アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○保育士修学資金貸付等制度の運営について

(平成28年2月3日)

(雇児発0203第2号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

(公印省略)

標記については、「保育士修学資金の貸付け等について」(平成28年2月3日厚生労働省雇児発0203第3号)をもって厚生労働事務次官から通知されたところであるが、この運営に当たっては、次の事項に留意のうえ、所期の目的達成のため、遺憾のないよう配慮されたい。

本通知の施行に伴い、「保育士修学資金貸付制度の運営について」(平成25年2月26日雇児発0226第6号雇用均等・児童家庭局長通知)は廃止するが、本通知の施行以前に保育士修学資金の貸付けを行った者の取扱いは、なお従前の例による。

1 貸付事業の実施主体について

保育士修学資金、保育補助者雇上費、保育料の一部及び就職準備金(以下「修学資金等」という。)の貸付事業(以下「貸付事業」という。)の実施主体は、「保育士修学資金の貸付け等について」(平成28年2月3日厚生労働省雇児発0203第3号)別紙「保育士修学資金貸付等制度実施要綱」(以下「要綱」という。)第2に規定されているところであるが、次の(1)又は(2)に留意の上、取り扱われたいこと。

(1) 都道府県又は指定都市(以下「都道府県等」という。)が実施主体である場合

他の人材確保事業と併せて貸付事業を実施することが効果的である場合も考えられるので、都道府県社会福祉協議会(指定都市の場合は市町村社会福祉協議会。以下同じ。)に対してこれを委託して実施しても差し支えないこと。

(2) 都道府県又は指定都市が適当と認める団体(以下「都道府県等が適当と認める団体」という。)が実施主体である場合

① 実施主体に係る留意点

都道府県等が適当と認める団体が実施主体となる場合は、要綱第2の(2)の規定のとおり、都道府県知事又は指定都市市長(以下「都道府県知事等」という。)が修学資金等の貸付けに当たって必要な指導・助言を行う場合に限られるものであること。

また、都道府県等が適当と認める団体の選定に当たっては、他の人材確保事業と併せて貸付事業を実施することが効果的であることが考えられるので、都道府県社会福祉協議会又は都道府県社会福祉協議会の都道府県福祉人材センターにおいて実施することが望ましいこと。

なお、都道府県等が適当と認める団体については、貸金業法(昭和58年法律第32号)第3条に規定する登録を受けなければならないので留意されたいこと。

② 都道府県等の役割

要綱第2の(2)に規定する「都道府県知事等が修学資金等の貸付けに当たって必要な指導・助言を行う場合」とは、次のアからエまでに掲げる内容をいうものであること。

ア 貸付事業の実施に当たって、都道府県等が適当と認める団体に対して、貸付計画書(少なくとも貸付見込人数、貸付見込額、返還見込額等を盛り込むものとする。)を策定させ、当該計画書(当該計画書の内容を変更する場合を含む。)の内容について承認すること。

イ 都道府県等が適当と認める団体が債権管理を適切に行うことができるものとして定めた要綱第9に規定する修学資金等の返還期間、返還額又は返還方法(当該返還期間等を変更する場合を含む。)について承認すること。

ウ 都道府県等が適当と認める団体が要綱第11の(2)に規定する返還の債務の裁量免除を行う場合、その妥当性について承認すること。

エ その他貸付事業の実施に当たって都道府県等が適当と認める団体に対する必要な指導・助言を行うこと。

2 貸付対象者について

(1) 保育士修学資金貸付

① 貸付対象者は、原則として、養成施設(要綱第3に規定する養成施設をいう。以下同じ。)卒業後、実施主体の都道府県等の区域(貸付けを受けた都道府県の区域内にある指定都市、貸付を受けた指定都市の属する都道府県を含む。また、国立児童自立支援施設等において業務に従事する場合は全国の区域とする。また、東日本大震災における被災県(岩手県、宮城県及び福島県に限る。以下同じ。)以外の都道府県等において貸付けを受け、被災県において業務に従事する場合は、当該都道府県等及び当該被災県とする。以下同じ。)において要綱第8の(1)に規定する業務に従事しようとする者とすること。

ただし、都道府県等の判断により、貸付対象者を当該都道府県等の区域内の市町村の住民基本台帳に記録されている者又は当該都道府県等に住民登録はしていないが当該都道府県等の区域の養成施設に修学する場合(通信制を除く)等であって、卒業後当該都道府県等の区域において要綱第8の(1)に規定する業務に従事しようとする者に限定しても差し支えないこと。

