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○看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインについて

(平成27年3月31日)

(医政発0331第21号)

(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)

看護行政の推進については、平素よりご尽力を頂き厚く御礼申し上げる。

「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」(平成26年法律第51号)、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係政令等の整備等に関する政令」(平成27年政令第128号)及び「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う文部科学省・厚生労働省関係省令の整備に関する省令」(平成27年文部科学省・厚生労働省令第2号)により、平成27年4月1日から、看護師等養成所の指定・監督権限が厚生労働大臣から都道府県知事に移譲されることになる。

これに伴い、今般、「看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン」を別紙のとおり定めたので、このガイドラインを踏まえて御指導いただくとともに、貴管内の看護師等養成所に周知を図られたい。

なお、本ガイドラインは、平成27年4月1日から適用することとし、「看護師等養成所の運営に関する指導要領について」(平成13年1月5日健政発5号)及び「看護師等養成所の運営に関する手引きについて」(平成13年1月5日看発1号)は、平成27年3月31日をもって廃止する。

また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添える。

[別紙]

看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン

保健師養成所、助産師養成所、看護師養成所及び准看護師養成所の運営に関する指導については、保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)、保健師助産師看護師法施行令(昭和28年政令第386号。以下「施行令」という。)及び保健師助産師看護師学校養成所指定規則(昭和26年文部省・厚生省令第1号。以下「指定規則」という。)に定めるもののほか、このガイドラインに定めるところによる。

第1 課程の定義等

1 このガイドラインにおいて、看護師養成所における課程の定義は、次のとおりであること。

(1) 「3年課程」とは、指定規則第4条第1項に規定する課程のうち、(2)に規定する課程を除くものをいう。

(2) 「3年課程(定時制)」とは、指定規則第4条第1項に規定する課程であって、夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下「定時制」という)により4年間の教育を行うものをいう。

(3) 「2年課程」とは、指定規則第4条第2項に規定する課程のうち、(4)及び(5)に規定する課程を除くものをいう。

(4) 「2年課程(定時制)」とは、指定規則第4条第2項に規定する課程であって、定時制により3年間の教育を行うものをいう。

(5) 「2年課程(通信制)」とは、指定規則第4条第2項に規定する課程のうち同項第1号ただし書に基づき、免許を得た後7年以上業務に従事している准看護師を対象に、主として通信学習により2年以上の教育を行うものをいう。

なお、通信学習とは、印刷教材を送付若しくは指定し、主としてこれにより学修させる授業(以下「印刷教材による授業」という。)、主として放送その他これに準ずるものの視聴により学修させる授業(以下「放送授業」という。)等により行われるものとする。

2 保健師養成所及び助産師養成所において、定時制による教育が行われる場合は、指定規則第2条及び第3条に規定する養成所のうち、1年以上2年以内の教育を行うものとする。

第2 名称に関する事項

養成所であることを示すものとし、他のものと紛らわしい名称を使用しないこと。

第3 学則に関する事項

1 学則は、養成所ごとに定めること。ただし、2以上の養成所を併設するものにあっては、これらの養成所を総合して学則を定めて差し支えないこと。

2 学則の中には、次の事項を記載すること。

(1) 設置の目的

(2) 名称

(3) 位置

(4) 養成所名(2以上の養成所を併設するものに限る。ただし、保健師養成所と看護師養成所(3年課程及び3年課程(定時制)に限る。この項において同じ。)又は助産師養成所と看護師養成所の指定を併せて受け、それらの教育内容を併せて教授する教育課程(以下「統合カリキュラム」という。)により教育を行う場合は、その旨を明記すること。)

(5) 課程名(看護師養成所に限る。)

(6) 定員(看護師養成所及び准看護師養成所にあっては、1学年の入学定員及び総定員)及び1の授業科目について同時に授業を行う学生の編成に関する事項

(7) 修業年限、学期及び授業を行わない日に関する事項

(8) 教育課程及び単位数(准看護師養成所にあっては、時間数)に関する事項

(9) 成績の評価及び単位の認定に関する事項

(10) 大学や他の学校養成所等で修得した単位の認定に関する事項

(11) 入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項

(12) 教職員の組織に関する事項

(13) 運営を行うための会議に関する事項

(14) 学生の健康管理に関する事項

(15) 授業料、入学料、その他の費用徴収に関する事項

3 次のような事項について学則の細則を定めること。

例 入学の選考

成績評価及び卒業の認定

健康管理

教職員の所掌事務

諸会議の運営

検定料、入学料、授業料等の金額及び費用徴収の方法

図書室管理

自己点検・自己評価

第4 学生に関する事項

1 入学資格の確認

(1) 入学資格の確認は、次の書類を提出させることにより確実に行うこと。

ア 保健師養成所及び助産師養成所

看護師学校の修了証書の写し若しくは修了見込証明書又は看護師養成所の卒業証書の写し若しくは卒業見込証明書

イ 看護師養成所

(ア) 3年課程及び3年課程(定時制)にあっては、学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条の規定により大学に入学することのできる者であることを証明する次の書類

a 高等学校又は中等教育学校を卒業した者にあっては、高等学校又は中等教育学校の卒業証明書又は卒業見込証明書

b 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条第5号に該当する者にあっては、高等学校卒業程度認定試験の合格証明書、合格成績証明書又は合格見込成績証明書

c a又はb以外の者で、学校教育法第90条に該当するものにあっては、それを証明する書類

(イ) 2年課程及び2年課程(定時制)にあっては、准看護師免許を取得していること及び免許を得た後3年以上業務に従事していること又は高等学校若しくは中等教育学校を卒業していることを証明する次の書類

a 准看護師免許証の写し

なお、准看護師免許を受けることができる者であって入学願書の提出時に准看護師免許を取得していないものにあっては、入学時に准看護師免許証又は准看護師籍登録証明書を提示又は提出させ、免許取得の事実を確認すること。

b 免許を得た後3年以上業務に従事している准看護師にあっては、准看護師として3年以上業務に従事した旨の就業証明書(高等学校又は中等教育学校卒業者等の場合を除く。)

