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○被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う事務の取扱いについて

(平成27年9月30日)

(年管管発0930第13号)

(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業管理部門担当理事・年金給付業務部門担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知)

(公印省略)

被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号。以下「一元化法」という。)が平成24年8月22日に、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係政令の整備等に関する政令(平成27年政令第342号。以下「整備令」という。)、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生年金保険の保険給付等に関する経過措置に関する政令(平成27年政令第343号。以下「経過措置政令」という。)、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成27年厚生労働省令第153号。以下「整備省令」という。)が平成27年9月30日に公布された。

一元化法の内容については、「「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」の公布について」(平成24年8月22日付け年発0822第2号)により、整備令、経過措置政令、整備省令の主な内容については、「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係政令の整備等に関する政令等の公布について」(平成27年9月30日付け年発0930第4号)により日本年金機構理事長あて通知されたところであるが、これらの施行に伴う事務の取扱いについては、下記のとおりであるので、遺漏のないよう取り扱われたい。

第1 事務処理の概要

1.適用・徴収に関する事務

下表のとおり、一元化法施行後の記録の管理、適用・徴収業務に関する事務は、厚生年金の被保険者期間とみなされる過去の共済組合等の加入期間を含め、それぞれの区分ごとに、従来どおり各実施機関が行うこと。

施行前の期間

施行後の厚生年金被保険者の種別

実施機関

厚生年金保険の被保険者

第1号厚生年金被保険者

厚生労働大臣(日本年金機構(以下「機構」という。)

国家公務員共済組合の組合員

第2号厚生年金被保険者

国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会

地方公務員等共済組合の組合員

第3号厚生年金被保険者

地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会

私立学校教職員共済制度の加入者

第4号厚生年金被保険者

日本私立学校振興・共済事業団

2.年金給付に関する事務

(1) 年金給付に関する届出等のワンストップサービス

① 平成27年10月1日(以下「一元化法施行日」という。)以降に受給権が発生する受給権者の厚生年金に関する届書等については、一部の届書等を除き、各実施機関で統一した様式を使用し、どの実施機関においても受付及び必要となる審査を行うこと。(以下「ワンストップサービス」という。)

② 受付した届書等については、画像化を行い、共済情報連携システムにより所管の実施機関に回付を行うことにより情報連携を行うこと。(以下「電子回付」という。)

③ 共済組合等(機構以外の実施機関をいう。以下同じ。)が受付等を行うワンストップサービスの対象とされた基礎年金に係る届書等については、機構へ電子回付が行われること。

(2) 年金の決定・支給業務

① 老齢厚生年金及び長期要件の遺族厚生年金については、それぞれの加入期間ごとに各実施機関が決定・支給事務を行うこと。年金証書及び各種通知書も各実施機関がそれぞれ発行すること。

② 障害厚生年金、障害手当金及び短期要件の遺族厚生年金については、原則として、それぞれ初診日又は死亡日に加入していた実施機関が、他の実施機関の加入期間分も含め年金額を計算し、決定・支給事務を行うこと。年金証書及び各種通知書は当該決定を行う実施機関(以下「とりまとめ実施機関」という。)が発行すること。

3.年金相談に関する事務

(1) 一元化法施行日以降の年金相談

① 一元化法施行日以降に厚生年金の受給権が発生する者であって、共済組合等の加入期間を有するものについては、機構においても(2)のとおり年金相談を行うこと。

② 機構で行う年金相談は厚生年金に関するものに限り、施行前に受給権が発生した共済年金に関する年金相談は、共済組合等で行うよう案内すること。

(2) 共済組合等が管理する記録に係る年金相談

共済組合等が管理する受給権者記録及び被保険者記録について、機構で年金相談を行うものは次のとおりとすること。

① 受給権者記録に関する年金相談

各共済組合等が支払を行う一元化法施行日以降に受給権が発生する厚生年金についての年金額、年金額の変更理由、支払額等に関する照会への対応。ただし、年金額の決定・改定に至った経緯等の確認は各共済組合等を案内すること。

② 被保険者記録に関する年金相談

各共済組合等の加入期間を有する者からの被保険者記録(加入期間や標準報酬月額等)に関する照会への対応。ただし、加入期間の調査依頼や標準報酬月額等の決定の経緯等の確認は各共済組合を案内すること。

③ 年金の受給資格の有無に関する年金相談

一元化法施行日以降に厚生年金の受給権が発生する者からの受給資格要件に関する照会への対応。

第2 適用・徴収に関する事務

1.厚生年金被保険者の資格の同月得喪に係る事務

厚生年金被保険者の資格を取得した月に当該資格を喪失し、さらに当該資格と種別が異なる厚生年金被保険者の資格又は国民年金の被保険者(国民年金法第7条第1項第2号に規定する第2号被保険者を除く。)の資格を取得した者は、厚生年金の被保険者期間に当該月が算入されないこととされたことから、当該者に係る当該月分の厚生年金保険料及び子ども・子育て拠出金の納付は不要となるため、還付等必要となる事務処理を行うこと。

2.昭和12年4月1日以前生まれの者に係る「70歳以上被用者該当・不該当届」等に係る事務

事業主又は船舶所有者(以下「事業主等」という。)は、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第27条に規定する70歳以上の使用される者(以下「70歳以上被用者」という。)のうち、昭和12年4月1日以前生まれの者については、同条に規定する事項を厚生労働大臣に届け出ることを要しないとされていたが、一元化法施行日以降は、当該者についても老齢厚生年金の在職支給停止が行われることから、事業主等は「70歳以上被用者該当・不該当届」等を機構に届け出る必要があること。

なお、一元化法施行日前から適用事業所に使用されている70歳以上被用者については、該当するに至った年月日を一元化法施行日とするが、これらの者に対しては在職支給停止額に係る激変緩和措置が適用されることから、一元化法施行日前から適用事業所に使用されている旨を確認すること。

3.「養育期間標準報酬月額特例申出書」に係る事務

3歳に満たない子を養育することとなった日の属する月の前月が各共済組合等の加入期間に属する場合であっても、当該前月を厚生年金保険法第26条第1項に規定する基準月として、同条に規定する特例を適用することができるようになることから、該当する被保険者又は被保険者であった者は「養育期間標準報酬月額特例申出書」を機構に届け出る(被保険者にあっては、その使用される事業所の事業主を経由して行う。)ことができるものであること。

なお、基準月が各共済組合等の加入期間に属する場合は、同項に規定する従前標準報酬月額を実施機関に確認する必要があることから、基準月において各共済組合等に加入していた旨を確認すること。

第3 ワンストップサービス等に関する事務

1.ワンストップサービスに関する事務の留意事項

(1) ワンストップサービスの対象とする届書等

診断書やレントゲンフィルムの添付を伴う障害給付の届書等や、機械読取方式の帳票などを除き、原則として、年金給付に関する届書をワンストップサービスの対象とすること。(別表参照)

