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○第十七改正日本薬局方の制定等について

(平成28年3月7日)

(薬生発0307第3号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)

(公印省略)

今般、「日本薬局方の全部を改正する件」(平成28年厚生労働省告示第64号)をもって、第十七改正日本薬局方(以下「新薬局方」という。)が告示され、平成28年4月1日から施行されることとなりましたので、下記の事項を御了知の上、関係者に対する周知徹底及び指導に御配慮をお願いします。

第1 新薬局方の要点等について

新薬局方は、「第十七改正日本薬局方作成基本方針」(平成23年7月13日薬事・食品衛生審議会答申)に基づき、医学薬学等の進展に対応するとともに、諸外国における基準との調和を図るため、所要の整備を行ったものである。その要点等は、新薬局方の「まえがき」のほか、次の点のとおりであるので、これらについて留意されたいこと。

1 新薬局方のうち、官報において記載を省略し、都道府県庁に備え置いて縦覧に供することとした「次のよう」とは、通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法、医薬品各条、参照紫外可視吸収スペクトル及び参照赤外吸収スペクトルを指すものであること。

2 通則について、次のとおりとしたこと。

(1) 5の条において、医薬品各条における製剤(生薬を主たる有効成分として含む製剤を除く。)に関する貯法の項の容器は適否の判定基準から外した。

(2) 12の条として、新たに次の規定を追加した。

品質確保の観点から、必要に応じて、規格に加え、製造過程において留意すべき要件を医薬品各条の製造要件の項に示す。当該要件には、原料・資材、製造工程及び中間体の管理に関する要件のほか、工程内試験に関する要件や出荷時の試験の省略に関する要件が含まれる。この項に記される要件は、通常開発段階で製法を確立する間で得られた知見、製造工程における管理、出荷時の試験等によって確認される。なお、医薬品各条において製造要件の項がないものについても、個々の医薬品において、適切な原料・資材、製造工程及び中間体の管理に留意することは重要である。

(3) 34の条として、新たに次の規定を追加した。

日本薬局方の医薬品は、医薬品各条において規定する場合を除き、原則として一般試験法の残留溶媒に係る規定に従って、適切に管理を行う。

(4) 35の条として、新たに次の規定を追加した。

医薬品への意図的な混入が報告されている有害物質については、必要に応じて、医薬品各条の意図的混入有害物質の項に混入の有無の管理要件を示す。当該物質は、原料・資材、製造工程、中間体又は最終製品の試験によって管理される。その試験の要否や頻度等は、品質リスクマネジメントの一環として構築される管理戦略に応じて、個々の医薬品において別に規定する。

(5) 40の条として、新たに次の規定を追加した。

無菌とは、定められた方法で対象微生物が検出されないことをいう。滅菌とは、被滅菌物の中の全ての微生物を殺滅又は除去することをいう。無菌操作とは、無菌を維持するために管理された方法で行う操作をいう。

(6) 48の条において、日本薬局方、欧州薬局方及び米国薬局方で調和されていない部分のうち、「日本薬局方だけに要求される独自記載事項」については、従来の「 」に代えて、新たに「 」で囲むことにより示すこととした。なお、「 」の一般試験法等への適用は第十七改正日本薬局方第一追補以降に措置する予定であること。

