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○QMS調査要領について

(平成29年7月31日)

(薬生監麻発0731第11号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課長通知)

(公印省略)

「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第169号)への適合性に係る調査(以下「QMS調査」という。)については、「QMS調査要領の制定について」(平成26年10月24日付け薬食監麻発1024第10号厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知。以下「QMS調査要領通知」という。)等の関係通知により、都道府県、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)及び登録認証機関(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)(以下「法」という。)第23条の2の23第1項に規定する登録認証機関をいう。)におけるQMS調査関連業務の標準化を図ってきました。

今般、単回使用の医療機器(一回限り使用できることとされている医療機器をいう。以下同じ。)の再製造(単回使用の医療機器が使用された後、新たに製造販売をすることを目的として、これに検査、分解、洗浄及び滅菌その他必要な処理を行うことをいう。以下同じ。)に係る制度を新たに設けることとし、「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部を改正する省令」(平成29年厚生労働省令第84号)により省令の一部を改正したことに伴い、医療機器又は体外診断用医薬品(以下「医療機器等」という。)に係る品質管理監督システム(以下「QMS」という。)の調査要領を別添のとおり改正することとしました。

本通知による調査要領(以下「本調査要領」という。)の適用に伴い、QMS調査要領通知は、本年7月30日付けで廃止することとします。

貴職におかれましては、下記事項に御留意の上、その実施に遺漏なきよう御願いいたします。

なお、本通知の写しを各地方厚生局長、独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長、一般社団法人医療機器産業連合会会長、日本製薬団体連合会会長、一般社団法人日本臨床検査薬協会会長、米国医療機器・IVD工業会会長、欧州ビジネス協会医療機器・IVD委員会委員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付することを申し添えます。

1.本調査要領に基づき承認又は認証(以下「承認等」という。)に係るQMS調査を円滑に実施するため、総合機構及び登録認証機関は、想定されるQMS調査の業務量を踏まえ、所定の要件を満たす職員の確保及び当該職員に対する研修の実施等の体制の整備を図ること。

2.本調査要領は平成29年7月31日から適用するものとすること。

QMS調査要領

目次

第1.目的

第2.QMS調査の分類

第3.適合性調査の基本的留意事項

第4.適合性調査の方法

第5.適合性調査の具体的手順

第6.立入検査等の具体的手順

別紙1 実地・書面の判断基準

別紙2 適合性調査申請時の添付資料の例

別紙3 QMS調査通知書

別紙4 QMS調査指摘事項書

別紙5 適合性評価基準

別紙6 QMS調査結果報告書

別紙7 QMS調査結果総括報告書

別紙8 QMS調査指摘事項改善計画書

別紙9 QMS調査指摘事項改善結果報告書

別添1 宣誓書

別添2 QMS省令不備事項評価基準

第1.目的

この要領は、QMS調査に関し、平成26年8月27日薬食監麻発0827第4号「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の改正について」及び平成29年7月31日薬生監麻発0731第12号「再製造単回使用医療機器に係る医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の改正について」(以下「施行通知等」という。)に示された運用等の詳細を示すとともに、総合機構及び登録認証機関(以下「調査実施者」という。)による医療機器等の製造販売の承認等に係るQMS調査の整合性の確保及び都道府県及び総合機構による医療機器等の製造販売業者及び製造業者に対する適切な監視指導の実施を目的として定めるものである。

第2.QMS調査の分類

1.QMS調査は、適合性調査(医療機器等の承認等時(承認等事項一部変更承認等を含む。)若しくは輸出用の医療機器等(以下「輸出品」という。)の製造時、これらの時期から5年ごとに製造販売業者、外国製造医療機器等特例承認取得者若しくは外国指定高度管理医療機器製造等事業者(以下「製造販売業者等」という。)又は製造業者が申請して受けることと定められている調査又は再製造単回使用医療機器定期確認調査)及び立入検査等(法第69条第1項若しくは第4項若しくは法第69条の2第1項若しくは第2項の規定に基づく立入検査等(以下「69条調査」という。)又は法第75条の2の2第1項第2号若しくは第3号、法第75条の2の2第4項、法第75条の5第1項第1号若しくは第2号若しくは法第75条の5第3項において準用する法第75条の2の2第4項の規定に基づく検査等)に分類されること。

2.適合性調査については、さらに承認等前適合性調査と一変時適合性調査、定期適合性調査、追加的調査、輸出品の製造に係る適合性調査及び再製造単回使用医療機器定期確認調査に分類され、それぞれ根拠となる法の条項ごとに次のような調査から構成される。

(1) 承認等前適合性調査

ア.承認等申請に係る適合性調査(法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第3項)

イ.外国特例承認及び外国指定高度管理医療機器製造等事業者が受けようとする認証(以下「外国特例承認等」という。)の申請に係る適合性調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第3項)

(2) 一変時適合性調査

ア.承認等事項一部変更承認等申請に係る適合性調査(法第23条の2の5第11項において準用する法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第6項において準用する法第23条の2の23第3項)

イ.外国特例承認等事項一部変更承認等申請に係る適合性調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第11項において準用する法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第6項において準用する法第23条の2の23第3項)

(3) 定期適合性調査

ア.承認等取得後に係る定期適合性調査(法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第3項)

イ.外国特例承認等取得後に係る定期適合性調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第6項及び法第23条の2の23第3項)

(4) 追加的調査

ア.承認等申請に係る追加的調査(法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第5項)

イ.承認等事項一部変更承認等申請に係る追加的調査(法第23条の2の5第11項において準用する法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第6項において準用する法第23条の2の23第5項)

ウ.外国特例承認等申請に係る追加的調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第5項)

エ.外国特例承認等事項一部変更承認等申請に係る追加的調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第11項において準用する法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第6項において準用する法第23条の2の23第5項)

オ.承認等取得後に係る追加的調査(法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第5項)

カ.外国特例承認等取得後に係る追加的調査(法第23条の2の17第5項において準用する法第23条の2の5第8項及び法第23条の2の23第5項)

(5) 輸出品の製造に係る適合性調査(法第80条第2項)

(6) 再製造単回使用医療機器定期確認調査(法第23条の2の5第8項)

3.立入検査等については、その目的等により次のように分類される。なお、69条調査については薬事監視員又は法第69条の2第4項の政令で定める資格を有する総合機構の職員が行うものであること。