なお、入学願書の提出時に准看護師として業務に従事した期間が3年(36か月)に満たない者は、入学時に就業証明書を提出させ、業務従事期間を確認すること。

c 高等学校又は中等教育学校を卒業している准看護師にあっては、高等学校又は中等教育学校の卒業証明書又は卒業見込証明書

(ウ) 2年課程(通信制)にあっては、准看護師免許を取得していること及び免許を得た後7年以上業務に従事していることを証明する次の書類

a 准看護師免許証の写し

b 准看護師として7年(84か月)以上業務に従事した旨の就業証明書

なお、入学願書の提出時に准看護師として業務に従事した期間が、7年(84か月)に満たない者は、入学時に就業証明書を提出させ、業務従事期間を確認すること。

(エ) 2年課程、2年課程(定時制)及び2年課程(通信制)の入学資格については、以下の点に留意されたいこと。

a 就業証明書とは、准看護師として業務に従事した施設の長(2以上の施設で業務に従事したときは、従事した施設すべての長)の発行する証明書をいうものであること。

b 准看護師として業務に従事した月数(2年課程及び2年課程(定時制)については36か月以上、2年課程(通信制)については84か月以上であること。)の算定に当たっては、准看護師として最初に勤務した日の属する月及び最後に勤務を終了した日の属する月は、それぞれ1か月として算定して差し支えないこと。

c 学校教育法第90条の規定により大学に入学することのできる者(高等学校又は中等教育学校を卒業した者を除く。)であって准看護師であるものは、高等学校又は中等教育学校を卒業した准看護師と同様に2年課程及び2年課程(定時制)の入学資格を有するものであること。

d 入学を認める際は、准看護師籍への登録が行われているかどうかの確認を徹底して行うこと。

なお、学校教育法第90条の規定により大学に入学することのできる者については、入学時に准看護師免許証又は准看護師籍登録証明書を提示又は提出することができないものであっても、入学時に免許申請がなされていることを確認した場合は、准看護師免許を取得した者とみなして当面入学させて差し支えないこと。この場合においては、准看護師籍への登録が完了し次第准看護師免許証の確認を行うこと。

e 2年課程(通信制)の入学生の業務従事期間を確認する際は、看護実践能力等、学生の学習準備状況を十分に把握するために、准看護師としてのこれまでの就業形態、就業場所、就業日数・時間について総合的に確認すること。

ウ 准看護師養成所

学校教育法第57条の規定により高等学校に入学することのできる者であることを証明する次の書類

(ア) 中学校を卒業した者にあっては、中学校の卒業証明書又は卒業見込証明書

(イ) 中等教育学校の前期課程を修了した者にあっては、中等教育学校の前期課程の修了証明書又は修了見込証明書

(ウ) (ア)又は(イ)以外の者で、学校教育法第57条に該当するものにあっては、それを証明する書類

(2) 外国における看護師教育を修了し、保健師養成所又は助産師養成所への入学を希望する者については、厚生労働大臣が看護師国家試験の受験資格を認めた場合に限り、入学資格を有するものであるので留意されたいこと。

(3) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第57条又は第90条に該当するか疑義のある者については、当該養成所のみで判断することなく都道府県担当課等に確認すること。

2 入学の選考

(1) 入学の選考は、提出された書類、選考のための学力検査の成績等に基づき、適正に行うこと。

(2) 保健師、助産師、看護師又は准看護師としての能力や適性にかかわりのない事項(体型、年齢、家族関係、色覚、医療機関への勤務の可否等)によって入学を制限しないこと。

(3) 他の分野で働く社会人については、その経験に配慮した入学試験を設けることが望ましいこと。

(4) 入学の選考にかかわりのない書類(戸籍抄本、家族調書等)は提出させないこと。

3 卒業の認定

(1) 学生の卒業は、学生の成績を評価してこれを認めること。

(2) 欠席日数が出席すべき日数の3分の1を超える者については、原則として卒業を認めないこと。(2年課程(通信制)を除く。)

4 学生に対する指導等

(1) 特定の医療機関に勤務する又は勤務していることを入学の条件とするなど学生又はこれになろうとする者が、特定の医療機関に勤務しない又は勤務していないことを理由に不利益な取扱いをしないこと。

(2) 奨学金の受給について、学生又はこれになろうとする者に対して、的確な情報を提供するとともに、必要に応じて、助言、指導等を行うようにすること。

(3) 医療機関に勤務している学生が看護師等の資格を有しない場合に、法律に違反する業務を行わないように指導すること。

5 外国人の留学生の受入れ

(1) 看護師等養成所で留学生を受入れる際は、教育指導の観点から、指定規則に定める専任教員に加えて、必要に応じて担当する専任教員をおくこと。

(2) 留学生の日常生活に関して、十分な支援や指導を行えるよう、必要な体制を整備すること。

(3) 留学生の受入れに際しては、在留資格、学歴、日本語能力について確認するとともに、次の事項に留意が必要であること。

ア 留学期間中に、就労することなく生活費用の支弁手段があること。

イ 奨学資金については、免許取得後の特定病院での勤務をあらかじめ義務づけるような形態は避け、卒業後の進路は本人の自由選択に委ねること。

ウ 学内の試験等については特別の扱いを行わないこと。

エ 留学生がアルバイトを行う場合には、法務大臣から資格外活動の許可を受ける必要があること。

第5 教員に関する事項

1 専任教員及び教務主任

(1) 保健師養成所の専任教員となることのできる者は、次のいずれにも該当する者であること。ただし、保健師として3年以上業務に従事した者で、大学において教育の本質・目標、心身の発達と学習の過程、教育の方法・技術及び教科教育法に関する科目のうちから、合計4単位以上(以下「教育に関する科目」という。)を履修して卒業したもの又は大学院において教育に関する科目を履修したものは、これにかかわらず専任教員となることができること。

