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○国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令の施行について
(平成27年3月31日)
(/老高発0331第2号/国住心第227号/)
(各都道府県・各指定都市・各中核市住宅担当部長、福祉担当部長あて厚生労働省老健局高齢者支援課長・国土交通省住宅局安心居住推進課長通知)
「公営住宅法第四十五条第一項の事業等を定める省令及び国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(平成27年厚生労働省・国土交通省令第1号。以下「改正省令」という。)は平成27年3月27日に公布され、同年4月1日より施行されることとなっている。
改正省令の施行に当たっては、下記事項にご留意の上、法令に基づくサービス付き高齢者向け住宅制度の的確かつ円滑な運用が図られるようお願いする。
記
第1 改正の趣旨
高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。以下「法」という。)第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅事業の登録(以下「登録」という。)については、国土交通省・厚生労働省関係高齢者の居住の安定確保に関する法律施行規則(平成23年厚生労働省令・国土交通省令第2号。以下「施行規則」という。)第11条において、一定の資格を有する者(以下「資格者」という。)がサービス付き高齢者向け住宅の敷地又は当該敷地に隣接する土地に存する建物に常駐し、状況把握サービス及び生活相談サービスを提供することを登録基準として規定しているところ、特に空家を活用してサービス付き高齢者向け住宅を整備する場合、当該登録基準に適合した常駐場所を確保することが困難な状況となっている。
今般、空家を活用してサービス付き高齢者向け住宅を整備するニーズが高まっていること等を踏まえて、当該登録基準について見直すこととした。
また、同条において、状況把握サービスの提供方法等が登録基準として明確に規定されていなかったところ、今般、入居者の安全及び安心を確保するため、状況把握サービスの提供方法等の登録基準についても規定することとした。
第2 改正の概要等
1.資格者が常駐する場所の見直し(施行規則第11条第1項関係)
(1) 改正省令による改正前の施行規則(以下「旧施行規則」という。)では、資格者が常駐する場所について、サービス付き高齢者向け住宅の敷地又は当該敷地に隣接する土地に存する建物としていたところ、これに「サービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物」を加えることとする。
(2) 「サービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物」は、サービス付き高齢者向け住宅の敷地から歩行距離で概ね500m以内に存する建物とする。改正省令による改正後の施行規則(以下「新施行規則」という。)第7条第1号の規定により提出されるサービス付き高齢者向け住宅及び資格者が常駐する場所の位置を表示した付近見取図並びに新施行規則別記様式第1号の登録申請書に記載されるサービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物の所在地等に基づき、判断されたい。
2.状況把握サービスの提供方法等の明確化(新施行規則第11条第2項、第3項及び第4項関係)
(1) 旧施行規則では、状況把握サービスの提供方法等について明確に規定されていなかったところ、状況把握サービスについては、資格者が「各居住部分への訪問その他の適切な方法」により、毎日一回以上、提供することとする。なお、資格者が常駐していない日においても、当該状況把握サービスを提供しなければならないことに留意されたい。
(2) 「各居住部分への訪問その他の適切な方法」は、居住部分への訪問、電話、居住部分内での入居者の動体を把握できる装置による確認、食事サービス等の提供時における確認等、資格者が能動的に入居者の状況を把握する方法とする。新施行規則別記様式第1号の登録申請書に記載される毎日1回以上の状況把握サービスの提供方法等に基づき、判断されたい。
(3) 「各居住部分への訪問その他の適切な方法」について、資格者がサービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物に常駐する場合において、入居者から居住部分への訪問を希望する旨の申出があったときは、訪問に限られる。なお、入居者からの申出は、入居契約締結の前後を問わないが、入居契約締結の前に入居しようとする者に対し十分説明の上、申出の有無の確認を行うことが望ましい。
(4) 新施行規則においても、資格者が常駐していない時間は、各居住部分に、入居者の心身の状況に関し必要に応じて通報する装置を設置して状況把握サービスを提供することとしているが、入居者の心身の状況に応じて、資格者が常駐する体制を確保することが望ましい。
3.経過措置(改正省令附則第2条及び第3条関係)
(1) 平成27年4月1日前に登録を受けた者又は登録の申請をしている者は、旧施行規則第11条の登録基準が適用される。
(2) 平成27年4月1日前に登録を受けた者又は登録の申請をしている者が提出している登録申請書の添付書類及び登録申請書は、旧施行規則第7条第1号及び別記様式第1号の様式が適用される。当該者が登録申請書の添付書類又は登録申請書の記載事項の変更の届出を行う場合、新施行規則第7条第1号又は新施行規則別記様式第1号の様式により新たに記載が求められる事項を届け出る必要はない。
(3) 平成27年4月1日前に登録を受けた者又は登録の申請をしている者が平成27年4月1日以後に法第5条第2項の登録の更新を受けようとする場合は、新施行規則の規定が適用される。
第3 留意事項
1.新施行規則の適用について
改正省令により、空家を活用したサービス付き高齢者向け住宅の供給促進等を図ることとしているが、平成27年4月1日以後に登録(法第5条第2項の登録の更新を含む。)の申請をする者には、当該登録に係るサービス付き高齢者向け住宅が空家か否かに関わらず、新施行規則の規定が一律に適用されることに留意されたい。
2.一の建物に常駐する資格者が複数のサービス付き高齢者向け住宅に状況把握サービス及び生活相談サービスを提供する場合の扱いについて
(1) 改正省令により、サービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物を資格者が常駐する場所とすることが可能となることから、一の当該建物に常駐する資格者が複数のサービス付き高齢者向け住宅に状況把握サービス及び生活相談サービスを提供することも考えられる。この場合においても、法第5条第1項の規定に基づき、登録は建築物ごとになることに留意されたい。
(2) (1)の場合、1名の資格者が複数のサービス付き高齢者向け住宅に状況把握サービス及び生活相談サービスを提供することも考えられるが、当該資格者が状況把握サービス及び生活相談サービスを提供するためにサービス付き高齢者向け住宅に訪問しているときに、一の当該建物に資格者が1名も配置されなくなる場合は、当該サービス付き高齢者向け住宅以外のサービス付き高齢者向け住宅において資格者が常駐していないことになることに留意されたい。
3.平成27年4月1日前に登録を受けた者又は登録の申請をしている者が常駐場所を移設する場合の扱いについて
平成27年4月1日前に登録を受けた者又は登録の申請をしている者が、サービス付き高齢者向け住宅の敷地に近接する土地に存する建物を資格者が常駐する場所とする場合は、法第13条第1項第1号の登録の抹消の申請を行った上で、新たに登録の申請を行わなければならないことに留意されたい。
第4 その他
「高齢者の安全・安心の観点等を踏まえたサービス付き高齢者向け住宅制度の適確な実施等について」(平成25年7月31日老高発0731第1号・国住心第84号厚生労働省老健局高齢者支援課長・国土交通省住宅局安心居住推進課長通知)第2「1 状況把握サービス及び生活相談サービスの提供体制に関する事項」の規定は、平成27年4月1日以後に登録(法第5条第2項の登録の更新を含む。)の申請をする者には適用しない。
以上