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○「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」に関する留意点について〔健康保険法〕
(平成30年3月22日)
(事務連絡)
(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業推進部門(統括担当)担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知)
日本国内に住所を有さず、海外に在住する被扶養者の認定については、「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」(平成30年3月22日付け保保発0322第1号・年管管発0322第6号)(以下「本通知」という。)でお示ししたところですが、本通知に関連して、取扱いの詳細についてのQ&Aを別紙1のとおり作成したので、事務の実施に当たってご留意いただきたい。
また、本通知の記第1に示す「申立書」については、別紙2を参考として取り扱われたい。
なお、本件については、厚生労働省保険局保険課と協議済みであることを申し添える。
【別紙1】
「海外に在住し日本国内に住所を有しない被扶養者の認定事務について」に関するQ&A
1.扶養認定の対象
Q1 本通知は「海外認定対象者」を対象としているが、外国籍の者に限らず、日本国籍の者で海外に在住している者を被扶養者とする場合も、本通知に基づき、被扶養者の認定を行うこととなるのか。 |
A.日本国籍の者で海外に在住している者を被扶養者とする場合も、本通知に基づき、被扶養者の認定を行うこととなる。
2.認定の取扱い
Q2 海外認定対象者の扶養認定にあたっては、本通知の取扱いに加え保険者としての判断基準を追加することや、保険者の判断により判断基準を緩和することは差し支えないか。 |
A.保険者の判断により、判断基準を追加や緩和することは認められない。
Q3 本通知では、提出を求める確認資料が提出できない場合に、それに代わるものとして本人申立てを行うことを認めない、ということか。 また、本人申立てを認めない場合において、保険者の判断により、例外規定を設けることは可能か。 |
A.確認書類の提出に代えて本人申立てとすることは認められない。
また、本通知の取扱いに例外規定を設置することも認められない。
したがって、確認書類を提出できない場合は、認定することはできない。
Q4 本通知に基づかない判断により行った被扶養者の認定事務については、行政による指導も想定されるのか。 |
A.保険者が通知に基づかない被扶養者認定を行ったことが判明した場合には、厚生労働省から認定の見直し及び通知に基づく事務の徹底について指導を行う。
3.現況申立書
Q5 現況申立書については、参考例として示されていることから、これまで使用していた現況申立書を引き続き使用してよいか。 |
A.これまで使用していた現況申立書を使用しても差し支えないが、使用にあたっては、今回の通知に則した判定基準(身分関係、生計維持関係)となっているか十分精査された上で使用されたい。例えば、判定基準と別の基準を設けている場合は、判定基準に則したものとなるよう修正した上で使用すること。
4.確認書類
Q6 外国語で作成された書類である場合に添付を求める「日本語の翻訳文」については、翻訳者の署名は必要か。 |
A.日本語の翻訳文については、翻訳者の署名を求めるものとする。
Q7 身分関係を確認する「続柄が確認できる公的証明書」の具体例如何。 |
A.近隣緒国を中心に、日本国内での就労者の多い主な国について、添付書類の例を以下にまとめたので、これを参照されたい。
国名 |
身分関係を確認する書類の例 |
中国 |
・親族関係証書(続柄など) ・住民戸籍簿(住所) ただし自治体により対応が異なる可能性有り |
韓国 |
・家族関係証明書(日本の戸籍謄本にあたるもの) ・婚姻証明書(配偶者の場合) ・出生証明書(親子関係の場合) |
フィリピン |
・婚姻証明書(配偶者の場合) ・出生証明書(親子関係の場合) |
ベトナム |
・日本の戸籍謄本にあたるもの ・婚姻証明書(配偶者の場合) ・出生証明書(親子関係の場合) |
ブラジル |
・領事館発行の婚姻証明書 |
※これ以外の書類について認めないとするものではないが、上記以外の書類が提出された場合は、認定を行う前に、個別に日本年金機構本部を通じて厚生労働省年金局事業管理課と協議されたい。
なお、協議の際は、原則メール(※)で行うこととし、メール本文において、拠点における判断、拠点の名称、担当者の氏名、連絡先を示すこと。
また、例示による照会ではなく、具体的事案が生じた際のみ協議をすることとし、メール送付後、日本年金機構本部を通じて厚生労働省年金局事業管理課までご連絡をいただきたい。
(※) メールによる対応が困難な場合等ご不明な点があれば、事前に確認願いたい。