(1) 「通常調査」

「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令の一部を改正する省令」(平成29年厚生労働省令第84号)による改正後の「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(平成16年厚生労働省令第169号)(以下「QMS省令」という。)の規定を遵守していることを確認するもの。

(2) 「特別調査」

予見できない事情により遵守状況を確認する必要がある場合において行われ(いわゆる”for-cause inspection”)、監視指導としての側面も併せ持つもの。

ア.改善内容確認(適合性調査として行うものを除く。)

イ.回収又は改修(以下「回収」という。)着手報告、検定不合格、苦情等の対象となった製造販売業者等又は製造業者のQMS省令の遵守状況の確認

ウ.その他

第3.適合性調査の基本的留意事項

1.管理体制

(1) 調査実施者の組織構造、所属者の資格及び業務は、調査等の公平性を保証するものでなければならない。

(2) 適合性調査を実施する者(以下「調査者」という。)は、調査に影響を与える可能性のある商業的、金銭的その他いかなる圧力からも影響を受けてはならない。調査実施者は、上記調査者の利益相反の確認等にかかる規定について手順書に定め、これを確実にすること。

2.調査実施者間の連携

適合性調査において、各調査実施者は、相互に協力を図ること。

3.監視指導との関係

適合性調査は、一般的に未承認品、不正表示品その他の不良品そのものの発見を主たる目的とするものではないが、これを発見した場合においては、適切かつ迅速に処理すること。

4.調査体制

調査実施者は、適合性調査を適正かつ円滑に実施し、さらに、継続的に調査の品質を向上させることを目的として、適切な調査体制を構築し運用すること。

調査実施者は、調査を適切に遂行するため、必要な教育訓練を実施し、調査者がISO/IEC17021:2015附属書Aに示される国際的な調査者の要件を満たすようにしなければならないこと。

5.自主的改善等

製造販売業者等及び製造業者は、QMS省令の規定に基づき、十分に品質が確保できる管理体制の下で医療機器等を製造販売又は製造し、また、当該体制を維持するため改善等を図っていくことが求められている。調査実施者は、調査の実施に当たっては、調査対象者の製造管理及び品質管理の適合性を評価するにあたり、不備を発見した際は、調査対象者が自主的により適切な製造管理及び品質管理を確立するよう指摘等を行うこと。また、この際当該指摘等により、本来調査対象者が負うべき適正な製造管理及び品質管理に向けた是正措置等の責任が調査実施者に転嫁されることのないように十分注意すること。

6.製品品質への悪影響防止

調査実施者は、適合性調査によって医療機器等の品質に悪影響を及ぼすことのないように調査者に留意させること。調査者は、例えば調査の後に微生物等の汚染が見出された場合において適合性調査が原因であるとの疑念をもたれることのないよう、調査対象施設の衛生管理基準の遵守等に留意すること。

第4.適合性調査の方法

1.適合性調査の方法

調査実施者は、適合性調査の目的、調査対象者の規模、過去の調査実績等を考慮し、以下に示す2~7により適切に決定すること。

2.調査対象施設の選定

調査実施者は原則として製造販売業者等及び選任外国製造医療機器等製造販売業者等(選任外国製造医療機器等製造販売業者又は選任外国指定高度管理医療機器等製造販売業者をいう。以下同じ。)の事務所並びに登録製造所を適合性調査の調査対象施設とすること。ただし、調査実施者が申請者の管理状況や申請品目の品質に及ぼす影響の程度等を踏まえ、調査が必要であると判断した場合には、申請者の理解を得た上で、上記以外の施設又は事業所を調査対象施設に加えること。

3.調査期間

1つの調査対象施設に対しQMS省令第2章及び第3章の全ての要求事項への適合状況を実地に調査する必要がある場合、原則として3日間以上の調査期間が必要になると考えられるものであるが、調査対象施設の増加に従い、日数を調整するものであること。また、表1に掲げる事項を勘案の上、調査実施者が責任をもって決定すること。

表1 調査期間の決定に当たって考慮すべき事項

事項分類

具体例

品目(製品)種類

生物由来製品又は再製造単回使用医療機器に該当するか否か、特殊な製造技術によるものか等

工程内容

滅菌・無菌操作の有無、作業環境管理の内容等

その他の状況

調査対象施設の構成員数等

変更履歴

適合性調査を受ける必要がある製造販売承認等事項一部変更その他の交叉汚染、混同等のリスクに影響を及ぼし得る次のような変更

・調査対象施設の所有者の変更

・調査対象施設の変更(場所等)

・品質に影響を及ぼし得る構造設備の変更

・品質に影響を及ぼし得る責任者等の変更

・法第23条の2の5第7項第1号に規定する厚生労働省令で定める区分(以下「製品群区分」という。)に係る品目(製品)の追加

・新たな教育訓練を要する新しい設備器具の導入

調査対象施設履歴

初回調査か否か、前回調査結果、前回調査以後の回収や品質情報等の有無及び内容、他の調査実施者等の調査結果、前回調査から経過した期間、外国等当局からの情報等

品目(製品)履歴

副作用報告又は不具合報告その他市販後に得られた情報、外国等当局からの情報等

4.実地調査と書面調査

調査実施者は、申請を受けて、別紙1に掲げる事項を勘案し、書面か実地のいずれによるかを決定し、申請者に伝えること。

なお、再製造単回使用医療機器については、登録製造所における病原微生物その他疾病の原因となるものを除去するための洗浄工程等の製造管理及び品質管理の状況を実地で確認する必要があるため、調査実施者は、再製造単回使用医療機器の調査対象施設に対して、当分の間、原則として実地の調査を実施すること。

5.調査の対象

調査の対象のあり方については、その調査の目的を十分に踏まえ、原則として表2の分類によること。

表2 適合性調査の対象のあり方

調査の分類

調査対象のあり方

承認等前適合性調査

承認等申請に係る品目(製品群区分)及び当該品目に係る調査対象施設

一変時適合性調査

承認等事項一部変更承認等申請に係る品目(製品群区分)及び当該変更申請に関係する調査対象施設

定期適合性調査

初回

適合性調査申請に係る品目(製品群区分)及び当該品目に係る調査対象施設

2回目以降

適合性調査申請に係る品目(製品群区分)及び当該品目に係る調査対象施設

特に、前回不備が観察された事項、前回調査以降変更等のあった部分に重点

追加的調査

追加的調査の実施要因による

輸出品製造に係る適合性調査

初回

適合性調査申請に係る品目及び当該品目を取り扱う調査対象施設

2回目以降

適合性調査申請に係る品目及び当該品目を取り扱う調査対象施設

特に、前回不備が観察された事項、前回調査以降変更等のあった部分に重点

再製造単回使用医療機器定期確認調査

適合性調査申請に係る品目及び当該品目に係る調査対象施設

特に、前回不備が観察された事項、前回調査以降変更等のあった部分に重点

(1) 原則として当該申請品目及び当該申請に基づき交付が予定される基準適合証によって調査が省略されることが見込まれる品目の中から、代表的な品目を選定し、文書又は記録の適切なサンプリングを行う等により調査を計画し、実施すること。なお、代表的な品目の選定に当たっては、リスクの程度、過去の回収等に留意すること。

