添付一覧
(ISO) 9680
C.4 色収差
汎用歯科用照明器等に適用する。試験方法は、JIS T 5753の7.4.4項による。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
C.5 相関色温度
汎用歯科用照明器等に適用する。試験方法は、JIS T 5753の7.4.5項による。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
C.6 パターン内の放射熱
汎用歯科用照明器等に適用する。試験方法は、JIS T 5753の7.4.6項による。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
C.7 影
汎用歯科用照明器等に適用する。試験方法は、JIS T 5753の7.4.7項による。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
C.8 鮮明さ
歯科診断用口腔内カメラ、光学的歯石歯垢検出器等に適用される。試験方法は、基準となる画像をカメラにて取り込み、モニタに表示された画像と基準となる画像との比較において、コントラスト及び色彩の表現が、基準となる画像と同等以上であることを目視で評価する。
C.9 放射発散度
紫外線域、可視光線域及び近赤外線域の放射照度を評価する項目で、歯科重合用光照射器、光学的歯石歯垢検出器等に適用される。試験方法は、フィルタと放射計とを用いて、定格電圧の90%と110%で、3波長域(190nm~385nm、400nm~515nm及び515nm超)の放射照度を測定する。
なお、400nm~515nm波長域の放射発散度を歯科重合用光照射器の光強度ということがある。
参考:
(JIS T) 5752―1,5752―2
(ISO) 10650―1,10650―2
C.10 公称倍率
凹面鏡を有する歯鏡に適用される。試験方法は、凹面鏡の焦点距離(f)を±1mmの許容差で測定し、明視の最短距離(250mm)を焦点距離で除して公称倍率(250/f)を求める。
参考:
(JIS T) 5903
(ISO) 9873
C.11 UV放射照度
汎用歯科用照明器に適用される。試験方法は、JIS T 5753の7.4.9項による。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
C.12 平均演色評価数
汎用歯科用照明器に適用される。試験方法は、「CIE 13.3, Method of Measuring and Specifying Colour Rendering Properties of Light Sources」により、光源の演色性を測定する。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
(CIE) 13.3
C.13 波長測定精度
光学式う蝕検出装置に適用される。試験方法は、製造販売業者が指定する回数で出力波長を蛍光体に照射したとき、反射光として取り入れた光の波長を解析し、検出器の表示器が一定の値を表示することを評価する。
D 耐久性に係る評価
D.1 耐食性
単回使用歯科用根管リーマ、単回使用歯科用根管ファイル、歯科根管材料電気加熱注入器、歯科用電着型成型器等に適用される。リーマ、ファイル等の試験方法は、機器を硫酸銅―硫酸溶液に浸漬したときの腐食状態をルーペ等の拡大鏡を用いて観察し、さび、変色等の有無を評価する。電着型成型器については、機器を所定の電着用液に浸漬したときの腐食状態をルーペ等の拡大鏡を用いて観察し、さび、変色等の有無を評価する。
ただし、滅菌後の腐食状態については、耐滅菌性として評価する。
参考:
(JIS T) 5221―1,5221―2,5221―3,5221―4,5221―5,5419,5750
(ISO) 3630―1,3630―2,3630―3,3630―4,3630―5,7741
D.2 耐水性
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、水で濡らした表面を目視で観察して評価する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
D.3 耐消毒性
単回使用歯科用根管リーマ、歯科用根管口拡大ドリル、歯科用口腔洗浄器、歯科重合用光照射器等に適用され、指定された消毒処理を繰り返したときの耐久性を評価する。試験方法は、煮沸消毒又は薬液消毒を繰り返した後のさび、変色等の有無を目視、拡大鏡等で評価する。
なお、薬液消毒の耐性は、「ISO 21530, Dentistry―Materials used for dental equipment surfaces―Determination of resistance to chemical disinfectants」により評価することが望ましい。
参考:
(JIS T) 5221―1,5221―2,5221―3,5221―4,5221―5、5301,5302,5401,5402,5404,5406,5407,5410,5418―1,5420,5504―2,5504―3,5750,5751,5752―1,5752―2,5903
(ISO) 3630―1,3630―2,3630―3,3630―4,3630―5,7492,7741,9173―1,9873,10650―1,10650―2,13397―1,13397―2,13397―3,13397―4,15087―1,15087―2,15087―3,15087―4,15087―5,15087―6,15098―1,15098―2,15098―3
D.4 耐滅菌性
単回使用歯科用根管リーマ、歯科用根管口拡大ドリル、歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科麻酔用電動注射筒、歯科用根管長測定器の電極、歯科用口腔洗浄器、歯科重合用光照射器、歯科麻酔用電動注射筒、歯科用根管長測定器の電極等に適用され、指定された滅菌処理を繰り返したときの耐久性を評価する。試験方法は、指定された滅菌方法(例えば、高圧蒸気滅菌)を繰り返し行った後の作動状況及びさび、変色、腐食等の有無を評価する。例えば、歯科用ガス圧式ハンドピースでは、250回繰り返した後の作動状況と10回繰り返した後のさび、変色、腐食等の有無を評価する。
参考:
(JIS T) 2107,5204,5221―1,5221―2,5221―3,5221―4,5221―5,5301,5302,5401,5402,5404,5406,5407,5410,5418―1,5420,5421,5504―2,5504―3,5505―1,5750,5751,5752―1,5752―2,5903,5910,5911,5912
(ISO) 3630―1,3630―2,3630―3,3630―4,3630―5,7492,9873,10650―1,10650―2,13397―1,13397―2,13397―3,13397―4,14457,15087―1,15087―2,15087―3,15087―4,15087―5,15087―6,15098―1,15098―2,15098―3,22374
D.5 耐清掃・消毒性
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット、歯科用吸引装置、歯科用根管長測定器の電極、歯科用両側性筋電気刺激装置、歯科診断用口腔内カメラ等に適用される。試験方法は、指定された薬液で表面を清掃・消毒した後の表面及び表示の劣化を評価する。
なお、薬液消毒の耐性は、「ISO 21530, Dentistry -- Materials used for dental equipment surfaces -- Determination of resistance to chemical disinfectants」により評価することが望ましい。
参考:
(JIS T) 5602,5701,5751,5753,5801,5912
(ISO) 6875,7494―1,7494―2,9680,10637,14457,21530
D.6 耐熱性
加熱後の熱を利用する手器具に適用する。試験は、加熱後の耐曲げ性(曲げ抵抗)により評価する。
参考:
(JIS T) 5221―3
(ISO) 3630―3
D.7 疲労耐久性
根管拡大器具等に適用される。試験方法は、繰り返し曲げ荷重の負荷をかけることによる破損するまでの回数により評価する。
参考:
(JIS T) 5221―1,5221―2,5221―3,5221―4,5221―5
(ISO) 3630―1,3630―2,3630―3,3630―4,3630―5
E 接続に係る評価
E.1 接続性
歯科用ユニット、歯科用吸引装置、歯科技工用真空攪拌器等に適用される。歯科用ユニットの試験方法は、歯科用ユニットに接続するインスツルメントホースの脱着性を、歯科用吸引装置等については、歯科用吸引装置のカニューレ接続部の機能を目視で評価する。技工用機器については、接続するホース類の脱着性及び接続部の機能を目視で評価する。
参考:
(JIS T) 5701,5750,5801
(ISO) 7494―1,7494―2,10637
E.2 接続部適合性
歯科用空気回転駆動装置、歯科用ガス圧式ハンドピース、超音波歯周用スケーラ、歯科重合用光照射器、能動型機器接続歯面清掃用器具等に適用される。試験方法は、接続部からの漏れ、使用中に確実に接続されていることの目視検査、接続部が規定された寸法及び精度であることの確認により、接続適合性を評価する。なお、該当する場合ハンドピースのカップリング寸法はJIS T 5904に、ハンドピースとホースのコネクタはJIS T 5905に規定されている。
参考:
(JIS T) 5750,5752―1,5752―2,5910,5911,5912
(ISO) 10650―1,10650―2,11498,13294,14457,15606,22374
E.3 接続・密封性
歯科用エアスケーラ、歯科用アマルガム混こう器、歯科用バーナ等に適用される。歯科用エアスケーラ等の試験方法は、ハンドピース部にスケーラチップをねじ込み又は挿入で接続でき、接続部から液体及び粉塵等が侵入せず清掃しやすいことを目視等で評価する。歯科用アマルガム混こう器については、混こう・練和用のカプセルを固定できること、混こう・練和中にカプセルが外れないこと、取外しによってカプセル内の物質の漏れないことを目視で評価する。歯科用バーナについては、ガスホース等の接続ができ接続部からガスの漏れがないことを臭いで確認する。
参考:
(JIS T) 5910,5912
(ISO) 7488,14457,15606
E.4 接続器に対する最大負荷能力
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、接続する機器の最大負荷能力を該当する能力に応じた試験で評価する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
E.5 接続性能
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、歯科用ガス圧式ハンドピース等の接続可能な機器を接続し、当該機器の性能が発揮できることを確認する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
E.6 装着性
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科麻酔用電動注射筒、歯科用アマルガム混こう器、歯科用印象材混こう器、歯科技工用電気レーズ等に適用される。回転器具(歯科用バー等)を装着して用いる機器の試験方法は、チャックに「JIS T 5504―1 歯科用回転器具―軸―第1部:金属製」に適合するバー又は専用回転器具等を装着でき、確実に保持及び使用中に外れないことを目視で評価する。歯科麻酔用電動注射筒、歯科用アマルガム混こう器等については、カートリッジ、アマルガムカプセル等を適切に装着でき、確実に保持及び使用中に外れないことを目視で評価する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 7488,14457
E.7 引抜力
歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、チャック等によって装着された回転器具及び部品同士を連結している部分の引抜きに要する力を測定する。
参考:
(JIS T) 5402,5404,5406,5419,5420,5750,5910,5911,5912
(ISO) 14457,15606,22374
E.8 挿入力
歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科用エアスケーラ、超音波歯周用スケーラ等に適用される。試験方法は、規定のテストピース、スケーラチップをハンドピースの接続部への装着に要する力を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,―5910,5911,5912
