一部を改正する法律附則第三条第一項及び第二項の規定により成年被後見人及び被保佐人とみなされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者に該当しない旨の証明書若しくはこれに代わる書面」は、外国籍の申請者においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者と同様に取り扱われている者に該当しない旨を証明する書類とする。当該書類が存在しない場合は、「これに代わる書面」として、成年被後見人及び被保佐人並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に相当するものに該当しない者であることを公証人又は公的機関等が証明した書類を提出することとする。
・ 国規則第28条第1項第2号ハに規定する「営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が法人である場合においては、その法定代理人の登記事項証明書又はこれに準ずるもの」は、外国法人においては、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに準じるもので、法人名、事業目的、代表者名、役員数、任期及び主たる営業所又は事務所の所在地の記載のあるものとする。
・ 国規則第28条第1項第2号ニに規定する「第五号様式による財産に関する調書」については、第5号様式による「財産に関する調書」と預貯金の「残高証明書」を添付することとする。また、土地又は建物を計上した場合は、その「固定資産評価証明書」(市町村役場等で発行)又は鑑定評価書(不動産鑑定士が発行)等を添付することとする。
・ 国・厚規則第28条第2項に規定する「住民票の抄本又はこれに代わる書面」は、外国籍の申請者においては、住民票の抄本が提出できないときは、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第30条の45に規定する国籍等の記載のあるものに限る。
(4) 住宅宿泊仲介業の登録の拒否(法第49条関係)
① 不誠実な行為等をするおそれがあると認められる者について(第49条第1項第6号関係)
・ 国規則第29条第3号で規定する「法第58条各号に掲げる行為をしている者」については、登録の審査を行う段階で確認を行う。
・ 法第58条各号については4―5.違法行為のあっせん等の禁止を参照。
② 財産的基礎要件(法第49条第1項第10号関係)
・ 登録時点で「国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有している」必要がある。
・ 国規則第30条第2号に規定する「支払不能に陥っていないこと」とは、債務者が支払能力の欠乏のため弁済期にある全ての債務について継続的に弁済することができない客観的状態のことをいう。なお、支払能力の欠乏とは、財産、信用、あるいは労務による収入のいずれをとっても債務を支払う能力がないことを意味する。
③ 住宅宿泊仲介業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない者について(法第49条第1項第11号関係)
・ 4―1.(3)住宅宿泊仲介業の登録申請の添付書類に記載のとおり。
(5) 変更の届出等(法第50条関係)
・ 事業を譲渡する場合、個人営業を法人営業に改める場合又は法人営業を個人営業に改める場合等登録者が実質的に変更する場合は、変更手続きによらず、登録を申請し直す必要がある。
・ 法人の組織変更については、次に掲げる場合を除き、変更手続きによらず、登録を申請し直す必要がある。
(i) 株式会社と合名、合資又は合同会社との間の組織の変更
(ii) 合名会社、合資会社又は合同会社の間の種類の変更
(iii) その他法律に基づく組織の変更のうち、法人格の同一性が保持されていると認められるもの
(6) 廃業等の届出(法第52条関係)
・ 一時的な休業の場合は、廃業届を提出する必要はない。
・ 1年以上業務を行っていない場合には、法第62条第2項の規定により、登録取消しの対象となる。
4―2.住宅宿泊仲介業約款(法第55条関係)
① 住宅宿泊仲介業約款の策定について
・ 日本語及び英語で策定しなければならない。
・ 標準約款については、別に定める。
② 住宅宿泊仲介業約款の公示について
・ 国規則第36条第2号に規定する「インターネットによる公開」とは、宿泊者との間の取引に関する約款を一覧して確認できるページ(以下「利用規約画面」という。)を設け、申込み完了前の各画面の適切な場所(冒頭部等)に、「利用規約」といった表現によりハイパーリンクを設定する等を行い、宿泊者が当該約款を容易に認識できるようにする必要がある。
・ 約款が宿泊者と住宅宿泊仲介業者の間の契約の内容となる旨を、宿泊者が容易に認識できる方法で、容易に認識できる場所に明記しなければならない。