(2) ワンストップサービスに係る経過措置

一元化法施行日前に受給権が発生した厚生年金の受給権者に関する届書等については、基本的には引き続き機構が、共済年金に関する届書等は、基本的には引き続き共済組合等が受付等を行うこと。

(3) 留意事項

① ワンストップサービスの対象となる届書等については、当該届書等を受け付けた実施機関において必要となる内容審査、不備返戻等の対応を行うものであること。ワンストップサービスの対象としない届書等が、所管の実施機関以外に提出された場合は、受付を行うことなく、届出者等へ届出先の実施機関の案内等を行うこと。

② ワンストップサービスの対象となる届書等については、一の実施機関へ提出されたことにより他の実施機関へも提出されたものとみなされることから、受付日は他実施機関の受付日と同日となるが、ワンストップサービスの対象とならない届書等の受付日は従来どおり、機構で受付を行った日となることに留意すること。

2.電子回付及び届書等の保管に関する事務の留意事項

(1) 複数の届書等に共通する添付書類の取扱い

ワンストップサービスの対象となる届書等が同時に複数提出された場合において、必要な添付書類が一通しか添付されていないときでも、届書等ごとに必要な添付書類を画像化し、電子回付すること。

(2) 添付書類の添付漏れ等への対応

① 原則として、ワンストップサービスの対象となる届書等において、各実施機関が共通で必要となる添付書類の漏れや不備等への対応については、受付実施機関が行うこと。

② 原則として、回付先の実施機関においてのみ追加で必要になる届書等があった場合、添付漏れ等不備があった場合には、回付先の実施機関が届出者等への連絡などの対応を行うこと。

(3) 情報連携による添付書類の省略及び電子回付

ワンストップサービスの対象となる届書等については、受付を行った実施機関において情報連携(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下「番号利用法」という。)第19条第7号の規定に基づく番号利用法第2条第8項に規定する特定個人情報の提供の求め及び提供をいう。)を行い、情報照会結果の帳票を画像化して他の実施機関へ電子回付を行うこと。情報連携に係る事務の取扱いについては「国民年金法施行規則等の一部を改正する省令の施行に伴う事務取扱等について」(令和元年6月11日付け厚生労働省年金局事業企画課長/厚生労働省年金局事業管理課長通知。年管企発0611第1号/年管管発0611第1号。)に基づき行うこと。

(4) 原本の保管

ワンストップサービスの対象となる届書等は、電子回付後、当該届書等を受け付けた実施機関において原本を保管すること。

3.年金加入期間確認通知書の取扱い

(1) 年金加入期間確認通知書の省略

共済情報連携システムにおいて、年金の決定に必要となる共済組合等の加入期間、共済組合等の加入期間に係る合算対象期間が確認できる場合は、年金加入期間確認通知書の添付は不要とすること。

(2) 一部の特殊期間に係る確認

共済情報連携システムで取得できない加入期間の情報のうち、75歳以上の沖縄特例等、一部の特殊期間を有する者については、受給権者等の請求手続きによらず、実施機関間において当該情報の確認を行うこと。

(3) 年金加入期間確認通知書の添付が必要な期間

(1)において共済情報連携システムで確認できない期間((2)の特殊期間を除く)に係る年金加入期間確認通知書については、現行どおり、添付が必要となること。

(4) 年金事務所における年金加入期間確認通知書の発行

(1)以外の合算対象期間を確認するための年金加入期間確認通知書については、現行どおり、受給権者等の請求に基づき年金事務所で発行すること。

4.共済情報連携システムの確認による添付書類の省略等の取扱い

(1) 年金の支給状況を確認するための書類等

届書等に添付を必要としていた、年金の支給状況を確認するための書類等については、共済情報連携システムにおいてその事実等が確認できる場合は、添付を不要とすること。

(2) 年金証書

届書等に添付を必要としていた年金証書は、原則として、添付を不要とし、確認が必要なものについては、年金手帳その他基礎年金番号を明らかにすることができる書類の添付を求めること。

第4 老齢給付に関する事務

1.年金請求書に係る事務

(1) ターンアラウンドの年金請求書等

① 二以上の種別の厚生年金期間を有する者に対しては、全実施機関を通じて共通で記載する部分(以下「共通部分」という。)と各実施機関の独自で記載を求める部分(以下「独自部分」という。)を合わせた様式の老齢年金請求書を送付すること。(以下「ターンアラウンド請求書」という。)

② ターンアラウンド請求書の内容点検については、共通部分については受け付けた実施機関で審査等を行い、各独自部分は、受け付けた実施機関では記載漏れ等の点検のみを行い、不備等の対応については回付先の実施機関が行うこと。

③ ターンアラウンド請求書は、原則として、被用者年金の最終加入期間を有する実施機関から送付を行うこと。ただし、特別支給の老齢厚生年金の受給権を有しない者の65歳到達時の送付は、単一共済の加入者を除き、機構においてすべて送付を行うこと。

④ 支給開始年齢が実施機関間で異なる場合(機構における女子の特例等、地方公務員等共済組合における特定警察職員及び特定消防組合員の特例)のターンアラウンド請求書に関しては各実施機関が送付を行い、地方公務員等共済組合のみで受給権が発生している間はワンストップサービスの対象外とすること。

(2) 65歳到達時の年金請求書

① 特別支給の老齢厚生年金又は特別支給の退職共済年金の受給権者が65歳に到達する際の老齢厚生年金の請求書(ハガキ形式)の送付・受付等はワンストップサービスの対象外とし、引き続き各実施機関で行うこと。

② 一元化法施行前の特別支給の退職共済年金の受給権がある者のうち未請求である者が、65歳到達以降に老齢厚生年金の請求を行う場合は、ワンストップサービスの対象として他実施機関への年金請求書の電子回付を行うこと。

(3) 受給資格期間の要件の判定等

原則として、一元化法施行後の老齢給付の資格期間等の判定において、二以上の種別の厚生年金期間が合算されるもの、合算されないものについては、主に次のとおりであるので留意の上、事務を行うこと。

<期間が合算されるもの>

特別支給の老齢厚生年金の資格要件(12月)、加算・停止等の期間要件(240月)(加給年金額、振替加算)

<期間が合算されないもの>

長期加入の特例(44年)、定額部分の月数計算(480月)、経過的加算の月数計算(480月)、中高齢者の特例(40歳以後15年)、船員の支給開始年齢の特例

(4) 年金請求書の扶養親族等申告書

年金請求書に付随する扶養親族等申告書は、実施機関ごとにそれぞれ提出を求めるものとし、複数制度を有する者についてはそれぞれ記載するものとし、受け付けした実施機関が該当する実施機関へ電子回付した後に原本を各実施機関に郵送にて送付すること。