ア 保健師として5年以上業務に従事した者

イ (ア)から(ウ)までのいずれかの研修(以下「専任教員として必要な研修」という。)を修了した者又は保健師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者

(ア) 厚生労働省が認定した専任教員養成講習会(旧厚生省が委託実施したもの及び厚生労働省が認定した看護教員養成講習会を含む。)

(イ) 旧厚生労働省看護研修研究センターの看護教員養成課程

(ウ) 国立保健医療科学院の専攻課程(平成14年度及び平成15年度 旧国立公衆衛生院の専攻課程看護コースを含む。)及び専門課程地域保健福祉分野(平成16年度)

(2) 助産師養成所の専任教員となることのできる者は、次のいずれにも該当する者であること。ただし、助産師として3年以上業務に従事した者で、大学において教育に関する科目を履修して卒業したもの又は大学院において教育に関する科目を履修したものは、これにかかわらず専任教員となることができること。

ア 助産師として5年以上業務に従事した者

イ 専任教員として必要な研修を修了した者又は助産師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者

(3) 看護師養成所の専任教員となることのできる者は、次のいずれにも該当する者であること。ただし、保健師、助産師又は看護師として指定規則別表3の専門分野の教育内容(以下「専門領域」という。)のうちの一つの業務に3年以上従事した者で、大学において教育に関する科目を履修して卒業したもの又は大学院において教育に関する科目を履修したものは、これにかかわらず専任教員となることができること。

ア 保健師、助産師又は看護師として5年以上業務に従事した者

イ 専任教員として必要な研修を修了した者又は看護師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者

(4) 准看護師養成所の専任教員となることのできる者は、次のいずれにも該当する者であること。ただし、保健師、助産師又は看護師として指定規則別表4の専門科目の教育内容のうちの一つの業務に3年以上従事した者で、大学において教育に関する科目を履修して卒業したもの又は大学院において教育に関する科目を履修したものは、これにかかわらず専任教員となることができること。

ア 保健師、助産師又は看護師として5年以上業務に従事した者

イ 専任教員として必要な研修を修了した者又は准看護師の教育に関し、これと同等以上の学識経験を有すると認められる者

(5) 専任教員の採用に当たっては、保健師、助産師又は看護師の業務から5年以上離れている者は好ましくないこと。

(6) 教員は、1の養成所の1の課程に限り専任教員となることができること。

(7) 専任教員は、看護師養成所にあっては専門領域ごとに、准看護師養成所にあっては専門科目ごとに配置し、学生の指導に支障を来さないようにすること。

(8) 専任教員は、保健師養成所及び助産師養成所では3人以上、看護師養成所では、3年課程(定時制を含む)にあっては8人以上、2年課程(全日制及び定時制)にあっては7人以上、2年課程(通信制)にあっては10人以上、准看護師養成所にあっては5人以上(当分の間、3人以上)確保すること。ただし、2年課程(通信制)にあっては学生総定員が300人以下の場合は、8人以上とする。

(9) 専任教員は、保健師養成所及び助産師養成所にあっては、学生定員が20人を超える場合には、学生が20人を増すごとに1人増員することが望ましいこと。看護師養成所3年課程(定時制を含む)及び2年課程(定時制)にあっては、学生総定員が120人を超える場合には、学生が30人を増すごとに1人増員すること。また、看護師養成所2年課程及び准看護師養成所にあっては、学生総定員が80人を超える場合には、学生が30人を増すごとに1人、看護師養成所2年課程(通信制)にあっては学生総定員が500人を超える場合には、学生が100人を増すごとに1人増員することが望ましいこと。

(10) 専任教員の担当する授業時間数は、過重にならないよう1人1週間当たり15時間を標準とすること。講義(2年課程(通信制)において行う印刷教材を送付又は指定し、主としてこれにより学修させる授業及び主として放送その他これに準ずるものの視聴により学修させる授業を除く。以下同じ。)1時間を担当するには準備等に2時間程度を要することから、1人の専任教員が担当できる1週間当たりの講義時間数の標準を15時間としたものであること。実習を担当する場合にあっては、実習3時間に対し1時間程度の準備等を要すると考えられるので、講義及び実習の担当時間を計画する際の目安とされたいこと。

また、2年課程(通信制)の専任教員についても、その業務が過重にならないよう十分配慮すること。

(11) 専任教員は、1の養成所の1の課程に限り教務主任となることができること。

(12) 専任教員は、専門領域における教授方法の研修や、看護実践現場での研修を受けるなどにより、自己研鑽に努めること。

(13) 学生の生活相談、カウンセリング等を行う者が定められていることが望ましいこと。

(14) 教務主任となることのできる者は、(1)から(4)までのいずれかに該当する者であって、次のいずれかに該当するものであること。

ア 専任教員の経験を3年以上有する者

イ 厚生労働省が認定した教務主任養成講習会修了者

ウ 旧厚生労働省看護研修研究センターの幹部看護教員養成課程修了者

エ アからウまでと同等以上の学識経験を有すると認められる者

2 養成所の長及びそれを補佐する者

(1) 養成所の長が兼任である場合又は2以上の課程を併設する場合には、長を補佐する専任の職員を配置することが望ましいこと。

(2) 養成所の長を補佐する専任の職員を置く場合は、長又は長を補佐する専任の職員のいずれかは看護職員とすること。

3 実習調整者

(1) 臨地実習全体の計画の作成、実習施設との調整等を行う者(以下「実習調整者」という。)が定められていること。

(2) 実習調整者となることのできる者は、1―(1)から(4)までのいずれかに該当する者であること。

4 実習指導教員

(1) 実習施設で学生の指導に当たる看護職員を実習指導教員として確保することが望ましいこと。

(2) 実習指導教員は、保健師養成所にあっては保健師、助産師養成所にあっては助産師、看護師養成所にあっては保健師、助産師または看護師、准看護師養成所にあっては保健師、助産師、看護師または准看護師とすること。