(2) 前回不備が観察された事項、前回調査以降変更等のあった部分に重点を置いて調査を行うときは、QMS省令の規定に基づき不備、変更等が適切に管理され、適切な対応・改善活動等が実施されているかについて確認すること。

(3) 承認等申請に係る適合性調査においては、当該申請に係る品目(製品群区分)を適切な製造管理及び品質管理のもと製造・製造販売できるQMSを確立していることを確認すると同時に、各工程を担う調査対象施設については、QMSを管理する製造販売業者等の主要な施設の調査を先に行い、その他施設の管理状況、QMSの適用範囲及び相互の関係等を把握した後、その他施設の調査を行うことが推奨されること。

なお、申請品目が再製造単回使用医療機器の場合は、原則として、製造販売業者等の主たる事務所及び承認申請書の記載された全ての登録製造所とすること。

(4) 改正法施行後初回となる定期適合性調査においては、(3)で示した承認等前適合性調査と同様の手法を採ることが推奨されるが、2回目以降の定期適合性調査においては、初回調査で確認した不備事項や、前回調査以降変更等のあった部分等、特定のトピックやサブシステムに焦点を当てた調査を行い、最後にQMSを管理する主要な施設の全体的な管理体制を確認することが推奨されること。(申請品目が再製造単回使用医療機器の場合を除く。)

(5) 再製造単回使用医療機器定期確認調査においては、当該申請に係る品目を適切な製造管理及び品質管理のもと製造及び製造販売できるQMSを確立していることを確認するとともに、特に重要と考えられる工程(分解、洗浄、再組立て及び滅菌並びに原型医療機器における原材料等の変更管理の把握等)について、再製造単回使用医療機器基準(平成29年厚生労働省告示第261号)及び製造販売承認書の内容を満たしていることを確認すること。

6.適合性調査に係るサブシステム

製造販売業者等全体についての適合性調査については、製造管理及び品質管理のサブシステム(表3)を勘案して行うことにより、QMS省令の個々の要求事項への適合性に加え、確立されているQMSが効果的に機能しているかを総合的かつ効率的に評価すること。不備が見出されたサブシステムにおいては重点的に調査を行うこと。

表3 適合性調査に係るサブシステム

サブシステム

関連する主なQMS省令要求事項

管理監督

第5条 品質管理監督システムに係る要求事項

第7条 品質管理監督システム基準書

第10条 管理監督者の関与

第12条 品質方針

第13条 品質目標

第14条 品質管理監督システムの計画の策定

第15条 責任及び権限

第16条 管理責任者

第17条 内部情報伝達

第18条 管理監督者照査

第19条 管理監督者照査に係る工程入力情報

第20条 管理監督者照査に係る工程出力情報

第21条 資源の確保

第22条 品質業務従事者の能力

第23条 能力、認識及び教育訓練

第56条 内部監査

第77条 教育訓練

第81条の2の4 教育訓練

設計管理

第30条 設計開発計画

第31条 設計開発への工程入力情報

第32条 設計開発からの工程出力情報

第33条 設計開発照査

第34条 設計開発の検証

第35条 設計開発バリデーション

第36条 設計開発の変更の管理

製品文書化

第6条第2項及び第3項 品質管理監督システムの文書化

第26条 製品実現計画

第74条 製造管理及び品質管理に係る文書

製造

第24条 業務運営基盤

第25条 作業環境

第40条 製造及びサービス提供の管理

第41条 製品の清浄管理

第42条 設置業務

第43条 付帯サービス業務

第44条 滅菌製品の製造管理に係る特別要求事項

第45条 製造工程等のバリデーション

第46条 滅菌工程のバリデーション

第47条 識別

第48条 追跡可能性の確保

第49条 特定医療機器に係る製品の追跡可能性の確保

第50条 製品の状態の識別

第51条 製品受領者の物品等

第52条 製品の保持

第53条 設備及び器具の管理

第58条 製品の監視及び測定

第60条 不適合製品の管理

第73条 特定生物由来医療機器等製造販売業者等の製造所における業務運営基盤

第75条 工程管理

第76条 試験検査

第80条 放射性体外診断用医薬品の登録製造所の業務運営基盤

第81条 放射性体外診断用医薬品の製造及び取扱規則の遵守

第81条の2 再製造単回使用医療機器製造販売業者等の登録製造所における業務運営基盤

第81条の2の2 工程管理

第81条の2の3 試験検査

第81条の2の6 再製造単回使用医療機器に係る製品の追跡可能性の確保

是正措置及び予防措置

第54条 測定、分析及び改善

第55条 製品受領者の意見

第57条 工程の監視及び測定

第61条 データの分析

第62条 改善

第63条 是正措置

第64条 予防措置

購買管理

第37条 購買工程

第38条 購買情報

第39条 購買物品の検証

文書記録

第6条第1項 品質管理監督システムの文書化

第8条 品質管理監督文書の管理

第9条 記録の管理

第59条 特定医療機器固有の要求事項

第67条 品質管理監督文書の保管期限

第68条 記録の保管期限

第78条 文書及び記録の管理

第79条 記録の保管の特例

第81条の2の5 文書及び記録の管理

製品受領者

第11条 製品受領者の重視

第27条 製品要求事項の明確化

第28条 製品要求事項の照査

第29条 製品受領者との間の情報等の交換

製造販売業者等

第65条 登録製造所の品質管理監督システム

第66条 品質管理監督システムに係る追加的要求事項

第69条 不具合等報告

第70条 製造販売後安全管理基準との関係

第71条 医療機器等総括製造販売責任者の業務

第72条 国内品質業務運営責任者

第72条の2 その他の遵守事項

第72条の3 選任外国製造医療機器等製造販売業者等の業務

7.調査資料

適合性調査申請に当たっての添付資料については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則」(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)第114条の28第2項に「医療機器等適合性調査に係る品目の製造管理及び品質管理に関する資料」及び「医療機器等適合性調査に係る製造販売業者及び全ての製造所(法第23条の2の3第1項に規定する製造所をいう。以下同じ。)における製造管理及び品質管理に関する資料」と規定されているところであるが、この取扱いについては表4のとおりとし、調査実施者は、調査対象品目の最新の承認内容等を申請者が把握しているか確認するため、申請者に添付資料の提出を求めること。調査実施者が必要に応じ製造販売業者等から入手できる資料としては、別紙2に掲げるものが考えられること。実地調査を行うこととした場合においては、当日の調査を効率的に進める観点から必要な資料を得て事前に準備を進めること。