(5) 一元化法施行日に受給権が発生する者への勧奨等

厚生年金期間と共済組合等の加入期間を合算すること等により、一元化法施行日に特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生する者については、機構において要件の判定を行った後、対象者に年金請求書を送付すること。

2.国会議員又は地方議会議員である者の届出に係る事務

(1) 国会議員又は地方公共団体の議員に係る老齢厚生年金の在職支給停止

国会議員又は地方公共団体の議会の議員(以下「国会議員等」という。)も在職による老齢厚生年金の支給停止が行われることに伴い、次の表の①から⑤に該当したときは、速やかにいずれかの実施機関に次の表のとおり、届出を行わなければならないこと。

 

届出事項

添付書類

① 老齢厚生年金の受給権者が国会議員等となったとき又は国会議員等である者が受給権者となったとき

氏名、生年月日、住所、基礎年金番号、老齢厚生年金の年金証書の年金コード(以下「氏名等」という。)、国会議員等となった年月日、国会議員等である日の属する月における歳費月額等及び所属する議会の名称

国会議員等となった年月日及び国会議員等である日の属する月における歳費月額等を明らかにすることができる書類。ただし、届書に議会事務局等による証明等を受けたときは、添付を省略できる

② 国会議員等である老齢厚生年金の受給権者が期末手当の支給を受けたとき

氏名等、期末手当の支給を受けた年月日及び期末手当の額

支給を受けた年月日及び支給を受けた期末手当の額等を明らかにすることができる書類。ただし、届書に議会事務局等による証明等を受けたときは、添付を省略できる

③ 老齢厚生年金の受給権者が厚生年金の被保険者、国会議員等又は70歳以上の使用される者(以下「被保険者等」という。)となった場合において、被保険者等となった日の属する月以前1年間(当該老齢厚生年金を受ける権利を取得した日前の期間に限る。)に期末手当の支給があるとき又は国会議員等である者が受給権者となったとき

氏名等、期末手当の支給を受けた年月日及び期末手当の額

支給を受けた年月日及び支給を受けた期末手当の額等を明らかにすることができる書類。ただし、届書に議会事務局等による証明等を受けたときは、添付を省略できる

④ 国会議員等である老齢厚生年金の受給権者が支給を受けている標準報酬に相当する額に変更があったとき

氏名等、標準報酬月額に相当する額の変更のあった年月日及び変更後の額

変更のあった年月日および変更後の国会議員等である日の属する月における歳費月額等を明らかにすることができる書類。ただし、届書に議会事務局等による証明等を受けたときは、添付を省略できる

⑤ 国会議員等である老齢厚生年金の受給権者が国会議員等でなくなったとき

氏名等及び国会議員等でなくなった年月日

 

(2) 届書等の提出の求め及び一時差止めについて

① (1)の表の①に該当したときの届書等については、厚生労働大臣から求められたときは、厚生労働大臣が指定する期限までにこれに応じなければならないこととされ、正当な理由がなく当該届書等の提出に応じない場合には、機構が支給する老齢厚生年金の支払いの一時差止めをすることができること。一時差し止め後に老齢厚生年金受給権者から当該届書等の提出があった場合には、差し止めの解除を行うこと。

② 機構は、(1)の表の①に該当したときの届書等について、機構が支給する老齢厚生年金受給権者に対し、翌々月の末日までの期間で期限を定め提出を求めること。この場合において、当該届書等が提出期限までに提出されないときは老齢厚生年金の支給を一時差し止めること。

③ 一元化法施行日前から受給権を有する国会議員等である老齢厚生年金の受給権者(一元化法施行日以後に当該受給権者となった者を除く。)についても、速やかに機構に届出を行わなければならないこと。この届書等について、提出の求めを行った場合において、当該届書等が提出期限までに提出されないときも、一時差止め等を行うこと。

(3) 日額の方法で定められている議員報酬の取扱い

議員報酬が日額の方法で定められている場合は、議員報酬が支払われた月の前月以前の1年間における議員報酬の支給の対象となった会議、委員会その他の活動に当該議員報酬の支払を受ける議員が参加した日数(同日に行われるものについては1日とみなして算出した日数とする。)を12(当該議員の就職した日の属する月から当該議員報酬が支払われた月の前月までの月数が12に満たない場合にあっては、当該月数)で除して得た数に当該議員に係る議員報酬の日額を乗じて得た額を議員報酬の額として支給停止額を計算すること。

3.老齢厚生年金の支給繰上げに係る事務

二以上の種別の厚生年金期間を有する者の老齢厚生年金の繰上げ請求については、それぞれの実施機関の老齢厚生年金について同時に行わなければならないこと。この繰上げ請求書は、いずれの実施機関にも提出できることとし、受け付けた実施機関は該当する実施機関へ電子回付すること。

4.老齢厚生年金の支給繰下げ及び老齢厚生年金の請求(65歳支給)に係る事務

(1) 二以上の種別の厚生年金期間を有する者の老齢厚生年金の繰下げ請求については、それぞれの実施機関の老齢厚生年金について同時に行わなければならないこと。この繰下げ請求書は、いずれの実施機関にも提出できることとし、受け付けた実施機関は該当する実施機関へ電子回付すること。

(2) 一元化法施行前の老齢厚生年金又は退職共済年金の受給権者が、一元化法施行日以降に繰下げ請求を行う場合についても、(1)と同様に、同時に行わなければならないこととされたため、老齢厚生年金の繰下げ請求があった場合は、当該繰下げ請求書を退職共済年金の各所管実施機関へ電子回付すること。

(3) 一元化法施行前の退職共済年金と老齢厚生年金の受給権者であって、いずれか一方の年金を施行日前からすでに受給している者は、もう一方の年金について繰下げ請求を行う場合は、施行日の前日に繰下げ請求があったものとみなされること。老齢厚生年金の繰下げ請求があった場合は、施行日の前日に請求が行われたものとして処理を行うこと。なお、この取扱いに該当する者については、施行時において繰下げ請求書等の提出手続きが必要となることから、案内及び勧奨等の対応を行うこと。

5.障害者特例及び長期加入者の特例に係る事務

(1) 障害者特例及び長期加入者の特例の該当者がいずれかの種別の厚生年金被保険者である場合は、特例による定額部分の支給は停止となることに留意すること。

(2) 障害者特例請求書については、診断書の診査を含め、ワンストップサービスの対象とすること。

(3) 支給開始年齢が実施機関間で異なる場合(機構における女子の特例等、地方公務員等共済組合における特定警察職員及び特定消防組合員の特例)で、先に発生した老齢厚生年金において障害者特例に該当しているときは、後に発生した老齢厚生年金請求時においても、障害者特例に該当しているものとすること。

(4) 一元化法施行前に長期加入者の特例及び障害者特例に該当している老齢厚生年金と退職共済年金の受給権者で、施行前から引き続き厚生年金被保険者又は共済組合員等である場合は、定額部分の支給停止は行わないこと。