4―3.住宅宿泊仲介業務に関する料金の公示等(法第56条関係)
・ 国規則第38条第2号に規定する「インターネットによる公開」とは、4―2.②住宅宿泊仲介業約款の公示と同様の取扱いとなる。
4―4.不当な勧誘等の禁止(法第57条関係)
・ 不実告知や自らの集客能力等を誇大に表現する等の誇大広告が認められる場合には、法第61条第1項に規定する業務改善命令等の対象となり得る。
4―5.違法行為のあっせん等の禁止(法第58条関係)
① 法令に違反する行為のあっせん等について(法第58条第1号関係)
・ 「法令」とは、本法及びその他の法令であり、法律だけではなく、政省令も含まれる。また、当該行為が、故意又は重過失で行った場合に対象となる。
・ 法第58条第1号に該当する例としては、次に掲げるものが考えられる。
(i) 麻薬、銃器、盗品等の禁制品の取引のあっせん又は便宜供与
(ii) 違法賭博行為のあっせん又は便宜供与
② 法令に違反するサービスの提供を受けることのあっせん等について(法第58条第2号関係)
・ 「法令」とは、本法及びその他の法令であり、法律だけではなく、政省令も含まれる。また、当該行為は、故意又は重過失の場合に対象となる。
・ 法第58条第2号に該当する例としては、次に掲げるものが考えられる。
(i) 明らかに虚偽と認められる届出番号を示している施設のあっせん又は便宜供与
(ii) 旅館業の無許可営業者による宿泊サービスを受けることのあっせん又は便宜供与
(iii) 売春防止法に違反するサービスの提供を受ける行為のあっせん又は便宜供与
・ なお、住宅宿泊仲介業務を行う際に、旅行業又は住宅宿泊仲介業の登録を受けていない業者の仲介サイトに掲載する行為についても法第58条第2号に該当することとなる。
③ あっせん等の広告の禁止について(法第58条第3号関係)
・ 本法に基づく届出、旅館業法に基づく許可又は特区民泊の認定等を受けていない物件について仲介サイトに掲載する行為があてはまる。また、当該行為が、故意又は重過失の場合に対象となる。
・ 適法な物件であるかの確認の方法は、以下の方法によるほか、これと同等以上に確実な方法で行う必要がある。
・ また、届出番号等の確認にあたっては、自社が運営する民泊仲介サイト上で、住宅宿泊事業者等から届出番号等を入力させ、入力が確認できないものについては、非表示とするなどの電子的処理による方法も認めることとする。
(i) 本法に基づく届出をしている物件の場合
以下の項目について、住宅宿泊事業者からの申告に基づき確認
・都道府県知事等から通知される届出番号
(ii) 旅館業法に基づく許可物件の場合
以下の項目について、営業者からの申告に基づき確認
・保健所等から通知される許可番号
・施設の所在地
保健所等により許可番号が通知されていない場合には、許可番号に代えて以下の項目について確認
・営業者名
・許可を受けた年月日
・許可を受けた保健所
(iii) イベント民泊の場合
以下の項目について、自宅提供者からの申告に基づき確認
・自治体が発行する要請状
(iv) 国家戦略特区制度に基づく認定物件の場合
以下の項目について、認定事業者からの申告に基づき確認
・施設の名称
・施設の所在地
※ 旅行業法(昭和27年法律第239号)第3条において、宿泊サービスの仲介の実施に当たっては、原則旅行業法に基づく旅行業の登録を受けなければいけないこととされているため、(ii)~(iv)の物件について宿泊サービスの仲介を実施するに当たっては、原則旅行業の登録を受けなければいけない。
※ マンスリーマンションについては、一時的な宿泊を主とする上記施設と混在させて民泊仲介サイトに表示させることは適切ではないため、別サイトにおいて管理することが望ましい。
・ 4―7.住宅宿泊仲介業者から観光庁への報告にて記載の報告等により、違法な物件が民泊仲介サイトに掲載されていることを観光庁において確認した場合には、観光庁より当該民泊仲介サイトを運営する住宅宿泊仲介業者に対し、当該物件に関する情報を当該サイト上から削除すること等を要請することがあり得る。
その場合において、当該住宅宿泊仲介業者は、観光庁からの求めに応じ、すみやかに、自社が運営する民泊仲介サイトから当該物件に関する情報を削除すること等の必要な措置を講じる必要がある。
④ 届出をした者であるかどうかの確認を怠る行為について(法第58条第4号関係)
・ 国規則第39条第2号に規定する行為とは、住宅宿泊事業者からの届出番号を確認せずに仲介サイトに掲載するものである。また、当該行為が故意又は重過失による場合に違反となる。
・ 届出番号の確認にあたっては、自社が運営する民泊仲介サイト上で、住宅宿泊事業者から届出番号を入力させ、入力が確認できないものについては、非表示とするなどの電子的処理による方法も認めることとする。
4―6.住宅宿泊仲介契約の締結前の書面の交付(法第59条関係)
・ 民泊仲介サイトを利用した取引においては、申込直前の段階で、国規則第40条各号に規定する事項を網羅的に確認できる画面を設けた上で、住宅宿泊仲介契約締結後すみやかに、国規則第40条各号に定める事項を記載した電子メールを送付する方法によることも認めることとする。