なお、この取扱いによって、2以上の都道府県等又は都道府県等が適当と認める団体(以下「実施主体」という。)から重複して貸し付けることはできないものであるので、申し添える。

② 貸付対象者は、優秀な学生であって、かつ、家庭の経済状況等から真に本修学資金の貸付が必要と認められる者について行うものであること。

ただし、1月あたり貸付対象者の貸付申請時の居住地の生活扶助基準の居宅(第1類)に掲げる額のうち貸付対象者の年齢に対応する年齢区分の額に相当する額以内の加算(以下「生活費加算」という。)については、貧困が親から子へ連鎖する「貧困の連鎖」の防止の観点から、生活保護受給世帯など経済的に困窮する世帯の子どもの社会的・経済的自立を実現するため、生活の安定に資する資格として保育士資格の取得を支援するものであるので、生活費加算の貸付対象者に係る家庭の経済状況は、次のいずれかに該当する者とする。

ア 貸付申請時に生活保護受給世帯の者であって、要綱第3に規定する養成施設に就学する者

イ アに準ずる経済状況にある者として、都道府県知事等が必要と認める者

(例)

前年度または当該年度において、次のいずれかの措置を受けた者

・ 地方税法(昭和25年法律第226号)第295条第1項に基づく市町村民税の非課税

・ 地方税法第323条に基づく市町村民税の減免

・ 国民年金法(昭和34年法律第141号)第89条または第90条に基づく国民年金の掛金の減免

・ 国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第77条に基づく保険料の減免または徴収の猶予

③ 貸付対象者の選定に当たっては当該養成施設から推薦を求めること等により公正かつ適切に行うこと。

ただし、生活保護受給世帯の者などを対象として、養成施設への入学前に貸付対象者の選定を行う場合にあっては、貸付申請は貸付対象者が実施主体に直接行い、当該貸付対象者の居住地を管轄する福祉事務所(以下「福祉事務所」という。)等との連携により適切に行うこと。

また、東日本大震災の被災者にあっては、学業優秀、家庭の経済状況等の要件を問わず、養成施設から被災地出身者等であることを確認の上、適切に行うこと。

なお、貸付対象者の推薦を養成施設へ求める場合にあっては、不当に特定の養成施設に貸付対象者が偏ることのないよう留意するとともに、養成施設から適正な推薦を受ける観点から、常日頃より養成施設との密接な連携を図られたい。

④ 養成施設への入学前に貸付対象者の選定を行う場合には、養成施設への入学選考前に貸付内定を通知するよう努めること。

⑤ 養成施設への入学前に貸付対象者の選定を行う場合において、貸付申請者が貸付申請時に生活保護受給世帯の者である場合の取扱いについては、以下のとおりとすること。

ア 実施主体の長は、選定に当たって次のことを確認すること。

i) ②のうち学業優秀、家庭の経済状況

(確認書類の例)

○ 学業優秀

養成施設からの推薦に替えて、

・貸付対象者が高校生である場合は、高校の調査書、内申書

・上記以外の場合は、養成施設への就学意欲、資格取得後における保育分野での就労意思等

○ 家庭の経済状況

福祉事務所長等が発行する生活保護受給証明書

ii) 貸付による自立助長の効果に関する福祉事務所長の意見

イ 実施主体の長は、生活保護受給世帯の者に対する貸付の可否について、福祉事務所長に対し連絡すること。

ウ 生活費加算と生活保護の支給を同時に受けることはできないこと。

したがって、実施主体の長は、貸付申請時に生活保護受給世帯の者であって、次のいずれかに該当する貸付決定を行った場合には、福祉事務所長が発行する保護変更決定通知書(写)等を貸付対象者から提示させる等により生活保護が廃止されていることを確認すること。

i) 貸付申請時に生活保護受給世帯の高校生であって、高校を卒業し、直ちに養成施設に就学しようとする者に対する貸付決定を行った場合

ii) 貸付申請時に生活保護受給世帯の者であって、i)以外の者に対する生活費加算を含む貸付決定を行った場合

⑥ 生活費加算が「貧困の連鎖」の防止に資するためには、生活費加算を含む貸付金の貸与だけではなく、福祉事務所による支援や他の人材確保事業等と相俟って、その十分な効果が期待されるものと考えられるので、実施主体の長は、福祉事務所、保育士養成施設等の関係機関と連携を密にし、継続的な支援に努めること。

(取組例)

