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○コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について

(平成29年9月26日)

(薬生発0926第5号)

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

(公印省略)

コンタクトレンズ(カラーコンタクトレンズを含む。)の販売に関しては、これまで「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について」(平成24年7月18日付け薬食発0718第15号厚生労働省医薬食品局長通知)、「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について(再周知)」(平成25年6月28日付け薬食発0628第17号厚生労働省医薬食品局長通知)及び「コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について(再周知)」(平成26年10月1日付け薬食発1001第3号厚生労働省医薬食品局長通知)(以下これらを「局長通知」という。)により、購入者に対して適正な使用方法等を十分に説明することや購入時に医療機関の受診勧奨等を行うこと等について、周知徹底を依頼してきたところである。

しかしながら、平成26年度厚生労働科学研究「カラーコンタクトレンズの規格適合性に関する調査研究」における「学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査データの2次解析」の報告では、眼障害の危険因子として、不適切なケアや長時間又は交換期間を超えた装用等が考えられるとともに、インターネット及び通信販売(以下「インターネット販売等」という。)を利用した購入者に眼障害が多いことが指摘されている。

適切に治療をしなければ失明につながるおそれのある感染性角膜潰瘍等、重篤な眼障害の発生を未然に防ぎ、購入者がコンタクトレンズを安心して使用できるようにするためには、購入者自身が不適切な使用による眼障害の発生の危険性について正しく理解し、添付文書や医療機関の指示に従い適正に使用することの重要性を認識することが不可欠である。

このため、本通知では、これまで局長通知において周知徹底を依頼してきた、販売時における小売販売業者(コンタクトレンズを使用する者等に直接販売する販売業者をいう。インターネット販売等によるものを含む。以下同じ。)から購入者への情報提供や医療機関の受診勧奨等の実効性をより一層高めるため、対面販売か非対面販売かを問わず、その情報提供等の在り方や販売に際しての受診状況確認について具体的な取扱いを示すこととする。

また、コンタクトレンズの適正な使用のために必要となる、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「法」という。)第68条の2第1項に基づき製造販売業者が販売業者に対して行う情報提供等についても、本通知で具体的な取扱いを示すこととする。

貴職におかれては、下記のコンタクトレンズの販売業者及び製造販売業者に対する指導事項を御了知の上、貴管下関係業者に対し、周知徹底を図られたい。

また、本通知の写しを、公益社団法人日本医師会会長、一般社団法人日本コンタクトレンズ協会会長、公益財団法人日本眼科学会理事長、公益社団法人日本眼科医会会長、日本眼感染症学会理事長、日本コンタクトレンズ学会理事長、一般社団法人日本医療機器産業連合会会長、一般社団法人米国医療機器・IVD工業会会長及び欧州ビジネス協会医療機器委員会委員長に対し通知したことを申し添える。

第1 小売販売業者による販売時の受診確認

1 小売販売業者は、コンタクトレンズを販売するに当たり、購入者に対し、販売時に医療機関の受診状況を確認し、医療機関を受診している場合は、医師の指示に基づき販売すること。

また、購入者が医療機関を受診していない場合は、以下の事項について十分な説明を行い、医療機関を受診するよう勧奨を行うこと。その後、購入者が医療機関を受診している場合は、医師の指示に基づき販売すること。また、医療機関を受診していない場合は、医療機関を受診するよう再度勧奨を行うこと。

① コンタクトレンズの不十分な洗浄・消毒など不適切なケアや、長時間又は交換期間を超えた装用により重篤な眼障害の発生の危険性があること。

② 重篤な眼障害の発生を予防するためには、医療機関を受診して、医師の指示に基づき使用する必要があること。

なお、小売販売業者は、購入者が受診した医療機関の名称及び医師の指示の内容について、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)第173条第2項の書面に記載し、保存するとともに、個人情報の取扱いは、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に従い、適切に取り扱うこと。

2 小売販売業者は、販売に際しては、購入者に対し、医療機関の受診の必要性及び医師の指示に従って使用することを明確に伝達すること。「処方箋不要」、「検査不要」等の医療機関の受診が不要であると誤認させるような販売行為は不適切であること。

第2 小売販売業者によるコンタクトレンズ購入者に対する情報提供

1 小売販売業者は、法第40条の4に基づき購入者に対して販売時に行う情報提供について、次の(1)及び(2)に掲げる方法による適正な使用のために必要な情報の提供に努めること。なお、提供する情報は、製造販売業者から直接又は医療機器卸売販売業者(小売販売業者に対し医療機器を販売する販売業者をいう。以下同じ。)を介して提供される購入者向け情報提供用資料を利用し、眼障害例等は画像等を用いて分かりやすく説明すること。

(1) 購入者に対し、次の①から④までに掲げる事項について情報提供すること。(添付文書記載事項を参照)

① 製品に関する情報(名称、形状・構造・原理、使用目的・効果等)

② 不適正使用による眼障害の危険性等に関する情報

(ア) コンタクトレンズの使用が原因で発生するおそれがある重篤な眼障害の症例。

(イ) 不適正な使用により重篤な眼障害が発生する危険性が高まること。

③ 適正な使用方法に関する情報

④ 使用上の留意事項

(ア) 医師の指示を受け、それを守ること。

(イ) 製品に添付されている添付文書を熟読し、装用時間、使用期間及び取扱方法等を守って正しく使用すること。

(ウ) 自覚症状がなくても医療機関で定期検査を受けること。

(エ) 異常を感じたら、直ちに医療機関を受診すること。

(オ) 破損等の不具合があるレンズは使用しないこと。

(2) 小売販売業者は、下記の3項目について、購入者にとって見やすい場所に掲示又は表示すること。①と②は販売業許可証を掲示することで代えて差し支えない。

① 高度管理医療機器等販売業の許可番号、許可年月日及び有効期間

② 営業所の名称及び所在地

③ 高度管理医療機器等営業所管理者の氏名、相談時及び緊急時の電話番号その他の連絡先

(3) 営業所管理者は、製造販売業者からの資料の提供(第4の1)があった場合、その旨を施行規則第164条第1項の帳簿に記載すること。また、小売販売業者は当該帳簿を保存すること。

2 小売販売業者は、購入者から眼障害等の相談等があった場合には、当該購入者に対して、医療機関への受診勧奨を行い、必要に応じて使用状況を確認すること。また、当該購入者が購入前に受診した医療機関に対して、発生した眼障害の内容等に係る情報提供に努めること。

第3 小売販売業者、営業所管理者及び従業者の質の向上

1 小売販売業者は、施行規則第168条の規定に基づき、営業所管理者に毎年継続的研修を受講させることが必要とされている。コンタクトレンズの使用により重篤な眼障害が発生するおそれがあることに鑑み、毎年受講する継続的研修の中で、販売業許可が有効である6年の間に少なくとも1回は、コンタクトレンズに関する専門的な知識を身につけられる講義を受講させること。

なお、現在、一般社団法人日本コンタクトレンズ協会及び都道府県眼科医会においてコンタクトレンズに関する専門的な講義が行われている。

営業所管理者は、施行規則第164条第1項の帳簿に、コンタクトレンズに関する専門的な知識を身につけられる講義の受講状況(営業所管理者の氏名、受講日時及び研修実施機関名)を記録すること。また、小売販売業者は当該帳簿を保存すること。

2 小売販売業者は、従業者の質の向上を図る観点から、製造販売業者から提供される購入者向け情報提供用資料等の資料や、自ら収集したコンタクトレンズの適正使用に必要な情報に基づき、従業者に対する教育訓練を行うこと。

また、教育訓練を実施した場合は、営業所管理者は、実施日時、教育訓練の内容等について、その旨を施行規則第164条第1項の帳簿に記載すること。

また、小売販売業者は当該帳簿を保存すること。

3 営業所管理者は、法第40条第1項において準用する法第8条第2項に基づき、小売販売業者に対し、保健衛生上の支障を生ずるおそれがないように営業所の業務について必要な意見具申の徹底を図ること。

第4 製造販売業者による小売販売業者への情報提供

1 コンタクトレンズの製造販売業者は、直接又は医療機器卸売販売業者を介して、小売販売業者に購入者向け情報提供用資料を適切に提供すること。

当該資料を提供した場合は、提供した日付、内容等について記録し、保管するよう努めること。

なお、小売販売業者は、法第68条の2第2項の規定に基づき、コンタクトレンズの適正使用のためにコンタクトレンズの製造販売業者が行う必要な情報の収集に協力するよう努めること。

当該資料は、購入者に提供されるものであるため、購入者が正しく理解できるよう、具体的かつ簡潔な内容であること。また、購入者に対して、インターネット等を活用した効果的な情報提供に努めること。

2 コンタクトレンズの製造販売業者は、購入者向け情報提供用資料の解説資料を小売販売業者に提供し、教育の実施に努めること。

3 コンタクトレンズの製造販売業者は、直接又は医療機器卸売販売業者を介して小売販売業者の購入者への受診勧奨や情報提供の実施状況を確認し、本通知で示す取扱いが適正に実施されるよう必要な協力を行うとともに、本通知で示す取扱いによらずに販売を行っている場合は、本通知で示す取扱いの遵守を促すこと。

第5 その他の参考情報

販売業者は、日頃からコンタクトレンズの適正使用に関する情報の収集に努める必要があり、情報収集に活用できるホームページを以下のとおり示すので参考とされたい。

・厚生労働省 おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/colorcontact/index.html

・独立行政法人医薬品医療機器総合機構 eye care カラコン

http://www.pmda.go.jp/eyecare/index.html

・独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療機器情報検索

http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/

・一般社団法人日本コンタクトレンズ協会

http://www.jcla.gr.jp/

・公益社団法人日本眼科医会

http://www.gankaikai.or.jp/

・日本コンタクトレンズ学会

http://www.clgakkai.jp/