① 宿泊者が宿泊する届出住宅について(国規則第40条第3号関係)
・ 「届出住宅」とは、宿泊者が宿泊を予定している届出住宅の住所及び届出住宅までの道順を示した経路、届出住宅の位置を示した地図又は届出住宅の外観がわかる写真その他の宿泊者が正確に届出住宅の位置を把握できる情報である。
② 対価について(国規則第40条第5号関係)
・ 「対価」とは、宿泊者が支払う合計金額、「報酬」とは、「対価」のうち住宅宿泊仲介業者が受け取る金額のことである。
③ サービスの内容について(国規則第40条第6号関係)
・ 「サービスの内容」とは、居室の面積、アメニティーの設置状況等届出施設において提供されるサービスの内容である。
④ 対価に含まれていない宿泊に関する費用について(国規則第40条第7号関係)
・ 「対価に含まれていない宿泊に関する費用であって、宿泊者が通常必要とするもの」とは、清掃費、税その他の通常の宿泊に伴い宿泊者が負担すべきとされる一切の費用のことである。
⑤ 宿泊者の資格について(国規則第40条第11号関係)
・ 「宿泊者の資格を定める場合にあっては、その旨及び当該資格」とは、性別、国籍その他の住宅宿泊事業者が定める宿泊者の要件である。
⑥ 安全性等の情報について(国規則第40条第12号関係)
・ 行政庁等が地域における安全性等について特別に発出している情報がある場合においては、当該情報を提供する必要がある。
4―7.住宅宿泊仲介業者から観光庁への報告
・ 住宅宿泊事業者の人を宿泊させた日数が180日を超過していないか、又は条例で制限がある場合においては、当該条例で禁止されている期間に営業が行われていないかを補完的に確認するため、民泊仲介サイトに掲載の届出物件に係る以下の項目について、毎年4月、10月の15日までに、それぞれの月の前6ヶ月分を観光庁に報告することとする。
(i) 住宅宿泊事業者の商号名称又は氏名
(ii) 届出住宅の住所及び届出番号
(iii) 届出住宅において人を宿泊させた日数(2―2.(9)②届出事項の内容についてと同様。)
5―1.その他
(1) 権限委任について(法第69条関係)
① 地方整備局長等による住宅宿泊管理業者の監督権限の行使について
・ 国規則第24条第1項第7号、9号、11号及び12号に掲げる住宅宿泊管理業者の監督権限については、原則として主たる営業所又は事務所の所在地を管轄する地方整備局長等が行うものとするが、登録の取消し及び抹消に係る権限以外の監督権限については、当該住宅宿泊管理業者の従たる営業所又は事務所等を管轄する地方整備局長等も行うことができるものとする。
② 委任された監督権限の具体的運用方針について
・ 地方整備局長等に委任する国土交通大臣の権限のうち、国規則第24条第7号から第12号までに掲げる権限については、国土交通大臣が自ら行うことを妨げないとされているが、これは、同一業者により組織的に行われたもので、全国的に被害が頻発するような事案など相当な社会的混乱を招くおそれがあり、国土交通大臣自らが機敏に対応することを求められる事件の発生に際しては、個別の状況に応じて国土交通大臣が処分を行うこともあり得るものとしたものである。
(2) 登録免許税について(法附則第6条関係)
① 登録免許税の納税地について(登録免許税法第8条第1項関係)
(a) 住宅宿泊管理業の登録に係る登録免許税の納税地について
・ 登録免許税法(昭和42年法律第35号)第8条第1項の規定による納税義務者が登録免許税を国に納付する際の納税地は次のとおりである。
① 北海道開発局長の登録を受けようとする場合は、「北海道札幌市北区北三十一条西七―三―一 札幌国税局札幌北税務署」
② 東北地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「宮城県仙台市青葉区上杉一―一―一 仙台国税局仙台北税務署」
③ 関東地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「埼玉県さいたま市中央区新都心一―一 関東信越国税局浦和税務署」
④ 北陸地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「新潟県新潟市中央区西大畑町五一九一 関東信越国税局新潟税務署」
⑤ 中部地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「愛知県名古屋市中区三の丸三―三―二 名古屋国税局名古屋中税務署」
⑥ 近畿地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「大阪府大阪市中央区大手前一―五―六三 大阪国税局東税務署」
⑦ 中国地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「広島県広島市中区上八丁堀三―一九 広島国税局広島東税務署」