(ISO) 14457,15606,22374
E.9 静的伝達力
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース等に適用される。試験方法は、ハンドピースにテストバーを装着し、最大回転速度で所定の時間回転させた後、回転速度が50%以下に下がるまでテストバーに負荷をかける。その後回転を停止させて規定された負荷を加え、テストバーのスリップ状態を目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
E.10 脱着性
歯科用吸引装置、歯科診断用口腔内カメラ、歯科用口腔内カメラ等に適用される。歯科用吸引装置の試験方法は、指定されたフィルタを容易に取り外せること、フィルタを適正に配置又は装着できることを目視等で評価する。歯科用口腔内カメラ等については、指定されたカメラのカバーを容易に脱着できること、カバー、指定されたカメラ等に損傷等がないことを目視で確認する。
参考:
(JIS T) 5801
(ISO) 10637
E.11 軸特性
電動式歯科用根管リーマ、電動式歯科用ファイル等の能動型機器に接続して用いる器具に適用される。試験方法は、駆動力を伝達する軸部の形状を評価する。
参考:
(JIS T) 5204,5210,5221―1,5221―2,5221―4,5505―1,5505―2,5506―1,5506―2,5506―3,5506―4
(ISO) 3630―1,3630―2,3630―4,3823―1,3823―2,7711―1,7711―2,7786,7787―1,7787―2,7787―3,7787―4,13295
F 安全性に係る評価
F.1 温度上昇
歯科用空気回転駆動装置、歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用口腔洗浄器等に適用される。摩擦熱による温度上昇を評価する歯科用空気回転駆動装置等の試験方法は、JIS T 5912で規定された方法にて温度を測定する。ヒータ等の発熱体を有する歯科用口腔洗浄器等については、ヒータ等の収納されている所定の部分の温度を測定する。
参考:
(JIS T) 5752―1,5752―2,5912
(ISO) 10650―1,10650―2,14457
F.2 可燃性
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、被覆材及びクッション材については規定された発火試験を行い、発火及び規定範囲を超える黒こげがないことを確認する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
F.3 解放機構
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、偶発的に解放若しくは作動したりすることができないような位置にあり、又はそのような設計になっていなければならず、更にこれらの機能は必要なときは迅速に作動する能力があることを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
F.4 緊急停止性能
歯科診査・治療用チェア、歯科用印象材混こう器(アーム回転式)等に適用される。試験方法は、少なくとも一つ以上の緊急停止システムをもち、診療中の術者によって容易に作動できるように配置され、作動時には患者及び歯科術者に危険を及ぼす可能性のあるすべての機能を直ちに停止することを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
F.5 圧力開放機能
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、圧力解放装置、ヒューズ付きプラグ、はんだ付きジョイント、非金属管、その他の適切な圧力解放手段又は同等物が備えられていて、これらが火災の場合に圧力が発生する可能性のあるすべての部分に、圧力を安全に解放することを目視で確認する。
参考:
(JIS T) 5602,5701
(ISO) 6875,7494―1,7494―2
F.6 圧力系の破裂耐性
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、圧力解放機能を解除した状態で、圧力システムに規定の圧力まで徐々に上げて所定の時間停止させた後、最終試験圧力まで上げて所定の時間保持した後、試料が破裂したり、漏れが生じたりしないことを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5602,5701
(ISO) 6875,7494―1,7494―2
F.7 操作制御盤(誤操作防止)
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット、歯科重合用光照射器等に適用される。試験方法は、人間工学的条件に適する位置に設置され、偶発的に作動することがないように設計されていることを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5602,5701,5752―1,5752―2,5753
(ISO) 6875,7494―1,7494―2,9680,10650―1,10650―2
F.8 安定性
汎用歯科用照明器、歯科技工用電気レーズ、歯科用アマルガム混こう器、遊星型回転機能を有する歯科用印象材混こう器等に適用する。汎用歯科照明器等の試験方法は、最も不利な位置において、無影灯等のハンドルに力を加え、損傷していないこと、ぐらつきがないこと等を目視により確認する。技工用機器については、所定の作動状態において異常な振動、動き等がないことを目視により確認する。歯科用アマルガム混こう器については、運転中の移動を目視で確認する。歯科用印象材混こう器については、所定速度で回転させたときに異常振動が発生しないことを確認する。
参考:(ISO) 7488,9680
F.9 飛散防止
汎用歯科用照明器、歯科用アマルガム混こう器、歯科用印象材混こう器(アーム回転式)、歯科技工用高速レーズ等に適用する。汎用歯科用照明器の試験方法は、光源(バルブ)を破損させたときに破片の飛散がないことを目視により確認する。その他の機器については、回転物が外れないこと、又は破片等の飛散を防止する覆いが備えられていることを目視で確認する。
参考:(ISO) 7488,9680
F.10 アラーム
歯科用多目的超音波治療器、歯科用根管長測定器、歯科多目的治療用モータ、歯科重合用光照射器、歯科用印象材混こう器、歯科技工用重合装置、歯科用バーナ等に適用する。根管長測定機能を有する機器の試験方法は、等価インピーダンス回路を用い設定された位置においてアラーム音が鳴ることを官能にて確認する。歯科重合用光照射器、歯科用印象材混こう器、技工用機器等については、設定された位置、時間等においてアラーム音が鳴ることを官能にて確認する。音量調整機能があるものについては音量が変化することも確認する。歯科用バーナについては、着火中又は炎が立ち消えた際に音が鳴ることを確認する。
F.11 電圧調節性
歯科用電着型成型器、歯科技工用金属表面加工器等に適用される。試験方法は、電圧の制御ができ、意図しない作動が生じないことを目視等で評価する。
F.12 電流調節性
歯科用電着型成型器、歯科技工用金属表面加工器等に適用される。試験方法は、電流の制御ができ、意図しない作動が生じないことを目視等で評価する。
F.13 出力電圧
歯科用両側性筋電気刺激装置、電気式歯髄診断器、電気式う蝕検出装置等に適用される。試験方法は、プローブ等からの出力電圧を測定し、出力電圧を調節できる場合には、最大出力電圧も測定する。
F.14 出力電流
歯科用両側性筋電気刺激装置、電気式歯髄診断器、電気式う蝕検出装置等に適用される。試験方法は、プローブ等からの出力電流を測定し、出力電流を調節できる場合には、最大出力電流も測定する。
F.15 加熱温度
歯面漂白用活性化装置に適用する。試験方法は、製造販売業者が指定する方法で用いたときの、被照射部位又は被加熱部位の温度を測定する。
G 回転・振動に係る評価
G.1 回転制御機能
歯科用電気回転駆動装置、歯科用空気回転駆動装置、歯科用印象材混こう器(回転制御機能をもつものに限る。)、歯科技工用電気レーズ等に適用される。試験方法は、回転速度、回転方向等の制御ができ、意図しない作動が生じないことを目視等で評価する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
G.2 回転速度
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用印象材混こう器(遊星型回転機能をもつものに限る。)、歯科技工用電気レーズ等に適用される。ハンドピースの試験方法は、テストバーを装着し最大推奨運転出力(空気圧及び電気出力)で回転させ、無負荷最高回転速度を測定し評価する。歯科用印象材混こう器については、所定速度で回転させたときに、指定範囲の回転速度であることを確認する。歯科技工用機器については、指定電気出力において回転させたときの無負荷最高回転速度を測定し評価する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
G.3 回転方向
歯科用空気回転駆動装置、歯科用電気回転駆動装置等に適用される。試験方法は、該当する場合には、時計方向及び反時計方向に回転することを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
G.4 振動数
歯科用エアスケーラ、超音波歯周用スケーラ、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用空気回転駆動装置等に適用される。試験方法は、スケーラチップ等をハンドピースに装着し、負荷をかけずに推奨される方法で作動させたときの振動数を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5910,5911
(ISO) 15606,22374
G.5 振動停止力
歯科用エアスケーラに適用される。試験方法は、スケーラチップをハンドピースに装着し推奨される作動出力で振動させて、スケーラチップの先端部の動きをゼロになるようにスケーラチップを停止させるのに要した力を測定する。
参考:
(JIS T) 5910
(ISO) 15606
G.6 振幅
歯科用エアスケーラ、超音波歯周用スケーラ、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用空気回転駆動装置、歯科用アマルガム混こう器等に適用される。スケーラ等の試験方法は、スケーラチップ等をハンドピースに装着し、推奨される方法で作動させたときのあらゆる方向の振幅を測定する。歯科用アマルガム混こう器については、カプセルの振り幅を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5910,5911
(ISO) 7488,15606,22374
G.7 ツイスト角度
歯科用電動式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用空気駆動式ハンドピース等に適用される。試験方法は、バー、ポイント等をハンドピースに装着し、推奨される方法で作動させたときのツイスト角度を測定する。
G.8 偏心
歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科用根管口拡大ドリル、歯科用電動式ドリル、歯科技工用高速レーズ、歯科技工用トリマ等に適用される。歯科用回転器具を取り付けるハンドピースの試験方法は、JIS T 5912で規定される試験方法により最大偏心量を測定する。歯科用回転器具については、「JIS T 5502 歯科用回転器具―試験方法」によって、最大偏心量を測定する。技工用機器については、回転時に偏心していないことを目視で確認する。
参考:
(JIS T) 5210,5502,5505―1,5505―2,5506―1,5506―2,5506―3,5506―4,5912
(ISO) 8325,14457
H 空気・水の量・圧力に係る評価
H.1 給水・排水流量
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、接続される給水及び排水の流量を測定する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
H.2 空気消費量
歯科用エアスケーラ、歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科用口腔洗浄器等に適用される。試験方法は、推奨される空気圧で作動させたときの定められた時間(例えば、1分)当りの空気消費量を測定する。