6.老齢基礎年金受給権者の老齢厚生年金請求書に係る事務

すでに老齢基礎年金を受給している者が老齢厚生年金の請求書を提出する場合については、ワンストップサービスの対象外とすること。

7.在職老齢年金に係る事務の留意事項

(1) 在職支給停止額の計算

二以上の種別の老齢厚生年金の受給権者又は老齢厚生年金と退職共済年金の受給権者の老齢厚生年金の在職支給停止額は、両方の年金額を合算したうえで全体の支給停止総額を算出し、支給停止総額をそれぞれの年金の額で按分した額を、それぞれの年金の支給停止額とすること。

(2) 70歳以上の者の在職支給停止

昭和12年4月1日以前生まれの者は70歳以上であっても老齢厚生年金の在職支給停止は行わないとしていたが、すべての70歳以上の者について老齢厚生年金の在職支給停止(国会議員等である者の在職支給停止を含む。)が行われることとなったこと。

この在職支給停止は、昭和60年改正前の旧法の老齢年金等においても適用され、停止額は定額部分を含めて65歳以上の者に係る計算と同様の方法により計算すること。

(3) 在職支給停止額に係る激変緩和措置の適用

① 改正前の特別支給の老齢厚生年金又は老齢厚生年金の受給権者であって、施行日前から引き続き共済組合員(私学共済の加入者又は国会議員若しくは地方議会議員を含む。以下同じ。)である場合の在職支給停止については次のとおりとすること。

ア 改正前の特別支給の老齢厚生年金の受給権者

年金と賃金の合計額の10%又は年金と賃金の合計額から35万円を控除した額のいずれか低い方を支給停止額の上限とすること。

イ 改正前の老齢厚生年金の受給権者

年金と賃金の合計額の10%を支給停止額の上限とすること。

② 退職共済年金の受給権を有する者の老齢厚生年金(施行日において65歳以上)の支給停止等に関しては次のとおりとすること。

ア 改正前の退職共済年金と老齢厚生年金の受給権者(いずれか一の年金が施行日前に受給権発生している場合に限る。)であって、施行日前から引き続き厚生年金被保険者又は共済組合員である場合は、両方の年金の額を合算したうえで全体の支給停止総額を算出し、支給停止総額をそれぞれの年金の額で按分した額を、それぞれの年金の支給停止額とすること。

イ 上記②アの場合において、改正後の在職支給停止額が改正前の在職支給停止額(調整前支給停止額)と総報酬月額相当額及び共済年金を含めた基本月額の合算額から調整前支給停止額を控除した額の10%との合算額(支給停止相当額)を超える場合は、その支給停止相当額を上限とし、支給停止相当額をそれぞれの年金の額で按分した額を、それぞれの年金の支給停止額とすること。

③ 退職共済年金の受給権を有する方の特別支給の老齢厚生年金(施行日において60歳以上65歳未満)の支給停止等に関しては次のとおりとすること。

ア 改正前の退職共済年金又は特別支給の老齢厚生年金の受給権者(いずれか一の年金が施行日前に受給権発生している場合に限る。)であって、施行日前から引き続き厚生年金被保険者又は共済組合員である場合は、両方の年金の額を合算したうえで全体の支給停止総額を算出し、支給停止総額をそれぞれの年金の額で按分した額を、それぞれの年金の支給停止額とすること。

イ 上記③アの場合において、改正後の在職支給停止額が改正前の在職支給停止額(調整前特例支給停止額)と総報酬月額相当額と共済年金を含めた基本月額の合算額から調整前特例支給停止額を控除した額の10%との合算額(特例支給停止相当額)を超える場合は、特例支給停止相当額又は調整前特例支給停止額と総報酬月額相当額及び共済年金を含めた基本月額の合算額から35万円を控除した額との合算額(特例支給停止額)のいずれか低い方を支給停止額の上限とし、特例支給停止相当額又は特定支給停止額をそれぞれの年金の額で按分した額を、それぞれの年金の支給停止額とすること。

④ 70歳以上(昭和12年4月1日以前生まれ)の老齢厚生年金の受給権者について、改正前の平成16年改正法附則第43条第1項に規定する老齢厚生年金の受給権者であって、施行日前から引き続き適用事業所に使用されている者又は共済組合員である場合、施行後の在職支給停止については、上記①イと②ア及びイの計算による支給停止額とすること。

(4) 資格喪失時の老齢厚生年金額の改定(退職改定)

厚生年金の被保険者資格喪失時に老齢厚生年金の受給権者であった場合は、資格喪失日から起算して1月を経過した日の属する月から年金額を改定することとされていたが、退職等をした日から起算して1月を経過した日の属する月から年金額を改定すること。

(5) 月末退職者の老齢厚生年金の在職支給停止

これまで月末に退職した者の在職支給停止については、資格喪失日が翌月1日となることから、退職の翌月分まで在職支給停止となっていたが、月末に退職した者が、翌月に再度厚生年金の資格取得をしなかった場合には、退職の翌月分の年金について在職支給停止を行わないこと。

8.加給年金額等の取扱い

(1) 二以上の種別の厚生年金期間を有する者の加給年金額については、政令で定める優先順位に基づいて、優先順位の高い一の年金に加算するものであること。

<政令で定められた優先順位>

① 加給年金額の加算開始が最も早い年金に加算すること。

② 同時の場合は額計算の基礎となる厚生年金の期間が長い年金に加算すること。

③ 期間の長さも同じ場合は、第1号厚生年金期間、第2号厚生年金期間、第3号厚生年金期間、第4号厚生年金期間に基づく年金の順に加算すること。

(2) 加算後に厚生年金に加入したことにより期間の長さが逆転した場合であっても、加算を行う年金の変更は行わないこと。また、65歳到達時に期間の長さが逆転した場合であっても、加算する年金の変更は行わないこと。

(3) 一元化法施行日以降に、次の①から④の場合に該当したときは、二以上の厚生年金期間を合算して、加給年金額の要件を判定すること。

① 老齢厚生年金の受給権が発生する場合(通常は65歳到達時)

② 退職改定が行われた場合

③ 離婚分割により2号改定者又は被扶養配偶者として年金分割が行われた場合

④ 社会保障協定による外国通算期間の追加又は外国通算期間の追加に伴う年金額改定が行われた場合

(4) 一元化法施行前の退職共済年金(月数が240月未満のものに限る)と老齢厚生年金の受給権者が、(3)の場合に該当したときに、期間を合算して240月以上に至った場合は、共済組合等の加入期間の長さに関わらず、老齢厚生年金に加給年金額を加算すること。