⑧ 四国地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「香川県高松市天神前二―一〇 高松国税局高松税務署」
⑨ 九州地方整備局長の登録を受けようとする場合は、「福岡県福岡市東区馬出一―八―一 福岡国税局博多税務署」
⑩ 沖縄総合事務局長の登録を受けようとする場合は、「沖縄県那覇市旭町九 沖縄国税事務所那覇税務署」
・ なお、登録免許税は、前記の納税地のほか、日本銀行及び国税の収納を行うその代理店並びに郵便局において納付することができるが、この場合においては、納付書の宛先は上記の各税務署となる。
(b) 住宅宿泊仲介業の登録に係る登録免許税の納税地について
・ 登録免許税法第8条第1項の規定による納税義務者が登録免許税を国に納付する際の納税地は、東京都千代田区九段南一―一―一五 麹町税務署とする。
・ なお、登録免許税は、前記の納税地のほか、日本銀行及び国税の収納を行うその代理店並びに郵便局において納付することができるが、この場合においては、納付書の宛先は上記の税務署となる。
② 非課税の場合について(登録免許税法第5条第13号関係)
・ 地方整備局長等の登録を受けるものであっても、個人で地方整備局長等の登録を受けた者の相続人が引き続き住宅宿泊管理業を営むために登録を受ける場合、及び法人で地方整備局長等の登録を受けた者が他の法人と合併するために解散し、新たに設立又は吸収合併した法人が引き続き住宅宿泊管理業を営むため地方整備局長等の登録を受ける場合には、登録免許税が課されない。
・ 観光庁長官の登録を受けるものであっても、個人で観光庁長官の登録を受けた者の相続人が引き続き住宅宿泊仲介業を営むために登録を受ける場合、及び法人で観光庁長官の登録を受けた者が他の法人と合併するために解散し、新たに設立又は吸収合併した法人が引き続き住宅宿泊仲介業を営むため観光庁長官の登録を受ける場合には、登録免許税が課されない。
③ 過誤納金等について(登録免許税法第31条関係)
(a) 住宅宿泊管理業の登録に係る登録免許税の過誤納金等について
・ 登録免許税を納付した住宅宿泊管理業の登録申請者が、当該申請を取り下げたとき、当該申請が拒否されたとき、又は過大に登録免許税を納付したときは、登録免許税の現金納付又は印紙納付のいずれかによらず、国税通則法の規定により過誤納金の還付を受けることができる。
・ また、住宅宿泊管理業の登録申請者が申請の取下げにあわせて、取下げの日から一年以内に使用済みの登録免許税の領収書又は印紙を再使用したい旨を申し出、使用することができる旨の証明を地方整備局長等が行ったときは、当該証明に係る領収書又は印紙を再使用することができる。したがって、申請を取り下げる旨の申出を行った者に対しては、既に納付した登録免許税の還付を受けるか、又は一年以内に再度申請するために領収書若しくは印紙を再使用するかのいずれかを確認し、領収書又は印紙を一年以内に再使用したい旨の申出があったときは、その旨を記載した書面を地方整備局長等あてに取下げ書と同時に提出させることとする。
・ なお、再使用したい旨の申出を行った者は、再使用の証明を受けた場合において、当該証明を受けた領収書又は印紙を使用する必要がなくなったときは、当該証明を受けた日から一年以内に地方整備局長等に対し、当該証明を無効にして既に納付した登録免許税の還付を受けたい旨の申出を行わないと、登録免許税の過誤納金の還付を受けることができなくなる。
(b) 住宅宿泊仲介業の登録に係る登録免許税の過誤納金等について
・ 登録免許税を納付した住宅宿泊仲介業の登録申請者が、当該申請を取り下げたとき、当該申請が拒否されたとき、又は過大に登録免許税を納付したときは、登録免許税の現金納付又は印紙納付のいずれかによらず、国税通則法の規定により過誤納金の還付を受けることができる。
・ また、住宅宿泊仲介業の登録申請者が申請の取下げにあわせて、取下げの日から一年以内に使用済みの登録免許税の領収書又は印紙を再使用したい旨を申し出、使用することができる旨の証明を観光庁長官が行ったときは、当該証明に係る領収書又は印紙を再使用することができる。したがって、申請を取り下げる旨の申出を行った者に対しては、既に納付した登録免許税の還付を受けるか、又は一年以内に再度申請するために領収書若しくは印紙を再使用するかのいずれかを確認し、領収書又は印紙を一年以内に再使用したい旨の申出があったときは、その旨を記載した書面を観光庁長官あてに取下げ書と同時に提出させることとする。
・ なお、再使用したい旨の申出を行った者は、再使用の証明を受けた場合において、当該証明を受けた領収書又は印紙を使用する必要がなくなったときは、当該証明を受けた日から一年以内に観光庁長官に対し、当該証明を無効にして既に納付した登録免許税の還付を受けたい旨の申出を行わないと、登録免許税の過誤納金の還付を受けることができなくなる。
様式A(国・厚規則第四条第四項第一号カ関係)
様式B(国・厚規則第四条第四項第二号ニ関係)
様式C(国・厚規則第四条第四項第一号ヲ関係)