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○医薬部外品添加物規格集の一部改正について

(平成29年9月19日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課通知)

今般、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、「医薬部外品添加物規格集」の一部を改正して「医薬部外品添加物規格集2017」とするとともに、別添写しのとおり、関係団体あてに通知が行われましたので、参考までにお知らせします。

○医薬部外品添加物規格集の一部改正について

(平成29年9月19日)

(薬機般発第170919001号)

(別記あて独立行政法人医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部長通知)

独立行政法人医薬品医療機器総合機構では、医薬部外品の製造販売承認申請における申請者の負担を軽減し、承認審査の迅速化を図ることを目的に、平成28年5月11日薬機般発第160511001号「医薬部外品添加物規格集の一部改正について」にて、「医薬部外品添加物規格集2016」を公表したところです。

今般、別添のとおり「医薬部外品添加物規格集2017」として一部を改正いたしましたので、貴団体加盟企業へご周知いただきますよう、ご配慮をお願いいたします。

1.以下の9成分を追加した。

大高酵素[IB―0029]

ヒオウギ抽出液[IB―0030]

ヘーラールーノ[IB―0031]

ヒナギク花エキス[IB―0032]

ブリエラスチン[IB―0033]

シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール[IB―0034]

(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液[IB―0035]

ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル[IB―0036]

ジ水添ロジンダイマージリノレイル[IB―0037]

別記

日本化粧品工業連合会会長

日本輸入化粧品協会会長

日本石鹸洗剤工業会会長

日本歯磨工業会会長

日本ヘアカラー工業会会長

日本パーマネントウエーブ液工業組合理事長

日本浴用剤工業会会長

一般社団法人日本衛生材料工業連合会会長

在日米国商工会議所化粧品委員会委員長

欧州ビジネス協会化粧品部会委員長

日本医薬品添加剤協会会長

シリコーン工業会会長

化粧品原料協会会長

近畿化粧品原料協会会長

日本香料工業会会長

日本界面活性剤工業会会長

別添

医薬部外品添加物規格集2017

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

2017年9月

医薬部外品添加物規格集

目次

医薬部外品添加物規格集本編

アテロコラーゲン

(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液

L―エルゴチオネイン液

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム

大高酵素

加水分解ローヤルゼリータンパク液

キシレンスルホン酸アンモニウム液

グリシン亜鉛

(加水分解シルク/PG―プロピルメチルシランジオール)クロスポリマー

ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル

ジオクチルエーテル

シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール

ジ水添ロジンダイマージリノレイル

N,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン

水酸化カリウム液(A)

水溶性コラーゲン(F)

水溶性プラセンタエキス

疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース

炭酸ジカプリリル

チューベロースポリサッカライド液―BG

トリ(カプリル・カプリン酸)トリメチロールプロパン

ヒドロキシプロピル―β―シクロデキストリン

ピンピネラサキシフレイジエキス

ヒオウギ抽出液

ヒナギク花エキス

フィトグリコーゲン

不織布(1)

ブリエラスチン

ヘーラールーノ

ペンタオキシステアリン酸デカグリセリル

ホモスルファミン

ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.)

無水硫酸亜鉛

ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド液

ラウロイルサルコシンナトリウム液

リュウガン種子エキス

整理番号対応表

医薬部外品添加物規格集本編

独立行政法人医薬品医療機器総合機構では、医薬部外品の申請にかかる負担の軽減及び承認審査の迅速化を図ることを目的に、既承認の医薬部外品に配合されており、医薬部外品原料規格2006に未収載である、28品目の添加物について、その別紙規格を「医薬部外品添加物規格集」としてまとめ、作成いたしました。

収載添加物について、業界内で広くご使用いただくことを希望いたします。

上記目的を達成するために、当該規格集に収載されている添加物を用いて、医薬部外品の製造販売承認申請を行う場合には、各添加物に付された整理番号を記載することのみで、その別紙規格内容の申請書への記載を省略することができることといたしました。当該規格集を利用しての製造販売承認申請の詳細については、別途、周知いたします。

なお、これまでの規格集の作成にあたり、その趣旨をご理解いただき、既承認の別紙規格に関する情報の提供にご協力くださいました、各承認取得者様に深く感謝いたします。

当該規格集の全般についての要旨は、以下のとおりです。

1.「医薬部外品原料規格2006」の略名を「外原規」、「日本薬局方」の略名を「日局」とする。

2.作成にあたっては、外原規の通則及び一般試験法を基本に、主な計量単位、試薬・試液等の記載表現を外原規の表現と整合させた。

3.添加物の収載順は、アイウエオ順とした。

4.各添加物名の前に整理番号を付した。なお、整理番号の冒頭の「IB」は「医薬部外品」を表し、提出順に通し番号を付与した。

5.別紙規格の記載にあたっては、日局及び外原規に準拠した。

6.各添加物中の記載順序は概ね次のとおりとする。

(1) 整理番号

(2) 日本名

(3) 基原、成分の含量規格または表示規定

(4) 性状

(5) 確認試験

(6) 示性値

(7) 純度試験

(8) 乾燥減量、強熱残分、蒸発残分又は水分

(9) 定量法

(10) 試薬及び試液

(11) 備考

[IB―0002]

アテロコラーゲン

本品は、「水溶性コラーゲン液(3)」からテロペプチドを除去したコラーゲンの水溶液である。本品を定量するとき、窒素(N:14.01)0.1~0.5%を含む。

性状 本品は、乳白色~淡黄褐色の液で、においはないか又はわずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1gに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えて振り混ぜるとき、液は、青紫色~紫青色を呈する。