○ 保育士養成施設に在学中の出席状況や学業成績等の就学状況に関する定期的な確認及び支援

○ 保育士養成施設卒業後の保育関係等の求人情報の紹介や就職の斡旋

○ 保育関係の職場に就労後の定着支援やキャリアカウンセリング 等

⑦ 要綱第4の2(1)に掲げる額のうち学費相当分(月額50,000円以内)を貸し付けずに、生活費加算分のみを貸し付けることはできないこと。

⑧ 要綱第8の(1)に規定する中高年離職者については、離職証明等の客観的判断の可能な書類で離職状況を確認すること。

(2) 保育補助者雇上費貸付

① 本貸付は、保育所における保育士の業務負担を軽減するための人材の配置等の強化が求められていることを踏まえ実施するものであることに鑑み、貸付対象者は、原則として保育補助者(要綱第1に規定する保育補助者をいう。以下同じ。)を新たに雇上げる者その他保育士の業務負担軽減を行っている者として都道府県等が適当と認める者とするものであること。

② 当該貸付を受けようとする者は、貸付申請時において、保育補助者が保育士資格の取得を目指すことが確認できる書類(当該事由を明記した雇用契約書や誓約書等)を提出すること。

③ 保育補助者は、子育て支援員研修など保育に関する一定の研修を受講している者か、それと同等以上であると都道府県等が認める者であること。なお、ここでいう「一定の研修」は、当該貸付を受けようとする保育所への勤務開始後、受講することとしても差し支えないこと。

④ 当該貸付を受けようとする者は、貸付申請時において、保育補助者を新たに配置することにより、具体的にどのように保育士の勤務環境が改善されるかについての計画を実施主体に提出すること。

⑤ 当該貸付を受けようとする者は、上記④の計画に基づき、保育士の勤務環境改善を行うこと。

(3) 未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付

① 貸付対象者は、要綱第3の(3)アからクに掲げる施設又は事業(以下「保育所等」という。)に新たに勤務する者とすること。

② 未就学児をもつ保育士に保育料の一部貸付を行う場合は、実施主体は都道府県及び市町村(特別区を含む。以下同じ。)と連携し、当該保育士の子どもを保育所等に優先的に入所させるよう調整等を行うこと。(当該保育士の子どもが調整等によらず保育所等に入所できた場合を含む。)

③ 保育料の一部貸付けを受けようとする者は、貸付申請時において当該者の子どもが保育所等に入所が決定したことが確認できる書類を提出すること。

(4) 就職準備金貸付

① 貸付対象者は、保育士登録後1年以上経過した者かつ要綱第3の(4)の②のアからオに掲げる施設又は事業を離職後、1年以上経過した又は当該施設又は事業に勤務経験のない潜在保育士であって、保育所等に新たに勤務する者とすること。

② 就職準備金の貸付けを受けようとする者は、貸付申請時において就職準備金の使途を明示すること。

(就職準備金の使途の例)

・保育所等への就職によって転居が伴う場合における転居費用

・転居先の賃貸物件の借り上げに伴う礼金や仲介手数料

・保育所等で使用する被服費

・保育所等の勤務に復帰するに当たり研修等を受けた際の研修費用

・保育所等への通勤に要する移動用自転車等の購入費 など

3 貸付期間について

要綱第4の1の(1)に規定する保育士修学資金貸付の「貸付期間」は、原則として2年間とするが、病気等真にやむを得ない事情によって留年した期間中もこれに含めて差し支えないこと。また、正規の修学期間が2年間を超える養成施設に在学している場合は、要綱第4の2の(1)に掲げる額のうち学費相当分(月額50,000円以内)の2年間に相当する金額の範囲内であれば正規の修学期間を貸付期間とすることができる。

4 貸付金の限度について

(1) 保育士修学資金貸付

修学資金は、養成施設に支払う授業料、実習費、教材費等の納付金の他参考図書、学用品、交通費等(生活費加算分については在学中の生活費を含む。)に充当するものであるので、貸付金については、要綱第4の2の(1)に定める金額の範囲内であれば授業料等養成施設に対する納付金の額の如何を問わず、本人の希望する額を貸し付けて差し支えないものであること。

(2) 保育補助者雇上費貸付

保育補助者雇上費は、保育補助者の給与や諸手当のほか、福利厚生費や社会保険料の事業主負担分等に充当するものでもあるので、貸付金については、要綱第4の2の(2)に定める金額の範囲内であれば保育補助者の給与額の如何を問わず、保育補助者雇上費の貸付けを受ける者の希望する額を貸し付けて差し支えないものであること。

