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○短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る事務の取扱いについて〔厚生年金保険法〕

(平成28年5月13日)

(/保保発0513第1号/年管管発0513第1号/)

(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業推進部門(統括担当)担当理事あて厚生労働省保険局保険課長・厚生労働省年金局事業管理課長通知)

(公印省略)

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。以下「年金機能強化法」という。)の一部が平成28年10月1日に施行されることに伴い、健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(平成28年厚生労働省令第75号。以下「適用拡大省令」という。)が同年3月31日付けで公布されたところである。

これらの法令の内容については、「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の公布について」(平成24年8月22日付け年発0822第1号)及び「健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令の公布について」(平成28年3月31日付け保発0331第7号・年発0331第5号)により日本年金機構理事長あて通知されたところであるが、これらの事務のうち、短時間労働者(事業所に使用される者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第2条に規定する通常の労働者(以下「通常の労働者」という。)の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者(同条に規定する短時間労働者をいう。以下同じ。)又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者をいう。以下同じ。)に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、遺漏のないよう取り扱われたい。

第1 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準等の概要

1 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準

これまで、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準については、昭和55年6月6日付け厚生省保険局保険課長・社会保険庁医療保険部健康保険課長・社会保険庁年金保険部厚生年金保険課長内かん(以下「昭和55年内かん」という。)により、1日又は1週の所定労働時間及び1月の所定労働日数が、同一の事業所において同種の業務に従事する通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上である者を、原則として健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱い、所定労働時間及び所定労働日数が通常の労働者のおおむね4分の3以上を満たさない者であっても、労働日数、労働時間、就労形態、職務内容等を総合的に勘案して被保険者として取り扱うことが適当なものは、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うこととしてきた。

平成28年10月1日(以下「施行日」という。)以降、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準については、年金機能強化法第25条の規定による改正後の健康保険法(大正11年法律第70号)第3条第1項及び年金機能強化法第3条の規定による改正後の厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第12条の規定により、1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数が、同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3基準」という。)である者を、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うこととする。

2 昭和55年内かんの廃止

施行日以降、被保険者資格の取得基準が法律上明確化されることから、施行日をもって昭和55年内かんを廃止することとする。

3 年金機能強化法附則第16条及び第45条の規定により施行日以降引き続き被保険者資格を有する者の取扱い

年金機能強化法附則第16条及び第45条の規定により、4分の3基準及び5要件を満たさない者で、施行日前に健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を取得して、施行日まで引き続き被保険者資格を有するものは、施行日以降引き続き健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うこととなるが、その者が健康保険・厚生年金保険の被保険者資格を喪失する際の判断基準は、なお従前の例によることとする。

4 短時間労働者の健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準

施行日以降、4分の3基準を満たさない者で、次の①から⑤までの5つの要件(以下「5要件」という。)を満たすものは、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱うこととする。

① 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

② 同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること

③ 報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が8万8千円以上であること

④ 学生でないこと

⑤ 年金機能強化法附則第17条第1項及び第46条第1項に規定する特定適用事業所(以下「特定適用事業所」という。)に使用されていること

5 70歳以上の使用される者の該当基準

厚生年金保険法第27条に規定する70歳以上の使用される者(以下「70歳以上の使用される者」という。)は、厚生年金保険の被保険者であった70歳以上の者であって、適用事業所に使用され、かつ、同法第12条各号に定める者に該当するものでないものとされていることから、70歳以上の使用される者の該当基準については、上記1から4までの取扱いを準用することとする。

第2 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得基準等に関する具体的事務の取扱い

1 4分の3基準について

(1) 1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数の取扱い

1週間の所定労働時間及び1月間の所定労働日数とは、就業規則、雇用契約書等により、その者が通常の週及び月に勤務すべきこととされている時間及び日数をいう。

(2) 所定労働時間又は所定労働日数と実際の労働時間又は労働日数が乖離していることが常態化している場合の取扱い

所定労働時間又は所定労働日数は4分の3基準を満たさないものの、事業主等に対する事情の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、実際の労働時間又は労働日数が直近2月において4分の3基準を満たしている場合で、今後も同様の状態が続くことが見込まれるときは、当該所定労働時間又は当該所定労働日数は4分の3基準を満たしているものとして取り扱うこととする。

(3) 所定労働時間又は所定労働日数を明示的に確認できない場合の取扱い

所定労働時間又は所定労働日数が、就業規則、雇用契約書等から明示的に確認できない場合は、実際の労働時間又は労働日数を事業主等から事情を聴取した上で、個別に判断することとする。