(3) 臨地実習において、同一期間で実習施設が多数に及ぶ場合は実習施設数を踏まえ適当数確保することが望ましいこと。

5 その他の教員

(1) 各科目を教授する教員は、当該科目について相当の学識経験を有する者であること。

(2) 各科目を担当する教員は、経歴、専門分野等を十分に考慮して選任すること。

(3) 看護師養成所における基礎分野の授業は、大学において当該分野を担当している教員によって行われることが望ましいこと。

(4) 2年課程(通信制)については、授業で課されるレポート等の添削指導を行う添削指導員を10人以上確保すること。この添削指導員は当該科目に関し相当の学識経験を有する者であること。また、添削指導員は常勤である必要はないものとする。なお、学生総定員が500名を超える場合には、学生100人を目途に添削指導員を2名増員することが望ましいこと。

第6 教育に関する事項

1 教育の内容等

(1) 教育の基本的考え方、留意点等は、保健師養成所にあっては別表1、助産師養成所にあっては別表2、看護師養成所にあっては、3年課程(定時制を含む)については別表3、2年課程(定時制及び通信制を含む)については別表3―2、准看護師養成所にあっては別表4のとおりであること。

(2) 各科目について、授業要綱、実習要綱及び実習指導要綱を作成すること。

(3) 授業要綱、実習要綱及び実習指導要綱の作成に当たっては、保健師養成所にあっては別表11を、助産師養成所にあっては別表12を、看護師養成所にあっては別表13及び別表13―2を参照すること。

2 履修時間数等

(1) 保健師養成所

教育課程の編成に当たっては、28単位以上で、890時間以上の講義、実習等を行うようにすること。

(2) 助産師養成所

教育課程の編成に当たっては、28単位以上で、930時間以上の講義、実習等を行うようにすること。

(3) 看護師養成所

教育課程の編成に当たっては、3年課程及び3年課程(定時制)にあっては、97単位以上で、3000時間以上の講義、実習等を行うようにすること。また、2年課程、2年課程(定時制)及び2年課程(通信制)にあっては、65単位以上で、2180時間以上の講義、実習等を行うようにすること。

(4) 准看護師養成所

教育課程の編成に当たっては、基礎科目105時間以上、専門基礎科目385時間以上、専門科目665時間以上及び臨地実習735時間以上の講義、実習等を行うようにすること。

3 単位制

保健師、助産師及び看護師養成所に係る単位の計算方法等については、次のとおりであること。

(1) 単位の計算方法

ア 保健師養成所、助産師養成所及び看護師養成所(3年課程(定時制を含む)及び2年課程(定時制を含む))

(ア) 臨地実習以外の授業

1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、1単位の授業時間数は、講義及び演習については15時間から30時間、実験、実習及び実技については30時間から45時間の範囲で定めること。

(イ) 臨地実習

臨地実習については、1単位を45時間の実習をもって構成すること。

(ウ) 時間数

時間数は、実際に講義、実習等が行われる時間をもって計算すること。

イ 看護師養成所2年課程(通信制)

(ア) 通信学習による授業

1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、印刷教材による授業については、45時間相当の印刷教材の学修をもって1単位とし、放送授業については、15時間の放送等の視聴をもって1単位とすること。

(イ) 臨地実習

臨地実習については、1単位あたり45時間の学修を必要とする紙上事例演習、病院見学実習及び面接授業をもって構成すること。

(2) 単位の認定

ア 単位を認定するに当たっては、講義、実習等を必要な時間数以上受けているとともに、当該科目の内容を修得していることを確認する必要があること。なお、2年課程(通信制)における当該科目の内容を修得していることの確認については、1単位ごとにレポート提出、試験等を行うことを標準とすること。

イ 放送大学やその他の大学若しくは高等専門学校又は以下の資格に係る学校若しくは養成所で、指定規則別表3及び3の2に規定されている教育内容と同一内容の科目を履修した者の単位の認定については、本人からの申請に基づき個々の既修の学習内容を評価し、養成所における教育内容に相当するものと認められる場合には、総取得単位数の2分の1を超えない範囲で当該養成所における履修に替えることができること。

・歯科衛生士

・診療放射線技師

・臨床検査技師

・理学療法士

・作業療法士

・視能訓練士

・臨床工学技士

・義肢装具士

・救急救命士

・言語聴覚士

なお、指定規則別表3備考2及び別表3の2備考3にかかわらず、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和62年法律第30号)第39条第1号の規定に該当する者で養成所に入学したものの単位の認定については、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則等の一部を改正する省令(平成20年厚生労働省令第42号)による改正前の社会福祉士介護福祉士学校養成施設指定規則(昭和62年厚生省令第50号)別表第4に定める基礎分野又は社会福祉士介護福祉士養成施設指定規則別表第4若しくは社会福祉士介護福祉士学校指定規則(平成20年文部科学省・厚生労働省令第2号)別表第4に定める「人間と社会」の領域に限り本人からの申請に基づき個々の既修の学習内容を評価し、養成所における教育内容に相当するものと認められる場合には、保健師助産師看護師学校養成所指定規則別表3及び別表3の2に定める基礎分野の履修に替えることができること。

4 教育実施上の留意事項

(1) 1週間当たりの授業時間数は、全日制の場合は30時間程度、定時制の場合は15時間から20時間程度とすること。

(2) 1日当たりの授業時間数は、6時間程度を上限とすること。

ただし、実習の時間数については、実習病院等の運営の都合上やむを得ない場合にあっては、6時間を超えることがあっても差し支えないこと。

(3) 臨地実習は、実践活動の場において行う実習のみを指すものであること。ただし、臨地実習を充実させるために実践活動の場以外で行う学習の時間を臨地実習に含めて差し支えないこと。