(3) 未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付

保育料の一部貸付に当たっては、貸付を受ける者の子どもの保育料に充当する場合のみ貸し付けることができるものであること。

(4) 就職準備金貸付

就職準備金は、上記2の(4)に掲げる使途の例を参考に、保育所等への再就職に当たって必要と考えられるものの費用に対し貸し付けることができるものであること。

5 貸付金の交付方法について

貸付金の交付は、就職準備金貸付を除き、分割又は月決めの方法によるものとする。

6 貸付契約の解除について

要綱第7の1に規定する「資金貸付けの目的を達成する見込みがなくなったと認められるに至ったとき」は、次のいずれかに該当する場合をいう。

(1) 保育士修学資金貸付

① 退学したとき。

② 心身の故障のため修学を継続する見込みがなくなったと認められるとき。

③ 学業成績が著しく不良になったと認められるとき。

④ 死亡したとき。

⑤ その他修学資金貸付けの目的を達成する見込みがなくなったと認められるとき。

(2) 保育補助者雇上費貸付

① 保育補助者が退職し、かつ、直ちに新たな保育補助者の雇上を行わなかったとき又は新たな保育補助者を雇い上げても、当該保育補助者が保育士資格を取得する又はそれに準ずる者として都道府県等が認めることが著しく困難であるとき。

② 保育補助者が心身の故障のため勤務を継続する見込みがなくなったと認められるときであって、直ちに新たな保育補助者の雇上を行わなかったとき又は新たな保育補助者を雇い上げても、当該保育補助者が保育士資格を取得する又はそれに準ずる者として都道府県等が認めることが著しく困難であるとき。

③ 保育補助者が死亡し、かつ、直ちに新たな保育補助者の雇上を行わなかったとき又は新たな保育補助者を雇い上げても、当該保育補助者が保育士資格を取得する又はそれに準ずる者として都道府県等が認めることが著しく困難であるとき。

④ その他保育補助者雇上費貸付の目的を達成する見込みがなくなったと認められるとき。

(3) 未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付

① 退職したとき。

② 心身の故障のため勤務を継続する見込みがなくなったと認められるとき。

③ 死亡したとき。

④ その他保育料の一部貸付の目的を達成する見込みがなくなったと認められるとき。

(4) 就職準備金貸付

① 退職したとき。

② 心身の故障のため勤務を継続する見込みがなくなったと認められるとき。

③ 死亡したとき。

④ その他就職準備金貸付の目的を達成する見込みがなくなったと認められるとき。

7 返還の債務の当然免除について

(1) 保育士修学資金貸付

① 要綱第8の(1)の①に規定する「国立児童自立支援施設等」には、国立高度専門医療研究センター又は独立行政法人国立病院機構の設置する医療機関であって児童福祉法(昭和22年法律第164号)第27条第2項の委託を受けた施設、肢体不自由児施設「整肢療護園」及び重症心身障害児施設「むらさき愛育園」を含むものとする。

② 要綱第8の(1)の①に規定する「従事先施設」とは、次のアからケの施設等とする。

ア 児童福祉法第6条の2の2第2項に規定する「児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設」、同条第4項に規定する「児童発達支援センターその他の厚生労働省令で定める施設」、第7条に規定する「児童福祉施設(保育所を含む)」、同法第12条の4に規定する「児童を一時保護する施設」及び同法第18条の6に規定する「指定保育士養成施設」

イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する「幼稚園」のうち次に掲げるもの

・ 教育時間の終了後等に行う教育活動(預かり保育)を常時実施している施設

・ ウに定める「認定こども園」への移行を予定している施設

ウ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第6項に規定する「認定こども園」

エ 児童福祉法第6条の3第9項から第12項までに規定する事業であって、同法第34条の15第1項の規定により市町村が行うもの及び同条第2項の規定による認可を受けたもの

オ 児童福祉法第6条の3第13項に規定する「病児保育事業」であって、同法第34条の18第1項の規定による届出を行ったもの

カ 児童福祉法第6条の3第2項に規定する「放課後児童健全育成事業」であって、同法第34条の8第1項の規定により市町村が行うもの及び同条第2項の規定による届出を行ったもの

キ 児童福祉法第6条の3第7項に規定する「一時預かり事業」であって、同法第34条の12第1項の規定による届出を行ったもの

ク 子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)第30条第1項第4号に規定する離島その他の地域において特例保育を実施する施設

