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○健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令の公布について〔健康保険法〕

(平成28年3月31日)

(/保発0331第7号/年発0331第5号/)

(日本年金機構理事長あて厚生労働省保険局長・厚生労働省年金局長通知)

(公印省略)

健康保険法施行規則及び厚生年金保険法施行規則の一部を改正する省令(平成28年厚生労働省令第75号)が本日公布されたので通知する。

この省令の趣旨及び主な内容は下記のとおりであるので、その内容につき御了知いただくとともに、実施に当たっては、貴機構において周知徹底を図り遺漏のないよう取り扱われたい。

第1 省令の趣旨

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。以下「年金機能強化法」という。)の一部の施行に伴い、短時間労働者(事業所に使用される者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第2条に規定する通常の労働者(以下「通常の労働者」という。)の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者(同条に規定する短時間労働者をいう。以下同じ。)又はその1月間の所定労働日数が同一の事業所に使用される通常の労働者の1月間の所定労働日数の4分の3未満である短時間労働者をいう。以下同じ。)に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大についての必要な事項を定めるもの。

第2 省令の主な内容

1 健康保険法施行規則(大正15年内務省令第36号)の一部改正

(1) 年金機能強化法附則第46条第1項の規定により、同項に規定する特定適用事業所以外に使用される短時間労働者は被保険者としないとされているところ、特定適用事業所となった適用事業所の事業主(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所の事業主)は、次の①から③までに掲げる事項を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出することとすること。(第23条の2関係)

① 事業所(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所)の名称及び所在地

② 特定適用事業所となった年月日

③ 事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

(2) 年金機能強化法附則第46条第2項の規定により、特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所は引き続き特定適用事業所であるものとみなされるが、当該適用事業所の事業主が、その使用する者のうち健康保険の被保険者であるものの4分の3以上の同意を得て、厚生労働大臣に申出をした場合は、この限りでないとされているところ、当該申出は、当該適用事業所の事業主が、次の①から③までに掲げる事項を記載した申出書を厚生労働大臣に提出することによって行うこととすること。(第23条の3関係)

① 事業所(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所)の名称及び所在地

② 特定適用事業所に該当しなくなった年月日

③ 事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

(3) 年金機能強化法第25条の規定による改正後の健康保険法(大正11年法律第70号。以下「改正後健康保険法」という。)第3条第1項第9号ハに規定する最低賃金法(昭和34年法律第137号)第4条第3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものについて、次の①から⑥までに掲げるものとし、これらについては、改正後健康保険法第3条第1項第9号ハに規定する短時間労働者の被保険者資格の取得要件の一つである報酬月額8万8千円には含めないこととすること。(第23条の4関係)

① 臨時に支払われる賃金

② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金

③ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金

④ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金

⑤ 深夜労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分

⑥ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(最低賃金法第4条第3項第3号に掲げる賃金をいう。)

(4) 上記(3)の報酬の算定に当たっては、改正後健康保険法第3条第1項第9号ハに規定する健康保険法第42条第1項の規定の例による次の①から④までに掲げる算定方法により行うものとすること。(第23条の5関係)

① 月給、週給等一定の期間で報酬が定められる場合は、被保険者の資格を取得した日現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額

② 日給、時間給、出来高給又は請負給の場合は、被保険者の資格を取得した月前1月間に現に使用される事業所において、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額

③ 上記①及び②の方法で報酬を算定することが困難である場合には、被保険者の資格を取得した月前1月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額

④ 上記①から③までの項目のうち、2つ以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて上記①から③までの方法によって算定した額の合算額

(5) 改正後健康保険法第3条第1項第9号ニに規定する学生の範囲について、学校教育法(昭和22年法律第26号)に規定する高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(大学院を含む。)、短期大学、高等専門学校及び専修学校その他これに準ずる学校等に在学する生徒又は学生とすること。

なお、上記の生徒又は学生のうち、次の①から④までに掲げる者については、上記の学生の範囲に含まれないこととする。(第23条の6関係)

① 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ適用事業所に使用されることとなっている者

② 休学中の者

③ 大学の夜間学部及び高等学校の夜間等の定時制の課程等に在学する者

④ その他これらに準ずる者

(6) 改正後健康保険法第41条第1項に規定する厚生労働省令で定める者は被保険者である短時間労働者とし、当該短時間労働者については、同項の規定による標準報酬月額の決定時等において、報酬支払の基礎となった日数が11日以上である月を算定の対象月とする。(第24条の2関係)

(7) 上記(6)のとおり、被保険者である短時間労働者については、標準報酬月額の決定時等において、報酬支払の基礎となった日数が11日以上である月を算定の対象月とするとされているところ、被保険者である者のうち短時間労働者であるものを把握する必要があることから、事業主は、被保険者に係る短時間労働者であるかないかの区別の変更があったときは、次の①から⑤までに掲げる事項を記載した届書を厚生労働大臣又は健康保険組合に提出することとすること。(第28条の3関係)

① 事業所整理記号及び被保険者整理番号(健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者にあっては、被保険者証の記号及び番号)