(5) 一元化法施行前に加給年金額が加算されている老齢厚生年金の受給権者の配偶者について、施行後に厚生年金期間を合算することにより、加給年金額が支給停止となる場合であっても支給停止は行わないこと。また、一元化法施行前に振替加算額が加算されている老齢基礎年金の受給権者について、施行後に厚生年金期間を合算することにより振替加算の不該当となる場合であっても、不該当としないこと。

第5 障害給付に関する事務

1.年金請求書の取扱い

(1) 受付・審査等

① 障害給付の年金請求書については、診断書やレントゲンフィルムの添付を伴うため、ワンストップサービスの対象外とすることとし、実際に支給決定を行う実施機関が受付・審査を行うこと。

② 障害認定基準、初診日の認定方法等は実施機関共通の基準で診査等を行うものとすること。

(2) 年金額の決定等

障害厚生年金及び障害手当金については、原則として、初診日に加入していた実施機関において、他の実施機関の期間分について計算された金額を合算して年金額を決定・支給すること。

(3) 審査請求の取扱い

二以上の種別の厚生年金期間を有する者の障害厚生年金の処分について審査請求があったときに、不服の内容がとりまとめ実施機関以外に対するものであっても、とりまとめ実施機関の審査会等が審査請求の対応を行うこと。

(4) 特殊期間及び一時金返還期間を有する者のとりまとめ実施機関

① 原則として、初診日のある実施機関がとりまとめ実施機関となるが、請求者が次のアからオの特殊期間を有する場合は、当該特殊期間を有する実施機関が、保有する期間中に初診日がない場合であっても、とりまとめ実施機関として受付・審査・決定等を行う取扱いとすること。

ア 追加費用対象期間

イ 沖縄農林共済期間

ウ 沖縄控除期間

エ 沖縄特例納付期間

オ 地方公共団体の長の特例加算を有する期間

② 原則として、初診日のある実施機関がとりまとめ実施機関となるが、退職一時金の返還等が生じる場合は、アからウのとおり、とりまとめ実施機関とすること。

ア 一時金返還期間が1つの場合

初診日のある実施機関以外で返還等が生じる場合にあっては、返還等が生じる実施機関とする。

イ 一時金返還期間が2つの場合

初診日のある実施機関で返還が生じる場合にあっては、初診日のある実施機関をとりまとめ実施機関とする。初診日のある実施機関で返還が生じない場合にあっては、返還が生じる一の期間(※)をとりまとめ実施機関とする。

※ 優先順位については③ウと同様

ウ 特殊期間と一時金返還期間の両方を有する場合にあっては、特殊期間を有する実施機関をとりまとめ実施機関とする。

③ 2以上の特殊期間を有する場合及び一時金返還期間を複数有する場合は、アからウのとおりとすること。

ア 2以上の特殊期間(追加費用対象期間あり)を有する場合にあっては、追加費用期間を有する実施機関とする。

イ 2以上の特殊期間(追加費用対象期間なし)を有する場合にあっては、加入期間の長い実施機関とする。ただし、加入期間の長さが同じ場合は、第1号厚生年金期間、2号厚生年金期間又は第3号厚生年金期間、第4号厚生年金期間の順とする。

ウ 一時金返還期間を複数有する場合にあっては、第2号厚生年金期間、第3号厚生年金期間、第4号厚生年金期間の順とする。

④ 一時金返還の申出を受け付ける実施機関と年金の支払いを行う実施機関が異なる場合は、返還の申出を受付した実施機関において、現金等により返還の事務が行われること。

⑤ ①から③によりとりまとめ実施機関を変更した場合は、それに付随する基礎年金に係る事務もとりまとめ実施機関となる共済組合等で行われること。

(5) 同月得喪期間内に初診日がある者のとりまとめ実施機関

同月得喪期間内に初診日があり、当該期間が、初診日がある日に加入していた実施機関に係る期間とならない場合であって、受給権者が当該実施機関の期間を有していないときは、とりまとめ実施機関を次の①・②のとおりとすること。

① 同月内に種別変更があった場合は、変更後の種別(2回以上変更があった場合は最後の種別)の実施機関をとりまとめ実施機関とすること。

② 同月が国民年金の期間である場合は、請求者が有する最も長い加入期間の種別の実施機関をとりまとめ実施機関とし、加入期間が同じ場合は、第1号厚生年金期間、第2号厚生年金期間、第3号厚生年金期間、第4号厚生年金期間の順にとりまとめ実施機関とすること。

(6) 共済組合等からの納付要件の確認等

一元化後の障害厚生年金の決定に必要な共済組合等における納付要件の確認において、情報連携システムにおいて納付要件が確認できない場合は、次の①から⑥の確認のため、機構に対し、国民年金の記録を確認するものとしたこと。

① 初診日前1年間のうちに滞納がないこと

② 納付(後納含む)年月日が初診日よりも前であること

③ 3号特例届出年月日が初診日よりも前であること

④ 免除(学特・納付猶予含む)申請年月日が初診日よりも前であること

⑤ 一部免除・納付年月日が初診日よりも前であること

⑥ 特定期間該当(3号不整合)届出年月日が初診日よりも前であること

2.障害状態確認届に係る事務

これまで障害等級1・2級の障害共済年金が在職支給停止されていた場合は、障害状態確認届を機構が送付していたが、障害共済年金の在職支給停止が廃止されたことに伴い、一元化法施行日以降は各共済組合等が送付することとしたこと。

第6 遺族給付に関する事務

1.年金請求書の取扱い

(1) 受付・電子回付等

① 短期要件か長期要件にかかわらず、ワンストップサービスの対象とし、いずれの実施機関でも受付を行うこと。

② 短期要件と長期要件の両方を満たす場合は、短期要件のとりまとめ実施機関が、短期要件と長期要件のいずれかの判断・決定を行い、結果を各実施機関へ通知すること。

③ 短期要件の場合のとりまとめ実施機関は、原則として、死亡日に加入していた実施機関とし、次のアからウの該当要件の順位とすること。

ア 被保険者(失踪宣告を受けた者で、行方不明となった当時被保険者であった者を含む。)が死亡したとき。

イ 1・2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したとき。

ウ 被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したとき。

イに該当する場合で、複数の障害年金の受給権を有している場合は、受給権の発生が後発の年金を支給する実施機関を優先すること。

④ 機構において決定する短期要件の遺族厚生年金であっても、共済組合等においては経過的職域加算額のみの支給を行う場合があるため、短期要件の遺族厚生年金の年金請求書については、期間を有する実施機関へ電子回付を行うこと。

(2) 年金額の決定等

遺族厚生年金(短期要件)については、とりまとめ実施機関において他の実施機関の期間分について計算された金額を合算して年金額を決定・支給すること。

(3) 審査請求の取扱い

二以上の種別の厚生年金期間を有する者の遺族厚生年金(短期要件)の処分について審査請求があったときに、不服の内容がとりまとめ実施機関以外に対するものであっても、とりまとめ実施機関の審査会等が審査請求の対応を行うこと。