ケ 児童福祉法第6条の3第9項から第12項までに規定する業務又は第39条第1項に規定する業務を目的とする施設であって法第34条の15第2項、第35条第4項の認可又は認定こども園法第17条第1項の認可を受けていないもの(認可外保育施設)のうち、次に掲げるもの

i) 法第59条の2の規定により届出をした施設

ii) i)に掲げるもののほか、都道府県等が事業の届出をするものと定めた施設であって、当該届出をした施設

iii) 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第116条に定める事業所内保育施設設置・運営等支援助成金の助成を受けている施設

iv) 「看護職員確保対策事業等の実施について(平成22年3月24日医政発0324第21号)」に定める病院内保育所運営事業の助成を受けている施設

v) 国、都道府県又は市町村が設置する児童福祉法第6条の3第9項から第12項までに規定する業務又は法第39条第1項に規定する業務を目的とする施設

③ 保育士登録を行った者が要綱第8の(1)の①に規定する業務に従事することができなかった場合であって、養成施設卒業後1年以内に要綱第8の(1)の①に規定する職種以外の職種に採用された者については、都道府県知事等が本人の申請に基づき要綱第8の(1)の①に規定する業務に従事する意思があると認めた場合、要綱第8の(1)の①及び第9の(2)に規定する「養成施設を卒業した日から1年以内」を、「養成施設を卒業した日から2年以内」と読み替えて差し支えないこと。

④ 要綱第10の2の(2)に規定する「その他やむを得ない事由」は、例えば育児休業等により要綱第8の(1)の①に規定する業務に従事することが困難であると客観的に判断できる場合であること。

(2) 保育補助者雇上費貸付、未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付及び就職準備金貸付

第10の2の(2)に規定する「その他やむを得ない事由」は、例えば育児休業等により要綱第8の(2)の①、(3)の①及び(4)の①に規定する業務に従事することが困難であると客観的に判断できる場合であること。

8 返還の債務の裁量免除について

(1) 要綱第11の(1)及び(2)に規定する返還の債務の裁量免除は、相続人又は要綱第6に規定する保証人へ請求を行ってもなお、返還が困難であるなど、真にやむを得ない場合に限り、個別に適用すべきものであること。

また、要綱第11の(3)及び(4)に規定する返還の債務の裁量免除は、本貸付事業が要綱第8に規定する業務に従事した者の定着促進を図るものであることから、その適用は機械的に行うことなく貸付けを受けた者の状況を十分把握のうえ、個別に適用すべきものであること。この場合、貸付けを受けた期間以上所定の業務に従事した者であっても、本人の責による事由により免職された者、特別な事情がなく恣意的に退職した者等については、適用すべきではないこと。

(2) 裁量免除の額は、当該都道府県等の区域内において、要綱第8に規定する業務に従事した期間を、修学資金等の貸付けを受けた期間の2分の5(中高年離職者等については2分の3)に相当する期間で除して得た数値(この数値が1を超えるときは、1とする)を返還の債務の額に乗じて得た額とすること。

9 国庫補助対象事業について

(1) 都道府県等が実施主体である場合

この貸付事業のための国庫補助は、当該年度の貸付金総額から当該年度中における過年度の修学資金の返還金の総額に相当する金額を控除した金額を対象として行うものであること。

(2) 都道府県等が適当と認める団体が実施主体である場合

この貸付事業のための国庫補助は、都道府県等が適当と認める団体がこの貸付事業の実施に必要な貸付金及び貸付事務費を対象として措置するものとする。

なお、貸付事務費は、1の貸付につき毎年度4,275千円(保育士修学資金貸付において生活費加算を行う場合にあっては5,775千円)までの範囲で使用できることとする。

また、この貸付事業を都道府県と当該都道府県の区域内にある指定都市が、同一の団体を都道府県等が適当と認める団体とした場合であっても、都道府県等が適当と認める団体が使用できる貸付事務費は、上記の範囲内であること。

10 会計経理について

(1) 都道府県等が実施主体である場合

この貸付事業のために、特別会計を設定することは義務づけられていないが、事業の性格に鑑み、当該国庫補助対象事業の会計経理区分を明確にすること。特に、国庫補助を受けない都道府県等負担の事業を併せ実施する場合は、明瞭に区分しておくこと。

(2) 都道府県等が適当と認める団体が実施主体である場合

都道府県等が適当と認める団体においては、特別会計を設定してこの貸付事業の会計経理を明確にすること。

また、当該特別会計については、毎年度、当該年度における貸付件数、貸付額、返還額等の貸付事業決算書を策定し、都道府県知事等に報告しなければならないものであること。

都道府県知事等は、報告を受けた貸付事業決算書を国に報告しなければならないものとする。

11 事業の廃止について

本事業の目的を達成したと認められるときその他本事業を終了する必要があると国及び都道府県等が認めるときは、本事業の全部又は一部を廃止するものとする。なお、この場合における精算に当たっては、要綱第14の3の規定に基づき行うこと。