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○歯科衛生士法の一部改正の施行について(通知)

(平成26年10月23日)

(医政発1023第7号)

(各都道府県知事・各保健所を設置する市の市長・各特別区区長あて厚生労働省医政局長通知)

(公印省略)

平成26年6月25日に公布された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号)により、歯科衛生士法(昭和23年法律第204号。以下「法」という。)が改正され、平成27年4月1日から施行することとされたところである。

改正の趣旨、内容等は下記のとおりであるので、十分御了知の上、関係者に対する周知等その円滑な施行について御配慮を願いたい。

第一 改正の趣旨

歯科衛生士は、歯牙及び口腔の疾患の予防処置として、歯牙露出面及び正常な歯茎の遊離縁下の付着物及び沈着物を機械的操作によって除去することや歯牙及び口腔に対して薬物を塗布すること(以下「予防処置」という。)を業として行うことができるとされているが、これを行う際には、「歯科医師の直接の指導」の下に行うことが必要とされている。

このように「歯科医師の直接の指導」が必要とされているため、歯科衛生士が予防処置を行う際には、歯科医師がその場に常に立ち会うことが必要であると解されているが、歯科医師の確保が困難な地域においては、保健所や市町村保健センター等が、フッ化物塗布を行うことが困難となっている等の支障が生じている。

一方、歯科衛生士学校及び歯科衛生士養成所の修業年限は、法の制定当時(昭和23年)は1年とされていたが、昭和58年度に2年、平成16年度に3年へ変更されており、歯科衛生士の資質向上が図られているところである。

これらのことを踏まえ、歯科衛生士が予防処置を行う場合に、引き続き、歯科医師の指導の下で行われる必要があるが、歯科医師の判断により、「歯科医師の指導」の形態として、歯科医師の常時の立会いまでは要しないこととした。

なお、歯科衛生士が業務を行うに当たり、歯科医師等の歯科医療関係者と緊密な連携を図ることが必要不可欠であることから、その旨の規定を新たに追加することとした。

さらに、法第2条第1項において、歯科衛生士は、予防処置を行うことを業とする「女子」と定義され、法附則第2項において、同様の業務を行う「男子」についても、法の規定を準用するものとされていたが、歯科衛生士の定義において男女の区別をなくすこととした。

第二 改正の内容

1 歯科衛生士が予防処置を実施する際には、歯科医師の指導の下に行うこととし、「直接の」指導までは要しないこととしたこと。(法第2条第1項関係)

2 歯科衛生士が業務を行うに当たり、歯科医師その他の歯科医療関係者との緊密な連携を図り、適正な歯科医療の確保に努めなければならないこととしたこと。(法第13条の5関係)

3 歯科衛生士の定義における「女子」を「者」に改正するとともに、附則第2項の「男子」への準用規定を削除することとしたこと。(法第2条第1項、附則第2項関係)

第三 留意事項

1 第二の1の予防処置に係る改正規定は、法第2条第1項に規定する予防処置に係るものであり、この改正により、同条第2項に規定する歯科診療の補助(以下「歯科診療の補助」という。)及び同条第3項に規定する歯科保健指導(以下「歯科保健指導」という。)の取扱いに変更が生じるものではないことから、法第13条の2及び第13条の3に規定する歯科医師と歯科衛生士との関係に変更が生じるものではないこと。

2 歯科衛生士が予防処置と同様の内容の行為を行う場合であっても、歯科疾患を有する者に対して当該行為を実施する場合は、歯科診療の補助に該当し、歯科医師の指示の下に行われる必要があるので、特に、歯科衛生士が病院や介護施設等において業務に従事する場合には留意が必要であること。

歯科衛生士は、歯科保健指導を行う場合において、法第13条の3の規定を遵守した上で、歯科医療機関にあっては主治の歯科医師と、病院や介護施設等にあっては協力歯科医療機関の歯科医師又は主治の歯科医師等との緊密な連携を図るよう努める必要があること。

3 第二の2に係る改正規定は、歯科医師以外の者が歯科衛生士に指導又は指示を行うために設けられたものではないこと。