表4 適合性調査申請に当たっての添付資料

1.製造販売承認等申請、承認等事項一部変更承認等申請及び輸出用医療機器等の輸出届出に伴う適合性調査

(1) 医療機器等適合性調査に係る品目の製造管理及び品質管理に関する資料

ア.申請品目の製造販売承認等申請書又は承認等事項一部変更承認等申請書(輸出用医療機器等の輸出届に基づく場合は、その届出書)の写し

イ.調査対象品目の製造工程の概要

(2) 医療機器等適合性調査に係る製造販売業者及び全ての製造所における製造管理及び品質管理に関する資料

ア.ISO13485:2003認証書等、調査対象施設における適合性調査の申請の日から過去3年以内に実施された他の調査実施者による実地の調査結果報告書、法的拘束力を持たないQMS調査等協力覚書等(以下「MOU等」という。)に基づく相手国等の証明書又は調査結果報告書若しくは外国等当局による適合性証明書の写し

イ.各調査対象施設で実施している活動の概要及び各調査対象施設におけるQMSの相互関係を確認できる資料

(3) その他調査実施者が必要として指示する資料

2.承認等取得後又は輸出用医療機器等の輸出届出後5年ごとに実施する適合性調査に伴う適合性調査

(1) 医療機器等適合性調査に係る品目の製造管理及び品質管理に関する資料

ア.1.(1)イ.

イ.製造販売承認(認証)書※1の写し

ウ.前回調査以降の承認等事項一部変更承認等書※2及び軽微変更届書※3の写し

エ.前回調査以降の回収がある場合には、その概要

オ.宣誓書(別添1)

(2) 医療機器等適合性調査に係る製造販売業者及び全ての製造所における製造管理及び品質管理に関する資料

ア.1.(2)ア.及びイ.

(3) その他調査実施者が必要として指示する資料

3.追加的調査

(1) 医療機器等適合性調査に係る品目の製造管理及び品質管理に関する資料

ア.1.(1)イ.

(2) 医療機器等適合性調査に係る製造販売業者及び全ての製造所における製造管理及び品質管理に関する資料

ア.1.(2)ア.及びイ.

イ.適合性調査申請が不要であることを証する基準適合証の写し

(3) その他調査実施者が必要として指示する資料

4.再製造単回使用医療機器定期確認調査

(1) 医療機器等適合性調査に係る品目の製造管理及び品質管理に関する資料

ア.製造販売承認書※4の写し

イ.前回調査以降の承認事項一部変更承認書※5及び軽微変更届書※3の写し

ウ.2.(1)エ.及びオ.

エ.宣誓書(別添1)

(2) 医療機器等適合性調査に係る製造販売業者及び全ての製造所における製造管理及び品質管理に関する資料

ア.1.(2)ア.及びイ.

イ.調査品目に係る基準適合証の写し

(3) その他調査実施者が必要として指示する資料

※1 製造販売承認(認証)書とは、法第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の17第1項に基づく承認又は第23条の2の23第1項に基づく認証の際に交付される書類

※2 承認等事項一部変更承認等書とは、法第23条の2の5第11項(第23条の2の17第5項に基づく準用を含む。)に基づく一部変更承認又は第23条の2の23第6項に基づく一部変更認証の際に交付される書類

※3 軽微変更届書とは、法第23条の2の5第12項(第23条の2の17第5項に基づく準用を含む。)又は第23条の2の23第7項に基づく届書

※4 製造販売承認書とは、法第23条の2の5第1項若しくは第23条の2の17第1項に基づく承認の際に交付される書類

※5 承認事項一部変更承認書とは、法第23条の2の5第11項(第23条の2の17第5項に基づく準用を含む。)に基づく一部変更承認の際に交付される書類

第5.適合性調査の具体的手順

1.適合性調査の手順

適合性調査は、調査範囲の決定、事前準備、調査の実施、調査実施後の措置等、調査結果報告書の作成及び報告書等の交付といった手順から構成される。具体的内容は以下のとおりであること。

2.基本方針等の策定

調査実施者は、調査の目的を明確にするほか、表4に掲げる添付資料その他調査実施者が入手した安全性情報等を勘案し、調査対象品目(製品群区分)に係る各調査対象施設におけるQMSの構築状況、調査対象施設における活動内容及び各調査対象施設間のQMS上の相互関係を確認し、各調査対象施設で確認する事項(調査の範囲)を決定すること。調査実施者は、決定された各調査対象施設で確認する事項について、第4.4.に規定する実地によるか書面によるか等、調査の基本方針を決定すること。

3.チーム編成

調査実施者は、調査対象施設における調査の範囲において調査の目的を達成するために必要な力量を考慮して、調査チームを選定すること。また、調査チームの中から調査責任者を指名し、調査の実施全般のほか、調査計画の作成、講評(「10.講評、指摘事項書の交付」の項参照)、指摘事項の伝達、QMS調査結果報告書等の作成に責任を負わせること。関連機関の職員等が調査にオブザーバーとして参加することについては、調査対象者及び調査責任者が認める場合に限り可能とすること。調査実施者は、オブザーバーに対し守秘義務の遵守等必要な事項を指示し、オブザーバーはこれに従うこと。

4.調査計画の策定

(1) 調査実施者は、調査責任者に調査に関する情報を収集、分析させ、調査チーム内で調査の進め方について意思疎通を図らせ、利用可能な資源と時間を勘案の上で次の事項を盛り込んだ調査計画を調査対象施設ごとに立てさせること。

ア.調査者の氏名及び調査における役割

イ.調査の目的

ウ.調査日時・場所

エ.調査対象施設

オ.調査において用いる言語

カ.調査の範囲

① 特定の品目(製品群区分)の調査:調査対象サブシステム、それぞれにおける該当工程(必要に応じ作業所、区域、組織、文書・記録等を特定)

