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○サービス付き高齢者向け住宅の状況把握サービスに係る登録基準への不適合物件に対する指導等の徹底について
(平成27年12月22日)
(/老高発1222第2号/国住心第174号/)
(各都道府県・各指定都市・各中核市住宅担当部長、福祉担当部長あて厚生労働省老健局高齢者支援課長・国土交通省住宅局安心居住推進課長通知)
本年8月4日に、大阪府大阪市のサービス付き高齢者向け住宅において、入居者に状況把握サービスが提供されず、当該住宅内において入居者の死亡が数日見過ごされるという事案が発生した。高齢者が安心して住める住まいとして、入居者への状況把握サービスの提供が義務付けられているサービス付き高齢者向け住宅において、このような事案が発生したことは、誠に遺憾である。
今後、このような事案が発生することを防止するため、下記により、状況把握サービスに係る登録基準への不適合物件に対する指導等の徹底を図られたい。
なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定による技術的な助言である。
記
1.状況把握サービスの提供に係る登録基準の取扱について
サービス付き高齢者向け住宅については、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号。以下「高齢者住まい法」という。)第7条第1項第5号の規定により、その登録基準として、「入居者に状況把握サービスを提供するものであること」が求められている。たとえ、入居者より状況把握サービスの提供を希望しない旨の意思表示がなされている場合であっても、サービス付き高齢者向け住宅として登録を受けている限りは、当該サービスを提供することが必要である。
従って、入居者が居住部分への訪問による状況把握サービスの提供を希望しない場合であっても、電話、居住部分内での入居者の動体を把握できる装置による確認、食事サービスの提供時における確認等のその他の適切な方法により、状況把握サービスを提供することが必要である。
2.是正指導等の徹底
サービス付き高齢者向け住宅のサービス向上を図り、高齢者が安心して入居できるよう、都道府県等におかれては、高齢者住まい法第24条第1項に基づく報告徴収や立入検査等を実施し、指導監督を的確に実施いただくとともに、状況把握サービスの提供に係る登録基準に不適合である物件を把握した場合は、速やかに当該サービス付き高齢者向け住宅の登録事業者に対する是正の指導を実施されたい。
また、指導によっても法令違反が是正されない場合には、高齢者住まい法第7条第1項第5号違反として、同法第25条第2項に基づき、期限を明示した上で、是正の指示を実施されたい。
さらに、指示によっても法令違反が是正されない場合には、高齢者住まい法第26条第2項第2号に基づき、登録の取消しを実施されたい。
なお、登録の取消しを実施した場合、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者からの問合せに応じて、当該入居者に適した諸条件が整った他の賃貸住宅等のリストを提示したり、入居に必要な公的主体による支援措置を紹介したりするなど、必要な援助を行うよう努め、入居者の居住の安定が確保されるよう配慮されたい。
3.その他
「サービス付き高齢者向け住宅整備事業」により補助を受けている物件について、サービス付き高齢者向け住宅の登録が取り消された場合や重大な法令違反等の不適当な行為をした場合にあっては、「高齢者等居住安定化推進事業補助金交付要綱」(平成22年3月31日国住備第191号)、「スマートウェルネス住宅等推進事業補助金交付要綱」(平成26年3月31日国住心第178号)等の規定に基づき、補助事業者に対し補助金の返還を求めることとなるので、上記の是正の指導や指示の際に、この旨周知されたい。
以上