2 5要件について

(1) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

① 1週間の所定労働時間とは、就業規則、雇用契約書等により、その者が通常の週に勤務すべきこととされている時間をいう。この場合の「通常の週」とは、祝祭日及びその振替休日、年末年始の休日、夏季休暇等の特別休日(週休日その他概ね1か月以内の期間を周期として規則的に与えられる休日以外の休日)を含まない週をいう。

② 1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動し、通常の週の所定労働時間が一通りでない場合は、当該周期における1週間の所定労働時間の平均により算定された時間を1週間の所定労働時間とする。

③ 所定労働時間が1か月の単位で定められている場合は、当該所定労働時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。

④ 所定労働時間が1か月の単位で定められている場合で、特定の月の所定労働時間が例外的に長く又は短く定められているときは、当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。

⑤ 所定労働時間が1年の単位で定められている場合は、当該所定労働時間を52で除して得た時間を1週間の所定労働時間とする。

⑥ 所定労働時間は週20時間未満であるものの、事業主等に対する事情の聴取やタイムカード等の書類の確認を行った結果、実際の労働時間が直近2月において週20時間以上である場合で、今後も同様の状態が続くことが見込まれるときは、当該所定労働時間は週20時間以上であることとして取り扱うこととする。

⑦ 所定労働時間が、就業規則、雇用契約書等から明示的に確認できない場合は、実際の労働時間を事業主等から事情を聴取した上で、個別に判断することとする。

(2) 同一の事業所に継続して1年以上使用されることが見込まれること

① 期間の定めがなく使用される場合及び使用期間が1年以上である場合は、継続して1年以上使用されることが見込まれることとして取り扱うこととする。

② 使用期間が1年未満である場合であっても、次の(i)及び(ii)のいずれかに該当するときは、継続して1年以上使用されることが見込まれることとして取り扱うこととする。

(i) 就業規則、雇用契約書等その他書面においてその契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていること

(ii) 同一の事業所において同様の雇用契約に基づき使用されている者が更新等により1年以上使用された実績があること

③ 上記②(i)及び(ii)のいずれかに該当する場合であっても、労使双方により1年以上使用しないことについて合意されていることが確認されたときは、継続して1年以上使用されることが見込まれないこととして取り扱うこととする。

④ 当初は継続して1年以上使用されることが見込まれなかった場合であっても、その後において、継続して1年以上使用されることが見込まれることとなったときは、その時点から継続して1年以上使用されることが見込まれることとして取り扱うこととする。

(3) 報酬(最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するものを除く。)の月額が8万8千円以上であること

① 「最低賃金法で賃金に算入しないものに相当するもの」とは、次の(i)から(vi)までに掲げるものとする。

(i) 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)

(ii) 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)

(iii) 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)

(iv) 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金

(v) 深夜労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分

(vi) 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)

② 報酬が、月給、週給等一定の期間で定められる場合は、被保険者の資格を取得した日現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額を報酬月額とする。

③ 報酬が、日給、時間給、出来高給又は請負給の場合は、被保険者の資格を取得した月前1月間に同一の事業所において、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額とする。

④ 上記②又は③の方法で報酬月額を算定することが困難である場合は、被保険者の資格を取得した月前1月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額を報酬月額とする。

⑤ 上記②から④までのうち、2つ以上に該当する報酬を受ける場合は、それぞれについて上記②から④までの方法によって算定した額の合算額を報酬月額とする。

⑥ 上記③又は④の方法で報酬月額を算定する場合で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が当該事業所又は当該地方に存在しないときは、就業規則、雇用契約書等に基づき、個別に報酬月額を算定することとする。

(4) 学生でないこと

適用拡大省令第1条の規定による改正後の健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)第23条の6第1項及び適用拡大省令第2条の規定による改正後の厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号)第9条の5第1項の規定により、卒業を予定している者であって適用事業所に使用されることとなっているもの、休学中の者及び定時制の課程等に在学する者その他これらに準ずる者は、学生でないこととして取り扱うこととするが、この場合の「その他これらに準ずる者」とは、事業主との雇用関係を存続した上で、事業主の命により又は事業主の承認を受け、大学院等に在学する者(いわゆる社会人大学院生等)とする。

(5) 特定適用事業所に使用されていること

年金機能強化法附則第17条第12項及び第46条第12項に規定する特定適用事業所とは、事業主が同一である1又は2以上の適用事業所であって、当該1又は2以上の適用事業所に使用される通常の労働者及びこれに準ずる者の総数が常時500人を超えるものの各適用事業所とされているが、この場合の「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」、「通常の労働者及びこれに準ずる者」及び「常時500人を超える」とは、次の①から③までのとおりとする。

