添付一覧
○放課後等デイサービス事業所の質の向上のための取組について
(平成29年4月3日)
(障障発0403第1号)
(各都道府県・各指定都市・各児童相談所設置市障害保健福祉主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長通知)
(公印省略)
障害児通所支援事業の運営等については、児童福祉法(昭和22年法律第164号)等に基づき行われているところであるが、社会保障審議会障害者部会報告書(平成27年12月14日)において、「放課後等デイサービスなどの障害児通所支援については、発達支援を必要とする障害児のニーズに的確に対応するため、質の向上と支援内容の適正化を図る観点から、放課後等デイサービスガイドラインの活用を徹底するとともに、発達支援等の子どもに関する支援の専門的な知識・経験を有する者の配置を求めるほか、障害児本人の発達支援のためのサービス提供を徹底するなど、制度面・運用面の見直しを行うべき」とされたところである。
このため、今般、「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令」(平成29年厚生労働省令第6号。以下「基準改正省令」という。)及び「障害児通所支援又は障害児入所支援の提供の管理を行う者として厚生労働大臣が定めるものの一部を改正する告示」(平成29年厚生労働省告示第83号。以下「改正告示」という。)を公布し、平成29年4月1日から施行することとしたところである。基準改正省令の趣旨及び内容は、「「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」等の一部改正について」(平成29年3月31日障発0331第17号。以下「通知」という。)においても示しているところであるが、基準改正省令、改正告示の趣旨及び内容並びに放課後等デイサービス事業所の質の向上のための取組について、下記のとおりまとめたので、御了知の上、貴管内市区町村、関係機関等に周知徹底を図るとともに、その運用に遺憾のないようにされたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。
記
1.児童発達支援管理責任者の資格要件の見直しについて
障害児支援は、子どもの成長・発達を支援するものであり、適切な発達支援の提供を行うためには、子どもの発達支援を行うための基礎的な知識・経験を有する者を配置することが必要と指摘されている。また、児童発達支援管理責任者は、障害児の個々のアセスメントや個別支援計画の作成などに関する責任者であるとともに、他の職員に対する指導的役割も担う、障害児支援を提供する上で重要な役割を担う職員である。このため、改正告示において、保育所等における子どもに対する支援経験年数を実務経験年数に新たに算入できることとするとともに、障害児、児童又は障害者に対する支援の経験年数が3年以上であることを必須化することとした。
なお、保育所等における子どもに対する支援経験については、被支援者が障害児に該当するか否かを問わず、子どもを支援した年数を算入して差し支えないものとし、また、これまでの児童発達支援管理責任者としての経験年数についても算入して差し支えないものとする。
2.放課後等デイサービス事業所の人員配置基準の見直し等について
(1) 人員配置基準の見直し
基準改正省令により、指定放課後等デイサービスの人員配置基準上必要な職員を「指導員又は保育士」から「児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者」に見直し、そのうち、児童指導員又は保育士を半数以上配置することとしたところであるが、これは、サービス提供時間帯において最低1人は子どもに関する支援の専門的な知識・経験を有する者が配置されることを目的としたものである。なお、通知に示したとおり、当該規定は人員配置基準上必要な数の職員について適用されるものであり、例えば定員10名の事業所であれば、人員配置基準上必要な職員の数である2名については児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者であり、かつ、そのうちの1名は児童指導員又は保育士である必要がある。そして、2名に加えて職員を配置している場合においては、当該職員については児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者である必要はない。
また、指導員加配加算については、これまでどおり児童指導員、保育士又は障害福祉サービス経験者以外の職員であっても算定できるものである。
(2) 放課後等デイサービスガイドラインの遵守及び自己評価結果公表の義務付け
基準改正省令において、放課後等デイサービスガイドライン(平成27年4月1日障発0401第2号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)の内容に沿った評価項目を規定し、当該項目に基づいた評価を行うことを義務付け、質の評価及び改善の内容をおおむね1年に1回以上公表しなければならない旨を規定したところであるが、個々の自治体で独自に放課後等デイサービスの質の担保のためのガイドライン等を作成している場合にあっては、当該ガイドライン等に沿った評価項目を設定して差し支えないものとする。
また、通知に示したとおり、放課後等デイサービスの提供に当たっては、放課後等デイサービスガイドラインを参考にし、個々の障害児の身体その他の状況及びその環境に応じた適切な支援を行わなければならない。
3.放課後等デイサービス事業所に係る情報公表について
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律(平成28年法律第65号)において、利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるようにするとともに、障害福祉サービス等事業所の質の向上を図るため、平成30年4月から障害福祉サービス等における情報公表制度を開始することとしている。
これを踏まえ、放課後等デイサービス事業所については、情報公表制度を試行することとし、平成29年4月1日以降に指定を受けた放課後等デイサービス事業所においては、支援の提供を開始するとき、少なくとも以下の情報について都道府県等の指定権者に提供した上で、事業所のホームページ等における公表に努めることとする。
なお、都道府県等の指定権者は、事業者に対して、提供された情報について公表することを促すこととし、情報の提供がない場合においては、実地指導などにより、当該情報の把握に努められたい。
①職員の配置状況(職員の経験年数や資格等)
②主な支援内容及び1日の流れ
③貸借対照表や損益計算書などの財務諸表
なお、貸借対照表や損益計算書などを含め、NPO法人の財務状況を監査する監事については、公認会計士又は税理士を登用することが望ましいこととし、株式会社の監査役も同様とすることが望ましいこと。