② 被保険者の氏名、生年月日及び住所

③ 変更の年月日

④ 事業所の名称及び所在地並びに事業主の氏名又は名称

⑤ 同時に厚生年金保険の被保険者であるときは、基礎年金番号

(8) その他所要の規定の整備を行うこと。

2 厚生年金保険法施行規則(昭和29年厚生省令第37号)の一部改正

(1) 年金機能強化法第3条の規定による改正後の厚生年金保険法(昭和29年法律第115号。以下「改正後厚生年金保険法」という。)第12条第5号ハに規定する最低賃金法第4条第3項各号に掲げる賃金に相当するものとして厚生労働省令で定めるものについて、次の①から⑥までに掲げるものとし、これらについては、改正後厚生年金保険法第12条第5号ハに規定する短時間労働者の被保険者資格の取得要件の一つである報酬月額8万8千円には含めないこととすること。(第9条の3関係)

① 臨時に支払われる賃金

② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金

③ 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金

④ 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金

⑤ 深夜労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分

⑥ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(最低賃金法第4条第3項第3号に掲げる賃金をいう。)

(2) 上記(1)の報酬の算定に当たっては、改正後厚生年金保険法第12条第5号ハに規定する厚生年金保険法第22条第1項の規定の例による次の①から④までに掲げる算定方法により行うものとすること。(第9条の4関係)

① 月給、週給等一定の期間で報酬が定められる場合は、被保険者の資格を取得した日現在の報酬の額をその期間の総日数で除して得た額の30倍に相当する額

② 日給、時間給、出来高給又は請負給の場合は、被保険者の資格を取得した月前1月間に現に使用される事業所において、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額を平均した額

③ 上記①及び②の方法で報酬を算定することが困難である場合には、被保険者の資格を取得した月前1月間に、その地方で、同様の業務に従事し、かつ、同様の報酬を受ける者が受けた報酬の額

④ 上記①から③までの項目のうち、2つ以上に該当する報酬を受ける場合には、それぞれについて上記①から③までの方法によって算定した額の合算額

(3) 改正後厚生年金保険法第12条第5号ニに規定する学生の範囲について、学校教育法に規定する高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学(大学院を含む。)、短期大学、高等専門学校及び専修学校その他これに準ずる学校等に在学する生徒又は学生とすること。

なお、上記の生徒又は学生のうち、次の①から④までに掲げる者については、上記の学生の範囲に含まれないこととする。(第9条の5関係)

① 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ適用事業所に使用されることとなっている者

② 休学中の者

③ 大学の夜間学部及び高等学校の夜間等の定時制の課程等に在学する者

④ その他これらに準ずる者

(4) 改正後厚生年金保険法第21条第1項に規定する厚生労働省令で定める者は被保険者である短時間労働者とし、当該短時間労働者については、同項の規定による標準報酬月額の決定時等において、報酬支払の基礎となった日数が11日以上である月を算定の対象月とする。(第9条の6関係)

(5) 年金機能強化法附則第17条第1項の規定により、同項に規定する特定適用事業所以外に使用される短時間労働者は被保険者としないとされているところ、特定適用事業所となった適用事業所の事業主(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所の事業主)は、次の①から③までに掲げる事項を記載した届書を日本年金機構に提出することとすること。(第14条の3関係)

① 事業所(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所)の名称及び所在地

② 特定適用事業所となった年月日

③ 事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

(6) 年金機能強化法附則第17条第2項の規定により、特定適用事業所に該当しなくなった適用事業所は引き続き特定適用事業所であるものとみなされるが、当該適用事業所の事業主が、その使用する者のうち厚生年金保険の被保険者であるものの4分の3以上の同意を得て、厚生労働大臣に申出をした場合は、この限りでないとされているところ、当該申出は、当該適用事業所の事業主が、次の①から③までに掲げる事項を記載した申出書を日本年金機構に提出することによって行うこととすること。(第14条の4関係)

① 事業所(事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、本店又は主たる事業所)の名称及び所在地

② 特定適用事業所に該当しなくなった年月日

③ 事業主が国、地方公共団体又は法人であるときは、法人番号

(7) 上記(4)のとおり、被保険者である短時間労働者については、標準報酬月額の決定時等において、報酬支払の基礎となった日数が11日以上である月を算定の対象月とするとされているところ、被保険者である者のうち短時間労働者であるものを把握する必要があることから、事業主は、被保険者に係る短時間労働者であるかないかの区別の変更があったときは、次の①から④までに掲げる事項を記載した届書を日本年金機構に提出することとすること。(第21条の3関係)

① 被保険者の氏名、生年月日及び住所

② 基礎年金番号

③ 変更の年月日

④ 事業所の名称及び所在地並びに事業主の氏名又は名称

(8) その他所要の規定の整備を行うこと。

第3 施行期日等

1 施行期日

平成28年10月1日から施行すること。

2 経過措置

(1) この省令の施行の日(以下「施行日」という。)前から厚生年金保険法第27条に規定する70歳以上の使用される者(以下「70歳以上の使用される者」という。)の要件を満たす者が、施行日以後に当該要件を満たさなくなった場合でも、施行日以後引き続き施行日において使用されていた事業所に使用されている間は、引き続き70歳以上の使用される者とするものとすること。(附則第4条関係)

(2) 当分の間、年金機能強化法附則第17条第1項に規定する特定適用事業所以外の適用事業所に使用される70歳以上の短時間労働者については、厚生年金保険法施行規則第10条の4に定める要件には該当しないものとすること。(附則第5条関係)

(3) その他所要の経過措置を設けること。