参考:
(JIS T) 5910,5912
(ISO) 14457,15606
H.3 空気流量
歯科用吸引装置、歯科用吸引ポンプ等に適用される。試験方法は、吸引システムを運転したときのカニューレ接続部又は吸引フード接続部の空気流量を測定する。
参考:
(JIS T) 5801
(ISO) 10637
H.4 作動圧力
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、歯科用ユニットに使用される空気及び水の作動圧力を測定する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
H.5 作動空気圧
歯科用空気回転駆動装置、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、作動させるために推奨される作動空気圧を測定する。
参考:
(JIS T) 5910,5912
(ISO) 14457,15606
H.6 作動空気量
歯科用空気回転駆動装置等に適用される。試験方法は、作動させるために推奨される作動空気量を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5912
(ISO) 14457
H.7 作動水圧
歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、作動させるために推奨される作動水圧を測定する。
参考:
(JIS T) 5910
(ISO) 15606
H.8 水消費量
歯科用エアスケーラ、歯科用口腔洗浄器等に適用される。試験方法は、推奨される作動圧力で作動させたときの水消費量を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5910
(ISO) 15606
H.9 切削部冷却用水量
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用空気回転駆動装置、歯科用電気回転駆動装置、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、規定された供給圧力での吐出水量を測定する。
参考:
(JIS T) 5910,5911,5912
(ISO) 13294,14457,15606,22374
H.10 切削部冷却用空気量
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用空気回転駆動装置、歯科用電気回転駆動装置、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、規定された作動圧力で作動させたときの冷却空気量を測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5910,5911,5912
(ISO) 13294,14457,15606,22374
H.11 モータ冷却用空気量
歯科用電気回転駆動装置、歯科用電動式ハンドピース等に適用される。試験方法は、負荷をかけずに推奨される方法で作動させたときの最高流量を測定する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
H.12 モータ冷却用空気圧
歯科用電気回転駆動装置、歯科用電動式ハンドピース等に適用される。試験方法は、負荷をかけずに推奨される方法で作動させたときの最高圧力を測定する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
H.13 最大吸引圧力
歯科用吸引装置等に適用される。試験方法は、圧力計を用いて吸引カニューレ装着部又は吸引フード接続部で吸引圧を測定する。
参考:
(JIS T) 5801
(ISO) 10637
H.14 作動用空気の排気
歯科用空気回転駆動装置等に適用される。試験方法は、規定された供給圧力で作動させたとき、ホースへ排気されていることを確認する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
H.15 吸引量
歯科根管内洗浄吸引乾燥装置等に適用される。試験方法は、推奨される作動圧力で作動させたときの洗浄液の吸引量を測定する。
H.16 吹付け圧力
能動型機器接続歯面清掃用器具、電動式歯面清掃用装置、歯科用噴射式切削器等に適用される。歯科用噴射式切削器の試験方法は、試験片の切削効果がある圧力(J9 形成,切削・切削性能を参照)の確認を行う。能動型機器接続歯面清掃用器具、電動式歯面清掃用装置等の試験方法は、歯面清掃研磨効果がある圧力の確認を行う。
H.17 吹付け面積
能動型機器接続歯面清掃用器具、電動式歯面清掃用装置等に適用される。試験方法は、油性インク(マーカー)で着色したガラス板から5mmの位置にノズル先端を置き、製造販売業者が指定する圧力で清掃用粉末を吹き付けたとき、除去されたインク部分の径を測定し、評価する。
J 使用性能に係る評価
J.1 気水分離性能
歯科用吸引装置、歯科用吸引装置ポンプ等に適用される。試験方法は、流入した液体が気水分離器内部で分離されずに吸引ポンプに水が流れ込まない機構を備えており、また、満水になるまで吸引したとき、吸引ポンプを制御する水位センサが作動すること、及び/又は気水分離器の吸引ポンプ側流路を閉じる構造であることを目視等で評価する。
なお、保守の必要性は最小限で、容易なことが望ましい。
参考:
(JIS T) 5801
(ISO) 10637
J.2 表示精度
電気式歯髄診断器、歯周ポケット測定器、歯牙動揺測定器、歯科技工用ポーセレン焼成炉、歯科用咬合音測定器等に適用される。試験方法は、基準となる出力値に対し、各機器がその値の表示器を有する場合、その表示器が示す値を基準値と比較、評価する。
J.3 根管長測定精度
歯科用根管長測定器、歯科用多目的超音波治療器及び歯科多目的治療用モータに適用される。試験方法は、根尖孔位置の検出において、抜去歯又は根管と同等のインピーダンス特性を有する模型等を用いて根尖孔を検出するもので、測定結果と実際の位置との誤差値を求める。歯科多目的治療用モータにおいては、回転時の根管長測定精度も求められる。また、歯科用多目的超音波治療器においては振動時の根管長測定精度も求められる。
参考:(JIS T) 5750,5751
J.4 根管長表示精度