実践活動の場以外で行う学習については、学習の目的、内容及び時間数を実習指導要綱等で明確にすること。

(4) 臨地実習は、原則として昼間に行うこと。ただし、助産学実習及び看護の統合と実践においては、この限りでないこと。

(5) 同一科目の臨地実習が2施設以上にわたる場合は、各学生の実習内容に差が生じないよう、教育計画を配慮すること。

(6) 助産学実習において、分べん第1期のアセスメント及び支援ができ、分べん介助の途中で吸引分べん、鉗子分べんに移行した場合は、1回の分べんとして算入して差し支えないこと。

(7) 2年課程(通信制)にあっては、(3)にかかわらず、臨地実習は紙上事例演習、病院見学実習及び面接授業をもって替えることができるものであること。

ア 紙上事例演習とは、文章で示された架空の患者(ペーパー・ペイシェント)について、学生自身が看護の展開についてのレポートを作成することにより問題解決能力、応用力、判断力に関する内容を学習するものであること。

イ 病院見学実習とは、学生自身が業務に従事していたことによる経験をふまえて病院の看護提供のあり方の実際を見学することにより、自らの看護実践に関する考察を深めるものであること。

ウ 面接授業とは、学生が養成所に通学し、専任教員と対面し直接指導を受けて、印刷教材による授業等で学んだ知識と紙上事例演習、病院見学実習で学んだ実践の能力の統合を図るものであること。

(8) 保健師養成所又は助産師養成所においては、看護師養成所で履修した教育内容との重複を避け、保健師又は助産師の実践活動の基礎となる知識についての内容を精選すること。

(9) 准看護師養成所の講義については、1時間の授業時間につき休憩10分程度を含めて差し支えないこと。また、実習については、1時間を60分とすること。

(10) 准看護師養成所においては、学科試験、施設見学、実習オリエンテーション等、各科目の教育目的を達成するのに必要な講義又は実習以外に要する時間数は、指定規則に定める当該科目の時間数の1割以内として当該科目の時間数内に算入できるものとすること。

5 2年課程(通信制)

(1) 通信学習

通信学習の実施にあたり以下の点に留意すること。

ア 印刷教材による授業及び放送授業等の実施に当たっては、定期的に添削等による指導を行うこと。

イ 印刷教材による授業及び放送授業については、その教科内容の修得の程度を1単位ごとにレポートの提出、試験等による評価を行うことを標準とし、単位認定を行うこと。

(2) 臨地実習

臨地実習の実施にあっては以下の点に留意すること。

ア 臨地実習は、各専門領域の通信学習を終えてから行うこと。臨地実習のうち基礎看護学は他の専門領域の基礎であるため、他の専門領域の臨地実習の前に履修させること。

イ 病院見学実習を行う実習施設については、各専門領域ごとに1施設以上、当該養成所が所在する同一都道府県内に確保すること。

ウ 学生の居住地が広域にわたる場合は、学生の利便性を考慮し実習施設を確保すること。また、施設及び実習時期の決定にあたっては、当該学生の意向に十分配慮すること。

エ 実習施設の決定にあたっては、原則として現に学生が勤務している施設以外の病院を選定すること。やむを得ず、実習施設が現に学生が勤務している病院となった場合には、通常勤務している病棟と異なる病棟で実習を行う等の教育上の配慮を行うこと。

オ 面接授業については、学生の受講の便宜を図るため、教室・実習室等の代替施設及び授業の実施に必要な機械器具を確保できる場合については、養成所以外の施設においても行えることとする。

(3) 教育実施上の留意事項

ア 講義は、試験等を含め年間を通じて適切に行うこと。

イ 郵便事情等による不測の事態への対処方針を定めておくこと。

ウ 別表3―2で示す2年課程(通信制)の教育について、臨地実習における面接授業の他に、専門分野Ⅰ、専門分野Ⅱ及び統合分野においては、対面による授業10日を行うこと。対面による授業は、学生が養成所等に通学し、教員と対面し直接指導を受けて、別表3―2の備考を参照し、学生の看護実践能力を把握・評価した上で個別の状況を考慮した教育が行われるものであること。

6 統合カリキュラム

(1) 概要

統合カリキュラムにより教育を行う場合には、保健師養成所又は助産師養成所について、学校教育法第90条に該当する者の入学が認められるとともに、教育の内容のうちの一部の教育内容の単位数が減ぜられること。

(2) 留意点

ア 統合カリキュラムにより教育を行う場合であっても、看護師養成所の指定基準は統合カリキュラムにより教育を行わない場合と同一であること。

イ 修業年限は、4年以上でなければならないこと。

ウ 統合カリキュラムにより教育を受ける者と、それ以外の者が、1の授業科目について同時に授業を受けることのないよう留意すること。

(3) 教育の内容等

ア 保健師・看護師の統合カリキュラムにより教育を行う養成所の教育内容等は別表5を標準とすること。

イ 助産師・看護師の統合カリキュラムにより教育を行う養成所の教育内容等は別表6を標準とすること。

(4) その他の基準

ア 教務主任は、統合カリキュラムにより教育を行う場合には、第5―1―(11)にかかわらず併せて1人としてよいこと。

イ 統合カリキュラムによる教育とそれ以外の教育とを併せて行う養成所にあっては、専任教員については、それぞれ第5―1―(8)に定める数を確保することが望ましいこと。その人数が直ちに確保できない場合には、第5―1―(9)のとおり増員することが望ましいこと。