(7) その他記載の整備等を行った。

3 生薬総則について、次のとおりとしたこと。

(1) 1の条において、生薬の医薬品各条の新規収載に伴い、生薬総則及び生薬試験法を適用する品目を追加した。

(2) 4の条において、生薬の基原を、適否の判断基準から判定基準に改めた。

(3) 5の条において、生薬の性状の項のうち、鏡検時の数値を、適否の判定基準から判断基準に改めた。

4 製剤総則の主な改正は、次のとおりであること。

(1) 製剤包装に求める基本的要件を記載した「[2]製剤包装通則」を追加した。

(2) [1]製剤通則(8)において、「無菌製剤」、「最終滅菌法」及び「無菌操作法」に関する記載を設けた。

(3) 改正前の[1]製剤通則(10)にあった製剤の容器・包装に関する記載を削除した。

(4) 通則5の条の整備に伴い、改正前の[2]製剤各条(1)及び(2)にあった容器・包装に関する記載を削除した。

(5) 改正前の[1]製剤通則(10)にあった分包品の定義を、[3]製剤各条(3)へ移行した。

(6) [3]製剤各条3.1注射剤(5)(ii)において、非水性溶剤のうち親水性注射剤に用いるものについての記載を追加した。

(7) その他記載の整備等を行った。

5 一般試験法について、次のとおりとしたこと。

(1) 別紙1の試験法を新たに収載した。

(2) 別紙2の試験法を改正した。

(3) 標準品に関しては、別紙3に掲げる23品目を新たに収載し、別紙4に掲げる9品目について名称変更を行うほか、別紙5に掲げる4品目を削除した。

(4) 容量分析用標準液として新たに1個を追加した。

(5) 標準液として新たに2個を追加した。

(6) 試薬・試液に関しては、新たに157個を追加し、33個を改正するほか、3個を削除した。

(7) クロマトグラフィー用担体/充填剤として新たに20個を追加した。

(8) 標準粒子等4個を削除した。

(8) 滅菌法及び無菌操作法を削除した。

(9) その他記載の整備等を行った。

6 医薬品各条の主な改正は、次のとおりであること。

(1) 日本薬局方に新たに収載した医薬品各条(以下「新規収載品目」という。)は別紙6、改正前に収載されていた医薬品各条のうち新薬局方に収載しなかった医薬品(以下「削除品目」という。)は別紙7のとおりである。

(2) 改正した医薬品各条(以下「改正品目」という。)は別紙8のとおりである。

(3) 製剤均一性の項を改正した医薬品各条は別紙9のとおりである。

(4) 別名を削除した医薬品各条は別紙10のとおりである。

(5) 通則34の適用に伴い、残留溶媒の項の記載を削除した医薬品各条は別紙11のとおりである。

第2 参考情報について

1 新薬局方の告示に併せ、参考情報について、次のとおりとしたこと。

(1) 別紙12に掲げる参考情報を新たに作成した。

(2) 別紙13に掲げる参考情報の改正を行った。

(3) 別紙14に掲げる参考情報を廃止した。

(4) 参考情報のカテゴリー分類を変更した。

2 参考情報の取扱い

参考情報は、医薬品の品質確保の上で必要な参考事項及び日本薬局方に収載された医薬品に関する参考となる試験法を記載したものであり、日本薬局方に収載された医薬品の適否の判断を示すものではないこと。

第3 他の医薬品等の規格集等に収載されていた品目の取扱い

1 日本薬局方外医薬品規格2002の取扱い

「日本薬局方外医薬品規格2002について」(平成14年9月20日医薬発第0920001号厚生労働省医薬局長通知)の別添に掲げる一般試験法の部(1)標準品の項及び各条の部のうち、別紙15に掲げるものを削除すること。

2 日本薬局方外医薬品規格第三部の取扱い

「日本薬局方外医薬品規格第三部の一部改正について」(平成13年12月25日医薬発第1411号厚生労働省医薬局長通知)により定められた各条の部のうち、別紙16に掲げるものを削除すること。

3 日本薬局方外医薬品規格第四部の取扱い

「日本薬局方外医薬品規格第四部の創設等について(日本薬局方外医薬品規格1997の一部改正について)」(平成11年9月22日医薬発第1117号厚生省医薬安全局長通知)の別添に掲げる各条の部のうち、別紙17に掲げるものを削除すること。

4 医薬品添加物規格の取扱い

「医薬品添加物規格1998について」(平成10年3月4日医薬発第178号厚生省医薬安全局長通知)の別添に掲げる各条の部のうち、別紙18に掲げるものを削除すること。