歯科用根管長測定器、歯科用多目的超音波治療器及び歯科多目的治療用モータに適用される。試験方法は、根尖孔検出の測定において、指定した根尖孔からのインピーダンスに対応する等価インピーダンスを被測定器に接続し、表示値が根尖孔位置に対応する値であることを確認する。歯科多目的治療用モータにおいては、回転時の根管長表示精度も評価する。また、歯科用多目的超音波治療器においては振動時の根管長表示精度の評価も求められる。
参考:(JIS T) 5750,5751
J.5 う蝕検出性能
電気式う蝕検出装置、光学式う蝕検出装置に適用される。電気式う蝕検出装置の試験方法は、健全又は初期エナメル質う蝕(600kΩ)、エナメル質内に進行したう蝕(250kΩ)、象牙質内に進行したう蝕(100kΩ)及び歯髄に達したう蝕(15kΩ)に相当するインピーダンスを有する4種の試験体を用いて測定し、試験体のインピーダンスを表示することを確認する。光学式う蝕検出装置については、う蝕を有する抜去歯若しくは人工う蝕歯又は同等の特性を有する蛍光試験体に光を照射して波長の変化を測定し、装置に表示される値があらかじめ設定された値を示すことを確認する。
J.6 モニタ画面画質
歯科用下顎運動測定器、歯接触分析装置、歯科用咬合力計、歯科用口腔内カメラ等に適用する。試験方法は、基準となる画像信号をモニタに与え、モニタ画面に像が正常に投影されるか、色むら等がないことを目視で評価する。
J.7 モニタ画面解像度
歯科診断用口腔内カメラ、光学的歯石歯垢検出器等に適用される。試験方法は、「ISO 12233, Photography―Electronic still-picture cameras―Resolution measurements」による試験方法において、基準となる解像度チャートをカメラにて取り込み、モニタに表示されたチャートの画像と取り込んだチャートとの比較において、同等以上に識別できることを目視で評価する。
参考:(ISO) 12233
J.8 歯垢・歯石除去性能
超音波歯周用スケーラ、歯科用エアスケーラ、歯科用多目的超音波治療器等に適用される。試験方法は、人工プラーク作製用材料又は人工歯石作製用材料を塗布した模型歯若しくは硬質ガラス板を試験体とし、スケーリング用のチップを用いて人工プラーク又は人工歯石が除去できることを確認する。
J.9 形成、切削・研削性能
歯科用多目的超音波治療器、歯科用噴射式切削器、歯科用辺縁仕上げファイル等に適用される。試験方法は、形成、切削・研削用チップを使用し、歯・顎骨に代用される人工歯、顎骨、ガラス板等の試験片が切削できることを確認する。なお、歯科用噴射式切削器の試験方法は、研削用粉末を噴射させることにより試験片が研削できることを確認する。また、歯科用辺縁仕上げファイル等の試験は、JIS T 5408による。
参考:(JIS T) 5408
J.10 根管拡大性能
歯科用多目的超音波治療器等に適用される。試験方法は、根管拡大用チップを使用し、根管に代用される根管模型等の疑似根管が拡大されることを確認する。
J.11 根管充填性能
歯科用多目的超音波治療器、電熱式根管プラガ、歯科根管材料電気加熱注入器等に適用される。試験方法は、根管充填チップ及び根管プラガを用い、根管に代用される根管模型等を用い、疑似根管に充填物が充填できることを確認する。
J.12 振動付与性能
歯冠修復物を装着するときのセメント等の流動性付与及び歯冠修復物等の除去・撤去に係る評価項目で、歯科用多目的超音波治療器等に適用される。セメント等の流動性付与の試験方法は、セメント等を挟んだガラス板に、振動付与チップで振動を与えることにより、当該材料の硬化時間までに広がる面積等を測定し、振動を与えることにより流動性が良くなることを確認する。歯冠修復物の除去・撤去に係る試験方法は、ウシ歯の象牙質研削面にセメントを塗布し、37℃、相対湿度90%で1週間保管した試験体に、除去用チップで振動を与えた場合にセメントが容易にはがれることを確認する。
J.13 切開・切除性能
歯科用多目的超音波治療器等に適用される。試験方法は、切開・切除用チップを使用し、歯肉及び歯槽骨に代用される試験片(ブタの顎、人工歯、模型、ガラス板等)が切開・切除できることを確認する。
J.14 洗浄性能
根管、小窩裂溝、歯周組織等の洗浄、歯肉膿瘍(膿瘍)内の洗浄及び掻爬、並びに歯面及び歯根面の滑沢に係る評価項目で、歯科用多目的超音波治療器等に適用される。試験方法は、洗浄用チップ又はルートプレーニング用のチップを使用し、根管に代用される根管模型等又は歯肉に代用される試験片が洗浄できること、及び歯面若しくは歯根面に代用される模型等の表面を滑沢にできることを確認する。
J.15 歯面等清掃性能
能動型機器接続歯面清掃用器具、電動式歯面清掃用装置等に適用される。試験方法は、製造業者が指定する方法で、油性インク(マーカー)を塗布した歯、模型歯又は硬質ガラス板を試験片とし、油性マーカーを除去できることを目視で確認する。
J.16 練和性能
歯科用アマルガム混こう器、歯科用印象材混こう器、歯科用練成器等に適用される。アマルガムの練和性の試験方法は、水銀とアマルガム用合金とを製造販売業者が指定する方法で練和したとき、歯科用アマルガムが凝集状態になることを目視で確認する。歯科用セメント、印象材等の練和性については、製造販売業者が指定する方法で練和したとき、なめらかなペースト状態になることを目視で確認する。
参考:(ISO) 7488
J.17 キャリブレーション性能
光学式う蝕検出装置に適用される。試験方法は、製造販売業者が指定する蛍光体に光を照射したとき、蛍光体から発せられた光の波長が予め定められた値に調整できることを評価する。
J.18 歯石歯垢検出性能
光学的歯石歯垢検出器に適用される。試験方法は、歯石歯垢を有する抜去歯に光を照射して、歯石歯垢部分が明確に変色することを確認する。
J.19 注入性能
歯科麻酔用電動注射筒に適用する。試験方法は、製造販売業者が指定する範囲で薬液を注入する圧力、速度又は両方の調節ができることを確認する。
J.20 イオン導入性能
歯科用イオン導入装置に適用する。試験方法は、製造販売業者の指定する方法で、抜去した人歯又は牛歯の組織に微電流を流した場合と流さない場合を比較し、流した場合により多くのフッ素イオンが歯質に含有されていることを確認する。
K 機能に係る評価
K.1 気密性
歯科用エレベータ、歯鏡等の中空ハンドル部を有する器具に適用される。試験方法は、JIS T 5407及びJIS T 5903で規定する熱油試験又は超音波試験により、気密性を評価する。
参考:
(JIS T) 5407,5903
