○滅菌医療機器の製造販売承認(認証)申請における滅菌に関する取扱いについて
(平成30年2月28日)
(薬生機審発0228第10号)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)
(公印省略)
滅菌して出荷される医療機器(以下「滅菌医療機器」という。)のうち、放射線滅菌、湿熱滅菌(高圧蒸気滅菌)又はエチレンオキサイド滅菌を行う医療機器の製造販売承認(認証)申請については、「滅菌医療用具の製造(輸入)承認申請における滅菌に関する取り扱いについて(その2)」(平成12年7月18日付け医薬審第877号厚生省医薬安全局審査管理課長通知)による改正後の「滅菌医療用具の製造(輸入)承認申請における滅菌に関する取扱いについて」(平成10年3月31日付け医薬審第347号厚生省医薬安全局審査管理課長通知。以下「旧通知」という。)により取扱ってきたところですが、放射線滅菌に関する知見の蓄積等を踏まえて検討を行い、滅菌医療機器の承認(認証)申請について、下記のとおり取り扱うこととしましたので、御了知の上、貴管内関係団体、関係機関等に周知いただきますよう、御配慮願います。
なお、本通知の写しを独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長、一般社団法人日本医療機器産業連合会会長、一般社団法人米国医療機器・IVD工業会会長、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会委員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付することとしています。
記
1 滅菌医療機器の製造販売承認(認証)申請書の製造方法欄の記載について
滅菌医療機器の製造販売承認(認証)申請書の製造方法欄においては、「医療機器の製造販売承認申請書の作成に際し留意すべき事項について」(平成26年11月20日付け薬食機参発1120第1号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知)等の関連通知によるほか、滅菌に関し、原則として以下の事項を記載すること。
ア.滅菌方法の種類(ガンマ線滅菌、電子線滅菌等の放射線滅菌、湿熱滅菌(高圧蒸気滅菌)又はエチレンオキサイド滅菌)
イ.放射線滅菌にあっては、滅菌線量の決定方法及び線量分布の最大線量(滅菌線量の決定方法については、「医療用具の放射線滅菌の滅菌線量設定の根拠に関する基準について」(平成9年3月31日付け薬機第60号厚生省薬務局医療機器開発課長通知)及び「医療機器の放射線滅菌の滅菌線量設定の根拠に関する基準について」(平成19年6月12日付け薬食機発第0612005号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)を参照すること。)
ウ.無菌性保証水準(SAL)及び無菌性保証の方法(我が国の滅菌バリデーション基準(「滅菌バリデーション基準の改正について」(平成29年2月15日付け薬生監麻発0215第13号厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)を参照。)又はこれと同等以上の外国の基準に従って滅菌に関するバリデーションを実施する旨を記載すること。)
2 滅菌医療機器の承認(認証)申請書の性能及び安全性に関する規格欄の記載について
エチレンオキサイド滅菌を行う品目の場合は、滅菌後の残留物についての要求事項を記載すること。なお、エチレンオキサイド滅菌における残留物の許容限度の取扱いについては、「医療機器のエチレンオキサイド残留物に関する日本工業規格の制定に伴う薬事法上の取扱いについて」(平成23年11月9日付け薬食機発1109第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)又はこれと同等以上の外国の基準に従うこと。
3 添付資料について
滅菌医療機器の製造販売承認(認証)申請書には、滅菌に関し、以下の資料を添付すること。
① 承認(認証)申請書の性能及び安全性に関する規格又は製造方法欄に規定した無菌性保証水準(SAL)を担保することが確認されている滅菌条件(例:エチレンオキサイド滅菌の場合は、ガスの種類・濃度、温度、湿度、圧力、暴露時間、空気置換、荷置条件・期間、包装材料・方法等、電子線滅菌の場合は、滅菌線量、電子加速器の形式、照射方法及び線量分布、照射の有無の判定方法、包装材料・方法等)についての資料(設定したSALが担保されていることを当該承認(認証)申請を行う者又は当該製品を実際にバリデーションした者により確認されている旨の陳述及び署名を含めること。)。
なお、滅菌条件の設定の根拠となる資料又は滅菌バリデーションの資料については、滅菌条件について疑義が生じた場合等、必要があれば直ぐに提出できるように準備しておくこと。
② 放射線滅菌を行うものについては、承認(認証)申請書に記載された滅菌条件における材質の劣化(経時変化を含む。以下同じ。)等安定性に関する資料。ただし、既に材質の劣化に関する知見が得られている場合については、この限りでないこと。
③ エチレンオキサイド滅菌を行うものについては、性能及び安全性に関する規格欄に規定した滅菌残留物(エチレンオキサイド及びエチレンクロロヒドリン)に関する試験成績。
4 その他
(1) 適用日
本通知は発出日から適用する。
(2) 旧通知の廃止
本通知の適用に伴い、旧通知は廃止する。
(3) 既存の通知等の取扱いについて
既存の通知等については、別途の通知等が発出されない限り旧通知を本通知と読み替えるなど、必要な読替えを行った上で、引き続き適用されるものとする。
(4) 承認(認証)書の記載整備
既に無菌試験のみで承認(認証)を受けている滅菌医療機器及び旧通知に従って承認(認証)申請書を記載した医療機器に関して、何らかの承認(認証)事項一部変更承認(認証)申請を行う際には、本通知に基づき、承認(認証)書の滅菌に関する事項についてもその記載内容を整備すること。
(5) 記載例
承認(認証)申請書等の記載に際しては、別紙記載例を参考にすること。
別紙記載例1
別紙記載例2
別紙記載例3