アクセシビリティ閲覧支援ツール

○旅館業法の遵守の徹底について

(平成27年11月27日)

(生食衛発1127第1号)

(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課長通知)

(公印省略)

平成26年7月10日付け当職通知「旅館業法の遵守の徹底について」において、自宅等の建物を活用する場合においても宿泊料と見なすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む者については、旅館業法第3条の許可を取得する必要がある旨をお示しするとともに、同法の遵守についての周知徹底及び事業者への指導徹底を求めているところですが、今般、本通知に基づく各自治体における対応状況等について、本年7月に依頼したフォローアップ調査の結果を取りまとめましたので、情報提供いたします。(別添1)

貴職におかれましては、本調査結果においてお示しした「旅館業法の無許可営業者に対する指導(等)事例」なども参考にしていただき、悪質な事例や住民とのトラブル事例が発生していることなどを踏まえ、引き続き、関係機関とも必要な連携を図りながら、適切な指導等に努めていただくとともに、旅館業法に関する正しい情報の発信等に努めていただくよう、よろしくお願いいたします。

特に、最近では、マンション等の共同住宅を使用した事例として、騒音、ごみ捨てなどに関する住民トラブルのほか、マンション管理規約に違反した住宅以外の目的の使用や、賃貸借契約に違反した目的外使用・無断転貸などの問題も生じており、旅館業法の許可の取扱いに当たっては、管理規約等を踏まえた適正な使用権原の有無等についても留意した対応をお願いいたします。

また、自宅等の建物を活用した宿泊サービスの提供に関し、旅館業法との関係を整理したQ&Aをとりまとめたものを併せて送付いたしますので、適宜、ご活用下さい。(別添2)

なお、自宅等の建物を活用したいわゆる「民泊サービス」のあり方については、「規制改革実施計画」(平成27年6月30日閣議決定)において、「インターネットを通じ宿泊者を募集する一般住宅、別荘等を活用した民泊サービスについては、関係省庁において実態の把握等を行った上で、旅館・ホテルとの競争条件を含め、幅広い観点から検討し、結論を得る(平成27年検討開始、平成28年結論)」とされたところであり、厚生労働省及び観光庁においては、今般、「「民泊サービス」のあり方に関する検討会」を開催し、検討を開始したところです。今後、同検討会における検討結果を踏まえ、必要な措置を講じる予定であることを申し添えます。

(別添1)

旅館業法遵守に関する通知に係るフォローアップ調査結果の概要

厚生労働省医薬・生活衛生局

生活衛生・食品安全部生活衛生課

1 調査の目的

平成26年7月10日付け健衛発0710第2号厚生労働省健康局生活衛生課長通知「旅館業法の遵守について」発出後の各自治体における対応状況等を把握することを目的としたもの。

2 調査の対象

都道府県、保健所を設置する市、特別区(142都道府県市区)

3 調査の内容

平成25年度及び平成26年度における各自治体の相談件数の状況、一般住宅等における営業許可申請の状況や無許可営業を行っていた事例について調査したもの(平成27年7月に実施)。調査結果の概要は次頁以降のとおり。

1.一般住宅等の小規模施設を使用した旅館業の営業許可申請等の状況

(1) 一般住宅等を使用した旅館業の営業許可に関する相談等の状況(自治体数)

①増加した 53(37%)

②減少した 9(6%)

③変わらない 32(23%)

④分からない 48(34%)

⑤合計 142(100%)

(2) 一般住宅等を使用した旅館業の営業許可にあたり、営業の許可ができなかった事例の有無(自治体数)

①ある 46(32%)

②ない 96(68%)

③合計 142(100%)

(3) (2)のうち、営業の許可ができなかった事例の件数(理由別内訳)

①旅館業法関係 92件(43%)

②建築基準法関係 84件(39%)

③消防法関係 6件(3%)

④その他 33件(15%)

⑤合計 215件(100%)

(4) (3)のうち、旅館業法によるものの内訳(件数)

①面積基準 47件(51%)

②面積基準以外の基準 31件(34%)

③その他 14件(15%)

④合計 92件(100%)

2.旅館業法上の営業許可を受けていなかった事案への対応状況について(件数)

(1) 無許可営業の事案把握数 193件

○平成25年度 62件

○平成26年度 131件

(2) 無許可営業の把握方法

 

平成25年度

平成26年度

①保健所における巡回指導等

13件(21%)

58件(44%)

②近隣住民・宿泊者等からの通報

34件(55%)

54件(41%)

③警察・消防等の関係機関からの連絡

15件(24%)

18件(14%)

④その他

0件(―%)

1件(1%)

⑤合計

62件(100%)

131件(100%)

(3) 指導状況(件数)

 

平成25年度

平成26年度

①営業許可を取得した

18件(29%)

25件(19%)

②営業を取りやめた

36件(58%)

73件(55%)

③指導継続中

1件(2%)

11件(8%)

④その他

7件(11%)

24件(18%)

⑤合計

62件(100%)

※133件(100%)

※ 平成25年度からの継続案件を含む。

3.旅館業法の無許可営業者に対する指導(等)事例について

【事例1】 指導に従わず、逮捕されたケース

外国人向けに宿泊施設を紹介するインターネットサイトで、宿泊者を募集し、無許可で自宅の一部で宿泊サービスを提供。

無許可営業であることに加え、旅館業法が定める基準も満たしていなかったため、営業者に対し、保健所が繰り返し指導を実施するが、「シェアハウスであり、宿泊所ではない」と主張し、指導にしたがわず。