(2) 本品の窒素量から、次式により、コラーゲン量(%)を求める。

コラーゲン量(%)=窒素量(%)×5.6

次に、本品5gをとり、コラーゲン濃度が0.2%になるように水を加えて振り混ぜる。この液1mLにコラーゲン溶解用試液1mLを加えてよく振り混ぜ、試料溶液とする。別に、コラーゲン標準品を、試料溶液と同様に処理し、これを標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液を、各20μLとり、水溶性コラーゲン試験法により試験を行うとき、試料溶液から得られる泳動パターンの主要なバンドは、標準溶液から得られるα鎖、β鎖及びγ鎖に相当する三つのたん白質バンドのいずれかの位置に一致する。

pH 3.0~5.0

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

定量法 本品約1.0gを精密に量り、窒素定量法(第1法)により、試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0035]

(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル液

本品は、主としてエイコサン二酸、テトラデカン二酸の二塩基酸と平均重合度が10の「ポリグリセリン」からなるオリゴマーエステルと、「濃グリセリン」との混合物である。

性状 本品は、白色~淡黄色のワセリンよう物質で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2920cm-1、1735cm-1、1110cm-1及び1045cm-1付近に吸収を認める。

けん化価 45~60(ただし加熱時間は4時間とする。)

水酸基価 950~1250(0.3g)

純度試験

(1) カルボン酸(酸価) 本品2.0gをとり、酸価測定法の第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は0.6以下である。

(2) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.1%以下(第3法、3g)

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0021]

L―エルゴチオネイン液

本品は、L―エルゴチオネインをpH8のリン酸緩衝液に溶解したものである。本品は定量するとき、L―エルゴチオネイン(C9H15N3O2S:229.30)として0.04~0.05%を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品2mLにピリジン0.5mL及びニンヒドリン試液1mLを加えてほとんど乾固するまで加熱するとき、液は褐色~茶褐色を呈する。

(2) 本品2mLに炭酸ナトリウム試液1mL及び薄めたフォリン試液(1→5)1mLを加えるとき、液は濃青色を呈する。

旋光度 画像1 (1KB)別ウィンドウが開きます
:+110~120°(10mL、100mm)

純度試験 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

定量法 本品約25mLを精密に量り、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.7643mgC9H15N3O2S

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0005]

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム

本品は、主として塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムからなり、セタノール及びステアリルアルコールを含む。本品は定量するとき、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム(C24H52ClNO:406.13)40.0~50.0%を含む。

性状 本品は、白色~淡黄色の固体で、特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1gをとり、エタノール20mLを加え、加熱して溶かした後、硝酸銀試液5mLを加え、栓をして激しく振り混ぜる。これを毎分3000回転で5分間遠心分離するとき、白色の沈殿を生じる。上澄液を除いた後、沈殿にエタノール20mLを加え、栓をして30秒間激しく振り混ぜる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に過量のアンモニア試液を加えるとき、沈殿は溶ける。

(2) 本品を、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数2918cm-1、2850cm-1、1119cm-1、1058cm-1及び913cm-1付近に吸収を認める。

純度試験

(1) アンモニウム塩 本品0.1gをとり、水5mLを加え、90℃の水浴中で溶かし、水酸化ナトリウム試液3mLを加えて煮沸するとき、発生するガスは、潤した赤色リトマス紙を青変しない。

(2) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.10%以下(第2法、10g)

定量法 本品約1.0gを精密に量り、エタノールを加えて溶かした後、エタノールを加えて正確に200mLとする。この液5mLを正確にとり、水酸化カリウム・硫酸ナトリウム試液20mL、クロロホルム20mL及びブロムフェノールブルー溶液(1→10000)1mLを加え、0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液で滴定する。ただし、滴定は、終点近くでは1滴ずつ滴加し、激しく振り混ぜて2層に分離させ、その終点は、白色の背景を用い、クロロホルム層の青色が上層に移行した点とする。

0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液1mL=2.0306mgC24H52ClNO

次式により、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムの量(%)を算出する。

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムの量(%)

={(A×f×2.0306×0.001)/S}×(200/5)×100

=(A×f×8.1224)/S

A:試料の滴定に要した0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液の消費量(mL)

f:0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液のファクター

S:試料の採取量(g)

試薬及び試液

水酸化カリウム・硫酸ナトリウム試液 水酸化カリウム2.8g及び硫酸ナトリウム25gに水1000mLを加えて溶かす。

0.005mol/L ラウリル硫酸ナトリウム液 1000mL中にラウリル硫酸ナトリウム(C12H25NaO4S)1.4419gを含む。

調製 純分に換算して、ラウリル硫酸ナトリウム約1.5gに対応する量のラウリル硫酸ナトリウムを精密に量り、水を加えて溶かし、正確に1000mLとする。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0029]

大高酵素

本品は、各種植物体に「白糖」を加えて発酵抽出した液で、酵素、アミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、スレオニン、アラニン、プロリン、バリン)及び無機質(カリウム、ナトリウム、カルシウム、鉄、燐、アルミニウム、マグネシウム)を含む。定量とするとき、タンパク質0.24%以上、ブドウ糖19.0%~24.0%、果糖19.0%~24.0%を含む。本品の栄養価は、100g当たり150カロリー以上である。

製造方法 ニンニク 60g、ニンジン 60g、ダイコン 20g、ニラ 20g、ミカン20g、コンブ 20g、ショウガ 20g、リンゴ 20g、ナシ 20g、ワカメ 20g、ナスビ 12g、ホウレンソウ 12g、シイタケ 12g、タマネギ 12g、ゴボウ 12g、ヨモギ 12g、タラノキ 12g、フキ 12g、ササ 12g、ウド 12g、「白糖」 600g 全量 1000g

以上の植物をとり、各々よく水で洗浄し、適当な大きさに切断し、原料植物400gに対して「白糖」400gを少量ずつまぶして、これを各植物別にガーゼを介してホーロー引き容器中に順次積層する。さらに上部を「白糖」200gで覆い、これを恒温室に入れ、30日間に最低-5℃より最高+40℃の温度に10回繰り返し変化させた後、ろ過して製する。

