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○診療情報の提供等に関する指針について(周知)

(平成30年7月20日)

(医政医発0720第2号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局医事課長通知)

(公印省略)

「診療情報の提供等に関する指針の策定について」(平成15年9月12日付け医政発第0912001号。以下「指針」という。)において、医療機関が保有する診療情報を提供するに当たって、どのような事項に留意すれば医療従事者等が診療情報の提供等に関する職責を全うできると考えられるかを示してきたところである。

今般、診療記録の開示に要する費用についての疑義が多数寄せられているところ、これについては下記のとおり解すべきものであるので、貴職におかれては、貴管下保健所設置市、特別区、医療機関及び関係団体等への周知をお願いする。

また、「医療機関における診療録の開示に係る実態調査について(協力依頼)」(平成29年9月25日付け厚生労働省医政局医事課長事務連絡)による調査の結果(以下「調査結果」という。)は、別紙のとおりであるので併せて周知する。

指針7の「(4)診療記録の開示に要する費用」において、医療機関の管理者は、申立人から、診療記録の開示に要する費用を徴収することができ、その費用は、「実費」を勘案して合理的と認められる範囲内の額としなければならないとしている。

ここにいう「実費」とは、内容の確認等により開示請求に対応する際に生じた人件費も含まれ得るものであるが、手数料として徴収することができる費用の額については、これらの費用を含めた実際の費用を勘案して合理的であると認められる範囲内とすることが必要である。

また、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「法」という。)において、法第2条第5項に規定する個人情報取扱事業者が開示請求を受けたときは、法第33条の規定により、当該措置の実施に関し、手数料を徴収することができ、手数料を徴収する場合は実費を勘案して合理的であると認められる範囲内において、手数料の額を定めなければならないとされており、この法に規定される「実費」については、内容の確認等の開示請求に対応する際に生じた費用も含み得ると解されるものであることを個人情報保護委員会に確認している。

なお、調査結果を踏まえ、診療記録の開示に当たっては次の点に留意されたい。

・ 診療記録の開示に要する費用は、実際の費用から積算される必要があるが、個々の申し立てに応じその費用が変わり得るところ、開示に要する費用を一律に定めることは不適切となる場合があること。

・ 医師の立ち会いを必須とすることは、患者等が診療記録の開示を受ける機会を不当に制限するおそれがあるため、不適切であること。

(別紙)

「医療機関における診療録の開示に係る実態調査」の結果について

【調査概要】

調査期間:平成29年9月25日~平成29年10月16日

調査方法:都道府県を通じて調査票を配布

対象医療機関:全国の特定機能病院及び大学病院(87病院)

調査事項:次の項目について調査を実施。

①診療録の開示に要する費用

②診療録の開示の際の医師の立ち会いの有無

③遺族に対する診療録の開示手続 等

【調査結果概要】

(開示に要する費用)

・開示に要する費用については、「999円以下」が67%、「2,000円~2,999円」が2%、「3,000円~3,999円」が15%、「5,000円以上」が16%であった。

※白黒1枚を請求した場合の費用を集計。

(開示方法)

・開示方法については、「閲覧又は写しの交付としている」が82%であった。

(医師の立ち会い)

・医師の立ち会いの有無については、「必須」が5%、「求めがあれば」応じていた医療機関が57%であった。

(遺族に対する診療情報の提供)

・遺族に対する診療情報の提供については、ほぼ全ての医療機関が、申立人が診療記録の開示を求め得る者であることを証明するために、戸籍謄本・身分証明書(運転免許証)等の提出を求めていた。また、戸籍謄本に記載されている者や法定相続人の全員の同意を求めている医療機関もあった。

(開示決定者)

・開示決定者については、ほぼ全ての医療機関が、医療機関の管理者を開示決定者としていた。主治医や診療科長を開示決定権者とする医療機関でも、「部分開示」又は「非表示」になる場合には、病院長が含まれる診療情報開示委員会等に諮問するとされていた。

(開示所要日数)

・開示所要日数については、2週間程度が38%、3週間程度が37%、4週間程度が25%であった。

【参考】