② 調査対象施設の調査:調査対象サブシステム、それぞれにおける重要工程と代表品目

キ.主たる調査事項ごとの所要時間(予定)

ク.講評の時間(予定)

(2) 調査対象品目に係る調査対象施設が複数存在する場合、調査計画の策定に際して、各調査対象施設間の連携が適切に実施されていることを含めて調査するよう計画すること。特にQMS間の連携及びQMS内での調査対象施設間の連携の双方が適切に実施されているかを確認できるものとすること。

(3) 調査責任者は、調査者の役割を特定の調査対象サブシステムごと等に割り当てること。

(4) 調査計画については、必要に応じて調査対象者に伝達し、合理的かつ的確な調査の実施に努めるようにすること。

(5) 調査計画の内容は調査の現場での状況に柔軟に対応できるようなものとし、現場で実際に変更があった場合においては調査対象者にその旨伝達すること。

5.事前通知

調査実施者は、実地で適合性調査を行うに当たっては、原則としてQMS調査通知書(別紙3)のほか必要な情報を調査対象者に提供することにより、事前通知を行うこと。なお、製造販売業者等からの申請に基づく適合性調査の場合においては、製造販売業者(外国特例承認等に係る品目の調査にあっては、選任外国製造医療機器等製造販売業者等)に対し事前通知を行うものとし、上記通知を受けたものが調査対象者へ伝達すること。なお、事前通知は、調査実施者がその責任において主体的に行うものであり、いわゆるアポイントをとるという趣旨のものではないこと(ただし、合理的な内容であれば調査対象者からの相談に適宜応じること。)。

6.実地調査

実地調査は、原則として次のような手順で進行する。

(1) 実地で調査を行うことの説明

(2) 調査基本事項の確認

(3) 調査の実施

(4) 講評、調査指摘事項書の交付

(5) 改善計画書及び改善結果報告書の徴収、改善内容の確認

(6) 調査結果報告書等の作成及び送付

7.実地で調査を行うことの説明

調査対象施設に立ち入るに当たり、QMS調査通知書を提示し、調査対象者から実地で調査を行うことについての理解を得ること。

8.調査基本事項の確認

調査者は、調査の実施に際して、次の事項を確認すること。

(1) 調査対象者に対し、各調査者の氏名、職名及び所属を紹介し、調査者と調査対象者の連絡窓口の確認

(2) 調査者、オブザーバー及び通訳者等の役割の確認

(3) 調査の目的、調査事項及び調査中の注意事項等の伝達(適合性調査の宣言)

(4) 調査対象期間を含む調査の概要の説明

(5) 上記(1)~(4)について、調査者と調査対象者との間での合意

(6) 調査者のための資源(調査チーム内打合せのための会議室等)の確認

(7) 講評のための段取りの確認

(8) 調査対象者に対し、調査対象者、調査対象施設及び調査対象品目(製品群区分)、QMS(QMS組織体制、品質管理監督システム基準書等)、前回調査以後の変更及び前回調査時において不備とされた事項の改善の内容等の概要の確認

9.調査の実施

(1) 調査者は、調査者間の意思疎通を図り、対応・見解の整合性を確保すること。上記の他調査対象施設が複数に及ぶ場合は、調査の一貫性を担保するため調査チーム間の意思疎通にも配慮すること。

(2) 調査責任者は、調査が複数の日にわたる場合においては、各日(最終日を除く。)の調査終了時に調査対象者に対し、調査が未了であることを伝達すること。

(3) 調査者は、調査中に不備を発見したときは、遅滞なく調査対象者にその旨伝達し、調査対象者に十分な説明の機会を与えること。講評時に初めて調査対象者が不備の内容を知るということのないようにすること。

(4) 文書又は記録の調査においては、できる限り文書又は記録のサンプリングが統計学的に妥当なものとなるよう努めること。

(5) 調査が効率的に進行するよう、調査の手順を適切に組み立てること。例えば倉庫等のツアーを先に行って、受入れ検査不合格の事例などサンプリングのための情報を当初に確認しておくこと、用意に手間を要する文書記録類について早い段階で提出を指示すること等である。

(6) 調査者は、調査対象者から、傷害の免責、企業秘密等の漏洩等について署名を求められた場合においては丁重に断ること。

(7) 調査対象者から録音等の許可を求められた場合においては、必ずしも拒否する必要はないが、情報の正確性を確保する観点から調査者も録音等を行うこと又は録音等のコピー等の提出を求めることがあることを調査対象者に伝えるものとすること。

(8) 調査の実施時に、調査者及び調査対象者ではない外部の者が調査の場所に参加することは、原則として認められないこと。特段の事情により外部の者の参加を認める場合においても、当該外部の者は調査に何ら影響を及ぼすことはできず、調査の実施に不適切な影響を及ぼす場合においては退出を求めること。また、調査者が調査において入手した企業秘密等が当該外部の者に漏洩しないよう細心の注意を払うこと。なお、調査対象者が外部の者の参加を求めた場合においてこれを認めたときは、この者による企業秘密等の漏洩については、調査者は何ら責任を負わないものであることを調査対象者にあらかじめ伝達しておくこと。

(9) 不注意な言動等による他の調査対象施設に係る機密の漏洩等、調査実施者の信頼を失墜させることのないよう慎重に行動すること。外部委託施設等、同一品目(製品群区分)に係る調査対象施設に対してであっても機密である情報があり得ることに留意すること。

(10) 無菌操作を行う区域等の環境管理区域等に入る必要性がある場合においては、調査対象施設における環境管理の体制に十分留意の上、調査対象施設の衛生管理基準の遵守等必要な措置を採ること。

(11) 調査対象施設の場所や取り扱われている製品、製造工程の内容等から調査者の安全上懸念される事項がある場合においては、適切な措置(放射性物質を扱う場所、放射線を放出する製品の試験検査を行う場所、放射線滅菌を行う場所、細菌又はウイルス等に感染するおそれのある場所、有毒ガスの発生のおそれのある場所等を調査させるに当たり、放射線障害、感染症等を防止するために必要な調査対象施設等における手順及び他の法令等の遵守について、調査者に注意喚起を徹底すること等)を講じること。