ウ 普通教室は、同時に行う授業の数に応じ、専用のものを必要な数確保することができるのであれば、保健師養成所又は助産師養成所と共用してよいこと。

第7 施設設備に関する事項

1 土地及び建物の所有等

(1) 土地及び建物は、設置者の所有であることを原則とすること。ただし、貸借契約が長期にわたるものであり、恒久的に学校運営ができる場合は、この限りではないこと。

(2) 校舎は独立した建物であることが望ましいこと。ただし、やむを得ず、他施設と併設する場合は、養成所の運営上の制約を受けることのないよう配慮すること。

2 教室等

(1) 同時に授業を行う学生の数は原則として40人以下とすること。ただし以下の場合についてはこの限りでない。

ア 看護師養成所の基礎分野、准看護師養成所の基礎科目であって、教育効果を十分に挙げられる場合

イ 2年課程(通信制)の面接授業等であって、教育効果を十分に挙げられる場合

(2) 看護師養成所と准看護師養成所とを併設する場合において教育を異なった時間帯において行う場合にあっては、学生の自己学習のための教室が他に設けられているときは、同一の教室を共用とすることができること。また、2年課程(通信制)を設置する場合にあっても学生の自己学習のための教室が他に設けられているときは、2年課程(通信制)とそれ以外の課程とは同一の普通教室を共用とすることができること。さらに、看護師養成所等と助産師養成所を併設する場合において教育を異なった時間帯において行う場合にあっては、学生の自己学習のための教室が他に設けられているときは、同一の普通教室を共用とすることができること。

(3) 図書室の面積は、学生の図書閲覧に必要な閲覧机の配置及び図書の格納のために十分な広さを有すること。図書室の効果を確保するためには、他施設と兼用とすることは望ましくないこと。

(4) 実習室と在宅看護実習室とを兼用とすることは差し支えないが、設備、面積、使用に当たっての時間的制約等からみて教育効果に支障を生ずるおそれがある場合には、専用のものとすることが望ましいこと。

(5) 2以上の養成所若しくは課程を併設する場合において、教育上支障がない場合は実習室を共用とすることは差し支えないこと。この場合、「教育上支障がない」とは、設備、面積、使用に当たっての時間的制約等からみて教育効果に支障がない場合をいうものであること。また実習室を共用する場合にあっては、学生の自己学習のための場の確保について、運用上、十分に配慮すること。

(6) 図書室については、2以上の養成所を併設するものにあっては、いずれかの養成所のものは他の養成所のものと共用とすることができること。

(7) 視聴覚教室、演習室、情報処理室、学校長室、教員室、事務室、応接室、研究室、教材室、面接室、会議室、休養室、印刷室、更衣室、倉庫、及び講堂を設けることが望ましいこと。

(8) 臨床場面を擬似的に体験できるような用具や環境を整備することが望ましいこと。

(9) 2以上の養成所又は課程を併設する場合においては、共用とする施設設備は機能的に配置し、かつ、養成所又は課程ごとにまとまりを持たせること。また、総定員を考慮し教育環境を整備すること。

3 保健師養成所

(1) 公衆衛生看護学の校内実習を行うのに必要な設備を備えた専用の実習室を有すること。

(2) 実習室は、在宅看護、健康相談、健康教育、救急法等の実習を行うのに必要な広さを有すること。なお、実習室には、給湯・給水の設備を設けるとともに、校内実習に要する機械器具、リネン類等を格納する場所を備えること。

4 助産師養成所

(1) 助産診断・技術学等の校内実習を行うのに必要な設備を備えた専用の実習室を有すること。ただし、看護師養成所等に併設する場合において教育を異なった時間帯において行う場合にあっては、学習に支障がない範囲で、同一の実習室を共用とすることができること。

(2) 実習室は、分べん台及び診察台1台当たり20m2以上有し、かつ、新生児及び妊産じょく婦の訪問看護等の実習を行うのに必要な広さを有すること。なお、実習室には、沐浴槽、手術用手洗設備、給湯・給水の設備等を設けるとともに、校内実習に要する機械器具、リネン類等を格納する場所を備えること。

(3) 臨地実習に備えて、宿泊できる設備を確保することが望ましいこと。

5 看護師養成所

(1) 専門領域の校内実習を行うのに必要な設備を備えた専用の実習室を有すること。また、2以上の課程を併設する養成所で実習室を共用とする場合においても、課程数以上の数の実習室を確保することが望ましいこと。

(2) 実習室には、学生4人に1ベッド以上確保し、1ベッド当たり11m2以上の広さを有すること。なお、実習室には、沐浴槽、手術用手洗設備、給湯・給水の設備等を設けるとともに、校内実習に要する機械器具、リネン類等を格納する場所を備えること。

(3) 2年課程(通信制)においては、次について留意すること。

ア 面接授業の実施に必要な教室、実習室等の施設・設備を有すること。なお、既存の課程に併設する場合は兼用することができる。

イ 視聴覚教室等の教室、図書室及び機械器具等については、学生の自己学習の便を図るよう配慮すること。また、図書室の管理については、学生が在宅での学習に支障を来さぬよう、貸し出し等の業務を適切に行うこと。

ウ 学生の自己学習の便宜を図るため、図書、視聴覚教材、ビデオ等の再生機器及びインターネットの環境を整備したコンピューター等の機材等の整備を行うこと。

6 准看護師養成所

(1) 専門科目の教育内容の校内実習を行うのに必要な設備を備えた専用の実習室を有すること。

(2) 実習室には、学生4人に1ベッド以上確保し、1ベッド当たり11m2以上の広さを有すること。なお、実習室には、手術用手洗設備、給湯・給水の設備等を設けるとともに、校内実習に要する機械器具、リネン類等を格納する場所を備えること。

7 機械器具等

(1) 教育上必要な機械器具、模型及び図書は、保健師養成所にあっては別表7に、助産師養成所にあっては別表8に、看護師養成所にあっては別表9に、准看護師養成所にあっては別表10にそれぞれ掲げるものを有すること。ただし、2年課程(通信制)については、別表9に掲げられたもののうち面接授業に必要なものを有すれば差し支えない。さらに、看護師養成所等と助産師養成所を併設する場合において教育を異なった時間帯において行う場合にあっては、同一の機械器具等を共用とすることができること。

(2) 機械器具、模型及び図書は、学生定員数に応じ、適宜補充し更新すること。

第8 実習施設等に関する事項

1 実習指導者

実習指導者となることのできる者は、担当する領域について相当の学識経験を有し、かつ、原則として厚生労働省若しくは都道府県が実施している実習指導者講習会又はこれに準ずるものが実施した研修を受けた者であること。