(4) 20歳未満の子の障害認定結果の共有

20歳未満で障害等級1・2級の状態である子の障害認定については、短期要件であっても添付された診断書に基づき、請求書を受け付けた実施機関が行い、認定結果を共有等するものとし、電子回付等を受けた他の実施機関は当該認定結果に基づき事務を行うものとすること。

(5) 特殊期間及び一時金返還期間を有する者のとりまとめ実施機関の変更

① 年金額計算の対象となる期間に共済組合の追加費用対象期間を有する者がそれ以外の加入期間も有する場合について、

ア 長期要件の場合は、追加費用対象期間を有する実施機関は遺族共済年金、それ以外の実施機関は遺族厚生年金として決定するものであること。

イ 短期要件の場合は、全ての被保険者(組合員)期間と追加費用対象期間を計算の基礎として遺族共済年金として決定することから、所管の共済組合へ請求書の電子回付を行うこと。

② 特殊期間及び一時金返還期間を有する者のとりまとめ実施機関の取扱いは、第5の障害給付に関する事務1(4)の取扱いと同様の取扱いとすること。

(6) 同月得喪期間内に死亡日がある者のとりまとめ実施機関の変更

同月得喪期間内に死亡日があり、当該期間が、死亡日がある日に加入していた実施機関に係る期間とならない場合であって、死亡者が当該実施機関の期間を有していないときは、第5の障害給付に関する事務1(5)の初診日の取扱いと同様の取扱いとすること。

(7) 共済組合等からの納付要件の確認等

一元化後の遺族厚生年金の決定に必要な共済組合等における納付要件の確認において、情報連携システムにおいて納付要件が確認できない場合は、第5の障害給付に関する事務1(6)と同様の取扱いとすること。

2.1年以上所在不明であることによる遺族厚生年金の支給停止・支給停止解除申請書

二以上の種別の遺族厚生年金を受給している場合、1年以上所在不明であることによる支給停止又は支給停止解除の届出については、同時に行わなければならないこと。

3.遺族年金受給権者の障害該当届

二以上の種別の遺族厚生年金を受給している場合で、遺族厚生年金の受給権者である18歳到達年度の末日までの間にある子・孫が障害の状態となったときの障害該当届については、ワンストップサービスの対象とし、当該届書を受け付けた実施機関の障害認定結果を共有するものとし、電子回付等を受けた他の実施機関は認定結果に基づき事務を行うものとすること。

第7 脱退一時金に関する事務

(1) 受付・審査等

① 脱退一時金請求書はワンストップサービスの対象外とすること。

② 二以上の種別の厚生年金期間を有する外国人の脱退一時金の支給要件については、それぞれの期間を合算し支給要件を判定すること。

③ 二以上の種別の厚生年金期間を有する外国人の脱退一時金については、一の実施機関が取りまとめて決定、支給すること。とりまとめ実施機関の取扱いは次のとおりとすること。

ア 国民年金の納付済期間等の合計が6月以上の場合は、厚生年金期間に関わらず、機構をとりまとめ実施機関とすること。

イ 国民年金の納付済期間等の合計が6月未満の場合は、被用者年金の最終加入期間である実施機関をとりまとめ実施機関とすること。

④ 租税条約関係の書類が併せて提出された場合は受付の上、処理すること。

(2) 添付書類の取扱い

① 「日本に住所を有しないこと」の要件確認については、日本国内に住所を有しないことを明らかにすることができる書類(住民票の除票等)を添付すること。ただし、各実施機関が住基ネットの確認による住民票消除の情報等で、日本に住所を有しなくなった年月日が確認できる場合は、添付を不要としたこと。

② ①において、住基ネット等で日本に住所を有しないことの確認が取れない場合は、不支給処分とせずに、請求しようとする者に対し、次の事項を説明するとともに、当該請求書を返戻する取扱いとすること。

ア 日本国内に住所を有する間は脱退一時金の請求はできないこと。

イ 既に日本国外に居住している場合は、住民票の転出手続きを行う必要があること。機構は、併せて国民年金の資格喪失の手続きの案内をすること。

(3) 経過措置

資格喪失日又は日本国内に住所を有しなくなった日のうち、いずれか遅い方の日付が一元化法施行日前である場合は、経過措置により改正前の法律を適用し、厚生年金の種別ごとに各実施機関で決定、支給すること。

第8 その他給付関係の事務に係る留意事項

1.生計維持関係等の認定の取扱い

(1) ワンストップサービスの対象となる届書等に係る生計維持関係等の認定については、届書等の審査の一部であることから、当該届書等を受け付けした実施機関において認定を行うこと。

(2) 生計維持関係等の認定は、「生計維持関係等の認定基準及び認定の取扱いについて」(平成23年3月23日付け年発0323第1号)を実施機関共通の認定基準として取り扱うこと。

(3) 届書等の受付・審査を行った実施機関の生計維持関係等の認定結果は、同一の原因による給付を行う場合においては、各実施機関間で共有するものとし、電子回付等を受けた他の実施機関は当該認定結果に基づき事務を行うこと。

(4) 特別支給の老齢厚生年金の加給年金額対象者の生計維持関係等の確認方法は、現行の機構の取扱いで実施機関間において統一したこと。(必要な添付書類等の提出を請求時に求めて認定を行い、加給年金額の加算時には加算開始の届書の提出を求める。)

2.住民基本台帳ネットワークシステムによる生存確認情報の取扱い

ワンストップサービスの対象となる届書等のうち、住基ネットによる本人確認情報の提供を受けることができるときは添付を省略できることとされている届書等については、受付・審査を行った実施機関において確認した生存に関する情報を、各実施機関間で共有するものとし、電子回付等を受けた他の実施機関は当該生存に関する情報に基づき事務を行うものとすること。

3.端数処理に係る取扱い

(1) 年金額については、これまでの百円単位(50円未満切捨て50円以上切上げ)から円単位(50銭未満切捨て50銭以上切上げ)に変更することとされたが、その変更時期は次のとおりであること。

ア 一元化法施行日以降に新たに年金の受給権が発生したとき。

イ 一元化法施行日前から引き続き年金を受給している場合は、一元化法施行日以降、最初に年金額が改定されたとき。(毎年4月分の年金においてスライド改定が行われることから、遅くとも平成28年4月分から変更となる。)

(2) 年金の各期支払期における支払額に1円未満の端数が生じたときは、切り捨てた端数の合計額を2月期の支払額に加算して支払うこととされたが、当該端数の加算については、年金振込通知書において、2月支払期の支払額の欄を追加し、当該加算額を追加した支払予定額を記載するものとすること。

4.年金受給選択申出書の取扱い

選択申出書は基本的にワンストップサービスの対象となるが、障害年金を選択する場合においては診断書の添付による障害認定が必要となる場合があることから、当該障害年金を支給している実施機関へ提出するよう案内すること。