(ISO) 9873,15087―1,15087―2,15087―3,15087―4,15087―5,15087―6
K.2 作動機能
歯科用金冠はさみ、抜歯用鉗子、歯科用バーナ等に適用される。試験方法は、当該機器を作動させたとき、意図する動き・働きを示すことを目視で確認し、評価する。
参考:(ISO) 7741,9173―1
K.3 スプレー性
ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用口腔洗浄器等に適用される。試験方法は、規定された作動圧力で作動させたときにスプレー水が切削部位に正確に注水できることを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457
K.4 固形物収集能力
歯科用ユニット、歯科用吸引装置、歯科用骨粉収集器等に適用される。歯科用ユニット、歯科用吸引装置等の試験方法は、排出回路又は気水分離器に指定された大きさ以上の固形物が流れ込まないためのフィルタ等が備えられている場合には、その配置の適合性及び効果を目視により確認するとともにメッシュ寸法を記録する。歯科用骨粉収集器の試験方法は、フィルタ等の目開きにより効果及び適合性を目視により確認するとともに収集できる粒子サイズを記録する。
参考:
(JIS T) 5701,5801
(ISO) 7494―1,7494―2,10637
K.5 オートリバース動作確認
歯科多目的治療用モータ等に適用される。試験方法は、根管長測定値が指定された値に達すると回転部が逆回転することを確認する。
K.6 オートストップ動作確認
歯科多目的治療用モータ、歯科用多目的超音波治療器等に適用される。試験方法は、根管長測定値が指定された値に達すると回転部又は振動部が停止することを確認する。
K.7 スローダウン動作確認
歯科多目的治療用モータ等に適用される。試験方法は、オートリバース又はオートストップ機能で指定された値に達する前に回転速度が徐々に減速することを確認する。
K.8 センサ測定精度
歯周ポケット測定器、歯科用下顎運動測定器、歯牙動揺測定器、歯接触分析装置、歯科用咬合力計等に適用される。試験方法は、位置、圧力、加速度、音圧等の検出の基準を定め、位置、圧力、加速度、音圧等を変えて測定し、基準値からの各種センサにおいて、基準となる位置、圧力、加速度、音圧等を設定した外力を加えた際、センサから出力するそれぞれの値を測定し、基準値と比較、評価する。
K.9 センサ測定範囲
歯科用下顎運動測定器、歯牙動揺測定器、歯接触分析装置、歯科用咬合力計、歯科用咬合音測定器等に適用する。試験方法は、センサによって指定された位置、加速度、音圧等の測定範囲において、基準となる範囲においての負荷を与えたときに、その規定の範囲内であることを測定する。
K.10 センサ感度
歯科用下顎運動測定器、歯接触分析装置、歯科用咬合力計等に適用する。試験方法はセンサに基準となる位置、圧力のズレを与えることにより、そのズレの検知度を評価する。
K.11 タッピング強さ
歯牙動揺測定器に適用する。試験方法は、動揺度測定用のタッピングロッド又はプローブを圧力センサに接触させて、タッピング時の力を測定する。
K.12 タッピング幅
歯牙動揺測定器等に適用する。試験方法は、あらかじめ定められた計測器に動揺度測定用のタッピングロッドを当て、センサからの出力値があらかじめ定められた値になる位置を検出し、測定ロッドの移動距離が、あらかじめ定められた規格内であることを検証する。
K.13 最高温度
電熱式根管プラガ、歯科根管材料電気加熱注入器、歯科材料加温器、歯科技工用ポーセレン焼成炉、歯科技工用重合装置等に適用する。試験方法は、設定可能な温度の範囲を測定する。
K.14 温度上昇率
電熱式根管プラガ、歯科技工用ポーセレン焼成炉等に適用する。試験方法は、加熱部の温度が設定した温度まで上昇する時間を測定し、評価する。
K.15 温度設定
電熱式根管プラガ、歯科材料加温器、歯科根管材料電気加熱注入器、歯科技工用ポーセレン焼成炉等に適用する。試験方法は、所定の箇所が設定したとおりの温度となり、維持できるかを評価する。なお、温度設定プログラムをもつ機器については、プログラム通りに温度が変化することも確認する。
K.16 薬液の視認
歯科麻酔用電動注射筒等に適用される。試験方法は、注射液の観察ができ、吸引の結果を目視で確認する。
K.17 プランジャ棒(押し棒)
歯科麻酔用電動注射筒、歯科用印象材混こう器等に適用される。試験方法は、永久的に取り付けられたチップか、様々なプランジャチップを取り付けられていることを目視で確認する。
参考:(JIS T) 5421
K.18 吸引性
歯科麻酔用電動注射筒等に適用される。試験方法は、試薬がカートリッジ中に吸引されていること、また、プランジャロッドのもり又はねじ部分が外れていないことを目視で確認する。
参考:(JIS T) 5421
K.19 射出圧力
歯科技工用成型器に適用する。試験方法は、製造販売業者が指定する範囲で歯科材料を吐出する圧力を調節できることを確認する。射出圧力を設定できる場合には、設定したとおりの圧力であることも確認する。
K.20 射出速度
歯科技工用成型器に適用する。試験方法は、設定した圧力において、一定の時間内に吐出される量を測定し、評価する。
K.21 真空到達度
歯科技工用アーク鋳造器等に適用される。試験方法は、製造販売業者が指定する時間内に到達する真空度を真空計で測定し、評価する。
K.22 金属融解速度
歯科技工用アーク鋳造器等に適用される。試験方法は、一定の電力を供給したときに、所定の金属が融解する時間を測定し、評価する。
K.23 吐出量
歯科用印象材混こう器等で、練和物等を吐出するタイプの機器に適用される。試験方法は、一定の時間で吐出される練和物等の量を測定する。複数の物質(例えば、2種類のペーストからなる歯科用シリコーン印象材)を練和する機器の場合には、練和比も評価する。
参考:(JIS T) 5750
L 負荷能力評価
L.1 最大安全負荷能力
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、歯科用ユニットを最も不安定な位置における作業面で負荷をかけたときに転倒するときの限界負荷を測定する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
L.2 最大上昇負荷能力