性状 本品は、かっ色の粘稠性の液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1mLに水9mLを加えた液2~3滴を沸騰フェーリング試液5mLに加えるとき、赤色の沈殿を生ずる。

(2) 本品0.5mLにピリジン100mLを加えて混和して遠心分離し、上澄液をろ過し、このろ液を試料溶液とする。別に「ブドウ糖」、「果糖」それぞれ0.2gにピリジン100mLを加えて溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液0.1μLずつを、30gの薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを0.03mol/Lホウ酸水溶液60mLと均等に混ぜ合わせ、ガラス板に展着後、100℃で30分間、乾燥し調製した薄層板にスポットする。次に、メタノール/酢酸エチル/ベンゼン混液(3:1:1)を展開溶媒として、約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに、4―メトキシベンズアルデヒド・硫酸試液を噴霧し、90~100℃に5~10分間加熱して発色させるとき、Rf値0.63及び0.52付近に紫色のスポットを認める。

pH 2.8~3.2

比重 画像2 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.200~1.300

純度試験

(1) 変敗 本品は不快な又は変敗したにおい及び味がない。

(2) ヒ素 本品2.0gおよび水20mLを分解フラスコにとり硝酸30mLを加えてよく混和したのち、穏やかに暫時加熱したのち放冷し、硫酸10mLを加えて再び加熱し、その間時々硝酸少量ずつを加えて内容物が暗色にならないようにして硫酸の白煙が発生するまで加熱する。冷後水約50mLを加え、冷却しながら10%アンモニア水で中和し、水を加えて100mLとする。この液を検液として5mLをとり、ヒ素試験法により試験を行うときその限度は2ppm以下である。

(3) 重金属 本品2.0gを白金皿にとり、弱く加熱して炭化する。冷後硝酸5mLを加えて潤し、硫酸1mLを加えて弱く加熱して蒸発乾固したのち600℃に強熱し灰化する。冷後塩酸2mLを加え、水浴上で加熱して蒸発乾固し残留物を塩酸1滴で潤し、熱湯10mLを加えて2分間加温する。つぎにアンモニア試液を加えて中性とし、わずかに酸性となるまで酢酸を滴加したのち希酢酸2mLを加えネスラー管に入れ水15mLで洗い洗液および水を加えて50mLとし、試験を行う。比較液は硝酸5mL、硫酸1mLおよび塩酸2mLを水浴上で蒸発し、さらに砂浴上で蒸発乾固し、残留物を塩酸1滴で潤し、熱湯10mLを加えて2分間加温する。つぎにアンモニア試液を加えて中性としわずかに酸性となるまで酢酸を滴加したのち希酢酸2mLを加え、ネスラー管に入れ、水15mLで洗い、洗液と鉛標準液1.0mL及び水を加えて50mLとする。(5ppm以下)

(4) 人工甘味料 本品100mLに水100mLを加えて振り混ぜてその50mLに希酢酸を加えて酸性とし、また別の50mLに水酸化ナトリウム試液を加えてアルカリ性とし、それぞれにジエチルエーテル100mLずつを加えて振り混ぜジエチルエーテル層を分取し、水浴上で蒸発乾固するとき、残留物は甘味がない。

強熱残分 0.5%以下(第1法、1.0g)

定量法

(1) 粗タンパク質 本品約2.0gを精密に量り、窒素定量法により試験を行う。ここに得た窒素量に6.25を乗じて粗タンパク質の量とする。

(2) ブドウ糖 本品約0.1gを精密に量り、水を加えて正確に100mLとし、この溶液1mLをガラス栓付試験管(18×150mm)にとり、O―アミノジフェニル試液5mLを加えて沸騰水浴中に浸し、1分後にガラス栓をして45分間加熱した後、放冷する。この液につき、水を対照として紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長380nmにおける吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線によりブドウ糖の含量を算出する。

検量線の作成:「ブドウ糖」を105℃で6時間加熱し、ブドウ糖10~500μgを含むように調整した液1mLをガラス栓付試験管(18×150mm)にとり、上記反応条件で呈色させたのち、吸光度を測定して検量線を作成する。

(3) 果糖 本品約0.1gを精密に量り、水を加えて正確に100mLとし、この溶液20mLをとりさらに水を加えて正確に100mLとした溶液1mLにレゾルシン試液4mLを加えてよく混合して、ときどきかき混ぜながら80℃に10分間加熱した後、放冷しする。この液につき、水を対照として紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長515nmにおける吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線により果糖の含量を算出する。

検量線の作成:「果糖」を減圧硫酸デシケーターで恒量になるまで乾燥し、果糖10~50μgを含むように調整した水溶液1mLにレゾルシン試液4mLを加えて、上記反応条件で呈色させたのち、吸光度を測定して検量線を作成する。

(4) 栄養価の計算 本品100g中の粗タンパク質、ブドウ糖及び果糖を定量して得た含量にカロリー換算係数4を乗じて、それぞれの熱量(カロリー)を算出し、その総和を栄養価とする。

試薬及び試液

O―アミノジフェニル試液 「薬用炭」を用いて脱色し、希エタノールで再結晶したO―アミノジフェニル(融点49℃)0.4gを酢酸(100)にとかし100mLとする。用時調製する。

レゾルシン試液 30%塩酸70mLに0.1gのレゾルシノールと0.25gのチオ尿素を100mLの酢酸(100)に溶かした液10mLを加えて混和する。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、日局の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0010]

加水分解ローヤルゼリータンパク液

本品は、「ローヤルゼリー」中に含まれるたん白のたん白分解酵素による加水分解抽出エキスであって、総窒素として0.2~0.4%を含む。

性状 本品は、淡黄色~淡黄褐色の透明な液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品を加熱するとき、凝固しない。