5.年金受給権者所在不明届

所在不明届はワンストップサービスの対象とするが、その後の現況申告書の提出等の現況確認や支払差止めの取扱いについては、それぞれの実施機関で対応することとしたこと。

6.支給停止申出書及び支給停止撤回申出書

(1) 支給停止の申出及び撤回は、同一の支給事由に基づく他の種別の期間に係る年金と同時に行わなければならないこと。

(2) 配偶者が受給権者となっている遺族厚生年金に関して、当該配偶者が遺族厚生年金の支給停止の申出を行った場合は、子に対する遺族厚生年金の全額を支給することとされていたが、配偶者が遺族厚生年金の支給停止の申出を行った場合であっても、子に対する遺族厚生年金の全額を引き続き支給停止すること。

7.第三者行為事故状況届

第三者行為事故状況届についてはワンストップサービスの対象とし、同一の支給事由に基づく他の種別の期間に係る年金を有する場合の第三者行為による損害賠償額と年金の支給調整については、損害賠償額の価額をそれぞれの年金の額に応じて按分した価額を限度とすることとされたため、各実施機関間で情報連携の上事務を行うこと。

8.年金の内払調整

年金の内払調整は同一の種別の期間に係る年金の間で行うこととし、他の種別の期間に係る年金との内払調整は行わないこと。

第9 受給権者の諸変更届等に係る事務

1.年金受給権者住所変更届

(1) 受付した実施機関の厚生年金の給付がない場合であっても、ワンストップサービスの対象とすること。

(2) 一の実施機関が受付を行うことにより、他の実施機関においても受付を行ったものとみなされるため、支給を行っている実施機関はすべて住所変更を行うものであること。

2.年金受給権者受取機関変更届

(1) 受付した実施機関の厚生年金の給付がない場合であっても、ワンストップサービスの対象とし、一の届書により複数の実施機関の給付に係る変更を可能とすること。

(2) 変更希望のない給付に係る実施機関への電子回付は行わないこと。

3.年金受給権者氏名変更届

(1) 受付した実施機関の厚生年金の給付がない場合であっても、ワンストップサービスの対象とすること。受付した実施機関において、他の実施機関の年金証書が添付された場合についても、受け付けした実施機関が廃棄等の対応を行うこと。

(2) 一の実施機関が受付を行うことにより、他の実施機関においても受付を行ったものとみなされるため、支給を行っている実施機関はすべて氏名変更を行うものであること。

(3) 氏名変更を行った実施機関においてそれぞれ新しい氏名で年金証書の発行を行うものであること。

4.年金証書再発行申請書

(1) 受付した実施機関の厚生年金の給付がない場合であっても、ワンストップサービスの対象とし、一の届書により複数の実施機関の給付に係る再発行申請を可能とすること。

(2) 再発行希望のない給付に係る実施機関への電子回付は行わないこと。

(3) 再発行申請のあった実施機関においてそれぞれ年金証書の再発行を行うものであること。

5.未支給請求書・死亡届

(1) 一元化法施行日以降に死亡した受給権者の未支給請求書・死亡届は、ワンストップサービスの対象とすること。

(2) 複数の種別の厚生年金受給者が死亡した場合の未支給請求書については、窓口受付時にすべての年金の未支給請求が可能である旨の案内及び受付を行い、各号ごとに別々の同順位の異なる請求者としたい旨の申出があった場合は、別々の受付を可能としていること。

6.その他各種再発行帳票の申請書

源泉徴収票、振込通知書、改定通知書等の各種帳票の再発行申請についても、原則として、ワンストップサービスの対象とすること。

第10 離婚分割に関する事務

1.情報提供請求書

(1) 受付・電子回付事務

① 情報提供請求書はワンストップサービスの対象とすること。

② 受付実施機関において、分割対象期間内に当該実施機関の期間がない場合は、次の優先順位でとりまとめ実施機関を変更すること。

ア 対象期間内の請求者における直近の加入実施機関

イ アの場合で請求者が国民年金期間のみ又は未加入者のときは対象期間内の配偶者における直近の加入実施機関

③ 情報通知書については、他の実施機関の期間もとりまとめて一の通知書を送付することになるが、差出者名は通知する実施機関とすること。

④ 請求期限(2年)超過等で情報提供の却下処分を行ったことに対する審査請求への対応については、とりまとめ実施機関が行うこと。

(2) 年金見込額試算

他の実施機関の加入期間に係る年金見込額の照会を希望する旨申出があった場合には、情報通知書で通知した情報を連絡票等で提供し、他の実施機関は提供された情報を基に年金見込額を当該請求者へ送付すること。

(3) 内容点検等

① 情報提供請求時の事実婚関係の認定については、これまで各実施機関において行ってきた認定方法とすること。

② 情報提供対象期間内に国民年金第3号被保険者期間がある場合は、共済組合等においても情報連携システムにより確認を行うこととなるが、必要に応じて、共済組合等から機構に対して文書等により証明書の発行依頼が行われるので対応を行うこと。

2.標準報酬改定請求書

(1) 受付・電子回付事務

① 二以上の種別の厚生年金期間を有する者の標準報酬の改定請求については、他の種別の期間に係る改定請求と同時に行わなければならないこと。

② 標準報酬改定請求書はワンストップサービスの対象とすること。

③ 標準報酬改定請求書は受付実施機関から1号改定者又は特定被保険者期間の加入期間を有する実施機関へ電子回付を行うが、当該加入期間を有しない実施機関で受付を行った場合は、対象期間内の1号改定者又は特定被保険者期間の直近の期間の実施機関へとりまとめ実施機関を変更すること。

④ 原則として、二以上の種別の厚生年金加入者については、1号改定者の判断を行うため情報提供請求を求めることとするが、請求者の合意を得られない場合は、情報連携システムでの記録の確認及び情報通知の内部処理を行うことにより確認を行うものとすること。

(2) 内容点検等

① 情報通知の際に行われた事実婚の認定結果は、改定請求が別の実施機関で行われた場合であっても、その結果に基づき事務を行うこと。改定請求時に初めて行う事実婚関係の認定については、これまで各実施機関において行ってきた認定方法とすること。

② 分割対象期間内に国民年金第3号被保険者期間がある場合は、共済組合等においても情報連携システムにより確認を行うこととなるが、必要に応じて、共済組合等から機構に対して文書等により証明書の発行を依頼が行われるので対応を行うこと。

③ 厚生年金保険法施行規則第78条の3第2項の規定が適用される場合において、按分割合に関する審判の申立て後に、審判に代わり調停が成立した場合等における請求に必要な添付書類については、按分割合を定めた調停等の謄本又は抄本及び審判等の申立をした日を証する書類となるので留意すること。