10.講評、指摘事項書の交付

(1) 調査責任者は、調査の全体を概括し、調査において観察された不備等を伝達し、当該事項について調査対象者との意見交換を行い、調査者が指摘する事項について調査対象者の理解を深めるための会合(以下「講評」という。)を開催する。講評は、調査期間中に調査者が観察した事項について、調査対象者の適正な認識及び理解を確保することを目的として行うものであり、調査において把握した客観的事実に基づき説明し、質問には誠意をもって対応し、調査対象者の納得が得られるよう努めること。不備事項の伝達は、不備と疑われる事項に限定して、明確に行うことを旨とすること。同一調査対象施設内の異なる作業所、作業区域等において見出された不備であっても共通のQMSの要求事項に対する不備と考えられるものについては、改善をより容易にする観点から適宜まとめること。

(2) 調査責任者は、調査を全て完了し、調査対象施設を離れるに当たっては不備事項の内容を伝達するようにし、調査対象者にQMS調査指摘事項書(原則として、別紙4のとおり。)を調査終了日から原則として10業務日以内に交付するようにすること。なお、調査の完了前に調査対象施設を離れる必要が生じた場合においては、調査が未了であること及び調査を再開して全ての調査が完了した後に指摘事項を伝達する予定であることを調査対象者に伝えること。

(3) 講評は調査対象施設ごとに調査で発見された不備事項に限定して実施しても差し支えないが、調査対象品目に係る調査対象施設が複数存在する場合、品目としての適合性に係る結論は提示すべきではないこと。

(4) 不備事項のうち、調査対象者から調査期間中に是正した旨の報告があったときは、調査期間を不合理に延長させるものでない限りにおいて確認に応じることが望ましいこと。

(5) 講評の際に、調査対象者から改善の方法等について相談された場合においては、調査者は、指摘した不備事項について改善の方向性を示すことができない旨を伝え、自ら対応はしないこと。

(6) 各不備事項について、別添2のQMS省令不備事項評価基準に基づき、不備の程度の評価を行うこと。また、別紙5の適合性評価基準に基づき、不備事項の程度を基にした調査対象者ごとの適合性評価を行った上で、必要な改善等について調査対象者に指示を行うこと。

(7) 調査対象品目に係る適合性評価を行うにあたり調査対象施設が複数存在する場合、個別の調査対象施設の評価で軽微な不備事項と評価された事項であっても再度検討し、品目としての製造管理及び品質管理全体に重大な影響を及ぼすものではないことを確認すること。

11.改善計画書及び改善結果報告書の徴収並びに改善内容の確認

(1) 調査責任者は、徴収した改善計画書又は改善結果報告書の内容を確認し、必要に応じて内容確認のための調査を行い、適合性評価基準に基づき妥当と認める場合においては、調査結果報告書等を作成し、調査を終了すること。

(2) 改善計画書又は改善結果報告書の内容が適切ではない場合においては、調査対象者に対し是正を要請し、なお是正されず適合性評価基準に基づき妥当と認められない場合においては、総合機構においては、調査実施者として薬事監視指導要領等に従い適切な措置を採るよう取り計らい、調査を終了すること。また、登録認証機関においては必要に応じて厚生労働省と協議し、適切に対応すること。

(3) 改善内容の確認を行った結果、改善が妥当と認められた場合に、QMS調査指摘事項書をもとに他の調査実施者及び厚生労働省を含む関係者に情報提供等がなされていたときは、総合機構においては速やかに当該関係者に連絡すること。登録認証機関においては、関係者の求めに応じ適切に対応すること。

(4) 改善計画書、改善結果報告書の徴収の際において、他の部門等が受領すべき書類(製造販売承認等事項一部変更承認等申請書、軽微変更届出書の原本等)を受領しないよう注意すること。

12.調査結果報告書等の作成、写しの交付

(1) 調査実施者は、適合性調査を実施したときは、調査責任者に別紙6の様式によりQMS調査結果報告書を作成させること。なお、当該申請について複数のQMS調査結果報告書が交付される場合、別紙7の様式によりQMS調査結果総括報告書を作成させ、全体の調査結果をまとめさせること。

(2) QMS調査結果報告書の作成に当たっては、記載に当たっての留意事項を踏まえ、QMS調査指摘事項書に記載した不備事項について、調査者が調査において実際に確認した事実(不備事項については、その具体的な内容を含む。)をもとに、要点を明瞭かつ簡潔に記載すること。

(3) 調査実施者は、調査結果報告書等が総合判定として適合か不適合かについて明確に結論づけられているようにすること。不適合とする場合においては、それに基づき採られる不利益処分において、調査結果報告書等が重要な証拠となることを十分に認識し、その記載に遺漏なきようにすること。

(4) 不備事項が発見された場合におけるQMS調査結果報告書の作成については、見出された不備事項が軽度(ランク1)のみの場合においては具体的な改善計画書(原則として、別紙8のとおり。)又は改善結果報告書(原則として、別紙9のとおり。)を受理後速やかに、その他の場合においては、具体的な改善結果報告書が提出された後に、その改善内容を確認した上で速やかに行うこと。また、QMS調査結果総括報告書の作成については、当該申請に係る全ての調査対象者に係るQMS調査結果報告書が作成され次第、速やかに行うこと。

(5) 調査実施者は、QMS調査結果報告書の写し(実地調査に係るものに限る。)及びQMS調査結果総括報告書の写しを当該調査申請に係る処分が完了していること等その開示可能性に十分留意して製造販売業者に交付すること。なお、QMS調査結果報告書の写しについては、製造販売業者と調査対象施設との協議等により調査対象施設に交付することとされた場合は、これに従うこと。

13.調査結果通知等の送付

(1) 調査実施者は、「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令」(平成26年政令第269号。)による改正後の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令」(昭和36年政令第11号)(以下「令」という。)第37条の23及び令第40条の2の規定に基づき、調査結果を、製造販売業許可権者に通知すること。

ア.厚生労働大臣が調査実施者である場合においては、総合機構は、調査をした品目に係る製造販売業許可権者たる都道府県知事宛て適合性調査結果通知書を送付すること。

イ.登録認証機関が調査実施者である場合においては、総合機構を経由して、調査をした品目に係る製造販売業許可権者たる知事宛て適合性調査結果通知書を送付すること。この場合において、総合機構は、経由した適合性調査結果通知書に関し、令第37条の24第2項の規定に基づき、その備える適合性調査台帳に必要な事項を記載すること。