(2) 本品5mLに水酸化ナトリウム試液5mLを加え、硫酸銅(II)試液1滴を加えるとき、赤紫色~青紫色を呈する。

(3) 本品5mLをとり、ニンヒドリン試液3mLを加えて混和し、水浴上で3分間加熱するとき、液は青色~青紫色を呈する。

pH 6.0~7.5

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

蒸発残分 2.0~4.0%(1g、105℃、6時間)

定量法 本品約0.5gを精密に量り、窒素定量法(第1法)により、試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.14007mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0024]

キシレンスルホン酸アンモニウム液

本品は、オルト、メタ、パラ異性体及びエチルベンゼンを含むキシレンを濃硫酸でスルホン化し、アンモニア水を反応させて得られるもので、定量するとき、窒素(N:14.01)を2.6~3.3%含む。

性状 無色又は淡黄色の透明な液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1.0gに20mLの熱湯を加えて溶かし、水酸化ナトリウム試液5mLを加え、加熱するとき、アンモニアのにおいを発生し、そのガスは潤した赤色リトマス紙を青変する。

(2) 本品を105℃で2時間乾燥し、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、3180cm-1、3070cm-1、1440cm-1、1200cm-1及び820cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像3 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.100~1.130(第1法、A)

pH 本品1.0gに新たに煮沸し冷却した水100mLを加えて溶かした液のpHは、6.5~8.5である。

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第1法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gを25mLの水に溶かし、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 3.0%以下(第1法、2g)

定量法 本品約0.85gを精密に量り、窒素定量法(第2法)により試験を行う。

0.05mol/L硫酸1mL=1.401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0022]

グリシン亜鉛

本品は定量するとき、グリシン亜鉛((NH2CH2COO)2Zn・H2O)を95.0~105.0%を含む。

性状 本品は、白色~淡黄色の結晶又は粉末である。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数3450cm-1、3310cm-1、1600cm-1及び1405cm-1付近に吸収を認める。

純度試験

(1) 鉛 本品2.0gをとり、注意しながら加熱し、徐々に強熱して灰化する。

冷後、水5mL及び酢酸(100)5mLを加え、水浴上で加熱して溶かす。冷後、クロム酸カリウム試液5滴を加えるとき、液の混濁は、鉛標準液2.0mLをとり、同様に操作して得られる液より少ない。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

乾燥減量 9.0%以下(1g、105℃、2時間)

定量法 本品約0.8gを精密に量り、水2mL及び塩酸3mLを加えて溶かし、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水80mLを加え、水酸化ナトリウム溶液(1→50)を液がわずかに混濁を生じ始めるまで加える。次にpH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液10mLを加えた後、0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液で滴定する。指示薬には、エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬40mgを用いる。ただし、滴定の終点は、液の赤紫色が青色に変わる点とする。

0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液1mL=11.576mgC4H10N2O5Zn

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、日局の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0013]

(加水分解シルク/PG―プロピルメチルシランジオール)クロスポリマー

本品は、ジメチルジエトキシシランとオクチルトリエトキシシランと「N―[2―ヒドロキシ―3―[3―(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解シルク」の10~20:10~20:1モル比の共重合体と水との混合物である。

性状 本品は、淡黄白色、粘性の均一又は二層の液体で、振り混ぜたとき均一の液体となり、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品を振り混ぜて均一とした液1gをとり、105℃で1時間乾燥し、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数3300cm-1、2960cm-1、2930cm-1、1650cm-1及び1100~1000cm-1付近に吸収を認める。

(2) 本品を振り混ぜて均一とした液1gに水酸化ナトリウム試液2mL、エタノール0.5mL及び硫酸銅(Ⅱ)試液2~3滴を加えるとき、液は、青紫色~赤紫色を呈する。

(3) 本品を振り混ぜて均一とした液の1gを白金、ニッケル又は鉄製のるつぼにとり、初めは注意して弱く加熱し、次に強熱して灰化する。残留物に水酸化ナトリウム3gを加え、強熱して融解する。冷後、水50gを加えて溶かした後、ろ過する。ろ液5gに、モリブデン酸アンモニウム試液2gを加え、6mol/L塩酸試液約1.5mLを加えて弱酸性とする。次いで、5%亜硫酸ナトリウム溶液0.8gを加えるとき、液は、青色を呈する。

粘度 本品を振り混ぜて均一とした液270gにデカメチルシクロペンタシロキサン30gを加え、激しく振り混ぜて均一な分散液とし、試料溶液とする。試料溶液につき、粘度測定法第2法により試験を行うとき、1000~3000mPa・s(3号、12回転、1分間)である。

純度試験

(1) 重金属 本品を振り混ぜて均一とした液1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品を振り混ぜて均一とした液0.3gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。ただし、標準色の調製には、ヒ素標準液0.6mLをとる。

(3) 残留シランモノマー 本品を振り混ぜて均一とした液約1.0gを精密に量り、ヘキサンを加えて正確に10gとし、激しく振り混ぜて均一な分散液とし、試料溶液とする。別に、ジメチルジエトキシシラン1.0mL及びオクチルトリエトキシシラン1.0mLを正確にとり、ヘキサンを加えて正確に100mLとする。この液1.0mLを正確にとり、ヘキサンを加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液1μLずつを正確にとり、次の試験条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液から得たクロマトグラムには、標準溶液のジメチルジエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランに対応する保持時間にピークを認めない。

試験条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径3~4mm、長さ2~2.5mの管に、ガスクロマトグラフィー用

メチルシリコーンを180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に5%の割合で被覆したものを充填する。

カラム温度:注入後、50℃を2分間保ち、その後、毎分6℃で200℃まで昇温する。

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分40mLで、オクチルトリエトキシシランの保持時間が約20分になるように調整する。

