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○都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)について

(平成29年6月20日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課通知)

都道府県知事が承認する漢方製剤については、「都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いについて」(平成29年3月31日薬生薬審発0331第21号。以下「事務取扱通知」という。)により、その取扱いについて通知したところですが、今般、都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)を別添のとおり取りまとめましたので、貴管下関係業者に対し、周知するとともに、円滑な事務処理が行われるよう御配慮をお願いします。

[別添]

都道府県知事が承認する漢方製剤の製造販売承認事務の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)

Q1 「一般用漢方製剤製造販売承認基準」(「一般用漢方製剤製造販売承認基準について」(平成29年3月28日薬生発0328第1号厚生労働省医薬・生活衛生局長通知別添)。以下「漢方承認基準」という。)に記載されている全ての漢方製剤の承認権限が都道府県知事に委任されるのか。

A1 都道府県知事が承認をすることができるのは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行令第80条第2項第5号の規定に基づき厚生労働大臣が指定する医薬品の種類等」(昭和45年厚生省告示第366号。以下「告示」という。)の漢方製剤の項に規定されたものに限られる。

また、漢方承認基準に規定されるものと日本薬局方(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第41条第1項の規定により定めるものをいう。以下同じ。)医薬品各条に規定されたもののうち告示の別表第19に規定されるもの(以下「漢方処方エキス」という。)とでは、構成生薬の種類や分量の表示方法が異なる場合があるため、留意すること。

Q2 大建中湯エキスの構成生薬と分量について

事務取扱通知の別紙の2(4)において、「満量に1/2以上1以下を乗じた量」のものについて都道府県知事が承認することとし、例が示されている。

大建中湯エキスに関する次の例の場合は、都道府県知事が承認するものに該当するか。

例 1/2処方で申請があった場合

 

 

 

 

 

申請のあった処方(1/2処方)

 

無コウイ大建中湯エキス

サンショウ

1g

ニンジン

1.5g

カンキョウ

2.5g

コウイ

5g

 

A2 例におけるコウイの量は5gであるが、申請のあった処方は1/2処方である。申請のあった処方を満量処方における分量に換算した場合、コウイの分量が告示に定める20gではないため、都道府県知事が承認するものには該当しない。

 

申請のあった処方を満量処方に換算した場合

日本薬局方医薬品各条及び告示に規定された分量

無コウイ大建中湯エキス

サンショウ

2g

2g

ニンジン

3g

3g

カンキョウ

5g

5g

コウイ

10g

20g

Q3 告示中漢方製剤の項第2項に規定される「日本薬局方医薬品各条の当該有効成分の製法欄に記載される方法で製するもの」について

漢方処方エキスに生薬末や化成品等を配合した製剤は厚生労働大臣が承認するものに該当することでよいか。

A3 生薬末、化成品等の告示で示された漢方処方エキス以外のものを配合した製剤は、厚生労働大臣が承認するものに該当する。

Q4 次の例のような方法で製するエキス剤は、厚生労働大臣が承認するものに該当するか。

・エキスを製する際に、酵素を添加して処理する。

・抽出後の液に有機溶媒を加えて遠心分離して多糖類を除く。

A4 厚生労働大臣が承認するものに該当する。

なお、例のような特殊な製法で作られたものは、従来の漢方処方とは本質が変化している可能性があるため、新有効成分に該当する可能性がある点に留意すること。

Q5 都道府県知事が承認する漢方製剤の剤形に経口液剤(ドリンク剤)や丸剤は含まれるのか。

A5 都道府県知事が承認する漢方製剤の剤形に、経口液剤(ドリンク剤)や丸剤は含まれない。

Q6 次の既承認品目は、都道府県知事が取り扱う品目に移行するのか。

(1) 漢方承認基準に規定された効能・効果と「配置販売品目指定基準」(昭和36年厚生省告示第16号。以下「旧配置基準」という。)の効能・効果を併記した既承認品目

(2) 旧配置基準の効能・効果のみの既承認品目

A6 (1)、(2)ともに都道府県知事が承認するものには該当しない。

当該品目の承認事項一部変更承認申請(以下「一変」という。)及び軽微変更届は、従来どおり厚生労働大臣が取り扱う。

Q7 成分及び分量又は本質欄について

ブシ末やコウイのように日本薬局方医薬品各条において複数の加工法が定められている構成生薬の場合、例えば、ブシ末1からブシ末2へ変更する場合は、軽微変更届を提出することでよいか。

A7 軽微変更届により変更する事項には該当しない。

日本薬局方医薬品各条において複数の加工法が定められている構成生薬について、その加工法を変更する場合は、一変により行うこと。

(「第十六改正日本薬局方の制定に伴う医薬品等の承認申請等に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成23年4月8日厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡Q26参照))

Q8 申請書に記載する効能又は効果欄の記載方法について

告示中別表第19の効能及び効果の欄の記載と漢方承認基準の[効能・効果]の項の記載には、漢字、送り仮名等に相違があるが、申請書にはどちらの表記を用いればよいか。

また、「一般用漢方製剤承認基準」(平成24年8月30日薬食審査発0830第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知別添1)から漢方承認基準に改正されたことにより、[効能・効果]の項において読点等が追加されているものや削除されているものがある。既承認品目における承認書の記載を漢方承認基準に合わせる場合は軽微変更届で対応することでよいか。

A8 漢方承認基準の[効能・効果]の項の表記のとおり記載すること。

また、「一般用漢方製剤承認基準」からの改正により、漢方承認基準において読点等が追記等されているものについては、他の理由により一変又は軽微変更届を行う機会があるときに合わせて変更することで差し支えない。

その他、記載方法については、「一般用漢方製剤の承認申請等に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成23年1月4日厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡)のとおりとする。

Q9 事務取扱通知の別紙の4(2)に規定された用法及び用量を設定する場合に提出する資料として、どのような承認前例又は出典を添付すればよいか。

A9 原則、申請する品目におけるものと構成生薬の種類及びそれぞれの分量(満量処方に換算した場合の分量)が同じ承認前例又は出典を添付すること。

出典に基づいて用法及び用量を設定する場合は、単一の出典に基づいて説明すること。複数の出典を組み合わせて説明することは認められない。

Q10 「承認基準の定められた一般用医薬品の申請書の記載及び添付資料の取扱い等について」(平成5年1月29日薬審第85号厚生省薬務審査課長通知)の表3において、純度試験、灰分、酸不溶性灰分及びエキス含量は必要に応じて設定するものとされているが、どのような場合に設定が必要か。

A10 次の事項を参考に、品質管理を行う上で必要な規格を設定すること。

(1) 純度試験

ア 重金属及びヒ素について

製造工程での混入がないことを客観的に説明できる場合は、設定する必要はない。

イ 車腎気丸エキス製剤、真武湯エキス製剤及び八味地黄丸エキス製剤について

日本薬局方医薬品各条に定められた漢方処方エキスの項に準じて、純度試験に次の事項を必ず規定すること。

ブシジエステルアルカロイド(アコニチン、ジェサコニチン、ヒパコニチン及びメサコニチン)

(2) 灰分、酸不溶性灰分及びエキス含量について

日本薬局方医薬品各条に定められた漢方処方エキスの項の規格並びに申請のあった製剤の他の規格及び試験方法を考慮したうえで、合理的な理由がある場合には設定する必要はない。