① 「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」

(i) 適用事業所が法人事業所の場合、法人そのものを事業主として取り扱い、同一法人格に属する全ての適用事業所を「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」として取り扱うこととする。

(ii) 適用事業所が個人事業所の場合、個人事業主を事業主として取り扱い、事業主が同一である適用事業所は現在の適用事業所の単位のほかに無いものとして取り扱うこととする。

(iii) 適用事業所が国の事業所の場合、国に属する全ての適用事業所を「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」として取り扱うこととする。

(iv) 適用事業所が地方公共団体の事業所の場合、各地方公共団体を事業主として取り扱い、同一の地方公共団体に属する全ての適用事業所を「事業主が同一である1又は2以上の適用事業所」として取り扱うこととする。

② 「通常の労働者及びこれに準ずる者」

厚生年金保険の被保険者資格を有する者を「通常の労働者及びこれに準ずる者」として取り扱うこととする。

③ 「常時500人を超える」

事業主が同一である1又は2以上の適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が、1年間のうち6月間以上500人を超えることが見込まれる場合を「常時500人を超える」として取り扱うこととする。

第3 事業主による届出等に関する具体的事務の取扱い

1 特定適用事業所に該当したときの届出

事業主は、適用事業所が特定適用事業所となったときは、当該事実が発生した日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険特定適用事業所該当/不該当届(別紙1)」を日本年金機構・健康保険組合(以下「機構等」という。)に届け出るものであること。

なお、事業主が法人であるときは、本店又は主たる事業所の事業主のみが届け出るものであること。

2 特定適用事業所に該当しなくなったときの申出

特定適用事業所に係る不該当の申出は、「健康保険・厚生年金保険特定適用事業所該当/不該当届(別紙1)」に、以下の書類を添えて事業主が機構等に提出することにより行うものであること。

① 労働組合の同意に基づき不該当の申出を行う場合

同意対象者の4分の3以上で組織する労働組合の同意に基づき申出を行う場合は、当該労働組合の同意を得た旨の同意書(平成29年4月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大に係る事務の取扱いについて(平成29年3月17日付保保発0317第2号・年管管発0317第5号。以下「平成29年4月施行通知」という。)に定める別紙2)及び労働組合の現況を確認する証明書(平成29年4月施行通知に定める別紙3)

② 4分の3以上を代表する者の同意に基づき不該当の申出を行う場合

同意対象者の4分の3以上を代表する者(以下「4分の3以上代表者」という。)の同意に基づき申出を行う場合は、当該4分の3以上代表者の同意を得た旨の同意書(平成29年4月施行通知に定める別紙2)及び4分の3以上代表者であることを証明する証明書(平成29年4月施行通知に定める別紙3)

③ 同意対象者から個別に同意を得て不該当の申出を行う場合

同意対象者から個別に同意を得て不該当の申出を行う場合は、4分の3以上の同意対象者からの同意書(平成29年4月施行通知に定める別紙4―1又は4―2)

なお、事業主が法人であるときは、本店又は主たる事業所の事業主のみが提出するものであること。

3 被保険者等に係る短時間労働者であるかないかの区別の変更があったときの届出

(1) 事業主は、被保険者に係る短時間労働者であるかないかの区別に変更があったときは、当該事実が発生した日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険被保険者区分変更届/厚生年金保険70歳以上被用者区分変更届(別紙2)」を機構等に届け出るものであること。

(2) 事業主は、70歳以上の使用される者に係る短時間労働者であるかないかの区別に変更があったときは、当該事実が発生した日から5日以内に、「健康保険・厚生年金保険被保険者区分変更届/厚生年金保険70歳以上被用者区分変更届(別紙2)」を日本年金機構に届け出るものであること。

4 その他

事業主は、次の(1)から(9)までに掲げる届書を機構等に提出するときは、これらの届書に、被保険者等に係る短時間労働者であるかないかの区別を附記するものであること。

(1) 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

(2) 厚生年金保険70歳以上被用者該当・不該当届

(3) 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届

(4) 厚生年金保険70歳以上被用者算定基礎・月額変更・賞与支払届

(5) 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届

(6) 健康保険・厚生年金保険育児休業等終了時報酬月額変更届

(7) 厚生年金保険70歳以上被用者育児休業等終了時報酬月額変更届

(8) 健康保険・厚生年金保険産前産後休業終了時報酬月額変更届

(9) 厚生年金保険70歳以上被用者産前産後休業終了時報酬月額変更届

(別紙1)

(別紙2)