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、いすに取り付けられる機器類をすべて装備し、規定された分布荷重を平均的に徐々に加え、上昇させることができなくなる限界荷重を測定する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
L.3 負荷能力
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、いすに取り付けられる機器類をすべて装備し、規定された分布荷重を負荷させても上昇することと、指定される時間放置しても自然降下しないことを目視により確認する。また、規定の荷重を負荷した状態でバックレスト、レッグレストを稼働させても、いすのベースが傾いたり床から持ち上がったりしないことを目視により確認する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
L.4 最大移動量
歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、ユニット部と付帯装置が最も不安定な場合の、ユニット部と付帯装置との移動量を測定する。
参考:
(JIS T) 5701
(ISO) 7494―1,7494―2
M その他の評価
M.1 可動範囲
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、すべての可動部の可動できる範囲を測定する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
M.2 可動部分の距離
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、全開時及び全閉時、又は最低位及び最高位等における可動性部分間の距離を測定する。
参考:
(JIS T) 5602,5701,5753
(ISO) 6875,7494―1,7494―2,9680
M.3 可動部分の保護
歯科診査・治療用チェア、歯科用ユニット等に適用される。試験方法は、可動部の可動距離を測定し、要求事項に対する適合性を調べるために、機器を目視で検査する。
参考:
(JIS T) 5602,5701,5753
(ISO) 6875,7494―1,7494―2,9680
M.4 質量
歯科診査・治療用チェア等に適用される。チェアの試験方法は、設置する状態でのチェアの質量を測定する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875,13897
M.5 取付け許容質量
歯科診査・治療用チェア等に適用される。試験方法は、チェアに取付け可能な器具及び歯科用附属器具の最大質量を測定又は評価する。
参考:
(JIS T) 5602
(ISO) 6875
M.6 把持性能
歯科用ラバーダムクランプ、抜歯用鉗子に適用される。歯科用ラバーダムクランプの試験方法は、クランプの形状に応じて規定された寸法の丸棒に装着したクランプの鉗子用の穴を水平方向に開くことにより、丸棒が脱落したときの力を測定する。抜歯用鉗子については、通常の使用方法で把握したとき、鉗子が変形又は破損するかどうかを調べ、評価する。
参考:(JIS T) 5301,5410
M.7 保持性能
歯科用ブローチホルダ等に適用される。試験方法は、JIS T 5409で規定された方法にて保持性能を評価する。
参考:(JIS T) 5409
M.8 操作性
歯科用ガス圧式ハンドピース、ストレート・ギアードアングルハンドピース、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、容易に操作ができ、保守管理のために分解及び組立てが容易であることを評価する。光源位置可動型の汎用歯科用照明器の試験方法は、JIS T 5753による。
参考:
(JIS T) 5753,5912
(ISO) 9680,14457
M.9 騒音レベル
歯科用ガス圧式ハンドピース、歯科用吸引装置、超音波歯周用スケーラ、歯科用エアスケーラ等に適用される。試験方法は、所定の位置(例えば、ハンドピースの場合には、ヘッドから0.45m離れたところ)でのA特性騒音レベルを測定する。
参考:
(JIS T) 5750,5801,5910,5911,5912
(ISO) 10637,14457,15606,22374
M.10 可搬性
可搬式歯科用ユニット、可搬式歯科用オプション追加型ユニット等に適用される。試験方法は、使用前に接続・組立ができ、使用後に分解して運搬可能な形態で収納できることを確認する。また、運搬可能な重量も考慮すること。
M.11 水の浸入
汎用歯科用照明器、歯科技工用トリマ等に適用する。技工用機器の試験方法は、製造販売業者が指定した使用条件で用いたとき、本体に水が浸入しないことを目視で評価する。
参考:
(JIS T) 5753
(ISO) 9680
M.12 プランジャ推進距離
プランジャをレバーで推進する機構を有する歯科練成器具等に適用される。試験方法は、レバーを1回引いたときのプランジャが押し出される距離を測定する。
M.13 出力周波数
電気式歯髄診断器、電気式う蝕検出装置等に適用される。試験方法は、その機器における出力波形、周波数を測定する。パルス波形の場合には、パルス間隔、パルス幅も測定する。
M.14 出力波長
光学式う蝕検出装置に適用される。試験方法は、規定の波長の光が照射されていることを確認し、評価する。なお、波長は550nm~670nmの範囲内であることを確認する。
M.15 タイマー
歯科用両側性筋電気刺激装置、歯科重合用光照射器、歯科用印象材混こう器、歯科用アマルガム混こう器、歯科用バーナに適用される。試験方法は、設定した時間で作動開始又は作動停止となることを確認する。
参考:(ISO) 7488
M.16 質量減
歯科アマルガム用カプセルに適用される。試験方法は、歯科用アマルガム混こう器を用いてアマルガム化した後の質量を測定し、試験前の質量との差を評価する。
参考:(ISO) 13897
M.17 水銀・合金残留
歯科アマルガム用カプセルに適用する。試験方法は、アマルガム化後にカプセル内残留物の質量を測定する。
参考:(ISO) 13897
M.18 振動
歯科用ガス圧式ハンドピース等に適用する。試験方法は、JIS B 7761―2及びJIS B 7761―3で規定された方法にて手腕系振動を測定する。
なお、本評価項目は、機能上必要とするものではなく、健康障害防止のためのものである。
参考:
(JIS T) 5912
(ISO) 14457