ウ.施行規則様式第63の29「適合性調査結果通知書」様式中の「調査結果」欄には、適合性評価基準に基づき「適合」又は「不適合」の別が明確に分かる内容で記載すること。

エ.調査実施者は、適合性調査結果通知書の写しを製造販売業者等に交付すること。

オ.MOU等に基づく相手国等からの要請、証明書発給の際の内容確認等の理由により、厚生労働省より求めがあった場合においては、調査結果報告書等の写しを速やかに送付すること。

(2) 調査実施者は、適合性評価基準に基づき調査結果が「適合」と判断される場合、基準適合証を、追加的調査にあっては、追加的調査結果証明書を、再製造単回使用医療機器定期確認調査にあっては、再製造単回使用医療機器定期確認調査結果証明書を製造販売業者等宛て交付すること。

第6.立入検査等の具体的手順

都道府県及び総合機構が立入検査等を行う場合においては、薬事監視指導要領のほか、次の事項に留意して行うこととする。

1.基本的事項

(1) 都道府県及び総合機構は、立入検査等を行う職員に対し、QMS省令及びその調査方法等について必要な研修を実施すること。

(2) 立入検査等を行う職員は、69条調査を行う際には、法第69条第6項又は法第69条の2第5項に規定する身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときはこれを提示するものとすること。

(3) 立入検査等の実施については、第5.9.に準じて実施すること。また調査終了時には、第5.10.(1)に準じて講評を実施すること。

(4) 改善を要する事項については、薬事監視指導要領に基づき改善指導を行うこと。

(5) 立入検査等の結果については、薬事監視指導要領に基づき報告書を作成すること。

(6) 立入検査等を行う職員は、立入検査等によって医療機器等の品質に悪影響を及ぼすことのないよう留意し、調査対象施設の衛生管理基準の遵守等に留意すること。

2.通常調査について

(1) 通常調査は、医療機器等製造販売業者及び登録製造所に係る製造業者のQMS省令その他関係規定の遵守状況を確認するために行うものであること。

(2) 通常調査の調査対象施設は都道府県にあっては管内の医療機器等製造販売業者の事務所及び登録製造所、総合機構にあっては医療機器製造販売業者及び登録製造所とし、これらの施設の規模、取り扱う製品、過去の調査実績(適合性調査を含む。)、回収・指導実績等を考慮すること。

(3) 通常調査は、原則として複数名で実施するものとし、調査を行う職員は、(2)において考慮した事項のほか、調査人員、期間等を勘案し、調査対象施設に係るQMSを網羅的に調査するか、指導実績等特定の事象に着目したものとするか等の方針を決定すること。

(4) 通常調査においては、原則として事前に調査対象施設宛て(3)の調査方針について連絡し、調査のために必要な資料、会議室等を準備させること。必要な資料の選定に当たっては、別紙2を参考とすること。

3.特別調査について

(1) 特別調査は、製造販売業者又は登録製造所に係る製造業者の品質管理及び製造管理の遵守が疑わしい場合等において臨時に行うものであること。

(2) 特別調査の調査対象施設は、原則として、製造販売業者を所管する都道府県が、調査を実施する端緒となった事象の内容に応じ、製造販売業者の事務所及び関係する登録製造所から選択すること。この場合において、調査対象施設が他の都道府県又は外国に所在する場合においては、当該施設の調査を所管する都道府県又は厚生労働省を通じて総合機構に依頼することができること。

(3) 特別調査は、それぞれの調査対象施設について、複数名で実施するものとし、調査を実施する端緒となった事象に着目して、実施すること。

(4) 特別調査は、調査対象施設への事前連絡は不要であるが、調査の円滑な実施を図るため必要な場合は、事前連絡を行うこととしても構わないこと。

(5) 登録製造所に対する調査を行った都道府県又は総合機構は、製造販売業者所管都道府県に、薬事監視指導要領に基づく調査結果報告書の写しその他調査結果を記載した書面を送付すること。

(6) 製造販売業者所管都道府県は、(5)の報告書等を参考に、製造販売業者の事務所の調査結果に基づいて、当該製造販売業者に対する処分、行政指導等の要否及びその内容を決定すること。

(了)

別紙1

実地・書面の判断基準(再製造単回使用医療機器に係る調査を除く。)

1.適合性調査を実地によるか書面によるかの実際の判断においては、製造管理又は品質管理に注意を要する程度(製造工程の複雑さ、製品の使用に当たってのリスクの程度等)、過去の実地調査の結果等、過去における不適合、回収等の有無及び内容のほか施行規則第114条の28第2項の規定により提出された資料の内容等を勘案の上、他の調査実施者等の調査結果の相互活用を考慮し、調査実施者の責任の上決定すること。

2.1の「他の調査実施者等の調査結果の相互活用」については、以下のとおりとする。

(QMS省令第2章の取扱い)

(1) 以下の事例においては、QMS省令第2章の要求事項の適合性の確認については、原則として書面による調査を行うものとする。ただし、法の遵守状況、管理状況等を勘案し上記にかかわらず、必要に応じ実地調査を行うことがあること。

ア.調査対象施設が調査対象品目及び関連活動を含む範囲でISO13485:2003の認証を取得しており、適合性調査の申請の日から発行日が過去3年間以内の認証機関(ただし、日本、米国、欧州、オーストラリア又はカナダの薬事規制システムにおいて認定された機関に限る。)による有効な認証書、最新の監査報告書等が提出された場合

イ.調査対象施設における適合性調査の申請の日から過去3年間以内の他の調査実施者による該当項目の適合性を確認したことを示す実地の調査結果報告書が提出された場合

ウ.MOU等の交換等を行っている相手国等における外国製造所に関しては、MOU等の規定に基づく相手国等による適合性証明書又はQMS調査結果報告書の写し等が提出その他の一定の要件を満たす場合

(2) QMS省令第2章の要求事項の適合性の確認については、上記の他MOU等の相手国等以外における外国製造所に関しては、当該相手国等当局による適合性証明書等を提出された場合、これらはあくまで参考資料であり、それをもって直ちに書面による調査とはしないものであること。

(QMS省令第3章の取扱い)

(3) 以下の事例においては、QMS省令第3章の要求事項の適合性の確認については、原則として書面による調査を行うものとする。ただし、法の遵守状況、管理状況等を勘案し上記にかかわらず、必要に応じ実地調査を行うことがあること。

ア.製造販売業者等におけるQMS省令第3章の要求事項の適合性の確認について、過去3年以内の該当項目の適合性を確認したことを示す実地の適合性調査の報告書が提出された場合