(3) 標準報酬改定の計算等

① 按分割合については、二以上の種別の厚生年金期間を合算し、1つの期間を有するものとみなして計算すること。

② 二以上の種別の厚生年金期間を有する者の標準報酬の改定については、それぞれの期間ごとに標準報酬総額を計算して、それぞれの標準報酬総額を合算した額により算出した改定割合により、各実施機関が標準報酬の改定・年金額の改定を行うこと。

③ 一元化法施行後の改定割合の計算は次のとおりとなること。

改定割合=按分割合-(2号改定者の1~4号厚生年金期間の標準報酬総額÷1号改定者の1~4号厚生年金期間の標準報酬総額)×(1-按分割合)

(4) みなし期間により受給権が発生する者への対応

2~4号厚生年金期間の特別支給の老齢厚生年金の受給権を有している者において、標準報酬改定により第1号厚生年金期間のみなし期間を有することにより第1号厚生年金期間に係る特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生する者については、標準報酬改定通知書を発送する際に年金請求書の案内を行うこと。

(5) 経過措置等

① 一元化法施行前の厚生年金期間と共済組合等の加入期間を有する者の一元化法施行日前にそれぞれの機関から発行された情報通知書については、基本的に一元化法施行後の標準報酬改定請求を行う際には無効な書類となること。

② ただし、一元化法施行日前にそれぞれの実施機関から発行された情報通知書に基づき、一元化法施行日前に裁判所において年金分割事件の審判等の申立てを行っている場合については、経過措置により、引き続き一元化法施行前の方法により、実施機関ごとの標準報酬改定を請求できること。

③ ②の経過措置による請求があった場合は、当該審判等の申立てをした日を証する書類の添付を求めること。

第11 旧三共済及び農林共済(統合共済)に係る事務

1.旧三共済の追加費用対象期間に係る年金給付の額の特例に係る事務

(1) 退職共済年金の減額

① 退職共済年金の額(注1)が控除調整下限額(注2)以上であるときは、減額算定の対象とし、退職共済年金の額(注3)から、追加費用対象期間(注4)に係る額の27/100に相当する額(控除額)(注5)を減額すること。

(注1) 老齢基礎年金又は障害基礎年金が支給される場合はその額を加算した額。

(注2) 控除調整下限額は、230万円に政令で定める率を乗じた額。

(注3) 老齢基礎年金又は障害基礎年金が支給される場合は、その額のうち組合員期間に係る部分に相当する額を加算した額=控除前退職共済年金額。

(注4) 昭和34年10月前の恩給期間。(国等が費用を負担している期間。)

(注5) 控除額の計算にあたっては、退職共済年金のうち追加費用対象期間に係る額を計算したうえで27/100に相当する額を算出する。

② 上記①で計算した「控除額」が「控除前退職共済年金額」の10/100に相当する額より多いときは、10/100に相当する額を「控除額」とすること。

③ 「控除額」を減額した後の退職共済年金の額が、「控除調整下限額=230万円に政令で定める率を乗じた額」を下回るときは、「控除調整下限額=230万円に政令で定める率を乗じた額」を退職共済年金の額とすること。

(2) 障害共済年金及び遺族共済年金の減額

1(1)の退職共済年金の減額と同様であること。

ただし、老齢基礎年金、障害基礎年金又は遺族基礎年金が支給される場合は、これらを加算した額で減額するか判定するとともに、減額を計算すること。

2.その他変更事項に係る事務

(1) 遺族年金の転給制度の廃止

先順位者の受給している遺族年金が失権したとき、法令で定められた順位に基づき次順位者へ支給することとされていたが、一元化法施行日以降に失権した場合は支給しないこと。(平成27年9月以前において先順位者が受給している遺族年金も含む。)

(2) 在職支給停止に係る事務

在職支給停止について、一元化法施行後は複数の年金が支給されている場合は、これらを合算したうえで支給停止額を決定することとされたこと等から、旧三共済の年金についても同様の厚生年金保険法に基づく在職支給停止が適用されること。

第12 その他

1.被保険者種別の名称について

(1) 厚生年金被保険者種別(第1号~第4号)の名称については、現行の国民年金被保険者種別(第1号~第3号)との混乱を招かないよう、下記のとおりとすること。

厚生年金被保険者の種別

名称

略称

第1号厚生年金

一般厚年

一般厚年

第2号厚生年金

国共済厚年

公務員厚年

第3号厚生年金

地共済厚年

第4号厚生年金

私学共済厚年

私学厚年

(2) 一元化法施行後の共済年金における旧職域加算額については、各実施機関で統一して「経過的職域加算額(共済年金)」と表記することとしたこと。

2.既裁定共済年金に係る届書等の一部回付

(1) 既裁定共済年金の届書等に係る法令及び主務省令の規定

一元化法施行前に既に裁定済である共済年金(以下「既裁定共済年金」という。)に係る届書等については、ワンストップサービスの対象外であるが、既裁定共済年金の受給権者が同時に厚生年金の受給権者である場合であって、機構に厚生年金の届書等の提出があった場合には、既裁定共済年金の届書等の提出があったものとみなすこと又は記載事項や添付書類を省略できることが主務省令で規定されたこと。

また、一元化法施行後に既裁定共済年金と厚生年金の両方の受給権を有する者は、繰下げ請求又は66歳以降に行う65歳時の年金請求について、同時に行わなければならないとされたこと。

(2) 機構から電子回付を行う既裁定共済年金に係る届書等

(1)のことから、厚生年金に係る以下の届書等の提出があった場合は、既裁定共済年金の有無を確認し、当該既裁定共済年金の所管の実施機関へ厚生年金の届書等の電子回付を行うこと。

① 未支給請求書(請求書において既裁定共済年金に係る未支給請求も併せて行う意思が確認できるときに限る)及び死亡届

② 年金受給権者住所変更届

③ 年金受給権者氏名変更届

④ 議員在職支給停止関係届

⑤ 老齢厚生年金支給繰下げ請求書

⑥ 老齢厚生年金請求書(65歳支給)

3.海外居住者・海外送金関係の取扱い

(1) 海外居住者の取扱い

① 年金請求書等において海外の金融機関での受け取りの希望があった場合は、所管の実施機関へ電子回付等を行うが、当該金融機関が使用できないなどの対応は、回付先の各実施機関で対応を行うこと。

② 海外居住者の現況確認等は各実施機関でそれぞれ対応を行うこと。ただし、海外居住者が年金請求時に提出する在留証明書等の確認等はワンストップサービスの対象となること。

(2) 海外送金関係の取扱い

① 海外送金に関する届書等については、各実施機関において送金通貨の取扱いが異なることから、様式の統一等は行わず、ワンストップサービスの対象外とすること。

② 支払者が税務署へ提出する租税条約に関する各種書類は、必ず届出者が記載を行った原本を提出しなければならないため、ワンストップサービスの対象外とすること。

(別表)

一元化法施行後の届書等の取扱い

1.ワンストップの対象とする届書