住民からの通報を受け、警察が対応し、保健所に照会の上、旅館業法違反の容疑で逮捕。

【事例2】 指導により、営業を取りやめさせたケース①

分譲マンション管理人から、マンションの1室の所有者が転貸して外国人を宿泊させており、指導してほしいとの相談が保健所に寄せられ、保健所が現地調査を実施。

転貸を行っていた所有者に対し、旅館業法違反であることを説明したところ、所有者に違反の認識はなかったが、指導に従い、営業を取りやめ。

【事例3】 指導により、営業を取りやめさせたケース②

旅館業者から、ビル内に外国人が出入りする部屋があり、旅館業法違反の疑いがあるとの通報があり、保健所が現地調査を実施。

不特定の者を宿泊させていることが確認できたため、旅館業法違反であり中止するよう指導。事業者は、指導にしたがい、宿泊施設を紹介するインターネットサイトからの掲載削除の手続き中。

【事例4】 指導により、営業を取りやめさせたケース③

インターネットHPにて確認できた施設について、不動産業者に照会した結果、大学名義で留学生用として契約している物件が登録されていたため、大学の事務局に対して旅館業法の趣旨等を説明を行ったところ、サイトの掲載情報は削除された。なお、留学生が大学の許可なく登録していたもの。

【事例5】 指導により、営業許可に向けた指導を行っているケース①

インターネットHPにて確認できた施設について、所有者に確認したところ、過去に旅館として使用していた施設であり、改めて、旅館業法の営業許可(簡易宿所を予定)を受けることとなった。なお、現在、消防法関係の指導を受けているところであり、営業許可申請は未提出。

【事例6】 指導により、営業許可に向けた指導を行っているケース②

インターネットHPにて、許可台帳に記録のない施設が営業していることを確認し、保健所が現地調査を実施した結果、旅館業法の許可が必要であると判断し、事業者に対しその旨を説明し、許可取得の指導を実施。現在、宿泊営業は行っておらず、許可取得に向けた指導を継続中。

※ この他、営業者と連絡が取れないため、文書を送付する等対応継続中のケースがある。

(別添2)

旅館業法に関するQ&A

Q1 旅館業とはどのようなものですか

A1 旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされています。そのため、「宿泊料」(Q7参照)を徴収しない場合は旅館業法の適用は受けません。

なお、旅館業がアパート等の貸室業と違う点は、①施設の管理・経営形態を総体的にみて、宿泊者のいる部屋を含め施設の衛生上の維持管理責任が営業者にあると社会通念上認められること、②施設を利用する宿泊者がその宿泊する部屋に生活の本拠を有さないこととなります。

Q2 個人が自宅の一部を利用して人を宿泊させる場合は、旅館業法上の許可が必要ですか。

A2 個人が自宅や空き家の一部を利用して行う場合であっても、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に当たる場合(Q1参照)には、旅館業法上の許可が必要です。

Q3 知人・友人を宿泊させる場合でも旅館業法上の許可は必要ですか。

A3 旅館業に該当する「営業」とは、「社会性をもって継続反復されているもの」となります。ここでいう「社会性をもって」とは、社会通念上、個人生活上の行為として行われる範囲を超える行為として行われるものであり、一般的には、知人・友人を宿泊させる場合は、「社会性をもって」には当たらず、旅館業法上の許可は不要と考えられます。

Q4 インターネットを介して知り合った外国の方が来日した際に、自宅の空き部屋に泊まってもらいました。その際、お礼としてお金をもらいましたが、問題ないでしょうか。

A4 日頃から交友関係にある外国の方を泊められる場合は、Q3の場合と同様と考えられます。ただし、インターネットサイト等を利用して、不特定多数の方を対象とした宿泊者の募集を行い、繰り返し人を宿泊させる場合は、「社会性をもって継続反復されているもの」に当たるため、宿泊料と見なされるものを受け取る場合は、旅館業の許可を受ける必要があります。

Q5 営利を目的としてではなく、人とのコミュニケーションなど交流を目的として宿泊させる場合でも、旅館業法上の許可は必要ですか。

A5 人とのコミュニケーションなど交流を目的とすることだけでは旅館業法の対象外とならないため、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」に当たる場合(Q1参照)には、旅館業法上の許可が必要です。

Q6 土日のみに限定して宿泊サービスを提供する場合であっても、旅館業法上の許可は必要ですか。

A6 日数や曜日をあらかじめ限定した場合であっても、宿泊料を受けて人を宿泊させる行為が反復継続して行われる場合は、旅館業法上の許可が必要です。

Q7 「宿泊料」ではなく、例えば「体験料」など別の名目で料金を徴収すれば旅館業法上の許可は不要ですか。

A7 「宿泊料」とは、名目だけではなく、実質的に寝具や部屋の使用料とみなされる、休憩料、寝具賃貸料、寝具等のクリーニング代、光熱水道費、室内清掃費などが含まれます。このため、これらの費用を徴収して人を宿泊させる営業を行う場合には、旅館業法上の許可が必要です。

Q8 旅館業法上の許可を受けないで、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」を行った場合はどうなりますか。

A8 旅館業法第10条では、許可を受けないで旅館業を経営した者は、6月以下の懲役又は3万円以下の罰金に処することとされています。

Q9 旅館業法上の許可を受けるにはどうすればいいですか。

A9 使用する予定の施設の所在する都道府県(保健所を設置する市、特別区を含む。)で申請の受付や事前相談等を行っています。