イ.登録製造所に対しQMS省令第3章の要求事項の適合性の確認を行う必要がある場合において、2(1)に掲げる資料が提出された場合

別紙2

適合性調査申請時の添付資料の例

・当該製造販売業者等の管理監督に関する情報(QMS省令第69条(QMS省令第82条及びQMS省令第83条において準用する場合を含む。以下同じ。)の手順書、QMS省令第71条第1項第2号の文書の写し、QMS省令第72条第2項の手順書等、QMS省令第72条第2項第3号から第9号まで、及び第4項の記録又は文書、QMS省令第72条の2第1項の取決め並びにQMS省令第72条の2第2項の手順書の写し等)

・調査対象者の組織図、調査対象組織とその構成員数、責任者(管理監督者、管理責任者、医療機器等総括製造販売責任者及び国内品質業務運営責任者等)の氏名及び所属

・品質管理監督システム基準書の写し

・構造設備の概要一覧表

・調査対象施設付近略図

・調査対象施設敷地内の建物の配置図

・調査対象施設平面図(試験検査室及び保管庫を含む。)(清浄区域、無菌区域等重点的に管理すべき区域については、人と物との動線、清浄度区分、差圧管理の状況等)

・器具一覧表

・放射性体外診断用医薬品を取り扱う場合においては、放射性体外診断用医薬品の種類及び放射性医薬品を取り扱うために必要な設備の概要

・製造工程の詳細に関する情報(製造方法のフロー図、重要工程における工程内試験の概要(必要に応じ工程管理値))

・重大又は予期せぬ不適合等が生じた際に講じた措置等の概要

・製造工程等のバリデーションの実施状況

・前回調査以降における、法第68条の10第1項に基づく副作用等報告のうち製造管理又は品質管理に係るもの、法第68条の11の回収の報告、QMS省令第65条の製造販売業者等の確認の結果採った措置、QMS省令第72条第2項第4号の変更に関して採った措置、QMS省令第72条第2項第5号の品質情報等に関して採った措置の概要

・管理文書の一覧

・QMS省令第6条第2項の製品標準書の写し

別紙3

別紙4

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別紙5

適合性評価基準

1.目的及び適用範囲

1.1 目的

この基準は、QMS省令の適合状況の評価を適切に実施することにより、QMS省令に関する調査の適切な実施を図ることを目的とする。

1.2 適用範囲

この基準は、QMS省令の適合状況に関する調査の結果を評価する場合に適用する。

2.国際的な指針との関係

この基準で使用する別添2のQMS省令不備事項評価基準はGHTF/SG3/N19:2012に準じて作成した。

3.適合性評価要領

以下の(1)から(3)に掲げる要領に従って、法第23条の2の5第2項第4号(法第23条の2の17第5項において準用する場合並びに法第23条の2の23第2項第5号、法第80条第2項及び施行規則第114条の58第3項において引用する場合を含む。以下同じ。)に対する該当性の評価(以下「申請ごと品目ごとの適合性の評価」という。)を実施すること。なお、評価結果については調査対象者に対しその評価理由を説明し、調査対象者からの意見等を十分聴取した上で決定すること。

(1) 各調査対象者におけるQMS省令に対する不備事項の評価を、別添2のQMS省令不備事項評価基準に基づき行うこと。

(2) (1)による各不備事項の評価結果を用いて、3.1の判定基準により調査対象者ごとの適合性を評価すること。

(3) (2)の調査対象者ごとの適合性評価結果から、3.2の判定基準により申請ごと品目ごとの適合性の評価を行うこと。

3.1 調査対象者ごとの適合性評価基準

(1) 不備事項が発見されなかった場合、調査対象者の製造管理及び品質管理の方法は、「適合」と評価して差し支えないこと。

(2) 発見された不備事項が評価ランク1の不備事項のみの場合、各不備事項について、調査対象者に対して文書により改善を指示し、その改善結果又は改善計画の報告を求めること。この場合、調査対象者から調査実施者と合意した適切な期日以内に、詳細な改善結果報告書又は具体的な改善計画書を提出させることにより、(1)に準じた取扱いを行って差し支えないこと。ただし、次回のQMS適合性調査において当該不備事項に対する是正措置の有効性を確認すること。また、実地に改善状況の確認を行う必要がある場合においては、適宜調査を行うこと。

(3) 発見された不備事項の評価ランクが3以下の場合((2)の場合を除く。)、評価結果が評価ランク1に分類された事項については、(2)の規定を準用すること。不備事項の評価結果が評価ランク2又は3に分類された不備事項については、調査実施者と合意した適切な期日以内に改善結果報告書(その是正措置についての客観的証拠の提示が求められる)が提出された場合においては、(1)に準じた取扱いを行って差し支えないが、改善が完了しない場合においては、原則として適合状況を「不適合」として評価し、(4)に準じて取り扱うこと。また、評価ランク2及び3に分類された不備事項についても評価ランク1に分類された不備事項と同様に、次回のQMS適合性調査において当該不備事項に対する是正措置の有効性を確認すること。更に、実地に改善状況の確認を行う必要がある場合においては適宜調査を行うこと。

(4) 上記のいずれにも該当しない場合、調査対象者の製造管理又は品質管理の方法は、「不適合」に該当するものであること。ただし、評価結果が評価ランク4以上に分類された事項について、指摘事項書の交付から15日以内(新規のQMS適合性調査申請の場合においては、当該申請に対する処分の前)に改善結果報告書が提出された場合に限り、(3)における評価結果が評価ランク2又は3に分類された不備事項に準じて取り扱って差し支えないこと。評価結果が評価ランク3以下に分類された事項について、(3)の規定を準用すること。なお、不備事項の内容が製品品質に重大な影響を及ぼすものであった場合、上記対応の他、調査実施者は速やかに厚生労働省に相談すること。また、既に該当の品目(製品)について自主回収に着手していたことをもって直ちに不備の指摘が撤回されるものではないこと。

3.2 申請ごと品目ごとの適合性評価基準

(1) 3.1に基づき各調査対象者の適合性評価を行った結果、「不適合」に該当する調査対象者がなく、各調査対象者が適切に連携を図っていると評価される場合、法第23条の2の5第2項第4号に該当しないものであること。

(2) 上記以外の場合、法第23条の2の5第2項第4号に該当するものであること。

別紙6

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別紙7

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別紙8

別紙9

別添1

別添2

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