添付一覧
○薬用石けんの承認審査に係る留意事項について
(平成30年3月29日)
(薬生薬審発0329第13号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長通知)
(公印省略)
「医薬部外品を指定する告示の一部改正について」(昭和36年11月18日付け薬発第470号厚生省薬務局長通知)の1の(3)にいう「いわゆる薬用化粧品」は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第2項に規定する医薬部外品に該当し、その製造販売にあたっては、個別品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要とされています。
今般、いわゆる薬用化粧品のうち、薬用石けん(洗顔料を含む)中の有効成分の種類、規格、配合量、用法、用量等について、その承認前例をもとに承認審査に係る留意事項(以下、「留意事項」という。)を別添のとおり作成したので、下記の事項に御留意の上、参考にするとともに、併せて貴管下関係業者への周知方お願いします。
記
1 留意事項に基づき、製造販売承認を受けようとする者は、申請書の備考欄に「薬用石けんの承認審査に係る留意事項による」と記載すること。
2 当該留意事項の範囲外であるものにあっては、承認前例を明示する資料又は有効性、安全性等についての必要な資料の提出を求め、それらに基づき審査を行うこと。
3 当該留意事項については、さらなる承認前例の蓄積に伴い、適宜見直しを図ること。
4 本通知の発出に伴い、「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リストについて」(平成20年12月25日付け薬食審査発第1225001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)の別添「いわゆる薬用化粧品中の有効成分リスト」の「8.薬用石けん(洗顔料を含む)」の項を削除すること。
別添
薬用石けん(洗顔料を含む)
(1) 適用の範囲
いわゆる薬用化粧品のうち、薬用石けんとは、皮膚を清浄にする等のため用いられるものである。
(2) 有効成分の種類及び配合量
使用できる有効成分及び配合量は、別表1に掲げるとおりとする。
なお、別表1に掲げる有効成分の配合は2種までとし、その組み合せ及び配合量は別表2に掲げるとおりとする。
(3) 有効成分の成分規格
有効成分の成分規格については、別表1に掲げるとおりとし、成分規格欄の記号が「P」の有効成分は日本薬局方、「Q」の有効成分は医薬部外品原料規格に収載される規格に適合すること。
(4) 添加剤の種類、規格及び分量
添加剤の種類、規格及び分量は、「医薬部外品添加物リストについて」(平成20年3月27日付け薬食審査発0327004号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)の別添「医薬部外品添加物リスト」中の「医薬部外品の種類」欄の(1)によるものとする。ただし、別表1に掲げる有効成分と本質が同じである成分及び効能又は効果に影響を与える成分を配合してはならない。
(5) 剤形
固形剤、半固形剤、液状剤等の剤形とする。
(6) 用法及び用量
用法及び用量は、各々の剤形に応じて、以下に掲げる用法及び用量を参考に設定すること。
・適量をとり、水又はぬるま湯で泡立てた後、皮膚を洗浄し、水又はぬるま湯で洗い流す。
・適量をとり、洗顔した後、洗い流す。
(7) 効能又は効果
薬用石けんの効能又は効果は、以下に掲げるものから設定すること。
・皮膚の清浄・殺菌・消毒。体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。
・皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。
ただし、別表3の左欄に掲げる効能又は効果については、対応する同表右欄に掲げる有効成分のうち1成分以上を配合しなければならない。また、イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸又は濃ベンザルコニウム塩化物液50を配合する場合、「皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。」を効能又は効果として設定することはできない。
[別表1]
成分規格 |
有効成分の名称 |
配合量(%) |
Q |
イソプロピルメチルフェノール |
0.1~0.5 |
Q |
グリチルリチン酸ジカリウム |
0.05~0.4 |
Q |
グリチルレチン酸ステアリル |
0.05 |
Q |
サリチル酸 |
0.2 |
P |
濃ベンザルコニウム塩化物液50 |
0.47 |
[別表2]
有効成分の名称 |
配合量(%) |
イソプロピルメチルフェノール |
0.1~0.5 |
グリチルリチン酸ジカリウム |
0.1~0.2 |
グリチルリチン酸ジカリウム |
0.05~0.1 |
サリチル酸 |
0.2 |
[別表3]
左欄 |
右欄 |
皮膚の清浄・殺菌・消毒。体臭・汗臭及びにきびを防ぐ。 |
イソプロピルメチルフェノール、サリチル酸、濃ベンザルコニウム塩化物液50 |
皮膚の清浄、にきび・かみそりまけ及び肌あれを防ぐ。 |
グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル |