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○地域におけるアウトリーチ支援等推進事業の実施について

(平成30年3月29日)

(/社援保発0329第3号/社援地発0329第1号/)

(各都道府県・各指定都市・各中核市生活保護制度担当部(局)長、生活困窮者自立支援制度担当部(局)長あて厚生労働省社会・援護局保護課長、厚生労働省社会・援護局地域福祉課長通知)

(公印省略)

就労意欲や生活能力・稼働能力が低いなど、就労に向けた課題を抱える被保護者及び生活困窮者(以下「生活困窮者等」という。)に対しては、就労意欲の喚起や一般就労に向けて日常生活習慣の改善を計画的かつ一貫して行う事業として、被保護者就労準備支援事業及び生活困窮者自立支援法(平成25年法律第105号)に基づく就労準備支援事業(以下、単に「就労準備支援事業」という。)を実施いただいているところである。

このたび、被保護者就労準備支援事業及び就労準備支援事業の一事業として、別紙のとおり生活困窮者等に対して、ひきこもりや中高年齢者等のうち、直ちに一般就労を目指すことが難しく、家族や友人、地域住民等との関係が希薄な者を支援するために、訪問支援(アウトリーチ)による早期からの継続的な個別支援を重点的に実施するとともに、地域において対象者が馴染みやすい就労体験先を開拓・マッチングする取組を実施する「地域におけるアウトリーチ支援等推進事業」を行うこととしたので、了知の上、関係部局と連携し、積極的に推進されたい。

また、都道府県におかれては、管内の福祉事務所設置市区町村(指定都市・中核市を除く。)に周知していただくようお願いする。

なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定による技術的助言として行うものであることを申し添える。

[別紙]

地域におけるアウトリーチ支援等推進事業実施要領

1 基本的事項

生活困窮者等の中には、長期間の失業やひきこもりなど、就労意欲の低下、自尊感情や自己有用感を失っているなど複合的な課題を抱え、就業体験などの段階的支援が必要な者や、直ちに就職することが困難な者が存在している。

こうした状況の者については、就労意欲の喚起を図るとともに生活リズムの回復を図るなど、これまでも被保護者就労準備支援事業及び就労準備支援事業において、就労に向けた準備としての基礎能力を培うための支援を実施しているところである。

特に、ひきこもりや中高年齢者等のうち、直ちに一般就労を目指すことが難しく、家族や友人、地域住民等との関係が希薄な者を支援するに当たっては、対象者が継続的に支援を受けるための手厚い個別支援が重要である。

こうしたことを踏まえて、従前の被保護者就労準備支援事業(一般事業)及び就労準備支援事業に加えて、訪問支援(アウトリーチ)による早期からの継続的な個別支援を重点的に実施するとともに、地域において対象者が馴染みやすい就労体験先を開拓・マッチングする取組として、「地域におけるアウトリーチ支援等推進事業」(以下「本事業」という。)を新たに実施することとした。

また、ひきこもり支援については、従前から都道府県や指定都市単位に設置するひきこもり地域支援センターにおいて訪問支援を広域的に実施しているところであるが、これに加えて福祉事務所設置市町村単位で本事業を実施することによって、より住民に身近な市町村でのひきこもり支援を充実・強化し、隙間のない支援を実現することが可能となる。

2 対象者

① 被保護者就労準備支援事業

「被保護者就労準備支援事業(一般事業分)の実施について」(平成27年4月9日付け社援保発0409第1号社会・援護局保護課長通知)(以下「課長通知」という。)の「2 対象者」に定める者

② 就労準備支援事業

生活困窮者自立支援法施行規則(平成27年厚生労働省令第16号)第4条各号のいずれかに該当する者であって、かつ就労準備支援事業の利用期間である1年を超えない範囲での支援が必要と見込まれる者のうち、就労意欲が極端に低い者や社会との関わりに極度の不安を抱える者である等、本事業の利用が適切であると見込まれる者

上記①、②のうち、特にひきこもりや中高年齢者等、支援を開始しても継続的な支援につながりにくいと考えられる者については、本事業において手厚い個別支援を実施することが、効果的な支援になると考えられる。

3 事業内容

本事業は、現行の被保護者就労準備支援事業及び就労準備支援事業の支援内容(※1)に加えて、以下(1)及び(2)の取組を行うものとする。(※2)

(1) ひきこもりや中高年齢者等に対する訪問支援等

ひきこもりや中高年齢者等、一度支援につながっても継続的な支援につながりにくい者については、訪問支援によって対象者及びその家族との面談を行いながら生活状況を把握するなど、対象者に寄り添った支援を手厚く実施することで、継続的な支援につながりやすくなるような取組を行う。

(2) 就労体験先の開拓・マッチング

(1)の訪問支援の実施等により、対象者やその家族からの日常の生活状況等の聞き取りを行う。そのうえで、支援が継続的なものとなるよう、地域の中で対象者にとって身近で馴染みのある環境において支援を実施するため、地域の行事、商店街、企業等を就労体験先として開拓し、対象者と就労体験先をマッチングする取組を行う。

※1

① 被保護者就労準備支援事業

課長通知の「3 事業内容」に定める支援

② 就労準備支援事業

「生活困窮者自立相談支援事業等の実施について」(平成27年7月27日社援発0727第2号)の「(別添3)就労準備支援事業実施要領」(以下「実施要領」という。)に定める支援

※2 少なくとも(1)の取組を実施する必要がある。

4 実施団体等の考え方

本事業については、ひきこもり支援や障害者に対する就労支援を担う実施団体等への委託(既に被保護者就労準備支援事業及び就労準備支援事業を実施している場合は、その再委託による実施も可)が実施方法として考えられる。

5 留意事項

(1) 課長通知又は実施要領に基づく事業に加えて、本通知に定める支援体制の整備等を図ること。

(2) その他、課長通知又は実施要領との適用関係については、以下のとおりとなる。

① 被保護者就労準備支援事業

この通知に定めるもののほか、課長通知4、6、7、8、9、10及び11については、本事業に適用するものとすること。

② 就労準備支援事業

この通知に定めるもののほか、実施要領に定める内容については、本事業に適用するものとすること。

(3) 都道府県及び指定都市に設置するひきこもり地域支援センターにおいて、市町村のバックアップ機能強化や訪問支援の体制強化を図る事業(以下「ひきこもり対策推進事業」という。)を、平成30年度から実施することとしている。

本事業は、福祉事務所設置自治体を実施主体とする被保護者就労準備支援事業及び就労準備支援事業において実施するものであり、住民に身近な市町村単位でのひきこもり支援の充実・強化につながる取組であることから、その実施に当たっては、ひきこもり地域支援センターとも連携を図り、ひきこもり対策推進事業を併せて活用することで、効果的な支援につながるものと考えられる。

そのため、都道府県及び指定都市のひきこもり地域支援センター担当部局とも連携しつつ、本事業の実施方法について検討いただくようお願いしたい。