第4 その他

1 残留溶媒の管理等について

通則34に基づく一般試験法「2.46 残留溶媒」のクラス2溶媒及びクラス3溶媒への適用は、第十七改正日本薬局方第一追補により措置するものであること。

2 標準品について

新薬局方において、23品目の標準品の追加等を行ったところである。一般に、標準品の製造・頒布に当たっては、当該医薬品の製造販売業者及び原薬製造業者等の協力が不可欠である。特に標準品の製造に必要となる原薬の提供に当たっては、後々のロット更新時を含めて、我が国の医薬品の品質を確保するために必要な公的基準である日本薬局方の趣旨を踏まえ、御協力をお願いしたいこと。

3 関連通知の取扱い

平成28年4月1日をもって、「グリチルリチン酸等を含有する医薬品の取扱いについて」(昭和53年2月13日付薬発第158号厚生省薬務局長通知)を廃止すること。

4 経過措置期間について

今次の改正に伴い平成29年9月30日までに承認事項一部変更承認申請等の必要な措置を行うよう指導すること。また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第50条(直接の容器等の記載事項)、第55条(販売、授与等の禁止)及び第56条(販売、製造等の禁止)に抵触することがないよう、遅滞なく新薬局方で定める基準に改めさせること。

別紙1.日本薬局方に新たに収載した一般試験法

(1)

2.64 糖鎖試験法

(2)

2.65 色の比較試験法

(3)

3.05 収着―脱着等温線測定法及び水分活性測定法

(4)

6.12 粘着力試験法

(5)

6.13 皮膚に適用する製剤の放出試験法

 

別紙2.改正した一般試験法

(1)

2.21 核磁気共鳴スペクトル測定法

(2)

2.46 残留溶媒

(3)

2.49 旋光度測定法

(4)

2.52 熱分析法

(5)

2.60 融点測定法

(6)

3.01 かさ密度及びタップ密度測定法

(7)

5.01 生薬試験法

(8)

5.02 生薬及び生薬を主たる原料とする製剤の微生物限度試験法

(9)

6.02 製剤均一性試験法

(10)

6.05 注射剤の採取容量試験法

(11)

6.06 注射剤の不溶性異物検査法

(12)

9.01 標準品

(13)

9.21 容量分析用標準液

(14)

9.22 標準液

(15)

9.23 色の比較液

(16)

9.41 試薬・試液

(17)

9.42 クロマトグラフィー用担体/充填剤

(18)

9.44 標準粒子等

別紙3.日本薬局方に新たに収載した標準品

(1)

イソマル標準品

(2)

エプレレノン標準品

(3)

システム適合性試験用残留溶媒標準品

(4)

残留溶媒クラス1標準品

(5)

残留溶媒クラス2A標準品

(6)

残留溶媒クラス2B標準品

(7)

シチコリン標準品

(8)

シプロフロキサシン標準品

(9)

ジフロラゾン酢酸エステル標準品

(10)

シルニジピン標準品

(11)

シロドシン標準品

(12)

バラシクロビル塩酸塩標準品

(13)

ボリコナゾール標準品

(14)

ミグリトール標準品

(15)

ミチグリニドカルシウム標準品

(16)

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル標準品

(17)

システム適合性試験用モンテルカスト標準品

(18)

モンテルカストジシクロヘキシルアミン標準品

(19)

確認試験用モンテルカストナトリウム標準品

(20)

システム適合性試験用モンテルカストラセミ体標準品

(21)

ランソプラゾール標準品

(22)

リバビリン標準品

(23)

インターフェロンアルファ標準品

 

別紙4.名称変更を行った標準品

 

第十七改正日本薬局方での名称

 

第十六改正日本薬局方での名称

(1)

装置適合性確認用アセトアニリド標準品

融点標準品 アセトアニリド

(2)

装置適合性確認用アセトフェネチジン標準品

融点標準品 アセトフェネチジン

(3)

インスリンヒト標準品

ヒトインスリン標準品

(4)

装置適合性確認用カフェイン標準品

融点標準品 カフェイン

(5)

カルシトニンサケ標準品

カルシトニン(サケ)標準品

(6)

装置校正用シュウ酸カルシウム一水和物標準品

シュウ酸カルシウム一水和物標準品

(7)

装置適合性確認用スルファニルアミド標準品

融点標準品 スルファニルアミド

(8)

装置適合性確認用スルファピリジン標準品

融点標準品 スルファピリジン

(9)

装置適合性確認用ワニリン標準品

融点標準品 ワニリン

別紙5.日本薬局方から削除した標準品

(1)

血清性性腺刺激ホルモン標準品

(2)

プロタミン硫酸塩標準品

(3)

グリセオフルビン標準品

(4)

シッカニン標準品

別紙6.新規収載品目

(1)

アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム錠

(2)

注射用アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

(3)

アンピロキシカム

(4)

アンピロキシカムカプセル

(5)

イコサペント酸エチルカプセル

(6)

イソマル水和物

(7)

イルベサルタン

(8)

インターフェロン アルファ(NAMALWA)

(9)

インターフェロン アルファ(NAMALWA)注射液

(10)

エプレレノン

(11)

エプレレノン錠

(12)

オザグレルナトリウム注射液

(13)

ヒプロメロースカプセル

(14)

プルランカプセル

(15)

L―カルボシステイン錠

(16)

カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド錠

(17)

シチコリン

(18)

シプロフロキサシン

(19)

シプロフロキサシン塩酸塩水和物

(20)

ジフロラゾン酢酸エステル

(21)

ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル

(22)

シルニジピン

(23)

シルニジピン錠

(24)

シロドシン

(25)

シロドシン錠

(26)

注射用スペクチノマイシン塩酸塩

(27)

スルタミシリントシル酸塩錠

(28)

セファレキシン複合顆粒

(29)

注射用セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム

(30)

シロップ用セフポドキシム プロキセチル

(31)

タクロリムスカプセル

(32)

チクロピジン塩酸塩錠

(33)

ツロブテロール

(34)

ツロブテロール経皮吸収型テープ

(35)

テプレノンカプセル

(36)

テルビナフィン塩酸塩錠

(37)

ドキシサイクリン塩酸塩錠

(38)

トリエンチン塩酸塩

(39)

トリエンチン塩酸塩カプセル

(40)

L―乳酸ナトリウムリンゲル液

(41)

注射用パニペネム・ベタミプロン

(42)

バラシクロビル塩酸塩

(43)

バラシクロビル塩酸塩錠

(44)

ハロペリドール注射液

(45)

精製ヒアルロン酸ナトリウム注射液

(46)

精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液

(47)

ピオグリタゾン塩酸塩・グリメピリド錠

(48)

フェルビナクテープ

(49)

フェルビナクパップ

(50)

フルコナゾール注射液

(51)

シロップ用ホスホマイシンカルシウム

(52)

ボリコナゾール

(53)

ボリコナゾール錠

(54)

ミグリトール

(55)

ミチグリニドカルシウム水和物

(56)

ミチグリニドカルシウム錠

(57)

メドロキシプロゲステロン酢酸エステル

(58)

モンテルカストナトリウム

(59)

モンテルカストナトリウム錠

(60)

モンテルカストナトリウムチュアブル錠

(61)

ランソプラゾール

(62)

ランソプラゾール腸溶性口腔内崩壊錠

(63)

ランソプラゾール腸溶カプセル

(64)

リバビリン

(65)

リバビリンカプセル

(66)

レボフロキサシン注射液

(67)

加味帰脾湯エキス

(68)

シンギ

(69)

タンジン

(70)

桃核承気湯エキス

(71)

トウジン

(72)

防已黄耆湯エキス

(73)

ボウショウ

(74)

無水ボウショウ

(75)

防風通聖散エキス

(76)

抑肝散エキス