2 実習施設

(1) 実習施設には、実習生の更衣室及び休憩室が準備されているとともに、実習効果を高めるため討議室が設けられていることが望ましいこと。

(2) 実習施設には、実習に必要な看護用具が整備、充実されていること。

(3) 実習施設は、原則として養成所が所在する都道府県内にあること。

(4) 実習病院が同時に受け入れることのできる学生数は、看護単位ごとに10名を限度とすること。従って、多数の学校又は養成所が実習を行う場合には、全体の実習計画の調整が必要であること。

3 保健師養成所

(1) 実習施設である市町村又は保健所は、次の条件を具備していること。

ア 業務指針が作成され、活用されていること。

イ 業務に関する諸記録が適正に保管されていること。

ウ 学生の実習を受け入れる組織が明確に定められていること。

エ 適当な実習指導者が定められていること。

オ 公衆衛生看護活動が適正に行われていること。

カ 看護職員に対する継続教育が計画的に実施されていること。

(2) 実習施設としては、市町村及び保健所以外に、病院、診療所、訪問看護ステーション、精神保健福祉センターその他の社会福祉施設、学校、事業所等を適宜含めること。

4 助産師養成所

(1) 実習施設である病院、診療所及び助産所は、次の条件を具備していること。

ア 外来を含む産科診療部門の管理体制が適当であること。

イ 分べん介助手順、妊婦、産婦、じょく婦及び新生児の健康診査基準、保健指導基準、看護基準、看護手順等が作成され活用されていること。

ウ 助産師による妊婦、産婦、じょく婦及び新生児に対する健康診査、保健指導及び分べん管理が適切に行われているとともに、諸記録が適正に管理されていること。

エ 外来、産科棟には適当な助産師の実習指導者が定められていること。ただし、診療所及び助産所での実習にあたっては、学生の指導を担当できる適当な助産師を実習指導者とみなすことができること。

オ 看護職員に対する継続教育が計画的に実施されていること。

(2) 実習施設としては、病院、診療所、助産所以外に、保健所、市町村保健センター、母子健康センター等を適宜含めること。

5 看護師養成所

(1) 実習施設として、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学及び看護の統合と実践の実習を行う病院等を確保すること。病院以外として、診療所、訪問看護ステーション、保健所、市町村保健センター、精神保健福祉センター、助産所、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、地域包括支援センター、保育所その他の社会福祉施設等を適宜含めること。また、在宅看護論の実習については、病院、診療所、訪問看護ステーションの他、地域包括支援センター等の実習施設を確保すること。

(2) 主たる実習施設は、実習施設のうち基礎看護学、成人看護学の実習を行う施設であり、次の条件を具備していること。

ア 入院患者3人に対し1人以上の看護職員が配置されていること。ただし、看護職員の半数以上が看護師であること。

イ 看護組織が次のいずれにも該当すること。

(ア) 組織の中で看護部門が独立して位置づけられていること。

(イ) 看護部門としての方針が明確であること。

(ウ) 看護部門の各職階及び職種の業務分担が明確であること。

(エ) 看護師の院内教育、学生の実習指導を調整する責任者が明記されていること。

ウ 患者個々の看護計画を立案する上で基本とするため、看護基準(各施設が提供できる看護内容を基準化し文章化したもの)が使用しやすいよう配慮し作成され、常時活用されていること。さらに、評価され見直されていること。

エ 看護を提供する場合に必要な看護行為別の看護手順(各施設で行われる看護業務を順序立て、一連の流れとして標準化し、文章化したもの)が作成され、常時活用されていること。さらに、評価され見直されていること。

オ 看護に関する諸記録が次のとおり適正に行われていること。

(ア) 看護記録(患者の症状、観察事項等、患者の反応を中心とした看護の過程(計画、実施、実施後の評価)を記録したもの)が正確に作成されていること。

(イ) 各患者に対する医療の内容が正確に、かつ確実に記録されていること。

(ウ) 患者のケアに関するカンファレンスが行われ、記録が正確に作成されていること。

カ 実習生が実習する看護単位には、実習指導者が2人以上配置されていることが望ましいこと。ただし、診療所での実習にあたっては、学生の指導を担当できる適当な看護師を、実習指導者とみなすことができること。

キ 看護職員に対する継続教育が計画的に実施されていること。

(3) 主たる実習施設以外の実習施設については、医療法、介護保険法等で定められている看護職員の基準を満たしていること。他の要件については(2)―イからキまでと同様とすること。

(4) 病院以外の実習の単位数は、在宅看護論の実習を含め指定規則に定める単位数の1割から3割程度の間で定めること。

(5) 訪問看護ステーションについては、次の要件を満たしていること。

ア 複数の訪問看護専任者がいること。

イ 利用者ごとに訪問看護計画が立てられ、看護記録が整備されていること。

(6) 看護師養成所2年課程(通信制)の実習施設については、現に他の看護師学校養成所の実習施設として承認を受けている病院等を選定すること。

6 准看護師養成所

(1) 実習施設として、基礎看護、成人看護、老年看護、母子看護及び精神看護の実習を行う病院等を確保すること。病院以外の実習施設として、診療所、訪問看護ステーション、保健所、市町村保健センター、精神保健福祉センター、助産所、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、地域包括支援センター、保育所その他の社会福祉施設等を適宜含めること。

(2) 主たる実習施設は、実習施設のうち基礎看護、成人看護の実習を行う施設であり、次の条件を具備していること。

ア 入院患者3人に対し1人以上の看護職員が配置されていること。

イ 看護組織が次のいずれにも該当すること。

(ア) 組織の中で看護部門が独立して位置づけられていること。

(イ) 看護部門としての方針が明確であること。

(ウ) 看護部門の各職階及び職種の業務分担が明確であること。

(エ) 看護師の院内教育、学生の実習指導を調整する責任者が明記されていること。

ウ 患者個々の看護計画を立案する上で基本とするため、看護基準(各施設が提供できる看護内容を基準化し文章化したもの)が使用しやすいよう配慮し作成され、常時活用されていること。さらに、評価され見直されていること。