Q8 生計維持の確認において、認定対象者の収入を確認する書類の具体例如何。 |
A.近隣緒国を中心に、日本国内での就労者の多い主な国について、添付書類の例を以下にまとめたので、これを参照されたい。
国名 |
収入を確認する書類の例 |
中国 |
(収入がある場合) ・勤務先から発行された収入証明書 (収入がない場合) ・自治体発行の無収入証明書 ただし自治体により対応が異なる可能性有り |
韓国 |
(収入がある場合) ・勤務先から発行された収入証明書 (収入がない場合) ・管轄税務署発行の無所得証明書 |
フィリピン |
(収入がある場合) ・勤務先から発行された収入証明書 (収入がない場合) ・無収入の証明については決まったものがなく、自治体の窓口などで個別対応の可能性 |
ベトナム |
(収入がある場合) ・勤務先から発行された収入証明書 (収入がない場合) ・無収入の証明については決まったものがなく、自治体の窓口などで個別対応の可能性 |
※これ以外の書類について認めないとするものではないが、上記以外の書類が提出された場合は、個別に日本年金機構本部を通じて厚生労働省年金局事業管理課と協議されたい(協議方法はQ7を参照。)。
Q9 仕送りが振込の場合に、預金通帳等の写しを徴する際に留意すべき点はあるか。 |
A.振込者、振込先の者及び振込額が明らかである必要があることに留意されたい。
Q10 「準ずる書類」とはどういうものか。 |
A.「準ずる書類」については、国や地域により必ずしも形態や記載内容が一致するものではないことから、提出された書類により個別に判断することとなる。
このため、提出された書類が準ずる書類に該当するものか、認定を行う前に、日本年金機構本部を通じて厚生労働省年金局事業管理課と協議されたい(協議方法はQ7を参照。)。
Q11 本通知に示す「年間収入」とは、見込額でもよいか。 |
A.本通知に示す「年間収入」は、認定対象者の過去の収入、現時点の収入又は将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入を見込むものとする。その際には、被保険者本人の申立てのみをもって見込額を確認することは認められず、本通知に基づき、収入がある場合は、公的機関又は勤務先から発行された収入証明書、収入がない場合は、公的機関から発行された収入がないことを証明する公的証明書又はそれに準ずる書類により確認するものとする。
Q12 仕送りが手渡しの場合、仕送りの事実と仕送り額はどのように確認すればよいか。 |
A.仕送りが手渡しにより行われている場合は、認められない。
Q13 外国通貨と日本円を比べる際、どの基準を用いて確認すればよいか。 |
A.円への換算は、被扶養者異動届等の受付日の外国為替換算率(売レート)を用いて、算定すること。なお、その際、具体的な外国為替換算率は、電信売相場(TTS)を使用されたい。
Q14 被保険者資格取得日において、仕送りがまだ行われていない者への認定方法如何。また、仕送りの認定にあたり、何回以上必要となるか。 |
A.被保険者の資格取得日において、まだ仕送りが行われていないのであれば、添付資料が提出できないため、認定することはできない。初回の仕送りがなされた時点で、被扶養者の要件を満たしていれば、被保険者として認定できるものとする。
なお、年間複数回の仕送りを予定している場合、被扶養者認定日時点においては、仕送りの金額を元に今後1年間で生計維持に必要な程度の金額となるような回数等であれば可とするが、その後の保険者における被扶養者に係る確認時において、改めて実績に基づく仕送りの金額及び回数を確認し、継続した仕送りによる生計維持が確認できない場合は、被扶養者の認定を見直すこととする。
5.認定内容の確認
Q15 本通知に基づき被扶養者として認定した者について、認定後における被扶養者の状況の確認頻度如何。 |
A.認定後、少なくとも年1回は保険者において被扶養者に係る確認を行い、過去の送金履歴等を確認し、被扶養者の要件を引き続き満たしていることを確認することが望ましい。
なお、確認したところ被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合、
①認定時には瑕疵がなく、その後の事情により被扶養者の要件を満たさないこととなった場合には、当該要件を満たさなくなった時点(その時点を確認出来ない場合は例えば「検認日」とするなど、保険者において事前に定めた日)以降で被扶養者を削除する届出を提出させること。
②認定時に瑕疵があり、被扶養者の要件を満たしていないことが判明した場合には、認定時に遡って取り消すこととなる。
6.その他
Q16 本通知と平成28年3月29日付け「海外療養費の支給申請及び審査等に係る事務の取扱いについて」の通知(以下「平成28年通知」という。)との関係性如何。 |
A.平成28年通知における扶養事実の確認については、被扶養者についての、海外療養費の支給申請があった場合の扶養の事実の確認についての取扱いであり、今回の通知は、被扶養者の認定時に係る取扱いを示したものである。
【別紙2】