システム適合性

検出の確認:検出感度は、標準溶液から得たオクチルトリエトキシシランのピーク高さが、フルスケールの5~10%となるように調整する。

システムの性能:標準溶液1μLにつき、上記の条件で試験するとき、ジメチルジエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランの順に溶出し、その分離度は、20以上である。

システムの再現性:標準溶液1μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、ジメチルジエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランのピーク面積の相対標準偏差は、いずれも5.0%以下である。

水分 本品を振り混ぜて均一とした液の約80mgを精密に量り、水分定量法の直接滴定により測定するとき、その水分は23.0~27.0%である。ただし、カールフィッシャー用メタノールに代え、カールフィッシャー用メタノール/クロロホルム混液(2:1)を用いる。

試薬及び試液

ジメチルジエトキシシラン C6H16O2Si

性状:無色の液で、特異なにおいがある。

含量:98.0%以上

密度:0.782~0.902g/cm3

確認試験:赤外吸収スペクトル測定法のATR法により測定するとき、波数2972cm-1、1391cm-1、1256cm-1、1100~1000cm-1及び850~650cm-1付近に吸収を認める。

オクチルトリエトキシシラン C14H32O3Si

性状:無色の液で、特異なにおいがある。

含量:88~99%

密度:0.819~0.939g/cm3

確認試験:赤外吸収スペクトル測定法のATR法により測定するとき、波数2925cm-1、1390cm-1、1100~1000cm-1及び850~650cm-1付近に吸収を認める。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0036]

ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル

本品は、主としてリノール酸を2~3分子重合して得られたダイマー酸を水素還元し、更に蒸留精製することによって得られたダイマージオールとイソステアリン酸とのジエステルである。

製法 リノール酸を2~3分子重合して得られたダイマー酸を水素還元し、更に蒸留精製することによってダイマージオール1モルに対し、イソステアリン酸2モル用い、酸触媒又は無触媒にて溶媒を用いて反応させるか又は、無溶媒高温下で反応させる。反応後、触媒の除去、溶媒の留去等を行い粗エステルを得る。これを脱色・脱臭精製して本品を得る。

性状 本品は、淡黄色~淡褐色の粘稠な液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品は、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により試験を行うとき、波数2920cm-1、1740cm-1、1465cm-1、1380cm-1及び1170cm-1付近に吸収を認める。

酸価 1以下(第1法、5g)

水酸基価 10以下

けん化価 90~120

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には、鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.5%以下(第3法、3g)

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0026]

ジオクチルエーテル

本品は、主としてジオクチルエーテルからなる。本品は、定量するとき、ジオクチルエーテル(C16H34O:242.44)95.0%以上を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の透明な油液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2930cm-1、2860cm-1、1465cm-1、1375cm-1、1115cm-1及び720cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像4 (1KB)別ウィンドウが開きます
:0.7900~0.8200(第1法、C)

屈折率 画像5 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.4300~1.4360

酸価 1以下(第1法、5g)

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は2ppm以下である。

強熱残分 0.1%以下(第1法、3g)

定量法 本品約0.5gを精密に量り、ヘキサンを加え10mLとし試料溶液とする。試料溶液1.0μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーの面積百分率法により試験を行うとき、溶媒ピークを除き、試料溶液のジオクチルエーテルのピークの量は95.0%以上である。

試験条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径3mm、長さ2mのガラス管にガスクロマトグラフィー用ジメチルシリコーンガムを150~180μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に10%の割合で被覆したものを充填する。

カラム温度:150℃から毎分5℃で290℃まで昇温する

注入口温度:320℃付近の一定温度

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分35mL

面積測定範囲:保持時間3分から20分

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0034]

シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール

本品は、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(C20H36O8:404.50)である。

性状 本品は、無色~淡黄色の液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2870cm-1、1730cm-1、1455cm-1及び1115cm-1付近に吸収を認める。

けん化価 270~290(0.6g)

酸価 6以下(第2法、5g)

水酸基価 5以下(10g)

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には、鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.1%以下(第1法、5g)

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0037]

ジ水添ロジンダイマージリノレイル

本品は、主としてリノール酸を2~3分子重合して得られたダイマー酸を水素還元し、更に蒸留精製することによって得られたダイマージオールと水素添加ロジンを結合させたジエステルである。

製法 リノール酸を2~3分子重合して得られたダイマー酸を水素還元し、更に蒸留精製することによって得られたダイマージオール1モルに対し水素添加ロジン2モルを用い、酸触媒又は無触媒にて溶媒を用いて反応させるか又は、無溶媒高温下で反応させる。反応後、触媒の除去、溶媒の留去等を行い粗エステルを得る。これを脱色・脱臭精製して本品を得る。

性状 淡黄色~淡褐色の粘稠な液体で、わずかに特異な臭いがある。

確認試験 本品は、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により試験を行うとき、波数2930cm-1、1730cm-1、1460cm-1、1385cm-1及び1170cm-1付近に吸収を認める。

酸価 1以下(第1法、5g)

水酸基価 40以下

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.5%以下(第3法、3g)

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0003]

N,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン

本品は、主としてN,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン(C23H49NO:355.64)からなる。

性状 本品は、無色~淡黄色又は白色の液~固体で、特異なにおいがある。

確認試験 本品を、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2920cm-1、2850cm-1、1115cm-1、1040cm-1及び720cm-1付近に吸収を認める。

三級アミン価 本品約0.5gを精密に量り、無水酢酸/酢酸(100)混液(9:1)20mLを加えて溶かした後、時計皿でふたをして3時間放置する。次に酢酸(100)30mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い補正する。三級アミン価は、134~150である。

三級アミン価={(A-B)×f×5.611}/C

A:試料の滴定に要した0.1mol/L過塩素酸の消費量(mL)

B:空試験の滴定に要した0.1mol/L過塩素酸の消費量(mL)

f:0.1mol/L過塩素酸のファクター

C:試料の量(g)

純度試験

(1) ステアリルアルコール 本品2.0gをとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に100mLとする。この液2mLを正確にとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に20mLとし、試料溶液とする。別にステアリルアルコール約0.1gを精密に量りとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に100mLとする。この液6mLを正確にとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に20mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液をそれぞれ20μL正確にとり、液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれのステアリルアルコールのピーク面積A及びBを測定する。次式により、ステアリルアルコールの量を求めるとき、5.0~15.0%である。

ステアリルアルコールの量(%)=(A/B)×3×(T/S)×100

S:試料の採取量(g)

T:ステアリルアルコールの採取量(g)

操作条件

検出器:示差屈折計

カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に、粒径5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充填したカラム

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:液体クロマトグラフィー用トリフルオロ酢酸の液体クロマトグラフィー用メタノール溶液(1→1000)

流量:毎分1.0mL

(2) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.10%以下(第2法、10g)

試薬及び試液

ステアリルアルコール C18H38O、純度99.0%以上のもの。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0006]

水酸化カリウム液(A)

本品は定量するとき、総アルカリ(KOHとして、KOH:56.11)46.0~50.0%を含む水溶液であり、このうち炭酸カリウム(K2CO3:138.21)は、1.0%以下である。

性状 本品は、無色透明の液である。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→250)は、強アルカリ性である。

(2) 本品の水溶液(1→10)は、カリウム塩の定性反応を呈する。

純度試験

(1) 塩化物 本品2.0gに水を加えて溶かし、100mLとする。この液25mLに希硝酸10mL及び水を加えて50mLとし、これを試料溶液として試験を行うとき、その限度は、0.05%以下である。ただし、比較液には、0.01mol/L塩酸0.7mLをとる。

(2) ナトリウム 本品1.0gに、水50mLを加えた液に白金線を浸し、その白金線を無色の炎中で熱するとき、黄色を呈しても持続しない。

(3) 重金属 本品2.0gを水4mLに加えて溶かし、希塩酸7mLを加え、水浴上で蒸発乾固する。残留物に水35mL及び希酢酸2mLを加えて溶かし、更に水を加えて50mLとし、これを試料溶液として第4法により操作し、試験を行うとき、その限度は、15ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液3.0mLをとる。

定量法 本品約4.0gを精密に量りとり、100g/L塩化バリウム溶液10mLを加え、1mol/L塩酸で滴定し、微紅色が消失する少し前に0.1mol/L塩酸で滴定し、微紅色が消失した点を終点とする(指示薬:フェノールフタレイン試液)。次に、0.1mol/L塩酸15mLを正確に加え、約5分間静かに煮沸する。0.1mol/L水酸化ナトリウム液で微紅色になるまで滴定する。

本品中の水酸化カリウムの量(%)

=(V1×f1+V2/10×f2)×1/1000×56.11×100/W

=(V1×f1+V2/10×f2)×5.611/W

V1:滴定に要した1mol/L塩酸の量(mL)

f1:1mol/L塩酸のファクター

V2:滴定に要した0.1mol/L塩酸の量(mL)

f2:0.1mol/L塩酸のファクター

W:試料の採取量(g)

56.11:水酸化カリウムの分子量

本品中の炭酸カリウムの量(%)

=(V3×f2-V4×f3)×1/1000×1/10×138.21/2×100/W

=(V3×f2-V4×f3)×1.3821/(2×W)

V3:0.1mol/L塩酸の添加量(mL)

f2:0.1mol/L塩酸のファクター

V4:逆滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム液の量(mL)

f3:0.1mol/L水酸化ナトリウム液のファクター

W:試料の採取量(g)

138.21:炭酸カリウムの分子量

試薬及び試液

フェノールフタレイン試液 フェノールフタレイン1.0gをエタノール(95)90mLに溶かし、水で100mLとする。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0011]

水溶性コラーゲン(F)

本品は、タラの浮袋から水にて室温で抽出して得られる水溶性コラーゲンである。本品は定量するとき、窒素(N:14.01)として0.1~0.3%である。

性状 本品は、無色~淡黄褐色の粘性の液体で、特異なにおいである。

確認試験 本品1gに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(II)試液0.1mLを加えるとき、液は青紫~紫青色を呈する。

pH 3.0~6.0

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.4%以下(1g、第3法)

定量法 本品0.5gを正確にとり、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0019]

水溶性プラセンタエキス

本品は、健康な豚Sus scrofa Linn画像6 (1KB)別ウィンドウが開きます
 var. domesticus Gray (Suidae)の胎盤を凍結、融解後、血液等の不純物を洗浄、除去し、粥状胎盤となし、水溶性成分のみを減圧、低温下で抽出を行った後、更に遠心分離、無菌ろ過して得られた水溶性胎盤抽出液である。本品は定量するとき、0.025~0.12%の総窒素を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。本品は、水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくい。

確認試験

(1) 本品1mLにニンヒドリン試液1mLを加え、数分間煮沸するとき、液は青紫色を呈する。

(2) 本品1mLに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(II)五水和物溶液(1→100)数滴を加えて振り混ぜるとき、液は赤紫~青紫色を呈する。

(3) 本品2mLに硝酸2mLを加え、1分間煮沸し、冷後、アルカリ性になるまで水酸化ナトリウム試液を加えるとき、液は黄色を呈する。

pH 5.5~7.5

純度試験

(1) 異物 本品を検鏡するとき、血球、細胞屑等の異物を認めない。

(2) 塩化物 本品1.0gをとり、水を加えて100mLとする。この液25mLをとり希硝酸6mL及び水を加えて50mLとし、これを試料溶液として試験を行うとき、その限度は、0.099%以下である。ただし、比較液には0.01mol/L塩酸0.7mLをとる。

(3) 硫酸塩 本品1.0gをとり、硫酸塩試験法により試験を行うとき、その限度は、0.022%以下である。ただし、比較液には0.005mol/L硫酸0.45mLをとる。

(4) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(5) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

(6) ホルモン 本品50mLを分液漏斗にとり、ジエチルエーテル25mLずつで3回抽出する。全ジエチルエーテル層を合わせて、水10mLずつで2回洗う。ジエチルエーテル抽出液に無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間放置した後、脱脂綿を用いてろ過し、ジエチルエーテルで洗い、ろ液及び洗液を合わせて減圧乾固する。残留物にエタノール(95)2mLを加えて溶かし、試料溶液とする。別に、エストロン、エストラジオール及びプロゲステロンをデシケーター(減圧、酸化リン(V))で4時間乾燥し、エストロン、17β―エストラジオール約20mg及びプロゲステロン約10mgをそれぞれ精密に量り、全てを合わせてエタノール(95)を加えて溶かし、正確に250mLとし標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液5μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液のクロマトグラムには標準溶液と同一保持時間に相当するピークは認めない。

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)

カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管にオクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:メタノール/水混液(27:23)

流量:エストラジオールの保持時間が約13分になるように調整する。

カラムの選定:パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びパラオキシ安息香酸ブチルのそれぞれ10mgにメタノールを加えて溶かし100mLとする。この液5μLにつき、上記の条件で操作するときパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びパラオキシ安息香酸ブチルの順に溶出し、標準溶液5μLにつき、上記の条件で操作するとき、エストロン、エストラジオール、及びプロゲステロンが完全に分離するものを用いる。

検出感度:エストラジオールのピークの高さがフルスケールの30~50%になるように調整する。

蒸発残留物 本品約1mLを精密に量り白金るつぼにとり、水浴上で蒸発乾固させる。更に105℃で4時間乾燥するとき、残留物は2~12mgである。

強熱残分 1.0%以下(第1法、2g)

定量法 本品につき、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。防腐剤「パラオキシ安息香酸メチル」0.15%

[IB―0020]

疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース

本品は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのステアリルオキシヒドロキシプロピルエーテルである。本品は、その動粘度を平方ミリメートル毎秒(mm2/s)の単位で表示する。

本品を乾燥したものは定量するとき、メトキシル基(OCH3:31.03)21.5~30.0%、ヒドロキシプロポキシル基(OC3H6OH:75.09)7.0~11.0%及びステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基(OC3H5(OH)OC18H37:343.56)0.3~4.5%を含む。

性状 本品は、白色~帯黄白色の粉末又は粒で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はない。本品は、熱湯、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル又はアセトンにほとんど溶けない。本品に水又は水/2―プロパノール混液(3:2)を加えるとき、澄明又はわずかに混濁した粘稠性のある液となる。

確認試験

(1) 本品10mgに水1mL及びアントロン試液2mLを加えて振り混ぜるとき、液は緑色を呈し、徐々に暗緑色から暗緑褐色に変わる。

(2) 本品1gに熱湯100mLを加え、かき混ぜながら室温に冷却した液を試料溶液とする。試料溶液0.1mLに薄めた硫酸(9→10)9mLを加えて振り混ぜ、水浴中で正確に3分間加熱した後、直ちに氷水浴中で冷却し、ニンヒドリン試液0.6mLを注意して加え、振り混ぜて、25℃で放置するとき、液は初め紅色を呈し、更に100分間以内に紫色に変わる。

(3) 本品5mgを小試験管にとり、25%含水過酸化ベンゾイルのアセトン溶液(1→10)2滴を加え、水浴上で蒸発乾固し、下端にクロモトロープ酸試液をつけたガラス棒をその小試験管にコルク栓で固定し、125℃の浴中で5~6分間加熱するとき、クロモトロープ酸試液は赤紫色を呈する。

(4) 定量法で示す条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液から得たピークの保持時間は約12分であり、標準溶液から得たピークの保持時間に等しい。

粘度 本品の換算した乾燥物1.000gに対応する量を正確に量り、85℃の水100mLを加え、かき混ぜ機を用いて10分間かき混ぜる。更に40分間氷水中でかき混ぜた後、水を加えて120.0gとする。更に2―プロパノールを加えて200.0gとし、かき混ぜ機を用いて20分間かき混ぜる。必要ならば遠心分離して泡を除き、25℃で粘度測定法第1法により試験を行うとき、本品の粘度は表示単位の80~120%である。

pH 本品0.5gに熱湯100mLを加え、振り混ぜて溶解又は混濁し、冷却した液のpHは、5.5~7.5である。

純度試験

(1) 塩化物 本品1.0gに熱湯30mLを加えてよくかき混ぜ、水浴上で10分間加熱した後、熱時傾斜してろ過し、残留物を熱湯でよく洗い、洗液をろ液に合わせ、冷後、水を加えて100mLとする。この液5mLに希硝酸6mL及び水を加えて50mLとする。これを検液とし、試験を行う。比較液には0.01mol/L塩酸0.4mLを加える(0.284%以下)。

(2) 重金属 本品2.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、10ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ジエチルエーテル抽出物 本品約8gを精密に量り、ソックスレー抽出器に入れ、ジエチルエーテル100mLを加え、水浴上で3時間抽出する。抽出物を質量既知のビーカーに移し、ジエチルエーテルを水浴上で蒸発乾固し、更に100℃で恒量になるまで乾燥する。冷後、全質量を測定し、次式により、ジエチルエーテル抽出物を算出する(0.2%以下)。

ジエチルエーテル抽出物(%)

=(ビーカーの全質量(g)-ビーカーの空質量(g))/試料の量(g)×100

乾燥減量 5.0%以下(1g、105℃、2時間)

強熱残分 0.10%以下(1.0g)

定量法

(1) メトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基

1) 装置

分解瓶:5mLのガラス製耐圧ねじ口瓶で、底部の内側が円すい状となっており、外径20mm、首部までの高さが50mm、高さ約30mmまでの容積が2mLで、栓は耐熱性樹脂製、内栓又はシールはフッ素樹脂製のもの。

加熱器:厚さ60~80mmの角形金属アルミニウム製ブロックに直径20.6mm、深さ32mmの穴をあけたもので、ブロック内部の温度を±1℃の範囲で調節できる構造を有するもの。

2) 操作方法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、アジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、加熱器を用い150℃で、5分ごとに振り混ぜながら、30分間加熱し、更に30分間加熱を続ける。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下のものの上層を試料溶液とする。別にアジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを分解瓶にとり、密栓し、その質量を精密に量り、定量用ヨウ化イソプロピル15μLを加え、その質量を精密に量り、同様にして定量用ヨードメタン45μLを加え、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液2μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液の内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比QTa及びQTb並びに標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比QSa及びQSbを求める。

メトキシル基(CH3O)の量(%)

=QTa/QSa×WSa/試料の量(mg)×21.864

ヒドロキシプロポキシル基(C3H7O2)の量(%)

=QTb/QSb×WSb/試料の量(mg)×44.17

WSa:標準溶液中のヨードメタンの量(mg)

WSb:標準溶液中のヨウ化イソプロピルの量(mg)

内標準溶液 n―オクタンのo―キシレン溶液(1→25)

試験条件

検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器

カラム:内径3mm、長さ3mのガラス管に、ガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンポリマーを180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に20%の割合で被覆させたものを充填する。

カラム温度:100℃付近の一定温度

キャリヤーガス:ヘリウム

流量:内標準物質の保持時間が約10分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液2μLにつき、上記の条件で操作するとき、ヨードメタン、ヨウ化イソプロピル、内標準物質の順に検出し、その分離度は2.0以上である。

(2) ステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基

1) 装置 分解瓶及び加熱器:「メトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基」の定量法と同様のものを用いる。

2) 操作方法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、ヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。加熱器を用い150℃で、5分ごとに振り混ぜながら、20分間加熱する。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下のものに内標準溶液2.0mLを加え、分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を試料溶液とする。別に1―ヨウ化オクタデカン約15mgを精密に量り、内標準溶液を加えて100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液2μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液の内標準物質のピーク面積に対する1―ヨウ化オクタデカンのピーク面積の比QTc及びQScを求める。

ステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基(C21H43O3)の量(%)

=QTc/QSc×WSc/試料の量(mg)×1/50×90.32

WSc:標準溶液中の1―ヨウ化オクタデカンの量(mg)

内標準溶液 ステアリン酸メチルのo―キシレン溶液(1→2000)

試験条件

検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器

カラム:内径0.53mm、長さ15mのキャピラリーカラムに、ガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンポリマーを被覆する。

カラム温度:210℃付近の一定温度

キャリヤーガス:ヘリウム

流量:内標準物質の保持時間が約7.5分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液2μLにつき、上記の条件で試験するとき、内標準物質、1―ヨウ化オクタデカンの順に検出し、その分離度は2.0以上である。

試薬及び試液

1―ヨウ化オクタデカン 試薬95.0%以上を含むもの。

ステアリン酸メチル ガスクロマトグラフィー用 99.0%以上を含むもの。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、日局の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0001]

炭酸ジカプリリル

本品は定量するとき、炭酸ジカプリリル(C17H34O3:286)96.0%以上を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の透明な油液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2920cm-1、2850cm-1、1750cm-1、1470cm-1及び1260cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像7 (1KB)別ウィンドウが開きます
:0.880~0.900(第1法)

屈折率 画像8 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.434~1.438

酸価 1以下(第1法、3g)

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.5%以下(第1法、3g)

定量法 本品0.5gを秤量し、ヘキサンを加えて全量を10mLとし試料溶液とし、ガスクロマトグラフィーの面積百分率法により試験を行う。(主成分のピーク:8.5分付近)

測定条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:ジメチルシリコーンガム

カラム温度:150-290℃(昇温条件:5℃/分)

注入口温度:320℃

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分35mL

注入量:1μL

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0004]

チューベロースポリサッカライド液―BG

本品は、チューベロース Polianthes tuberose Linn画像9 (1KB)別ウィンドウが開きます
のカルスを培養することによって得られる主としてポリサッカライドの水溶液である。このポリサッカライドは、グルクロン酸、マンノース、アラビノース、ガラクトース、キシロースよりなる。本品は定量するとき、グルクロン酸(C6H10O7:194.14)として0.25~0.33%を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の澄明又は半澄明の液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品0.5gをとり、100℃で加温しながら窒素ガスを吹き付けて、溶媒を除去した後、水で20mLとする。この溶液1mLに硫酸6mLを加え、沸騰水浴中で20分間加熱し、冷後、カルバゾール試液0.2mLを加えて室温に放置するとき、液は、赤紫色を呈する。

(2) 本品の水溶液(1→10)10mLに塩化セチルピリジニウム溶液(1→20)3滴を加えるとき、白色の沈殿を生じる。

(3) 本品約1.5gをとり、6mol/Lトリフルオロ酢酸溶液3.0mLを加えて125℃で密封容器中で2時間加熱する。冷後、60℃の水浴上で1時間窒素ガスを吹き付けて溶媒を留去させ、これに水3mLを加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液10μLにつき、次の条件で、液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、マンノース・アラビノース・ガラクトース・キシロース標準混合液のピークと同一の保持時間を有するピークを認める。

試験条件

検出器:蛍光光度計(励起波長:342nm、蛍光波長:432nm)

カラム:内径4~8mm、長さ100~300mmのステンレス管に平均粒径4~10μmの液体クロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体に第四級アンモニウム基を導入したポーラスポリマーを充填する。