エ 看護を提供する場合に必要な看護行為別の看護手順(各施設で行われる看護業務を順序立て、一連の流れとして標準化し、文章化したもの)が作成され、常時活用されていること。さらに、評価され見直されていること。

オ 看護に関する諸記録が次のとおり適正に行われていること。

(ア) 看護記録(患者の症状、観察事項等、患者の反応を中心とした看護の過程(計画、実施、実施後の評価)を記録したもの)が正確に作成されていること。

(イ) 各患者に対する医療の内容が正確に、かつ確実に記録されていること。

(ウ) 患者のケアに関するカンファレンスが行われ、記録が正確に作成されていること。

カ 実習生が実習する看護単位には、学生の指導を担当できる実習指導者が2人以上配置されていることが望ましいこと。ただし、診療所での実習にあたっては、学生の指導を担当できる適当な看護師を、実習指導者とみなすことができること。

キ 看護職員に対する継続教育が計画的に実施されていること。

(3) 主たる実習施設以外の実習施設については、医療法、介護保険法等で定められている看護職員の基準を満たしていること。他の要件については、(2)―イからキまでと同様とすることが望ましいこと。

(4) 実習施設である診療所は、次の条件を具備していること。

ア 看護手順が作成され、活用されていること。

イ 看護師が配置されていること。

(5) 病院以外の実習は指定規則に定める時間数の1割から3割程度の間で定めること。

第9 管理及び維持経営に関する事項

1 養成所の運営に関係する職員の所掌事務及び組織を明確に定め、これに基づき、養成所の運営に関する諸会議が、学則に基づいた細則に規定されていること。

2 養成所の運営に関する諸書類が保管されていること。

3 教育環境を整備するために必要な措置を講じること。

4 運営経費において、講師謝金、図書費等のほか、必要に応じて、機械器具費、専任教員の研修費等を計上すること。

5 養成所は、教育活動その他の養成所運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表すること。評価については、「看護師等養成所の教育活動等に関する自己評価指針作成検討会」報告書(平成15年7月25日)等を参照すること。

別表1 保健師教育の基本的考え方、留意点等

教育の基本的考え方

1) 個人・家族・集団・組織を含むコミュニティ(共同体)を地域とし、地域及び地域を構成する人々の心身の健康並びに疾病・障害の予防、発生、回復及び改善の過程を社会的条件の中で系統的かつ予測的に捉えてアセスメントし、地域の顕在化・潜在化した健康課題を明確化し、解決・改善策を計画・立案する能力を養う。

2) 地域の人々が、自らの健康状態を認識し、健康の保持増進を図ることができるように支援するとともに、自主的に社会資源を活用できるよう支援し評価する能力を養う。

3) 健康危機管理の体制を整え、健康危機の発生時から回復期の健康課題を早期に発見し迅速かつ組織的に対応する能力を養う。

4) 地域の健康水準を高めるために、保健・医療・福祉サービスを調整し活用する能力及び地域の健康課題の解決に必要な社会資源を開発し施策化及びシステム化する能力を養う。

5) 保健・医療・福祉及び社会に関する最新の知識・技術を主体的かつ継続的に学び、実践の質を向上させる能力を養う。

教育内容

単位数

留意点

公衆衛生看護学

16

 

公衆衛生看護学概論

2

個人・家族・集団・組織を含むコミュニティ(共同体)及び地域を構成する人々の集合体の健康増進・改善を目指すアプローチの基本的な考え方を学ぶ内容とする。

 

 

 

個人・家族の健康課題への支援から地域をアセスメントし、顕在化・潜在化した健康課題を明確にする方法を学ぶ内容とする。

健康課題への支援を計画・立案することを学ぶ内容とする。

人々の健康行動の特性及び効果的な介入方法と技術を学ぶ内容とする。

集団における教育方法や集団力学等を学ぶ内容とする。

個人・家族・集団・組織の支援

 

14

公衆衛生看護活動展開論

地域の人々や医療・福祉等の他職種との協働・マネジメントを学ぶ内容とする。

ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの連動による活動の展開を学ぶ内容とする。

産業保健・学校保健における活動の展開を学ぶ内容とする。

事例を用いて活動や事業の評価を行い、システム化・施策化につなげる過程を演習を通して学ぶ内容とする。

公衆衛生看護管理論

健康危機管理を学ぶ内容とする。

 

 

 

疫学

2

公衆衛生看護活動を展開するうえで、基盤となる疫学調査・分析、活用方法について学ぶ内容とする。

保健統計学

2

公衆衛生看護活動における統計学の基礎、情報処理技術及び統計情報とその活用方法について学ぶ内容とする。

保健医療福祉行政論

3

保健・医療・福祉の計画の企画及び評価について実践的に学ぶ内容とする。

調査で明らかにされた生活環境が人々に及ぼす健康上の影響など、健康に係る社会問題を解決する政策形成過程に活かす方法を学ぶ内容とする。

事例を用いて政策形成過程等に関する演習を行う。

臨地実習

5

 

公衆衛生看護学実習

5

保健所・市町村を含む、保健師が役割を担っている多様な場で実習を行う。

個人・家族・集団・組織の支援実習

2

地域の社会資源を活用し、生活を支援する実習とする。

家庭訪問を通して、地域の健康課題を理解することができる実習とする。

 

 

 

個人と地域全体を連動させながら捉え、地域全体に対してPDCAを展開する過程を学ぶ実習とする。

地域ケアシステムにおける地域の人々や医療・福祉の他職種と協働する方法を学ぶ実習とする。

公衆衛生看護活動展開論実習

 

3

公衆衛生看護管理論実習

地域住民、関係機関や他職種との連携、調整の実際を理解する実習とする。

公衆衛生看護活動の管理や評価、健康危機管理の体制について学ぶ実習とする。

 

 

 

総計

28

890時間以上の講義・実習等を行うものとする。